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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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141.  パシフィック・リム:アップライジング 《ネタバレ》 
 『トランスフォーマー/最後の騎士王』と『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』という2大アホ映画の焼き直しというしょーもない状態である事以前に、前作がオタクが作った映画なのに対して、コレ、オタク趣味の普通の人が作った映画です。その間には、深い深い溝があるのです・・・。っていうか、リスペクトしてるのが『エヴァンゲリオン』(『ヱヴァンゲリヲン』に非ず)と、ゴジラの中でも『VSデストロイア』ってあたりが、もうね、あー・・・って感じで。  別に富士山が活火山で東京から富士山までせいぜい20~30km程度でも全然構わないんですけどね、ロボット同士のどつきあいはもうさんざん見飽きてる訳ですし、怪獣だって「デカきゃいいってモンじゃないわよ!」と。色々と引用するのはいいんですが、新しいモンを見せて貰いたいワケですよ。   見始めて早々に「嫌な予感がする」って状態ではありました。前作の要素がいっぱい登場するのですが、どうにも上滑りしている感じで、上手く応用できてない、新しいものに発展させられてない、むしろ壊しちゃってる、って印象。ペントコストの息子がああいう人間で、マコがああなっちゃって、ニュートがあんな事になっちゃう、それでもいいけど、ならばそれをちゃんとドラマとして盛り上げて頂きたいんですよね。どうにもこうにも上っ面ばかり描いてるだけなので映画に入り込めやしません。新キャラなんか、ただ居るだけで全然人物像を創造しちゃいませんから、危機に陥ったり犠牲になったところで思い入れも何もあったもんじゃないです。   そしてロボットにしろ怪獣にしろアクションの要素と割り切られていて、そこにフェティッシュな愛は感じられません。もっと舐めるように撫でまわすように撮ろうよ、もっとディティールを無駄なくらいに見せようよ、って。拘り全然無し。発進シーンなんか、あれ、もう全然ダメ。映画が始まる前のいつものIMAXのカウントダウンの方がよっぽど拘りを感じますわ。   で、唯一の見どころポイントがご贔屓ジン・ティエン姐さんなんですけどね、前半のミスリード悪役っぷりの造形がダメだし(あのメイクはなんなん?)、後半になっての活躍っぷりでやっとキタ!って思ったけど見せ場あんまり無いしで、やっぱり残念。もう彼女主役で作ってくれた方がよっぽど良かったのに(それは無い)。
[映画館(字幕)] 4点(2018-04-17 20:16:18)(良:1票)
142.  トゥームレイダー ファースト・ミッション 《ネタバレ》 
 予告編やポスターを見て「アンジーに比べるとジミな顔立ち・・・」とか思ってたけれど、実際に映画を見てみるとなかなか良いです。大体ララ・クロフトなんて最初のゲームじゃカクカクのポリポリで色気もへったくれもあったモンじゃありませんでしたしね。おっぱい尖がってたし。   アンジーの『トゥームレイダー』は単なる「かなり遅れて出てきた『インディ・ジョーンズ』」程度の感じしか受けなくて、今回の映画もまたそういうノリなんだろうなぁ、って思ってましたが、見てみるとインディ・ジョーンズと言うよりはランボーっぽく、でも圧倒的な強さではなくて、鍛練した女の子の精一杯の強さ、って感じが良かったです。それも、お金持ちのお嬢様って基本設定部分をあえて脇に置いて、貧乏生活の中でバイトとジムで鍛えたゆえの身体能力という形にする事で等身大の、人間ララ・クロフトの造形に成功していたと思います。武器の助けを借りる事で弱さを補助してるってあたり(石も含めて)は、必ずしも彼女の能力を絶対視していない脚本の妙味であると共に、ゲーム版のファンへの目配せでもあって(なのでラストシーン、物語上の当然の回収と共に描かれるあの姿は「待ってました、もちろん続編希望!」って世界なわけです)。   冒険部分になると色々と粗が出てしまうのが残念ですが(7年の間、誰にも見つからずに火を焚きながら隠遁生活できてたとーちゃんとか、さんざん既出なありがちトラップの数々とか、遺跡に戻ったみんながララをどう救うのかと思ったらほぼ活躍無しだとか、魔術の正体の退屈さとか説得力の無さとか)、感動的な要素もあって、全編、退屈せずに楽しむ事ができました。   だけど卑弥呼と日本を題材にしてるのに、広告でその事を一切ウリにしてないのは何故?って思いましたが、途中まで見て、こりゃとてもウリに出来るシロモノじゃないトンデモニッポンだわ・・・って。紀伊半島沖に無数の無人島があって、法が及んでなくて、そこが魔の海とか呼ばれていて、ってスクエニが製作に噛んでてどうしてこうなった?みたいな。まあ、東宝が噛んでるギャレゴジですらトンデモニッポンだったしねー。
[映画館(字幕)] 7点(2018-04-11 19:57:13)(良:1票)
143.  ヴァレリアン 千の惑星の救世主 《ネタバレ》 
 特に「いち早く見なくちゃ!」ってほどでもなかったのですが、TOHOシネマズ日比谷のIMAXに、東京ミッドタウン日比谷オープン日よりも2日早く入れるって事で。ミッドタウンの内覧会を招待客と同じ扱いで見学できる(中に入っちゃえば招待客と映画の観客の区別無し)のがポイント。   リュック・ベッソンのSFときたら、その底抜けっぷりを楽しんでナンボって気がしないでもなく、その点ではかなり純度の高いベッソンっぷりだったのですが、でも思ったよりもフットワークの重い、鈍重な映画って印象を抱いてしまって。日本語タイトルと予告編から、主人公がひたすら千の星々をガシガシ救いまくる映画だと思ってたんですよ。ところが実は「千の惑星の救世主」じゃなくて、「千の惑星の民族が棲みついている宇宙ステーションの中に忍び込んだかつて栄えた1つの惑星の民族の救世主」で、話ほとんど宇宙ステーション内。いや、ステーション自体がとても広くて色んな風景があるんですけどね、ズートピアみたいに。でも、前半延々遭難した主人公の探索、後半延々さらわれたヒロインの救出って、本題から離れたエピソードが続くあたりの脇道が多いRPG感ときたら。そこそこ尺の長い映画ですが、本筋だけ追ったら上映時間半分もかからない程度のハナシ。   ビジュアル的には色々と可愛らしい?エイリアンが出てくるあたりの楽しさとか、グリグリとめまぐるしい3Dの戦闘シーンとかの見どころはあります。が、どっかで見たようなビジュアルの寄せ集めのようでもあり、美しいキレイキレイな美術は、なんつーかラッセンの絵みたいなモンで、私にはあんまり響くモンはないなぁ、と。   でも若い頃のディカプリオみたいなデハーンはいいです。彼が映ってる間は画面にキレがあります。キレイなのは美術よりも彼の存在だったかも。
[映画館(字幕)] 5点(2018-04-10 21:15:12)(良:1票)
144.  レッド・スパロー 《ネタバレ》 
 一見関連性が全く無さそうな2つのエピソードが交錯する導入部は映画への興味を煽ってみせてなかなかに魅せてくれました。バレエシーンを彩る、アナモフィックレンズが作るレンズフレアも美しく。   だけど中身は生々しくて爽快感などとは無縁の、決して見ていて楽しいって思える瞬間が訪れる事のないスパイもの。ジェニファー・ローレンスがそれこそ「体当たりの演技」を見せてくれますが、彼女が演技的に無茶をすればするほどに、テーマはどんどんとボヤけていってしまうという。  露悪的で、ひたすら直接的表現に終始する身も蓋もない映画からは情緒が欠落し、それはフェミニズム方向を向いているように見えながら、実のところその真逆に突っ走ってしまっている感が無きにしもあらず、そしてロシアの体制批判をしているつもりがアメリカって国に対する皮肉になってしまっている感が無きにしもあらず。諜報活動の下ではフェミニズムも正義もへったくれもあったモンじゃないって混沌をひたすら下衆な表現で描いてみせました、ってそこまで意図して作られているのなら、それはそれでそういう見方も成立するんでしょうけれど、でもそれを評価したいとも思えませんしねぇ。   あの『愛の嵐』のシャーロット・ランプリングが演じる役柄がこんなですよ、皮肉が効いていて面白いでしょ?みたいなのもあんまりいい趣味とは思えず、ただ、ジェニファー・ローレンスの全く安定しないキャラクターっぷりが謎となって映画への興味だけは持続するという、そんな作品でした。
[映画館(字幕)] 5点(2018-04-10 20:44:15)
145.  ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 《ネタバレ》 
 昔からスピルバーグが大好きだった訳ですが、最近のスピルバーグはちょっとピンと来なくて『戦火の馬』とか『ブリッジ・オブ・スパイ』とか『BFG』とか、いいのだけれども、でもスピルバーグならばもっとできたんじゃ?って思う事しきり、って感じでした。   この作品も冒頭から続く説明的なモンタージュとか、場面転換時の音楽の繋がり方とか、やたら古めかしいスタイルで、スピルバーグももうトシだしねぇ、なんて思いながら見ておりました。ですが、見ているうちにどんどん面白くなってぐいぐい映画に惹きこまれて。下手に重厚なドラマって形にせず、簡潔にどんどんと話を進めてゆくスタイルが良かったと思います。スピルバーグは人間ドラマ系を撮ると途端に歯切れが悪くなって上映時間が長くなるって印象ですが、これは当てはまりませんでした。早撮りの相棒ヤヌス・カミンスキーの(雑な)カメラも今回はプラスに働いたって感じですか。   トム・ハンクスとメリル・ストリープって人によっては地雷ですよね。でも私はそんなに悪いイメージを持っていないので、この作品での2人の役作りを楽しみました。いつもの善人然としたトムとは違うトム、いつもの個性的なメリルとは違うメリル。   過去の実話を元に娯楽映画に仕立て上げ、なおかつ今の時代に直結するテーマに、まだまだスピルバーグが現役である事を実感しました。今の日本の状況にも符合しまくりな内容、政治家もマスコミも役人も、そして有権者もこの映画が示す道に真面目に向き合う必要がありますね。
[映画館(字幕)] 8点(2018-04-10 20:21:40)
146.  リメンバー・ミー(2017) 《ネタバレ》 
 映画なんて絶対的なモノじゃなくて、受け手それぞれの人生があって、それぞれが受ける印象に違いがあるのは当たり前の事で。   創造性に色々とひっかかりどころがない訳じゃないですが(ピクサー作品が安易に陥りがちな悪役を設定し、それを倒す事で物語を解決に導くとか、音楽を禁じられた主人公が死者の国に行っちゃうメキシカンなCGアニメ映画って事で『ブック・オブ・ライフ』とネタがカブりまくりとか、『ズートピア』や『ベイマックス』を連想させる背景美術とか)、大変に映像のクオリティが高い作品で、歌も英語版、吹替版共にとても心地良く、目と耳で楽しむだけでも十分な映画でした。   でも、最終的に「家族がいちばん」と家族と血族に収束してゆく主題に、DV親父を最期まで介護しなければならなかった不条理さ、邪魔こそすれ、介護を人任せにし続けたクセに父が他界した途端にイニシアチブを取りにくる妹達や、私に1000万円の借りがありながらそれを無かった事にして踏み倒せると思っている叔父や、祖父の遺産を独り占めしてみせた叔母なんて存在を抱えた私としては「それって誰に対しても絶対的なモノってワケではないよね・・・」としか言い様がないのでした。  だから私は疑似家族や家族が再構築される話の方が魅かれるわけで、この映画のテーマは古風というか前時代的かな。家族や血族なんて、棄ててもいいものなら棄てたっていいんですよ。誰にでもそれが本当に大事なものとは限りません。
[映画館(字幕)] 8点(2018-04-10 18:49:54)(良:1票)
147.  坂道のアポロン 《ネタバレ》 
 三木孝浩監督の映画って好きなんですけど、これは最良とはいきませんでしたね。  やっぱり現代を舞台にしていないって点で得意ワザの1つを封じられた感がありますか。  映画に今の日本の風景、空気を織り込む事がこの監督の魅力だと思うのですが、1966年が舞台だと、かなり作り込まなくてはならなくて、でも、そのこれ見よがしになってしまった作り物感がキビしくて。『陽だまりの彼女』とか『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』みたいなファンタジーならば作り物感が武器になったりするものの、時代設定がポイントになる(筈の)作品ではマイナス要素。10年後のメイン3人の姿なんかはもはや困っちゃうレベル。   そもそも1966年って設定が、あまり作品に大きな意味を与えていない気がするんですよね。レコード盤とかジャズとか佐世保の米兵とか、その時代であったからこその優位性や必然性、それが見えてきません。ディーン・フジオカと真野恵里菜の二人なんか取って付けたような時代の象徴みたいな存在で。『オトナ帝国』のケンちゃんチャコちゃんの亜流かい、みたいな。   でも、恋する気持ちとか、傷つきながら育ってゆく友情とか、内に秘めた悩みとかいった、普遍的な青春映画の要素を真っ直ぐにぶつけてくる感じが良かったです。三木孝浩監督らしい、これぞ青春映画!みたいな。  主演3人の中では特に中川大志が大変に魅力的な存在感を示していました。小松菜奈は当たり前に魅力的なんですけどね。   そして当然のように音楽が素晴らしかったですね。セッションが友情を育んでゆく、なんてベタだけど気持ちイイじゃないですか。
[映画館(邦画)] 7点(2018-03-12 19:57:38)
148.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
 ・送り手の映画愛をこれ見よがしに披露されるのって見てる方が恥ずかしくて。   ・ジュネが剽窃だと批判していてデル・トロは「皆テリー・ギリアムに借りがある」とかえしているけれど、でもこの映画はやっぱりギリアムよりはジュネ風味強いよね。コンセプトカラーは緑地に赤って明らかに『アメリ』と共通してるし。   ・印象としてはデキが良かった時のキング作品、或いは上記に関連するけれど、お上品な『エイリアン4』。   ・マイノリティ、社会的弱者の物語的な感じに見えるけれど、彼女達、彼等は決して受動的ではなく、自己主張しまくっていて、インチキな事も迷惑な事もするので、別にそこにキモチは動かないなぁ。つーか手を握るのは普通にセクハラでしょ。同性に対してなら健気なの?   ・おっぱいとか毛とかクリーチャーのチンコ話とか必要なんかね?   ・延々鳴り続けるクドい音楽がアカデミー賞ですか・・・   と、そんな感想をまとめると、デル・トロ監督って即物的で奥ゆかしさとかさり気なさとかと無縁な人に見えてしまうんですね。随分とこってりギトギトした作品を見せられた、って気分。つまらなくはなかったんですけどね。   もし半魚人がニューヨーク出身で饒舌で神経質で演じてるのがウディ・アレンだったらさぞかし面白かったでしょうけれど。
[映画館(字幕)] 6点(2018-03-12 19:21:44)(良:1票)
149.  今夜、ロマンス劇場で 《ネタバレ》 
 どうもこの映画が好きな人は攻撃的になるようで「ツッコミどころが〜しか言わない人は人生のツッコミどころ全部刺されてくたばってほしい」とかいうツイートがあったり、「ファンタジーにツッコむなんて野暮」ってわざわざクソリプ飛ばしてくる人がいたりしたので、あえてツッコミどころ中心に感想書かせて頂きます(笑)   見る前に連想された『カイロの紫のバラ』『カラー・オブ・ハート』『ローマの休日』のモロな頂きっぷりは、実のところわりと最初の方だけで、中盤はオリジナルな感じで進んでゆきます。そこがつまんないんですけど。むしろそれらの映画のリスペクトっぷりをもっとハッキリ出してくれた方がよっぽど楽しめたんじゃないかと。あまり共感できない苦悩やジレンマでグダグダしてますからね。   で、細部に対するこだわりが薄いのが気になったんですね(ここからツッコミどころ)。  まずモノクロの世界からやってきたお姫様ならば、その色の無さをもっと物語に活かしていいハズです。ところがすぐに化粧品で色を付け、以降は後半に濡れた手を拭いて下地の色が出るまで全く触れず。土砂降りの雨の中でも一切落ちないウォータープルーフっぷりは昭和35年のコスメとしてあり得るのか?っていう。雨は彼女の色を脅かす要素として当然機能すべき存在だと思うのですけど? 第一、眼球と口の中は一体どうやって色を付けたんでしょう?  それから、ヒロインは映画の中の人ですが、オリジナルの女優に対する言及がほぼ無いのが不思議。とうの昔に死んじゃった事で言及を避けてるんですけれど、昭和35年のかなり昔っていつ頃でしょ? あの映画が作られたのは昭和15年くらいだと思いますが(『エノケンの西遊記』を基準に考えて)、間隔が20年だとするとオリジナルの女優は主演後すぐに死んじゃってたとしても、かなり昔と言えるでしょうかねぇ?  主人公(そして看護師)、マトモに働いてない状態に見えるし、ヒロインは何故かシステムを理解してるし(自分が創作物である、生身の人間の温もりに触れると消える)、多くの登場人物が主人公を盛り立てるためだけに存在してる都合のいい存在だし(嫌な人間が一人もいない素晴らしい世界!と肯定的に捉えるべきですかねぇ)。   で、最終的には映画と心中するようなもので、それはヤだなぁ(笑) 映画は所詮光と影と音の幻影なので、素晴らしいモノだけど、そこだけでは生きられないモノだから、そこを大切にする以上の、その先はあって欲しい訳です。   あの映画館は自由が丘武蔵野推理劇場とか渋谷全線座とか二子劇場とかあちこち思い出したけれど、いちばん印象が近かったのはわりと最近まで存在していた三軒茶屋中央かな?   最後の最後での『タイタニック』ラストシーンっぷりは感動っていうより、ちょっと笑っちゃったわよ。
[映画館(邦画)] 5点(2018-02-17 16:58:42)(良:2票)
150.  カンフー・ヨガ 《ネタバレ》 
 ジャッキーが冴えない。もうこれに尽きるんですよね。   そりゃ「もうアクションは引退」って宣言したジャッキーですから、本格アクションをこなす訳にもいかず、ジャッキーの近作に見られるように、多くのアクションを若手スターに任せてます。でも、じゃあその若手のアクションが魅せるモノかと言えば、何か新鮮なコトをしてくれる訳でもなくて。   話の運びは雑で、優勢だったハズが次のシーンで捕まっちゃってるとか、ハイエナのいる空間は室内から眺められる状態なのに、救出に潜入してみんなで脱出するまでの間は誰も見てませんでしたとか、そもそも『インディ・ジョーンズ』(つーか『レイダース 失われたアーク』)が元ネタです、って宣言しちゃってたり。『インディ・ジョーンズ』が元ネタなジャッキー映画としては『サンダーアーム 龍兄虎弟』がある訳で(そう言えば複数の女性と冒険を繰り広げるパターンはその続編の『プロジェクト・イーグル』でしたっけか)、そんな点も含めて80年代香港映画の雑っぷりが甦ってるような映画で。  っていうか、カンフー・ヨガって言いながら、ちっともヨガ関係ないし。っていうか、マサラムービー的な売り方をしているけれど、実はダンスシーンはエンディング部分だけだし。『ナトゥ 踊る!ニンジャ伝説』くらいのインチキっぷり。アレよりはずっとお金かかってますが。  ホンキで殺しにかかってきてる敵に対してお笑いアクションで対抗するチグハグさも含めて、なんか時代がズレたモノを見せられたような、懐かしい気もするけれどコレジャナイ感覚を抱いたのでした。   で、それより何より、ジャッキーが具合悪かったの?ってくらいに冴えない顔してるんですよね。常に消極的で巻き込まれ型なキャラで、ひたすら振り回されてばかり。そんな役を精彩を欠いたジャッキーが演じているのが見ていてつらくて。ラストのダンスシーンは楽しそうな表情をしてましたけれど。
[映画館(字幕)] 4点(2018-01-11 21:13:56)
151.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
 こういう映画ってワリと初日に見に行ったりするのですが、これは前作があんまり好きじゃなかったので割引デーまで待って見に行きました。これが意外にも!ってな展開だと良かったんですけど、なんか前作より酷くなってません?   単純な表現で片付けてしまえば「子供向けのバカ映画に見えるけれど下品さと悪趣味さでどうやら子供向けではないらしい」あるいは「ロジャー・ムーア版のボンドをキタナく汚したような映画」。前作より知能指数下がった感が。   この監督の映画、毎度のことながら人を破壊するように殺すとか、人がただの物体と化すとかを面白がったり、快感を抱いているようで、そしてそれを隠さず、露悪的に見せびらかしてみるようでゲンナリ。そのアレだって、別にオリジナリティある訳じゃなくて、はいはい『エクスタミネーター』ね、としか、ねぇ。   で、その上で今回は脚本がとても雑でいい加減で。  人(や犬)がどんどん死んでゆくのですが、そこにちっとも「気持ち」が感じられないままにどんどんすっ飛ばされてしまう状態で、なんか冷たい映画って印象。  ハル・ベリーが最終的に昇格するまでの過程はセリフで現状に不満を言った、という単純なフラグだけで済まされてますし(アレは現場に出て活躍させてこそなんじゃ?)、主人公がカノジョのパパに暴言を吐いた後の処理がないままに結婚式まですっ飛ばれてされてしまいますし。カノジョが主人公の努力によって救われたのでした、って流れが無いのが疑問です。あと犬の存在がその場限りで放置されたり。  記憶を戻すのにとても苦労したかと思えば、一発で記憶が甦るヤツもいるし、解毒剤は世界中に既に用意されていたり(じゃあ、あの場所までわざわざ取りに行く予定だった東洋人は何故そんなに遅かったの?)、ついでにどう考えても前のめりに転がるであろうゴンドラは急な斜面をあくまで滑り降りる、と。そこは大変にムーアのボンドっぽいですが。   冒頭のカーチェイスなど、もうCG使い過ぎちゃってCGアニメ状態で、なんでもアリ(だが数多のCGアニメ映画の方がよっぽど説得力のある画づくりをしてる訳で)、音響やかましく、汚い映像の羅列じゃ、これもう英国紳士っていう題材がただのギャグ要素でしかなくなっちゃってるんじゃないかと。  過去にちょっとくらい麻薬に手を出しちゃったとしても許してね、って言い訳がましさだけは伝わってきましたけどね。
[映画館(字幕)] 3点(2018-01-11 20:39:33)
152.  DESTINY 鎌倉ものがたり 《ネタバレ》 
 面白かったし感動もしたけれど、でも見終わって、なんか足らなくて、なんか余分だった、そんな印象で。全体的には良かったんですが。   原作のイメージとまるで違うっていうのはこの際置いといて(掲載誌の『まんがタウン』なんて知ってる人も少ないでしょうしねぇ。ちなみにその前身は『クレヨンしんちゃん特集号』)。  まず、高畑充希さん、とても可愛く魅力的だったのですが、それが若奥さんとしての、大事なテーマの「夫婦の絆」の一方を支える存在としての魅力からズレてる・・・って。堺雅人の肩や腕にいちいちアゴを乗せるじゃないですか。アレ、犬や猫がよくやりますよね。ウチの猫達みたい。そう、この映画での彼女は愛玩動物的可愛さなんですよ。うーん。   それから鎌倉が妙に狭い閉鎖的空間で。それは毎回この監督の映画に見られる傾向。VFXで創り出した世界は狭く見えがちなわけですが、それに合わせてるのかな?  その、後半に広がる黄泉の国のVFXワールド、デザインは大変に良かったと思います。でも、実際に役者さん達が動く空間が非常に限定的で、ハリボテ感を醸してしまっていて。   幾つか描かれるドラマはどれも途中を切り取った状態で唐突だったりオチが無かったり。堤真一は人間状態のドラマは殆ど無いままにさっさと死んじゃいますし、奥さん側はオチ無し。ボディスナッチャー奥さんの家族はさらっとエッセンスのみで流されちゃうし、でも、そこら辺は主人公夫婦と対比させるカタチでもっと大事に並列して描いても良かったんじゃないかなぁ。   そして、題材的に『学校の怪談』っぽい色あいの映画だけど、子供が見て楽しい、って感じではなくて。実際、日曜の日劇は観客層かなり高め。子供の姿は無し。『鋼の錬金術師』のレビューにも書きましたが、小さい子供も見にくる、っていうのを前提に作って欲しかったかな。家族揃って楽しめる映画、そんな描き方が良かったかも。何しろ東宝邦画系のお正月映画なのですからね。そういうイメージって、この時代、もはや幻想なの?
[映画館(邦画)] 7点(2017-12-20 20:49:13)
153.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 
 どんどんネタバレしちゃうから注意だ。   「凄くお金がかかった二次創作」感は今回も拭えず、でも『スター・ウォーズ』のファンを存分に楽しませるだけの要素に溢れているのも確かで。  前作の(そしてルーカスの作ったEP1~3の)流れからして、今回の作品が『帝国の逆襲』をなぞってゆくのであろう事は容易に予想できたわけで、やっぱりそう来たか、って思わせつつ、わざと外してきたり意外な方向に持っていったりして、一筋縄ではいかずに翻弄させてくるあたり、楽しめました。  でもそれはもちろん全シリーズを見ていてこその楽しみ。この一作だけで見れば、なんだか外してゆくばかりのストーリーにイライラさせられるのも事実で。『帝国の逆襲』でミレニアムファルコンがハイパースペースに入れないスカを何度か繰り返す、アレのスケールの大きい版を何度もやられちゃうっていう。後になって考えてみれば、あの展開は本当に必要だったのか?って疑問に思える点が幾つも。そしてその分、尺も長く、そしてその分、ダレて。いや、『スター・ウォーズ』好きならばダレもしないでしょうけれど。  後半のかなり多重状態の展開は、あっちのキャラは一体何してんの?、久々に出てきて一体何やってたの?状態を生み出し、群像劇を上手く捌ききれてない感じがしました。  そう、今回は群像劇としての側面が強くなっていて、初登場キャラにもそれなりのウェイトを与えているので、特定キャラの活躍って面は薄くなってます。そこが面白味にもなっていれば、物足りなさにも繋がっている、諸刃の剣。アジア人大活躍だな、みたいな。しかし東洋人はどうしても地域的なモノを意識してしまって。  そういう点で今回最大の問題点はカジノシーン。あんな既存のカジノイメージをまんま持ってきちゃったら、それこそ『宇宙からのメッセージ』の宇宙アロハ、宇宙ちゃぶ台の世界ですがな。シャンパンの栓ポーン!とかダメでしょ。   それでも前作に比べても『スター・ウォーズ』な映像はいっぱい見せてくれた感じがしましたし(今回は宇宙を舞台にした画が多くて)、今の映像技術で新しい『スター・ウォーズ』の映像を見せてくれるのは嬉しい事で。それにジョン・ウィリアムズは大変にツボを押さえるメロディを鳴らしてくれていました。そこでそのメロディを鳴らされたら、そりゃ泣くわ、みたいなシーンがいっぱい。   1作目からリアルタイムで追ってきてる身には、今なおこれだけの映像を見せてくれる、40年に渡ってこれだけの娯楽を提供し続けてるって点で偉大なシリーズである事を心から実感させてくれるのでした。   ・・・・・あと、たとえ敵を作ったとしても私ゃディズニーの味方だよ。  【追記】最速でレビュー書いたモンで、世の流れを見ると自分のレビューとは反応がかなり違うみたいねぇ。『スター・ウォーズ』ファンからは不評、むしろ新規ファンが楽しんでる、と。  レイとカイロ・レンの関係を「レイロ」って言って二次的に楽しんでる層を見ると、以前『ズートピア』で「ニクジュディ」層が生まれた状況とよく似ていて、それってとてもディズニー的、個人的には好ましい『スター・ウォーズ』になっていってるのかな?って思います。ある層にとっては悪夢のようですが(ナンバリングから外せ!って言ってる層とかね)。  もう1点上げてもいいかも、と思うけど、それはある層にとっては嫌がらせのようにも映るでしょうしねぇ。
[映画館(字幕)] 7点(2017-12-14 23:08:35)(良:4票)
154.  鋼の錬金術師 《ネタバレ》 
 公開前からかなりの悪評が渦巻いていて、なんかデビルパワーを発揮している映画?ってヘンな期待をしちゃいましたが、言われてるほど酷くもなく、さりとて良くもなく、ごくフツーな印象でした。日本人が洋モノ演じる状態はヅカで慣れてますしねぇ。もっとも、ヅカみを感じたのは辛うじて蓮佛さんだけでしたが。   この映画最大の問題は、娯楽映画のクセして見せ場が極端に少ない、ってところでしょうか。冒頭にCGを駆使したアクションシーンがあって、そのノリがずっと続くのかと思ったら、あとはクライマックスまで大々的なアクションは登場しません。その間はひたすら対話シーンとミステリー展開と。その流れがちっとも面白くないのでダレるダレる。1時間40分で語れる程度の中味を2時間13分に水増ししてるような状態で。  それから、エドとアルがメインなハズなのですが、これがちっとも活躍しなくて。画面に出ている時間が長いだけで、実質的にはディーン・フジオカの映画じゃね?って感じ。まあ、監督が「綾瀬はるかが主人公だと思ってたら大沢たかおの映画でした」な『ICHI』の人ですしね・・・  マンガゆえのぶっ飛んだ設定を受容するのも大変ですし、不可解な行動する人達もなかなか理解し難いですし(小日向さんは、何を根拠にあの一つ目を自分の支配下に置けると思い込んだのでしょう?)。   それでも、そんなマンガな話でも、エドとアルの関係性というか、背負った悲劇な部分は楽しめましたし(山田涼介の演技は喜怒哀楽の単純な使い分けしかできてないように思いましたが)、それから松雪泰子姐さんは最高でしたし。『クボ 二本の弦の秘密』の闇の姉妹の実写版みたいな存在で、仮面無しであの仮面顔は恐ろしくも美しくて、ゾクゾクしましたわ。  大泉洋とか本田翼とかの、いつものまんまのイメージの人とかはツッコミどころなんでしょうけれど。   もう少し「小さい子も見にくる娯楽映画」って視点で作って欲しかったかも。そういう縛りがあるところから生まれる娯楽性っていうの、実は今の邦画に必要なものだと思うので。
[映画館(邦画)] 5点(2017-12-04 22:02:57)(良:1票)
155.  先生! 、、、好きになってもいいですか? 《ネタバレ》 
 「先生と生徒の恋愛」っていう、もう絶対NGな題材じゃ、私のご贔屓、さすがの三木孝浩監督でも、どうにもダメなんじゃ?って不安でした。  結果、もうずーっとキュンキュンが止まらない映画で。   全編、ヒロインの視点で描かれてるんですよね。なので彼女にずーっとキモチがシンクロして、先生を好きになってゆく過程がじんじんと伝わってきて。友達との関係も温かく、ヒールになりそうなヨカンな女教師にもドラマが与えられて、ああ、コレは間違いなく三木監督作品の味わい、って。  恋愛話としても、そのくらいにとどめておくのなら、ってバランスでラスト以外は上手く描けていたと思います。ラストシーンは余計だったかな。あと2分くらい手前で終わりにしちゃった方が良かったかも。最後まで行って、先生の価値ダダ下がり。結局そこに堕ちるんか、と。   とにかく広瀬すずがとても綺麗に撮れていて「それはない」ってカットが1つもありません。徹底してこだわって撮ってるんでしょうね。  三木孝浩監督と言えば光の使い方と風情あるロケーションですが、今回の映画もそれを目一杯活かしてます。神がかったライティングのカットがいっぱいあって、目に栄養たっぷりでした。   そして広瀬すずに確実に芳山和子の姿を見ましたわ。もちろん83年の原田知世版の『時をかける少女』。髪型とか弓道とか、そういう表面的な部分だけでなくて。映画の中の少女としてのイコンというかシンボリックな描き方というか。そういう意味で、彼女にとってとても重要な一編。   というわけで、その魅せ方で納得させられちゃうキラキラと素敵なラブストーリーでした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-12-03 20:40:07)(良:2票)
156.  GODZILLA 怪獣惑星 《ネタバレ》 
 物語とかドラマとか、そういうモノに興味がないらしく。  オタク系アニメに氾濫しまくってる、ひたすら設定と状況を説明する事に終始している映画。  こういう設定イイでしょ?こういうデザインかっこいいでしょ?って見せつけたいだけ。すげーつまんない。   物語はツッコミどころ満載、力が弱過ぎで。「長い年月をかけて努力して新天地を目指した人々がいきなり地球に還る事をさっさと決め、2万年経過した地球に対してただゴジラ一体だけを警戒し、テロの首謀者を隊長にする」というお馬鹿っぷりは笑うところでしょうか?   出てくる人が誰もかれもみんなつまらないのが困ったものですが、最大の問題はゴジラに全くキャラが無い、ただ存在してるだけ、って事。別にシェーしたり、木枯し紋次郎のマネしたり、育児したりしろって訳じゃないですけど、アレは別にラドンでもアンギラスでもジラースでもダイゴロウでもメガロでもプルガサリでも成立しますよね? ゴジラがゴジラである、ゴジラ映画としてのアイデンティティがこの1作では見当たりません。   これってゴジラを見せたくないゴジラ映画?
[映画館(邦画)] 1点(2017-12-03 20:16:49)
157.  覆面系ノイズ 《ネタバレ》 
 中条あやみの歌は『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の大原櫻子のような説得力のあるレベルまではいかないのですが、十分に良い声を響かせていました。でも、それも含めた彼女の個性をちゃんと活かせていないもどかしさ。アップである程度長く回すシーンをホラー顔に撮っちゃう残念っぷり。   映画は全編ボンヤリしたイメージ。エピソードがブツ切れで、唐突で強引な展開が多いので、なかなか気持ちが乗ってゆかない、繋がってゆきません。キャラクター一人一人、出てきて引っ込んで、そこに流れがなくて何を考えているのやら、って状態。誰の流れにも終わりが無い、物語として閉じてゆかないのですから、そりゃ映画のイメージも曖昧になります。   また、どのキャラも身勝手な言動が多くて、でも「高校生だから」って設定を免罪符にして物語や脚本が構成されている状態。    そもそも、いくら高校生とは言え、プロの世界があんなに優しく甘い訳はなくて、そこに全く説得力がなくて。おとぎ話というかファンタジーというか妄想というか、そういう雲の上みたいな世界を受け入れられてこそ、なのでしょうけれど、いかんせん世界があまりに狭く感じられます。  っていうか、ヒロインがまるで鎌倉から豊洲まで走ったようにしか見えない映像の構成なのは、さすがに狭すぎですわねぇ・・・っていや、彼の家はアレ、ドコ? あと、鎌倉-渋谷間もやたら短く感じる世界。あ、そう言えばヒロインは転校してくるわけですが、元から江の島近くに住んでいた筈で、それまでどこに行っていて、どこに引っ越してきて? あれ? なんか位置設定がハチャメチャで物語以外にもツッコミどころ満載ですな。   役者はみんな良かったのですが、女優さんはもう少しちゃんとキレイに撮ってあげてください。お願い。
[映画館(邦画)] 5点(2017-12-03 19:59:05)
158.  gifted/ギフテッド 《ネタバレ》 
 叔父さんとお祖母さん、どちらも正しい部分と間違ってる部分とがあって、だから女の子にとって本当に正しい道を慎重に繊細に探ってゆく、のかと思ったら、クライマックスになると悪が正体を現し、叔父がヒーローとなって必殺技を放ち怒涛の都合のいい結末を迎えるという。なんだか雑っていうか、半端なものを見せられちゃったカンジでした。  映画を創る1つ1つの要素がどれもピタッとはまってはゆかず、ゆるゆるしたまま終わっちゃった印象。   叔父さんとお祖母さんがそれぞれに自分のエゴを優先して女の子を振り回す状態なので、どちらも応援できずにひたすら女の子に同情しちゃって、だから肝心のクライマックスで彼女の姿を描かないままに映画の結末を決定付けてしまうのは、ちょっと違う気がしました。結局は大人の都合にばかり目が向いて問題にちゃんと向き合えていないのではないのかな?   っていうか片目の猫のフレッドって存在に女の子の立場や心を映しているのならば、ちゃんと最後までフォローして欲しかったかな。  もしかしたら少女とフレッドを芯にした映画にすれば、名画になったかも?
[映画館(字幕)] 5点(2017-12-03 19:37:01)
159.  ミックス。 《ネタバレ》 
 ありふれた定番の物語、意外性も何もなく、予定調和の道を進む映画。強引な展開、ツッコミどころ満載、テンポダウンしてしまう後半とか、欠点大量な脚本。大会当日まであんなすったもんだしていて、アレでどうやって大会に出られたんだ?っていう。  ロケーションにしても、みなとみらいや江の島に気軽にアクセスできるって設定の神奈川県でなんであんなに平べったい田舎なんだ?っていう地域的不自然さ。実は千葉とか群馬とかでロケしてまーすっていうのが関東の人間には丸判り。   でも、それでも良かった、いい映画だったと思えたのは、キャラが魅力的だったから。と言ってもキラキラに飾るのとは全く逆ベクトルの、ウェザリングしまくったプラモみたいな存在感ゆえの魅力。  不器用で地味めで垢抜けてない、笑顔が苦手なガッキー、色々諦めた感の漂う、むさ苦しい瑛太、力の抜けた「田舎のちょっとくたびれた感じの元ヤン」ヒロスエ、それぞれがスターのオーラを消しまくった状態で登場し、そしてそれぞれがその状態で魅力を放つ存在になる、っていうかなりテクニカルな事をしてる映画だったりします。メイクやヘアスタイリストや衣装の人の技巧が、そして役者さんの演技が光っている訳ですね。  っていうかエンドロール見て「蒼井優ってどこに出てた?」って。いや、マジで気付かなかったし。で、帰りの電車の中で調べて「え、あのぶっきらぼうで横柄で愛想の無い、でも憎めない、っていうかむしろ愛着を覚える姐さんが蒼井優だったの!? 中国の女優さんかなんかだと思った・・・」みたいな。このサイトで調べると未レビュー作品も含めて彼女の映画、これまで少なくとも27本見てるっていうのにね。  肝心のクライマックスのキスシーンにしても、ロマンティックに見せるなんて事はせず、ガッキーは作業服姿に作業帽かぶった状態で、徹底的に晴れやかにキラキラしている感じを排除しています。  それぞれのキャラが輝きを抑えて生々しい存在感を放つ事で、それぞれの生が胸に迫ってきて、そしてクライマックスでの、あくまで飾らないがゆえに放たれる輝きに繋がるのですね。  で、だからヒールポジションの永野芽郁だけはバキバキに作ったメイク顔なのが面白いのでした。   この世界の人々の中に居られたらいいのに、と思えたならば、その映画は成功しているんじゃないかな、と思うのでした。
[映画館(邦画)] 7点(2017-11-05 20:06:04)
160.  斉木楠雄のΨ難 《ネタバレ》 
 私がこれまでに見た福田雄一監督作品の中では最もつまらない映画でした。   「何も無い映画」なんですよね。話としては何も起こらない。キャラクターが成長したり学習したりは一切しませんし、物語の始まりと終わりとで何かが変わる事はありませんし、何も生まれず何も失われません。  そして、そんな映画ならばそんな映画なりのあり様がある筈、そういう映画としての美学があっていい筈ですが、そんな事には一切頓着していなくて、単なるネタ集であり、そして殆どのネタがハズしてるという状態。原作マンガに準じているのでしょうが、マンガをそのまま映像にすればそれで面白いのか?という基本的な部分で間違っているのではないかと。   全てのキャラに一切のリアリティなどなく、この世界の中だけで閉じているキャラで、ならばこの世界なりのルール、面白さを示すべきだと思うのですが、そこを創造する気はさらさら無いようですし、単なる面白キャラなりの面白さすらも示せておらず、演じてる役者さん達はそこに存在し、その世界の登場人物となり、ギャグを演じてはいるけれど、みんな目が死んでる、って状態。  福田監督の悪いクセである投げっぱなしで回収しない、オチを付けないエピソードが大量に散らかっていて、でも、そんな事もどうでもいいくらいにそもそもの芯となる基本的な物語がつまらないという。   今年の橋本環奈出演作3本の中で、最も彼女を魅力的に撮れていない映画でもありました。3本中これとあともう1本も福田監督なんですけど、そっちに比べても全然。別にヘン顔してるからとか、そういう意味でなくて(アッチでもヘン顔してるけど、アッチはそれでも魅力的でしたし)。   お金を払って見るレベルではなくて、この映画にかける時間すらも勿体なくて、「何も無い芸」ってのは、だけどそういうモンじゃないんだって学んで頂きたいところです。喜んでお金と時間を提供できる「何も無さ」ってのがあるとして、少なくともコレは全く違います。
[映画館(邦画)] 3点(2017-11-05 19:03:01)
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