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six-coinさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 210
性別 男性
ホームページ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8512182
年齢 49歳
自己紹介 映画は娯楽である。笑ったり泣いたり学んだり、空想という鑑賞時間を過ごす「芸術作品」である。実際に映画づくりを体験していない人間に、映画批評が出来るとは思えない。プロの批評家でもなく映画を作った経験も無いのだから、作品のシナリオや背景など、基本設定に理屈っぽくケチをつけるようなナンセンスな行為はなるべく止めにしたい。映画好きのハシクレとして、作家が作った作品を、素直に楽しみ、感動できる姿勢を何よりも大事にしたいと思う。

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161.  真珠の耳飾りの少女
「心まで描くの?」絵を描いていく過程で、フェルメールとグリートが互いに持っている官能的な想像が、開いた唇からクライマックスの真珠の耳飾りに至るまで極めて的確に描かれている。エロスの表現を近頃流行りの安っぽいセックスシーンではなく、その「匂い」で、直接描くよりもよほど官能的に感じさせてゆくのが凄い。フェルメールがグリートに抱いていたのは単なる肉欲ではなく、それに限りなく近い「画家としての清純な美しさの探求」であった。「汚らわしい」「なぜ、私じゃないの」という妻の絶叫。彼女にとっては、夫に他の女と肉体的な関係を持たれるよりも、遥かに屈辱的な思いだったに違いない。画家としての夫に一番評価されるべき部分の矛先が、自分ではなく雇い人に向いたのは、自分の女性としての、妻としての存在意義を踏みにじられたものと同じだからだ。モデルになるという体験を通して、かつて純朴で清純なだけの少女であったグリートは、ひとりの強い大人の女性として物語を終える。キャンバスに描かれた彼女の姿は、少女から大人の女性へと変化を遂げた、儚い一瞬の姿だ。物語の最後、屋敷を後にした彼女は、もうあの作品の中の「真珠の耳飾りの少女」ではなくなっている。また映像も構図も大変美しい。当時の画家達を虜にし狂わせたラピスラズリの青を中心に、シーンの一つひとつが本物の油彩のようだ。多くの謎の残る画家と、今も人々を惹き付けてやまぬ一枚の絵。そしてその絵の裏に描かれ、絵を観た誰もが感じるであろうミステリアスな官能美。これに見事に描き、この絵を知る観る側の期待に応えきった作品だ。
6点(2004-09-13 00:55:26)(良:3票)
162.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
CGだらけの安い作品かとあまり期待せずに観に行ったが期待以上。ロボットは所詮生命体ではない、しかしそれがプログラムから独自に進化した感情を持った時、人間とロボットの差は有機体と無機体の違いでしかない。サニーの様に自ら怒りを作り出すこともできれば、きっと芸術の創造も可能なのではないだろうかと思う。かつて主人公を助けたロボットは論理から少女を見殺しにしたが、サニーは見殺しにすることなくヒロインを助けた。人類全体に対するリスクの論理から考えればあの場合はヒロインを見殺しにしても当然。現代社会では何事も秩序だてた論理が正しいと思われがちだが、人間の感情から生まれた矛盾のある行動こそが、実は一番人間らしい部分であることを考えさせられる。単なる近未来への警告ではなく、人間の人間たる部分とは何かを示してくれている映画であると思う。 物語の冒頭はサニーをロボットとして気味悪く思っていたが、物語の進行につれ感情移入でき、最後はスミス演じる刑事と同じ人間に見えて来る。特にピンチから脱出するサニーの機転、ウインクはT2の親指を連想させて傑作だった。
7点(2004-09-12 02:48:47)(良:2票)
163.  LOVERS 《ネタバレ》 
女優チャン・ツィーの美貌に加えて、何と言っても映像が素晴らしく美しい。白樺の林や金色の草原、クライマックスの雪景色、中国ならではのロケーションを使ったシーンの数々は流石である。観てみれば「謀」と「LOVERS」のタイトルデザインも納得、ストーリーも騙し騙され、良い意味で見事に裏切られた。HEROの様に過度なワイヤーアクションも思ったほど多く目立たず、さほど違和感なく楽しめたので良し。中国ならではの人海戦術で、朝廷と反乱軍との大戦闘シーンがあるのではと期待したが、それが無いことでより哀しさが引き立ち、そして尾を引き余韻として残る。この場合は戦闘の結末が無くて正解だと思う(小屋を取り囲む朝廷軍が、反乱軍の全滅を予感させる)。予告編からして大嫌いな二股映画か不倫映画の類かと心配であったが、杞憂に終わった。片想いの中、命懸けの密偵となった男と、それを知らずに朝廷を裏切り、反乱軍の女を愛した男。哀しくも全ての事実を知った時、かつての友である二人は斬りあわねばならない。それでも男は愛した女の為に飛刀を投げず、また女も命を顧みず飛刀で愛する男を救おうとした。3人の想いと心の哀しいすれ違いが、実に見事に表現されている。故にこの映画には、尻軽な安っぽさが感じられない。ここが浮気や不倫を安直に美しいと表現しただけの薄っぺらい映画とは一線を画している部分だと思う。
7点(2004-09-05 03:19:05)
164.  28日後...
スプラッターでもなく、グロテスクな死体でもなく、ウイルスによって狂暴化した人と正常な人間とのせめぎ合いで、恐さが大変良く演出されている。下記のレビューにある「心理映画」という批評は、まさにそのとおり。奇妙な殺人鬼なんかよりも、遥かにスリルがあり、ゾクゾクと心に響く恐さがあった。ある逃げ出せない一か所の中で、必死に逃げ回る複数のメンバーが一人またひとり、というのは恐怖映画のセオリーだが、これは襲って来る人間が間違いなく同じ人間という点、また舞台がよく知られたイギリスという点で大変リアリティがある。同時期にあった「バイオハザード」よりもこちらの方が遥かに恐いのは、そうした現実味によるものだろう。
5点(2004-08-31 00:06:15)(良:1票)
165.  ヴァン・ヘルシング
期待し過ぎて、良くもなく悪くもなく、という印象。筋書きは悪くなく、色男ヒュー.ジャックマン演じる主人公も、不健康なくらいにウエストの細いベッキンセールも魅力的だ。物語もこのテのものは大好きなのだが、主人公の苦悩やヒロインとの間柄など、物語の運びが粗かったように思えて残念。もっと時間をかけて、もっとひとつひとつのエピソードをじっくりと描いて欲しかった。冷徹な殺人鬼であり独裁者であったハズのドラキュラ伯爵が変身した姿は妖怪を通り越してもはやエイリアン、(ドラキュラって、卵から生まれるの?)それが現実離れし過ぎていて興ざめし、返って恐さが半減してしまった。しかしながら、全体としては楽しめたので良し。
4点(2004-08-30 23:50:03)
166.  カムイの剣 《ネタバレ》 
幕末の日本から果てはアメリカ大陸のキャプテン・キッドの秘宝まで、徹底的な荒唐無稽に仕上げらたシナリオが実に「楽しい」。丁寧に描き込まれた図画の精巧なこと、そして動きのひとつひとつに効果的にデフォルメが使われており、CGだらけの最近の安っぽいアニメーションとは比較にならないほど躍動感に溢れている。シーン展開も時間の運びを表現する手法などが大変考えられて創られていると思う。そして竜童組の和太鼓に始まる、これ以上なくぴったりで印象的なBGM、「約束したわけじゃないけれど 約束したのと同じことさ」渡辺典子さんの歌うテーマも抜群にマッチしている。光の帯を引いて飛び交う手裏剣、交錯する刃に飛び散る火花。冒険あり、アクションあり、ロマンスあり、何でも欲張ったバカバカしく壮大なストーリーで、こちらの期待に徹底的に応えてくれる。これぞ角川映画の最高峰。
6点(2004-08-19 01:37:27)
167.  スチームボーイ STEAM BOY
AKIRAを観た衝撃から幾年月、期待に胸を躍らせて観に行った大作。期待を超えてオドロキ、ではなく、従来の大友ワールドとはまた違った世界が新鮮に映った。かつての「AKIRA」や「MEMORIES」に見られた彼独特の毒の世界は鳴りを潜め、一転あまりにも分かりやすい物語やテーマ。お子さまでも楽しめるような内容に若干拍子抜けしないでもなかったが、それでも迫力のある凝った映像のクオリティは間違いなく大友克洋だったし、スッキリと充分に楽しめたので良し。最初の家からスチームボールを抱えて脱走する廊下など、実写さながらのスピーディーなカメラワークが良かった。映画自体の完成度の高さは理解できるが、やはり個人的には彼のシュールでダークな世界の方が彼らしいと思う。
5点(2004-07-27 00:50:47)
168.  スパイダーマン2 《ネタバレ》 
ストーリーとしては断然1作目より面白い。いい加減語り尽くされていることでは在るが、完全無欠の無敵のヒーローではなく、普通の人間同様悩んだり苦しんだりするヒーローらしからぬヒーローの姿が、身近に感じられ素直に共感できる。ただアクションと映像で魅せるだけの作品とは違い、むしろヒューマンドラマとして仕上がっているのがとても良い。不調で蜘蛛の糸が出なくなってしまうのには驚いた。原因を突き止め具体的な対策を講じねば、いつ落下するものか分かったものではない。恋人にも親友にも正体がバレてしまい、なおかつ恋人の理解まで得られた時点で、このシリーズのクライマックスはほぼ終わっているのではないか。むしろ続編によって尻窄みになってほしくはなく、個人的には最高潮にある今回の作品で完結しても良さそうな気がする。相手の蜘蛛男という特異体質を知っても、気持ち悪いと思うどころか一向に気にしないMJの深い愛と、列車さえ止めてしまう主人公の大胸筋に拍手。
6点(2004-07-27 00:34:39)
169.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 《ネタバレ》 
私は原作を読んでいないので、純粋に映画だけで物語を堪能できた。さすがに主役の3人は大きくなりすぎ、一体小学校なんだかハイスクールなんだか分からない。それでもファンタジックな物語は楽しめる内容に仕上がっている。希代の悪役ゲイリー・オールドマンが結果良い人だったのにはちょっと拍子抜けした。どうせ良い人になるのなら、もっと出番を増やして思いきり悪人として演出して裏切ってほしかった。原作はこのまま読まずに続編を楽しむつもりではいるが、読み手の各々が想像する小説ではともかく魔法の世界を舞台に映画として創るにはちょっと飽き気味になりそうだ。続編で良い方向に物語が裏切ってくれることを期待している。
5点(2004-07-27 00:24:57)
170.  キング・アーサー(2004)
ある程度予想はしていたが、小さい頃読んだアーサー王の物語がとてもスケールが小さく見えてしまい、ハッキリ言って白けてしまった。ランスロットがハンサムなのに、アーサーはルー大柴そっくりに見えてしまい、この第一印象が頭から離れなかった。キーラ扮するヒロインの姿は美しくワイルドで魅力的で、物語の筋書きも決して悪くはないのだが、やはり規模の小ささが致命的であると思う。仮にも西欧最大の伝説ならば、やはり「トロイ」や「ロード・オブ・ザ・リング」並の地を覆う大軍とスケールで描かねば説得力に欠ける。「大スペクタクル」にはちょっと遠かったというのが正直な個人的感想。
3点(2004-07-27 00:13:28)
171.  銀河鉄道999
「火の鳥」同様、原作本を読む前に観たのが幸いだった。原作に比較するとどうしてもスケールが小さく見えてしまうのはやむを得ない。人の一生の意味とは何かをテーマに宇宙を舞台に壮大なスケールで描かれたドラマ。愛、友情、青春、人生、希望、正義、憧れのひと、男というものの定義etc、現代では死語となり、口に出すのも恥ずかしくなった様々な要素が散りばめられているにもかかわらず、今でも自然に見ることができ、変にひねくれることもなく純粋に感動できる。この映画にはそんな言葉を堂々と口にしても恥ずかしくないだけの、ひたすら一途な純粋さがある。子供向けのアニメーションとは、かくあらねばならないと思う。それにしても「銀河鉄道」とはなんて素敵な響きの言葉だろう。宮沢賢治が初めて「描いた」この四文字、これだけでなんとも言えないロマンを感じることができるではないか。
6点(2004-07-27 00:01:34)(良:1票)
172.  タクシードライバー(1976)
観ていてベッソンの「レオン」を連想した。大人と少女という登場人物や、物語の運びなどの共通点だけではなく、物語全体に散りばめられた美しい危うさがよく似ている。大統領候補を狙った凶弾は結局事を成さず、それは一人の少女を救う為の正義(?)の弾丸となるが、主人公にとってはどちらも善でも悪でもどうでも良かったに違いない。たまたま結果はハッピーエンドとなったが、仮に大統領の殺害に成功していたとしても、彼自身にとっては同じことだったのだろう。「俺に必要なのはきっかけだ」と狂気の中で人生の転機を探し求めていた主人公だが、あの凄絶な撃ち合いを経た後、自分の人生に何かの転機を求めることができたのだろうか。同じようにタクシードライバーとして、今までとなんら変わらない生活を送っていく彼の胸の中に在ったものが、事件によって人生を変えることが出来たという達成感と満足だったのか、それとも今までと変わらない人生を送っていく達観的な諦めと満足だったのか。私には後者のように感じられた。夜の街のネオンサインと音楽、それに全く古さを感じさせないファッションも印象に残った。
7点(2004-06-27 02:56:52)
173.  21グラム 《ネタバレ》 
とても「重い」映画であったというのが正直な感想。映画の起承転結を楽しむ人は、なかなか好きになれないのではないか。起承転結の「結」で全てを理解させるのではなく、映画全体にその意味を散りばめた絵画のように感じた。デル・トロもショーンも、ナオミ・ワッツも役所はぴったりで見応えがあったが、最後にショーンが自ら命を断とうとした意味や、21グラムという数字の意味は、私個人は理解するのに時間がかかりそうである。いや、その明確な意味を言葉にすることも出来ないのかもしれない。下のレビューにもあるとおり、映画全体を通して、その意味を訴えることにこの映画の目的があるのかもしれない。このレビューに投稿する皆様の解釈を、是非参考にさせていただきたい。映画全体で特に引き立っていたのはカメラワークの良さ。斬新なオープニングのデザインや、シーンの切り替わりは、この映画ならではの美しさとカッコよさが感じられた。
7点(2004-06-13 03:58:11)
174.  シルミド/SILMIDO 《ネタバレ》 
犯した罪は決して消えるものでもなく、シルミドに行く前に彼らがやったことは肯定できるものではない。それでも反乱の直後に一人が口走った「自分の墓標に、自分の名前を書けないってことだろ!?」という言葉が彼らの気持ちを象徴している。許されない罪で刑務所送りになった犯罪者達、そんな彼らでも自分の存在した証を残し、自分は自分として生き、死にたかったのだ。最初は刑を免れるための行動であったが、それがやがて、彼ら自身の存在の意味そのものになっていく。北の首領を暗殺して栄光を手に入れる、そんなことよりも、刑の執行により一度は存在を消されかけた彼らはこの任務の遂行に自分達の存在の証という悲願を立てた。共産ゲリラのレッテルを貼られようとも、バスの中に血染めの名前を残した彼らの行動からは、自分の存在意義を確認し、かの国に生きていた証を残したいという、悲惨なまでに切ない気持ちが伝わって来た。犯した罪は、犯した罪。しかしたとえ罪人としてであれ、彼らの存在が世に公的に認められることを願ってやまない。……蛇足だが、音楽が「ザ・ロック」にとても似ていた気が…。
8点(2004-06-13 03:44:31)
175.  トロイ(2004) 《ネタバレ》 
史実として有名なトロイの木馬の逸話の映画化、ことごとくリアルな映像に圧倒される。両軍隊の大激突の迫力は言わずもがな、賛美すべきは内面まで完璧に役作りしたブラッド・ピット演じるアキレスの勇姿。アキレス腱以外は不死身と言われた伝説の英雄、映画を観る前はお伽噺のとおり槍をもはね返す強靭な肉体の持ち主を想像していたが、完璧なまでに強かった筈の彼が非常に人間臭く描かれており、それがかえってリアルに見えて面白かった。身体を張って演じた一騎討ちも、中途半端に描かれたCGアクションなんかより、遥かに迫力があり手に汗握る。もともとの元凶であるパリス、兄や国を犠牲にして、我が身が招いた災難そっちのけで最後まで生き残っているのが納得できなかったけど…。
6点(2004-05-18 03:25:45)
176.  ビッグ・フィッシュ
最初は主人公同様、父親の過去の真実が知りたいと思ったが、最期にはどうでもよくなった。父の人生の何が嘘で、何が本当かを知る、それが父親を理解することだと信じた主人公が、最期に知ったもの。どれが嘘で、どれが本当かなんてどうでもいい。ただそこに父親が在り、その人生に多くの人々が交わり、そして共に幸せを分かち合った。精一杯に自分と人々の幸せを祈って生き、人々に惜しまれて去った充実した人生があっただけ、それこそが全てで、それで十分なのだ。人生というものの、なんと面白いことか、それを息子に伝えたい一心で、父親は誇張した思い出を語ったんだろう。自分そのまま、幸せで豊かな人生を息子に生きてほしい、心から純粋に、そう願ったに違いない。そうして創りあげた幻想的な思い出の数々も父親にとっては立派な自分の人生の一部。たとえ奇人と呼ばれたって、人の幸せを祈り、人に愛される一生は、素晴らしい。出来ることなら、こんな素敵な最期で一生を終われたなら。嫌味もなく、純粋にそう思える映画だった。
8点(2004-05-18 03:09:58)(良:1票)
177.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 
登場する全ての人物が、みな温かさに溢れている。母を苦しませまいと必死の芝居を続ける主人公、それに自分の夢を重ねて手伝う友人、一生懸命に芝居を続ける近隣の人々。そして何よりも、母の愛。母は主人公からではなくララから壁の崩壊を知らされ、にもかかわらず映画は終始母を騙そうと演技を続ける息子の視点のまま、観ている観客は巻き込まれて主人公と一緒に芝居をし、淡々と最後まで進んでゆく。「素晴らしいわ」テレビの演説ではなく、一生懸命に自分に芝居をしている本人の姿を理解して微笑んだ母。彼の芝居は母への無上の愛のかたちであったことを、間違いなく母は理解していた。芝居であることを知っていたのを隠したまま死んでしまうことで、息子への愛に最大の形で報いた母の姿。それを最後まで知らない息子の姿が胸を打つ。最大の親孝行、そして最大の母の愛。なんて温かで、ユーモアに溢れた映画だろうか。
9点(2004-05-09 03:25:13)
178.  ターミネーター2
特にSFアクションという分野において、続編になって更に面白さと凄みが増した良い例の映画だ。全編で敷いた伏線を更に発展させ、その上に友情、母子愛、別れの切なさなどありとあらゆる感動的な要素を絡ませ、期待以上の出来で見る側を見事に裏切ってくれる。手に汗握るストーリー展開も見る側を決して飽きさせない。シュワルツネッガー主演の映画では最高の出来だ。
[地上波(吹替)] 8点(2004-05-08 01:59:05)
179.  アドルフの画集
若き頃のヒトラーが画家志望だったことは知っていたのでリアルに感じられ、作中の彼に大変感情移入できる映画だった。政治に興味を持ち民族主義者、出征して勲章をもらうなどある面で非常な現実主義者。しかし一方では画家としての素質を持っていても、芸術の前に華開かない自分をリアルに認めきれない孤独なロマンチスト。直情的であれだけのエネルギーを持っていた後の独裁者には、そうなる前に画家としての挫折や苦悩、開眼があったであろうことも容易に想像できる。人類史上あまりに悪名高いこの男の人生の分岐点、画家としての素質が独裁者として開花するまでの過程が本当に分かりやすく、美しく描かれていた。
8点(2004-05-06 00:13:00)
180.  火の鳥 鳳凰編
原作よりも映画の方を先に観たのが幸いした。まだ幼く、ケタ違いのスケールで描かれた原作を読んでなかった頃の私にとっては、十分に感動できる映画だった。それだけに、原作を読んだ時の衝撃は大きく、原作漫画を読んで以来、このアニメは観ていない。あのスケールの物語をこれだけの時間にまとめようというのがそもそも無理な話である。ただ、AKIRAと違い原作を読んでなくても十二分に理解でき、感動できる内容だった。ラストシーンの小高い丘、桜吹雪の下にもの想う我王。肩にとまったてんとう虫、頬つたう涙、そして平安京の夕景に飛んで来る生命の象徴、火の鳥。「You carry us on your silver wings to the for reaches of the universe 愛したら火の鳥、時を超えて巡り逢う」…流れ出す渡辺典子さんのテーマソング。原作を知ってしまった今でも、あの時の感動を否定することは出来ない。
6点(2004-05-05 01:19:45)
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