Menu
 > レビュワー
 > タケノコ さんの口コミ一覧。8ページ目
タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

たまにポチっと「良」投票・・・

よろしくお願いいたします。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
ジャック・レモンの哀愁漂う切なさは絶品ですね。到底勝ち目はないと思える恋の戦いに、平凡だが一途で誠実な男が勝利する、これには多くの男性が溜飲を下げたのではないでしょうか。最後は幸せの足音が聞こえてきそうな、後味のよいラストシーンでした。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-12 22:19:31)
142.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
未解決事件=犯人は捕まらない、と結末を堂々と宣言している極めて挑戦的な映画。サスペンス映画にとってはかなりのハンディキャップとなるはずだが、結果この内容で我々をうならせたのだから、これは監督の手腕に脱帽であります。迷宮入りするような連続殺人事件ですら、最初はただの一事件。それが次第に恐るべき大事件に変貌していく過程を、監督はソ・テユン刑事を介して視聴者に伝えることに成功している。常にソウルの難事件と向き合うこの百戦錬磨の刑事が、こんな田舎の事件などと最初は余裕をかましていたこのイケメン刑事が、事件の悪化とともに徐々に冷静さを失い、終盤近くではもはや半狂人のようだ。ラストの田園のあまりにも美しい風景は、「そう、犯人はまだ捕まっていない。今もその辺に放し飼いになっていますよ」と皮肉たっぷりに言いたげだ。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-10 19:35:43)(良:1票)
143.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
ダニーとメロディのピュアで一途な恋。若い頃はただ漠然と二人の恋の顛末にどきどきした。大人になった今は、この奔放な二人に注がれている多くの愛情に気付いた。思えば、二人の恋の成就は、彼らを思う友の献身や親の愛情による支えがあるからこそ。憎たらしい教師たちだって本当は彼らの将来を真剣に考えている。でも幼くて恋に夢中な二人はそんなことは知る由もない。恋は盲目であることを、大人の目線で肯定し、やさしく描いた名作だと思う。ラストシーン、二人を乗せて走るトロッコと名曲"TEACH YOUR CHILDREN"、これはいつまでも記憶に残る名場面。今走り出したと思ったら、トロッコはもうはるか彼方。彼らの恋の行方を想像してうれしい反面、なぜだか若かったあの頃にはもう戻れないことを思い出し、胸がつまる。気付けば青春もはるか彼方、もうどうあがいても手が届かないことを、ただただ実感するのである。 
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-01 11:48:22)(良:1票)
144.  ローズマリーの赤ちゃん 《ネタバレ》 
母性対サタニストを描いたカルトホラーの名作。怖いというよりは、にじり寄る狂気に嫌な汗がじわりじわりと滲み出る、とにかく不気味な話でした。裸体をさらし、髪を切り、そしておそらく相当の減量を強いられたであろうミア・ファローの女優魂には賞賛を送りたい。よき隣人の裏の顔はカルト崇拝者、そして最も信頼できるはずの夫までもがその隣人たちによって洗脳されていく過程に、日常生活においては身近に潜む狂気と常に隣り合わせだということに一層恐ろしさを感じます。
[DVD(字幕)] 8点(2013-10-30 14:32:17)
145.  ヒート
ヴィンセント (パチーノ) とニール (デニーロ) 。 成り行きで正義と悪の道に進んでしまったような二人だが、仕事 (ヤマ) に取り憑かれて、凄まじく「生き急いでいる」という点で彼らは同種族である。そんな彼らにとって、お互いに最高の「好敵手」の出現に、二人の血沸き肉躍る心境がビシビシと伝わってきた。 対象的に、ヴィンセントの冷え切った家族関係とか、ニールが住む家の空虚さと夜景の儚い美しさとか、、およそ家庭が似合わない男たちの「孤独」を感じさせる描写が秀逸で、彼らのキャラに深みを与えているように思う。きっと、彼らにとって仕事 (ヤマ) は生きがいではなく精神安定剤であり、「セラピー」かもしれない、、そう思わせる男たちであった。 また本作では、ヴァル・キルマーやトム・サイズモアも魅力的であったが、彼らですらデニーロと凄んで歩くことによって「男増し」することは否定できない。 個人的には、パチーノとデニーロが若くも年寄りでもなく、成熟した大人の男として最もカッコイイ時期がこの頃 (80年代後半~90年代の半ば) 、と思っている。まさに、ギリギリだった。この絶好の期を逃さずに、希代の名優二人が共演し、マイケル・マンという最も相応しい監督が、重要な「記録」として映画史に刻んでくれたことに感謝する。
[DVD(字幕)] 8点(2013-10-23 22:28:40)(良:1票)
146.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 
YUIはもちろんですが、この映画は思いのほか、塚本高史君がよかったです。一見チャラいが、実は誠実で友達思いのよいヤツ、を好演しています。(同じクラスにいたらぜひ友達になりたいもんだ) YUIが歌い始めると周りに次から次へと集まって来る場面、一歩間違うとあざといシーンになりがちですが、YUIの存在感と歌によって見事に本作のハイライトとなりました。 何度も使い古された感のある難病モノですが、出演者たちの熱演によって一際心に残る映画となっています。 →2021/7/1追記。インターネットにて再鑑賞。 最後の最後まで、彼女自身が、「死」を覚悟していたのか、それはわからない。(映画としても、そこは濁しています) ただ彼女は、歌うこと、恋することによって、今を生きる幸せを必死に見い出そうとしました。だから難病モノではなく、これは人生讃歌として素晴らしい映画である、と改めて評価したい。冒頭と最後に写し出された美しい湘南の海、彼女が力の限り振り絞った歌声、 そして、彼女の思い出を胸に、力強く前向きに生きていこうとする家族、親友、彼氏の姿までも、まるで彼女の願いのようにいつまでも心に残ります。(今回、7点→8点に変更)
[DVD(邦画)] 8点(2013-07-25 15:54:21)(良:1票)
147.  陽のあたる教室 《ネタバレ》 
名門校の音楽教師の半生を綴った話です。ホランド先生のような教師に出会えたら生徒は幸せでしょうね。感動的なエピソードが多い中で、個人的には校長先生との別れの場面がお気に入りです。それと、Beautiful Boyを息子に歌う場面、泣けます。→2013/12/9追記。DVDにて再鑑賞。 ロウィーナのエピソードが、やや蛇足というか冗長ぎみに感じましたが、ホランドの良心や誠実さを強調するためにはやはりこのエピソードは必要なのでしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2013-07-21 13:44:33)(良:1票)
148.  ちょき 《ネタバレ》 
まず、導入部から波多野青年 (吉沢悠) の日常を丁寧に描いており、とても好感が持てる。続いて、美容室にて常連客たちとの軽口があり、彼の人柄や人間関係もわかりやすく、実に手際が良い。 やがて、満を持してサキ (増田璃子) が登場すると、まるで「そよ風」が吹いたように、映画全体が爽やかな空気に包まれた。 その彼女が青年と二人、バイクに乗って海岸線沿いを颯爽と走り、マリーナシティを楽しみ、砂浜を歩く。それだけで視覚的には十分に楽しめるものだが、、しかし、彼女は盲目だ。バイクの疾走感と彼の背中、海のかおりと潮風とつないだ手の感触、、我々も一度は目をとじてみて、彼女の「体感」を想像してみるのもいいだろう。 神社の「絵馬」のメッセージが感動的なのは、その前段において、サキが見えない目で書道に取り組んだからである。それはつまり、伝えたい言葉を (つたなくても) 自分で書きたい、、そう思わせる下地があったからこそ。 全体的には、透明感ある青と白を基調とした、色合いのキレイな映画だったと思う。 また個人的には、なぜだか「ジョゼと虎と魚たち」を思い出す映画だった。 最後に余談だが、和歌山県産の映画に好作多し。大げさではなく、有田みかん、紀州梅干、と併せて、もはや "和歌山三大特産物" に認定したいほどだ。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-12 21:26:43)(良:1票)
149.  ウインド・リバー 《ネタバレ》 
ストーリーはありがち。 しかし、ジェレミー・レナー演ずるコリー・ランバート、この男たった一人の存在によって、この映画一本がズッシリと観応えあるものとなっていた。 舞台は見渡す限りの白銀の世界。 あたり一面の「白」に同化して潜むその姿は、雪原のプレデターの如し。 射撃の腕前は正確無比、一度狙った獲物はアメリカン・スナイパーのように外さない。 そして、命を救った女性捜査官には見返りを求めることも、もちろんない。 強く、優しく、高潔であれ。その美学には、西部劇のC・イーストウッドを観た気がするのである。 しかし、そのジェレミー・レナーさん、その後プライベートでは重機による除雪作業中の事故で大ケガをされたとか。「雪原のプレデター」らしくない大事故だが、、どうか一日も早い回復を祈りたい。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-02 23:03:56)
150.  川っぺりムコリッタ 《ネタバレ》 
本作はご存知、荻上直子監督。 ご飯のうまそうな映画、、そこはブレることなく継承しながらも、人の描き方は過去作品からかなり変化が見られます。例えば、「かもめ食堂」「めがね」では、登場人物たちの過去を明かさず、あえて素性をぼやかすような作りでしたが、本作の彼ら (山ちゃん、島田さん) は過去の苦悩をみなに吐露していて、実に人間味のある描き方をしています。 そして、テーマである「再生」を意識したのか、出演俳優も (常連組から) 一新されているし、「川っぺり」は監督ご自身の新たなスタートでもある、、そういう意気込みを感じさせる映画でありました。 特筆としては、「死」にまつわるエピソードの数々、、そのインパクトが大きい本作ですが、死を感じてさらに生きる意欲、つまり食欲が湧くという、紛うことなき「食」の映画であることは間違いありません。 しかし、うれしいことに監督の売りでもある "ほのぼの感" はまだ健在であり、これは鑑賞直後よりは、後からジワジワと評価が上がってきそうな予感がしてます。 さてと、、イカの塩辛、買いに行こっと (笑)
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-11 22:34:17)
151.  長い散歩 《ネタバレ》 
主演は名優の緒形拳さん。 年老いても凜とした存在感は健在であり、孫のように幼い娘と歩くその姿だけでも、充分に惹きつけられるものでした。本作公開からまもなく亡くなられたので、まるで羽をつけた天使に天国へとエスコートされているように、見えなくもなかった。 親の虐待と育児放棄から子を救うために、赤の他人が連れ去ってしまう・・。犯罪的行為を犯罪的行為で阻止するわけですが、目の前で困っている子を見過ごしておけない、、こういう人徳は尊重されるべきものだと思うし、老人はうまいやり方を知らない「不器用男」そのもので、自作の覆面と竹の棒で懲らしめるお姿はなぜか笑えてしまうような部分もあった。 二人の刑事 (デカ) が登場するけど、やる気も空回りして、ちょっとドジなところ、、昔のバディもの刑事ドラマのような味わいがあってよかった。こういった事案では、警察は初動も遅く肝心な時に頼りになりません。でもそれは組織やルールとしてのことであり、彼らも、それぞれ情熱や正義感はある。そういう意図があったとは思う。 なお、今や名女優の安藤サクラさんがウェイトレスの端役にて長編映画デビュー。彼女の父であり、本作の監督でもある奥田瑛二さんによる推しの抜擢、と察します。本作のテーマである、親の「育児放棄」とは裏腹に、ここでは親の過保護をまざまざと見た気がいたします。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-10 13:18:48)
152.  島にて 《ネタバレ》 
山形県唯一の有人離島「飛島」と、島に住む人々の暮らしに密着したドキュメンタリー映画。 まず、上映開始直後の巨大なタコに思わずニヤリ。ちょうど、今日の晩酌のつまみにタコの唐揚げを考えていたからだ。私がスーパーで購入した真だこは130gで550円、いったいこの巨大な真だこはその何食分になるだろうか (笑) さて、本作は島民の方たちの素朴な暮らしぶりがよく伝わる内容となっていた。 映画的な出来映えとしては、場面が変わるところの挿入画に監督の光るセンスを感じさせた。 島の緊急ヘリポート。 放し飼いになった山羊。 寂れながらも生活感のにじみ出る古民家の数々。 はるか海の向こう (の本土) にそびえ立つ雄大な鳥海山・・・。それぞれ、この島ならではの風景を厳選しており、いつの間にか私は次の挿入画を心待ちするようになっていた。 本作は、島の過疎化問題への取り組み (島おこし) が大きなテーマとなっている。その事例として、UターンやIターンによる新規サービス業や、バーベキューイベントなど催しの様子も紹介されていた。しかし、とても良い取り組みであると素直に思う反面で、島おこしが大当たりして多くの人と喧騒で賑わい、まるでリゾート地のように開発される島 (の姿) もあまり想像したくない自分がいた。 手付かずの大自然。 140人が暮らす島。窓から海が一望できる教室で、たった一人の生徒にたった一人の先生。 それはそれで、この島ならではの贅沢だろうし、誇りたい文化でもあるように思えたからだ。「飛島」自身は、どう考えているのだろうか? 少し身勝手な意見になったが、、この島の古き良き文化を残しながらの、飛島と島民みなさまの繁栄を願いたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-29 23:08:08)
153.  お父さんと伊藤さん
お父さんと伊藤さん、そして語呂悪く題名から除外された娘さん。(山中彩34歳) 同居しながらも、心のうちを見せず、心のうちに踏み込まず、ほどよい距離感・緊張感が持続する心地よい120分。部外者であるはずの伊藤さんによる機転・気配り・先回りによって、何とか成立していた父娘の関係性。きっと、彼は人生を2周目なんだろう。だから、何でも知ってるんだろう。もちろん、2周目の余裕からもう仕事にこだわるようなことなどしないし、欲もない。うん、そういうことにしておこう。(ファンタジーだし) お父さん74歳、伊藤さん54歳、山中彩34歳。 どうりで、父娘の間にピッタリおさまる伊藤さん。でもこう並べると、(彼に) 14歳の隠し子がいそうな予感の今日この頃。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-15 19:24:05)(良:1票)
154.  マイスモールランド 《ネタバレ》 
本作は監督をノーチェックで鑑賞したのですが、サーリャ (嵐莉菜) の撮り方が優しく繊細だし、観終えた後にこれは女性の監督だろうな、、と予想した。当たっていた。抑制の効いた演出は、是枝裕和氏の制作によるものも大きいのだろうが、川和田監督としては、これが初めての商業長編映画のようで、これからがとても楽しみな監督が登場したように思う。 本作は「クルド難民」であり在日クルド人たちの物語ですが、サーリャ目線の青春映画に仕立ているので、重たいテーマでありながら、映画自体の間口はとても広くて、観せ方がうまかったように思えます。あのお父さんを主人公にしていたら、きっとゴリゴリのクルド難民映画になっていた気がしますよ (笑) そのお父さんですが、娘が男友達を家に連れてきたときに、一緒にご飯食べて行きなさい、と歓迎した。これは、クルド人は、日本人を差別しない、ということ。でもそのお父さんですが、娘が口紅をして出かけるようになったときに、彼にはもう会うな、と言った。クルド人だろうが、日本人だろうが、やはり "お父さん" は万国共通だ。もちろん、女の子が恋したらキレイになりたいのも、万国共通だ。 この映画を観ても、クルド難民の問題は何一つ解決されない、でも、彼らも本質的には、我々と何一つ変わらない普通の人たちじゃん、、ということを、私という一人の日本人が理解した。 しかし、私があのコンビニの店長だったら、やはり同じようにすると思う。だって、いくら彼らがよい人たちだとしても、不法滞在は「違法」だから。今度は私が捕まっちゃうから。 つまり、人間の問題よりは、その法律ってやつこそ、頭でっかちで変わることを知らない最も厄介たるものだ。 ・・と言いつつも、法律でコントロールしないと、この国は不法滞在者で溢れてしまって、本当に "無法地帯" になってしまうのだろうし、国と人と法律ったら、何でこんなにややこしいのか。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-12-18 23:28:58)
155.  バックマン家の人々 《ネタバレ》 
メンツすごいな。この、そうそうたる俳優たちが、そのオーラを消して全員でアメリカの中流家庭を演じているところがすごい。 特にラリー役のトム・ハルスが、モーツァルトのカリスマ性を微塵も感じさせないのがすごい (笑) 子役では、リーフ・フェニックス (ご存じ、後のホアキン・フェニックス) の、この頃から卑屈な感じの暗い目が印象的。こういう子がいずれ、ローマ帝国の暴君やら、ジョーカーになるんだ。 そうそう、私も「マグノリアの花たち」を思い出しました。本作の方がよりコメディっぽいけど、制作年がほぼ同時期だし、大家族が織りなすアットホームな雰囲気などはそっくりです。 映画の内容としては、見ての通りハッピーエンドなファミリードラマであり、一人一人コメントしていたらいくらでも書けそうだけど、一言で総括するなら、家族のほとんどが概ね長所と欠点があるのが良かったな。 あとやはり、冒頭でも書いたけど、これほどの俳優たちが一家族として一同に集う、、これこそが本作の本当の価値。有名人ばかりだし、ボリウッドや贅沢とはかけ離れたこういう平凡な庶民の役、みんな (で) やりたかったんじゃないかな。 なお、絵面的に弱いところは、スティーヴ・マーティンのカウボーイ姿でスパイスを効かせていると思えます。このエピソードを中盤あたりに配置するのも、気が利いてるね。 監督はロン・ハワードかぁ、、こんな昔に良い作品を撮っておりましたね。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-24 10:59:52)(良:1票)
156.  アンダーカレント 《ネタバレ》 
原作未読です。 表題「アンダーカレント」とは、潜流という、表層部の海流と独立して海面下を流れる海流を指す。本作で言うなら、人間の心のうち、のことだろう。自分でも理解できないものを、それが他人だろうが、夫だろうが、なおさらわかるはずもないお話。だから、結論を求めずに、その展開を楽しむつもりでご鑑賞。 映画としては、メタファーに富んだ恋愛サスペンス映画、というところでしょうか。回想場面の多様がやや気になりますが、それはストーリー進行上、かなえ (真木よう子) の脳裏に一瞬だけ浮かんだ光景であり、凡庸な映画にありがちな説明不足を補うものとは異なるものでした。 その彼女が水の中に沈んでいく光景が本作を象徴します。その姿は洋服が膨張してお腹が膨らんでいるように見えて、まるで胎児を宿っているようにも見えました。これは、彼女の深層心理的な願望の現れなのかもしれませんね。 悟 (瑛太) は、彼女の元を去りました。本作中、嘘、という言葉が飛び交いますが、愛情を失ったのに、妥協や慰めで共にいること、いようとすること、それは偽りの愛だし、それこそが本当の「嘘」ではないだろうか。 ストーリーから話逸れますが、真木よう子さんの代表作は、「ゆれる」だと思ってます。本作は、消えた夫、現れた (謎の) 男、怪しげな探偵、、そんな三者三様の男にゆれる女の恋心、、といった様相で、彼女にとって久しぶりの代表作になりそうな気がしてます。 江口のりこさんとは「パッチギ!」の名コンビですね。あのお二人が (丸くなって) 十何年ぶりに再会したようにも見えて、私は密かに笑っておりました。 なお、本作にアクセントを加えていたのは、間違いなくリリーさん。その得体の知れない感じが、まさにお家芸であり、あそこでまさかのカラオケ熱唱には笑わせてもらった。歌は「裏切り者の旅」(笑) ちなみに、喫茶店 → カラオケBOX → 遊園地 → 海辺のドライブ、、って、サイレントで観たら、二人の不倫ドラマに見えるよね、これは。 その探偵に会う時は、なぜか美しく化粧していたかなえさん。女ごころは複雑ですかね。 そうそう、本作はご存じ今泉力哉監督ですが、澤井氏と脚本を共同執筆するようになってから、作風がシリアス路線に変わった気がいたします。近年では「mellow」「街の上で」が今泉監督個人による脚本ですが、この二作は笑いもあるし、個人的にはこちらの方がいいかな・・。例外的に本作で監督のこだわりが最も感じられるのが、銭湯。 靴屋、花屋、パン屋、古着屋、そして、風呂屋。 原作ありきとは言え、ロケーション設定については、「らしさ」を貫いていてうれしいところ。 会社、オフィス、、(つまり、サラリーマン、OL、社長さん、ね) こういう堅苦しいのは監督の映画では見たくないので、そこだけは、これからもよろしくお願いいたします。
[映画館(邦画)] 7点(2023-10-09 11:34:28)
157.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 
まるで「千と千尋の神隠し」のように隠喩を散りばめた、「ラピュタ」のような冒険活劇、といった作風ですが、そこに戦火の混乱期という時代設定があり、まさに監督宮崎駿、人間宮崎駿の集大成、、と言えそうです。 その内容については、観終えたばかりの浅い解釈を書き並べても安っぽいし、それこそラピュタの方が、千と千尋の方が、、それを延々と書き並べても仕方がない。よって、本作を通して直感的に感じたことを一つだけ。 近年のジブリ映画は、宮崎駿監督 (個人) の哲学的思想が色濃く出ていて、あまり好きになれないところがありました。そこは、まさにラピュタを夢観たクリエイターたちの、歯がゆくも、手出しできない聖域であったと思います。しかし、最後と銘打つ本作を観るかぎりでは、ジブリはまた、ラピュタや千と千尋をやってもいいんだよ、、という、御大の置き土産であり、ありがたい「お言葉」のようにも思えます。 堂々と言うが、エンディングの歌は私の心には全く刺さりませんでした。最近の若いアーティストの歌全般、ほとんど心に響かないし、本作こそ、ユーミンでいいやん? って、心底から思った私は、はるか昔にその感性は取り残されているのかも。しかし、思うに宮崎駿が最後にこの「歌」だから、若い後進たちは、ユーミンに縛られることなく、誰に気兼ねすることなく、これからは好きな歌を自由に歌っていけるはず。 後進たち、クリエイターたち、、ジブリの栄枯盛衰を共に生き抜いた君たちへ。 そして、君たちはどう生きるか。 これは、"監督" 宮崎駿 、からの言葉です。
[映画館(邦画)] 7点(2023-10-03 23:21:46)(良:1票)
158.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
不運がこれほど恐ろしいとは。これは、ショーシャンクの有名な台詞です。 いくつか、感じたことを書きます。ネガティブな内容ばかりになります。 まず、ギュウギュウ詰めで検察に移送される被疑者たちの絶対数に対して、圧倒的に警察・司法側が要員不足だと感じた。金子 (加瀬亮) の対処にあたった者たちだけを見ても、警察官 (大森南朋) → 当番弁護士 (田中哲司) → 検事 (北見敏之) 、この一連の流れは、さっさと自分の仕事を終わらせたい感がアリアリで、まるで膨大な量の物を取り扱う工場の「流れ作業」のような印象だ。 痴漢被害者の女性は、心の傷が癒えぬまま法廷に駆り出されて、好奇の目にさらされています。思い出したくもないことを、大勢の前で発言させられます。この扱いは痴漢にあうのと同等なくらい屈辱的ではありませんか。 肝心の裁判では、リリーフの裁判官が思い描いた出来レース通りに終了 (閉廷) 。誰も、裁判官にはものを言えない。 もちろん、この誤認逮捕から判決に至るまで、関係者たちのお給料を含めてたくさんの税金がここに使われ、そして最終的に、当の真犯人は今だ野放しという、とても素晴らしい茶番劇でございました。 金子は誠実な男でした。だから、親や親友、証言のために戻ってきたOL風の女性など、多くが彼を助けようとした。こうして、人が窮地に陥った時こそ "人間性" がものを言うはずですが、そんなものは国家という巨大権力の前では無力である、、それがこの映画の答えになります。 国家権力、万歳!! である。ついでに、満員電車でもバンザイだ。痴漢にされたくなかったら、両手をいつも上げておけ。 以上。
[DVD(邦画)] 7点(2023-09-12 21:32:57)
159.  さんかく 《ネタバレ》 
百瀬、佳代、桃、という、主要な三人については、みなさんのレビューで大いに笑わせていただいたし、その人物評については出尽くしておりますので (笑) 、あえて別の切り口から一つコメントを。 本作、と言うよりは、この監督のほとんど全ての作品で言えることですが、年頃の少女が主演のごとく登場するにもかかわらず、「親」が全く登場しません。(壊れた父親、がいることはある) 三人の会話の断片にちらっと登場しても良さそうですが、それすらない。 かつての相米慎二監督は、その作中において、子になおざりな親たち、離婚寸前の親たち、、といった、大人の不在 (喪失) を通して子供たちの成長、を描いていましたが、吉田恵輔監督の支柱はそこに近いように感じています。(そもそも、田畑智子、一夏の物語、お引越し、親の不在、といった本作のキーワードから、相米慎二監督「お引越し」へのリスペクトは隠せません) もちろん、本作を恋愛劇として観るなら「さんかく」ですが、桃という子供、に対して、百瀬、佳代の二人は未成熟な大人、、その視点で観ると、大人たちが不甲斐ない歪な家族ドラマのようにも見えるのが本作の面白いところ。 しかし、二人の監督それぞれ個性があり、相米監督はあくまで "家族" がテーマですが、吉田監督は "恋愛群像劇" にこだわっているようです。それも、いじわるで挑発的な (笑) 実は、優しくて愛がある、というところは同じかな。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-08-17 12:01:05)
160.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
佐和子 (満島ひかり) は、それなりにかわいい娘だと思うし、フラれ続けて連敗中とは言え、ある意味では男性にモテる、ということ。そして、零細企業とは言え、社長令嬢 (笑) でもある。私からすれば、"中の下" どころか、十分に "上の下" あたりだ。 ところで、本作で特に注目したいのは、登場人物たちによる彼女の評価 (コメント) が多いこと。例えば、冒頭の庶務課のお局さんお二人。世情や、佐和子の人生にはやたらとコメントするが、自らの残念な平凡人生には目を向けない。うだつが上がらない、バツイチ子持ちの彼氏もそう。飲んだくれの岩松オジサンもそう。稲川オバサンもそう。自己評価をしない、自分に目を向けない、他人を批判 (否定) することで自己満足、、佐和子ではなくて、彼女を取り巻くこういう人たちこそ、いつまでたっても "中の下" ではありませんか。しかし、その描き方には笑いとユーモアがあり、風刺の効いた喜劇調に仕上げるあたり、さすがは石井裕也監督。 一つだけ納得がいかないのが、シジミ工場のオバサン軍団、あの描写はいただけない。日本人は、組織とか集団に収まると、心情はともかく表面上はニコニコと友好的なフリをするもんです。いじめるにしても、ああいう、あからさま、ではなくて、嫌がらせしたり、もっとねちっこくやりそうな気がします。(女性ならとくに)
[DVD(邦画)] 7点(2023-08-15 12:09:58)
010.17%
120.35%
230.52%
3203.48%
4345.91%
5508.70%
614825.74%
717029.57%
811820.52%
9234.00%
1061.04%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS