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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1541.  刑事物語5 やまびこの詩
シリーズ最終作、もうあまり中身も無い気もするのですが(事件自体はかなりどうでもいい内容)、その分、スッキリはしております。 若き日の鈴木保奈美のレオタード姿で有名な作品でもあり、だいぶヘタなダンスだったという記憶があったのですが、久しぶりに見てみたら、いや、意外にちゃんとしてまして(これ以上を望むのは、ちょっと酷かと)。 それより、このレオタード姿があればこそ、武田鉄矢演じる片山刑事の短足ぶりもいつも以上に目立つというもの。ずんぐりした体型で一生懸命走る姿に、「らしさ」が溢れてます。 とりあえず事件はさておき、賀来千香子と鈴木保奈美が適度に襲われて、武田鉄矢がそこに絡めればそれでいい訳ですが、後輩の殉職などもそこに加わり、彼らの関係に変化をつけます。この殉職事件、全体的には物語の中で収まりがやや悪いですが、雨の中、後輩のフィアンセに一言も喋らせなかったのは、ナイスプレーだと思います。 このシリーズ、オチャラケの部分は多々ありますが、格闘シーンはあくまで本気モード、月並みですがその落差みたいなものが、やっぱりイイですね。 そして本作、ラストの駅がいい。他に乗客のいない夜の電車がいい。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-06 11:14:59)
1542.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 
そもそも、レイ・ミランドごときがグレース・ケリーの夫だなんて、おかしいだろ、と言いたくなるのですが、心配ご無用、ちゃんと、夫婦の間はギクシャクしてます。って、何に安心してんだか。 と言う訳で、夫が代理殺人により妻を亡き者にしようとするも、事件は意外な方向へ、ってなオハナシで、だから犯人と犯行の模様は我々に明らかにされている、いわゆる倒叙モノですが、ミステリ色が濃く、その点が制約となったのかどうか。特に最初の30分くらいは会話シーンが続き、この部分がどうも説明めいた印象を与えてしまいます。 この場面では、犯行現場となる部屋の間取りや調度をじっくり描いておきたいところですが、後の展開で重要な役割を果たすアイテム(ドア、カーテン、電話など)の提示は意外に控えめ。もうちょっと印象づける描写があってもいいような気がするけど。その代わり、犯行に関与しない白手袋だのステッキだのを、レイ・ミランドは妙に強調し、これがイマイチぴんと来なくって。おそらく、彼がステッキを手放すのは、「実はステッキ無しで歩ける事を相手に示す=ここから密談が始まる」という合図、なんでしょうけど、あまり効果的な描写であるように思えません。 一方、いよいよ犯行の描写となると、これはもうお手のもの。しっかりと我々の視線を引きつけ、振り回してみせます。電話を掛ける場面ではわざわざ交換器の映像まで挿入して視覚化してみせる。一種の稚気だろうけど、見せ場の時間を引き延ばす、サスペンス上の効果も。 ミステリとして凝っている分、終盤の「謎解き」の部分はまた、少々、理屈っぽくなってしまいますが、暗い部屋で犯人を待ち構えるクライマックスなどは、スリリングに盛り上がります。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-06 10:30:09)(良:1票)
1543.  ワイルド・アット・ハート
ブルーベルベットの辺りから、何をやっても「狙ってるなあ」としか思われなくなってるのが、リンチの不幸なところでもあり、自業自得なところでもあるのでしょうか。本作でも冒頭にR.シュトラウスの「4つの最後の歌」が流れてきて、「ああ、またヤッテルなあ」と思っちゃう。なんというか、リンチ自身は興味ないくせに「場違いなモノならなんでもいいや」みたいな、投げやりな感じ。 しかしこの一見投げやりな感じ、テキトーそうなものを実は一生懸命作り込んでる感じが、彼の持ち味とも言えるのでしょう。本作などは、適度な「やり過ぎ感」で、難解な印象を与える事も無く、作品世界を作り上げてます。 もっとも、映画終盤ではそれがついにブッ壊れて、ここだけ殆ど別の映画みたいになってしまっており(そこでチンピラどもに礼をいうか?)、ここからラストにかけてが一番印象的なシーンとなっているのが、ちょっと皮肉でもあります。 という、リンチ版・地獄の逃避行。ニコラス・ケイジが実は結構「動ける」男であるコトも、作品によく表れています。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-06 09:27:06)
1544.  FULL METAL 極道<OV>
うじきクン演じる心優しきダメやくざが騙し討ちにあって、兄貴分と一緒に射殺されてしまうが、無敵の改造人間として蘇るオハナシ。ビデオ作品と言うことで、開き直ったようなチープさが溢れてますが、それを逆手に取ったように、残酷描写やエロ描写はかなりエスカレートしていて、苦笑交じりの笑いを呼びます。とりあえず、良い子は見ない方がいいかも。 なぜ彼が蘇らせられたのかは、殆どマトモな理由など無いも同然なのですが、蘇った以上は、自分たちをハメた連中に復讐しなければならぬ。しかも彼の体には、アニキの心臓、刺青、そして○○○が移植されていて。 その破壊的なパワーを駆使したバトルも見どころですが、彼を取り巻く人々との間に紡がれる物語が、終盤、映画をさらに加速させます。 バカバカしい作品ですが、バトルの見せ方にも工夫が凝らされていて(ドラム缶を一刀両断!)、こりゃなかなかのもんです。 でも良い子は見ないように。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-05 18:43:05)
1545.  アイズ ワイド シャット
この映画が言わんとしていることは、額面通り受け取ると要するに、「トム・クルーズは奥さん以外の女性とエロい事しようと、仮面乱交パーティに潜りこもうとするけれど、どうせ仮面つけてて相手が誰か判らず、すなわち相手は誰でもいいんだから、奥さんに仮面つけてもらったらいいじゃない」、ってコトですよね、きっと。 そもそも奥さんってのがニコール・キッドマン、映画冒頭からやたらスタイルいいところを見せまくって、それは我々の目からは一目瞭然明らかなのに、(当時は実生活でも)身近であるが故にそれに気付いてないのか、イマイチ無頓着なトム・クルーズ。 そもそも彼は、そりゃ役どころは「ハンサム過ぎるお医者さん」ではあるけれど、身長がやや足りない。これで仮面被っちゃうと、ただのチンケなオッサンになってしまう。なんか、こういう時に限って、周囲の出演者の身長が妙に高かったりして。 そういう時はシークレットシューズを履けば良いのだけど、キューブリックは履かせなかった。確か、スタローンもブリジット・ニールセンより背が低かったけど『コブラ』出演中だけはスタローンの方が高かった、とかいう話、無かったっけ? とにかくそんな感じで(どんな?)、普通の作品なら主人公が次第に迷宮に誘い込まれるところ、本作では中盤に早くも迷宮世界に彷徨いこみ、早々に追いだされちゃう。だけど迷宮の外に出たところで、そこに待つのは、嫉妬心を始めとする、煩悩という迷宮。というわけで、後半、ややグズグズの展開になってしまった感もありますが。ラストは落語のサゲみたいにスパッとシメてくれました。 それにしても、あの前衛舞踏めいた乱交シーンは、キューブリックではなく石井輝男に撮ってもらいたかったなあ。 あと、使用されている音楽、今回は珍しく耳に馴染み易いチョイス(ショスタコーヴィチのジャズ組曲)、かと思いきや、途中からはやっぱり、リゲティのとびきりしつこい奴(ムジカ・リチェルカータ)となるのでした。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-05 13:01:17)
1546.  宇宙大怪獣ドゴラ 《ネタバレ》 
デーブ・スペクターみたいな外国人タレントって、昔からいたんだなあ、と。 この映画、こういうタイトルではありますが、基本は宝石窃盗団と当局との戦いのオハナシです。そういうのを、例えば大嵐の中の戦いとして描くとか、何か天変地異と絡めた物語とする、というのなら、まあアリかな、と思うのですが、本作はその代わりに「宇宙大怪獣の襲撃」を背景として描くもんだから、斬新というか、ワケワカランというか。 嵐ならば戦いにも大きく影響しそうですが、なにせ遥か上空で暴れるだけの怪獣、だもんで、戦ってる連中も怪獣のことには無頓着、まるで関心なさそうな。 このまま、窃盗団の話と怪獣の話が最初から最後まで全く噛み合わずに終われば、相当ハイレベルの斬新さとワケワカラナさがあったところ、ですが、さすがにそんなコトはなくって、この宇宙生物の「炭素大好き」癖が、事件の解明に一役買っている、という意外な関わりを見せてくれます。そう、宇宙生物が奪おうとするのは炭素。石炭も炭素、ダイヤも炭素素、たけど宇宙生物が狙わなかったニセダイヤの正体は、氷砂糖・・・これもやっぱり炭素(炭水化物)じゃないのかなあ。ブツブツ。 ついでに、酔っ払いのオッサンも、炭素でできてる、ってか。怪獣が出てくるまでの謎めいた事件の数々が、なかなか魅惑的。 肝心の怪獣は、これまた意外をつく無脊椎動物、それも腔腸動物系かしらん。やたらとリアルで有機的な動きに、注目。 怪獣といいながら、やはり映画の中での扱われ方は、天変地異のメタファーなどではなく、見るからに天変地異そのもの。上空からの間接的な襲撃が、攻撃のほとんど(海外は手酷く襲撃されたようだが、詳細不明)。 怪獣にしては、引っ込み思案で、いささか消極的なのでした。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-03 23:47:53)
1547.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 
正直、『オープン・ユア・アイズ』を見てりゃ、こちらは見ないでもいいや、くらいにしか思ってなかったんですけど。どうせトム・クルーズのこと、日本でパチンコが気に入って「コレを自宅にも置いてくれ!」とか言ったみたいに、「ペネロペと共演させてくれ!」とか言い出して作られた映画なんじゃないかと。 仮にそうだとしても、結構、楽しめちゃったりする作品、だったりします。 冒頭から、トム・クルーズ、猛然と走る姿を披露してみせ、こういったところはアクションスターとしての矜持でしょうか。 途中からの特殊メイク顔は、きっと、「さあ、メイクさんよ、このボクの美しい顔をとびきり醜い顔に変えてくれたまえ」とか言ってそうな気がする。ホントに言ってたかどうかは知らんけど、割とトム顔の原形を留めていて、この辺りはやや迫力不足の気味がありますけれども。 オチを隠すでもなく、むしろ途中は再三、オチを匂わすようなところがあって、現実と非現実との境界が曖昧になっていく(もともと境界なんて無きに等しいけど)。 なんだかだんだん、真景累ヶ淵みたいな状態になってきて。 まあ、リメイクする意義なんて大して感じられない作品のようにも思えるけど、そうは言いつつもコレはコレで悪くなく、スター映画である分、オリジナル作よりも後々まで残る作品、ってことになるのかも。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-30 23:06:57)
1548.  スター・トレック(1979)
80年代を中心に、ほぼ何の話題を提供することもなく細々と続いていた、という印象の、スタートレック最初の劇場版シリーズ。何だか、少数の熱狂的なファンに支えられてスーパーの駐車場とかでひっそりと興行を続けるインディープロレスを思い起こさせますが。 しかしこの第1作(だけ?)は高額の製作費が投入され鳴り物入りで登場した超大作。製作は79年、ってんだから、いかにもスターウォーズの成功にあやかって慌てて準備しました、という感じのタイミング。 スターウォーズが、基本的なノリがあくまでチープな冒険活劇だったのに対し、こちらはいかにも「SFやります!」という意気込みを感じさせて、例えば最初の方に登場する、ポッドの着艦シーンなど、ストーリー重視のスターウォーズだったら省略されそうな細部の描写が、盛り込まれてます。 エンタープライズ号が調査に向かう、謎の巨大物体、この描写なんか、インデペンデンスデイの先取りと言ってもよいのでは。 で、この作品がオモシロいのか、と言えば、勿論、そんなにはオモシロく無くって、そこがスタートレックのスタートレックたる所以、と言ったところでしょうか。 それにしても、スキンヘッドの女性がワイシャツ一枚みたいな格好をしていると、なんかエロい。なんででしよう?
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 12:06:25)(良:1票)
1549.  悪魔の毒々サーファー
ビーチを牛耳る極悪軍団、サーフナチス。映画冒頭、彼らを信奉する少年少女たちの顔にペイントされているのは、ハーケンクロイツ・・・では、なくて、ありゃ、これは「まんじ」ではないでしょうか。 一瞬、これはチョンボかと思ってしまうところだけど、いやコレ、カギ十字の左右が逆なのはつまり、この少年少女たちが「鏡を見ながら自分自身で顔にカギ十字を描いた」ということを表現しているのではなかろうか。と思い直し、なかなか周到な演出だなあ、と。 でも、単に、撮影前のメークをホントに自分でやらされただけなんじゃないか、という気もしてきます。その後の場面でも顔にペイントされているのはすべて「まんじ」ですしね。あ、壁に大きく描かれてるヤツも。 そのサーフナチスを含め、複数のチンピラ軍団が抗争を繰り広げるのですが、手がフックになってるヤツ、ヌンチャク振り回すヤツ、なかなか多彩な妖怪変化ぶり。大して特徴のないヤツもいますが。 で、そこにさらに、サーフナチスに大事な息子を殺害されたオバチャンが参戦する、というオハナシ。まったく潤いがありません。 とりあえず、悪魔の毒々とは言え、「サーファー」を名乗るだけあって、サーフィンシーンは素晴らしいです。素晴らし過ぎて、コレどうせどっかからパクってきたサーフィン映像じゃないの、と疑いたくもなるのだけど、もうパクリでもどっちでも、いいです。 もう一息、オバチャンには大暴れして欲しかった、けれど、トロマ製バカ映画にしては、なかなかハードボイルドな作品で、まあ、悪くないんじゃないか、と。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-26 23:05:39)
1550.  我が道を往く 《ネタバレ》 
いい話っちゃあ、いい話、なんだけど、しかしこれって、ジジイをダマくらかして良い気分にさせて甘やかしてるだけの話じゃないのかい。しかも、最後はおカネで解決、かい。 となると、いい話どころか、だいぶタチの悪い話、ということに。 そういうタチの悪さの言い訳のための、何らかの背景を描く訳でもなし。 という点は、作品の弱点のようにも思えるけれど、むしろそういう言い訳めいたものをそぎ落としたところに、持ち味があるのも確か。 ダマされてる方が、ダマされてる事に気付いてないように、ダマしてる方もダマしてる事を意識していない。すべてはごく自然に、ゴーイングマイウェイの結果、もたらされたもの。 ふらりとやってきた主人公は、あるがままに行動し、周りの人々にちょっとした変化を起こして、またふらりと立ち去っていく。 作品の弱点と感じられた部分も、実は、作品自体が「我が道を往」った結果、であるように思えてきます。 という
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-22 12:52:38)
1551.  戦慄の絆 《ネタバレ》 
一人二役で双子を演じるジェレミー・アイアンズ。普通の映画なら(新しい方の八つ墓村の岸田今日子は別として)、その二役をどう演じ分けるか、ということになるのかも知れないけれど、少なくとも作品前半は、むしろ、まるで同一人物であるかのような描かれ方。見た目も同じなら言動にも差がなく、「おいおい、こんな役でまさか二人分の出演ギャラをせしめたんじゃなかろうな」などと要らぬ事を考えてしまうのですが(ホントはどうか知りませんが)、それはともかく、まるで二人は、精神面で互いにシャム双生児のごとく結合しているかのような、 それが後半になって、徐々に二人のキャラクターが分裂し始める。二人の「区別の無さ」を、前半に見せられてきているが故に、我々もここで不思議な感覚に捉えられてきます。 しかし、それでも二人は、分裂することを拒絶しようとし、やがて悲劇が訪れることに。 あのヘンな医療器具の悪夢的なイメージ、さらには映像上の違和感を全く感じさせない見事な合成による一人二役。もはや、一人二役なんだか、二役一役なんだか。 これなら、二人分のギャラもらっても、いいんじゃないか。もらったのかどうか知りませんけど。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-22 08:21:01)(良:1票)
1552.  宇宙大戦争
こういうのを見てると、日本映画の特撮技術って、1950年代が一番すごかったんじゃないか、と思えてきます。とにかく、特殊技術の豊富さ、レベルの高さに驚かされます。 そりゃまあ、チャチな部分が、無いとは言いませんけれど。でも、大したもんです。 これで、もうちょっと中身があればよかったんですけどね。なんだか、高度な文明を持ってるはずの宇宙人側の方が、弱く見えて仕方が無い。小型円盤がふんだんに出てきては、ふんだんに破壊されまくる。 だいたい、宇宙人のいかにもボイスチェンジャー使ってます、と言う話し声が、イマイチ迫力がない。と言うより、喋りすぎ。どうせ弱いくせに。 だけど、終盤、月世界から地球上へと舞台を戻してからは、なかなか豪快なところを見せてくれます。ようやく、地球人との戦いが、互角ぐらいにはなったかな、と。 正直、ストーリーはあまり見るべきものがなくって、特撮を楽しむ映画、ですね。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-19 22:51:12)
1553.  女ガンマン・皆殺しのメロディ
「女ガンマン」なんてのがいかにも、企画モノ、っぽい感じがしちゃうのですが、コレ、なかなかの作品です。ちゃんと起承転結になってます。あるいは、交響曲の4楽章構成。 主人公の女性が、自分を襲い・夫を殺害し・家を焼いて去って行ったポンコツ悪党三兄弟への復讐を誓う、と言うオハナシ。凄腕ガンマンへの弟子入りを希望するも何度も断られる、その過程がいい。ある瞬間に、転機が起こる、その流れがいい。 ようやく射撃を教えてもらえることになっても、映画はそこから、銃を入手するための旅へとエピソードを移す。海岸で子供たちと戯れたりする、平和な日々。もう復讐なんて忘れてしまってもいいんじゃないか、という気がしてきて、だからこそ、「それでもやはり復讐しなければ」という主人公の意志が、一種の宿命のようなものを感じさせ、見てて、やるせない気持ちにさせられます。 いずれにしても、彼らの元にある日、三兄弟とは別の悪党一味が現れて、平穏が破られます。 ここでの銃撃戦が、映画中盤の見所です。なかなかの迫力。こんな連中と戦った後で、今更あのポンコツ三兄弟と戦っても、盛り上がらんよなあ、と言う気がしてくるのも事実ですが。 しかしそこは我らがボーグナイン。強敵として彼女の前に立ち塞がります(ジャック・イーラムなどは予想通り戦力外)。終盤の刑務所跡での対決の場面では、影を使って間接的に人物の動きを見せるなど、心憎い演出もあったりして。 意外に正統派の作品、という印象です。企画モノだなんて、とんでもない。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-18 22:39:59)(良:1票)
1554.  悪の教典
表向きは好感度抜群だが内側には暗黒を抱えた高校教師が、一晩で生徒全員の抹殺を企む、という、現代版八つ墓村。ハスミ先生が生徒たちを血祭りにあげるだなんて、小説だからいいようなものの、映画だと、ちょっと違う意味に捉えられそうな。この業界には、もっとオソロしいハスミ先生が実在してますから、ねえ。 それはともかく、この「悪の教典」、原作には、「そのようなジェノサイドは実行可能か?」という疑問に対する思考実験みたいな側面があって。まず、血も涙もない暗黒の方程式に基づくハスミン氏の内面を描いて動機の部分を構築。そんでもって、恐怖の一夜が始まるのだけど、思えば13金のジェイソンなんて、無意味に神出鬼没だったり(絶対、ジェイソンはスタッフの手を借りてると思う)、はたはた急にドン臭くなったり、随分といい加減なヤツでした。しかし実際の人間は、あんなに神出鬼没の行動は取れないしスタッフの手も借りられない。襲われる方だって、逃げたり隠れたり、反撃を試みたりもするワケで。その中でいかにして殺戮を成立させるか、先生と生徒との命がけの知恵比べがそのまま作者の挑戦ともなって、一種の詰将棋みたいな小説になってます(そこが少し野暮ったくもあって。私の中での貴志祐介三大作品は、「黒い家」「天使の囀り」「ガラスのハンマー」。「悪の教典」や「新世界より」が、ちょっと劣ると思ってしまうのは、その三作があまりに圧倒的だからでもあるのですが)。 で、この映画化にあたっては、その辺りがうまく再構築されています。最初の方で「それもこれも伏線です」みたいな描写が連発されるのはいただけないけれど、それ以外の点では、描写の断片化によって理屈っぽさを排除し、シーンごとの映像の力、不穏な雰囲気で映画を引っ張っていて。原作の「小説としての魅力」はそぎ落とさざるを得なかった部分もあるにせよ、それを補う「映画としての魅力」があり、よく練られていると感じます。 伊藤英明も、役に完全にハマってます。もしかして彼をモデルにこの小説が書かれたんじゃなかろうか、と思えてくるほど。 ところで、最後にto be continuedと出てきますが、もしかしてあの文庫の最後に載っていたオマケ小説を映画化する? さらに映像化困難と予想されますが。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-16 23:49:31)(良:1票)
1555.  不連続殺人事件
高木彬光がなぜ「能面殺人事件」で探偵作家クラブ賞を受賞したかというと、前年は傑作「刺青殺人事件」が、運悪く、文豪が発表した長編ミステリとタイミングが重なっちゃったからで。そりゃ新進作家にはチャンスのあろうハズもなく。それがこの、坂口安吾の「不連続殺人事件」。 しかし、私も自分の本棚をたまに見返すと、乱読したミステリの中にはトリックも犯人も思い出せないものがあったりして、情けない思いをしたりもするのですが、そんな中で、「不連続~」は、真相がかなり鮮明に印象に残っている作品です。多分それは、フーダニットとしてよく出来ているからというよりも、探偵役である巨勢博士が終盤に犯人を指摘するくだりのユニークさ、ゆえの印象であるような気がします。 そういう意味では、推理小説の真髄はしばしば、「探偵が最後に犯人の“名前”を告げる」という点にあって、文字で書かれる小説という媒体ではそれが有効である一方、映画では視覚が中心となって、登場人物の名前というものが付随的なものに過ぎない、というのが、ミステリの映画化の難しいところの一つ、であるように思えます。 実際、真相解明の部分における印象の強さというものはどうしても、この映画化作品よりも原作小説の方に、軍配が上がってしまいます。 しかしこの「不連続~」という作品。やたらと登場人物が出てきて、誰がどういう人かを読みながら把握していくよりも、殺人事件が発生して人数が減っていくスピードの方が早くって、あれよあれよと言う間に・・・という、ちょっと風変わりな作品でもあるのですが、映画監督にしてみれば、こういう作品を作るのって、結構、大変だけど楽しいんじゃなかろうか。登場人物多いので俳優多数起用し、豪華なセットに彼らをズラリと並ばせる。カメラは常に引き気味で、なんだか常時、妙に画面内の人口密度が高い。その画面の中で、台詞のある人ない人それぞれがうごめき続ける。 もうちょっと真相につながる手掛かり、というか伏線をうまく仕込んでもよかったんじゃないか、とは思うけど(その点は原作の方が上手い)、原作のカオスな部分をひたすら強調した点が、この映画の持ち味、と言えましょうか。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-15 19:47:02)(良:1票)
1556.  テキーラ・サンライズ
メル・ギブソンが小悪党でカート・ラッセルが麻薬捜査官、立場は逆なれど、友人同士。そこに小悪魔チックなミシェル・ファイファーが現れて、ちょっとした三角関係。 という、ほぼ、それ以上でもそれ以下でもない映画で、終盤を除くとあまり波乱もなく、そもそもこのマッタリした映画には、彼らの三角関係があれば充分、それ以上の波乱などない方がいいでしょ、という作品。 いや、もう少しくらいは事件を起こしてくれても、私は結構なんですけど。いずれにせよ、そのマッタリ感こそが本作の特徴。 その流れの流れで、三人とも瞳が青いんだなあ、などと妙なところが印象に残ったりします。 あと、ラウル・ジュリアが妙にデカいなあ、とか。 これまた、蚊帳の外での独り相撲みたいで妙に気の毒になってくるのが、J・T・ウォルシュ。 なにがどう、という訳ではないのですが、そういったちょっとした「妙な」引っかかりを残しながら、映画には独特の雰囲気が漂い続けます。 ちょっと炊き過ぎた感のあるスモークも、映画に漂いまくってます。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-11 22:31:19)
1557.  ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌
2作目にして早くもほぼ、ストーリーらしきものが無くなって、クダラないエピソードの羅列。ライバル校との抗争が激化する中、トオルとヒロシが屈辱のボンタン狩りにあってようやく、物語が焦点を結び始めます。 いや、物語の焦点って言ったって、要するにクライマックスの大乱闘のお膳立てができた、という程度のことですが。 この乱闘シーンでは、ちょっと『ポリスストーリー/~』の影響があるのかな、という場面もあるのですが、とにかく、そろそろ撮影中に死人が出そうだなあ、と思わせるものがあって、こんなアホな映画にここまで体を張って命を賭けてる、ってことが、なんだか嬉しくなってしまう、そういう中毒性のある作品であります。誰もが無条件で中毒になる訳ではないので、そこはご安心を。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-09 22:54:46)
1558.  運び屋 《ネタバレ》 
「園芸家」というのと、「好き勝手やってきたもんで家族に愛想を尽かされてる」というのとが、イマイチ繋がりにくいのですが、いや、そんな園芸家さんだって、そりゃいるでしょうよ。 で、かつては自らの園芸の腕一本でブイブイ言わせてたけど、デジタル化の波には勝てず商売上がったりでついに家を差し押さえられるハメに。と言う訳で、ギャングどもの麻薬運びを引き受けちゃったジイサンの話。 ヨボヨボのジイサンを取り囲む俳優陣は、その殆どが、若々しく、逞しく、ガラも悪かったりして。その中に澄ましたジイサンが、ひとり。もしかして撮影現場もこんな感じでイーストウッドだけが浮きまくっているのではないか、と思えてきます。 一応、悪いことをしているという認識を、知識としては持ってるらしいジイサン、しかし自覚がまるでない、というか、ヘンに世知に長けていて機転が効いちゃったりする分、たちが悪い。 という主人公を自分で演じていて、自分を主人公に重ねている部分もあるのですが、それにしては描き方が妙に客観的。ジイサンから周りがどう見えるか、よりも、周りからジイサンがどう見えるか、の方が中心的に描かれているように感じられます。これがちょっと不思議なところでもあったりして。主人公が追い詰められていくクライマックスなど、見ている我々は、主人公と一緒に追い詰められる、というよりも、あくまでそれを外部から見る立場であって、何だかジイサンがどんどん小さくなってしまう。 でも最後は一点、頑固なところを貫いて見せて。でも、ホントに反省しているのやら・・・という、微苦笑を誘うラスト。 ところでこの映画、同時録りの際の都合か何か?なのか、セリフの音声に一部、違和感があるんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-09 12:56:08)
1559.  GONIN 《ネタバレ》 
取柄があまり無いか、あるいはまったく無いか、という5人が、とにもかくにも集まれば、物語は転がり始める。よりにもよって、ヤクザから大金を強奪しよう、などという無茶な計画。こんな計画、うまくいったが最後、後に待つのは破滅でしかない。 という訳でこの作品も、フィクションであるが故に、登場人物たちにとって「いかに死んでみせるか」こそが自分達の存在意義であり、大きな見せ場となります。誰が、いつ、どうやって死ぬか。死に様こそが、彼らの生き様。 物語の中心にいると思われた佐藤浩市、だからといって、彼が最後に死ぬとは限らない。物語に束縛されることなく死んでみせる、その自由さ。 となれば、やはりこれも、最後まで生き残ってしまうのは一種の罰となりうるのだけど、その意味では、敵の殺し屋たちまで含めてすべての者たちに死を演じさせるのは、一種の優しさであるのかも。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-01 20:59:32)(良:1票)
1560.  白い恐怖(1945)
グレゴリー・ペックが、若くて線が細くて、やたらイイ男。ではあるのですが、そこは女優優先、明らかにイングリッド・バーグマンに照明の光が集まっており、そのゴージャスさの前には、やや見劣りしてしまいます。でも、いいんです、どうせ、ちょっと頼りない役どころなので。 男前でキレ者のドクターかと思いきや、事態は意外な展開に。シマシマ模様がコワイ、という設定は、見てる我々に伝わりにくいところですが、とにかくそういうメンド臭い設定を引きずりつつ、サスペンスを維持して、割とストレートな物語設定に引きこまれます。 ラストも、ちょっと強引とは言え、スッキリしています。 ただ、あの「実際に滑ってる感が皆無の」スキーのシーンなどは、ドキリとさせる幼少時の回想シーンのインパクトを帳消しにしてしまうくらい、ショボいし、明らかにデカ過ぎで明らかに作り物の「銃を持った手」なども、映画への集中を削ぐものがあって、この辺りは少々、策を弄し過ぎ、という印象を持ってしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-01 19:51:28)
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