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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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161.  アルコール先生 ピアノの巻 《ネタバレ》 
ピアノが本物のピアノのように見えるのが良い(笑)。ちょっと使い込まれた感じが出ていて本物のような重厚感が出ていても軽々と床を滑りながら動くところが見ていて笑っちゃうし、そのピアノを一人で背負うチャップリンはそれだけで可笑しい。 ピアノを荷台に乗せて移動するシーンを合成なしで撮っているシーンがごく当たり前のようであるのだけど好き。 あと数十年後にこんなシーンが出て来たら人物と背景とを別々に撮って合成したりするケースがよくあるので、役者とカメラを現場に移動させるという労を惜しまない作業が嬉しく思えてきます。 ロバが宙に浮いてジタバタするところなんかは、チャップリン映画では珍しい動物の好演。何で後ろに傾いたのかは原因不明なんだけど(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2012-09-30 01:40:57)
162.  アルコール先生 自動車競走の巻 《ネタバレ》 
この映画のストーリーは?と聞かれても答えられない。 車が出てくるシーンより観客席のシーンの方が多かったので、点数が低くなるのも必然と言えるでしょう。 また、シーンによって光の当たり方に違いが出てしまっていたところがあったのも残念。 
[映画館(字幕)] 4点(2012-09-30 01:10:44)
163.  チャップリンとパン屋 《ネタバレ》 
食べ物を粗末に扱ったり、物を壊したりするアクションはあまり好きではないので大きく減点。 と言いつつも、パン生地を使ったバトルはなかなか見られるものではなく、異様な迫力があって斬新な感じがしました。 ストをやるにもダイナマイトを使ったりして穏やかではない様子。 ダイナマイト入りのパンがいつ爆発するかが面白くなるかならないかの分かれ道だと思うのですが、ちょっとタイミングがイマイチだったのが全て。 窯の中のパンとドタバタとをクロスさせたりすれば面白くなったんじゃないかな?
[映画館(字幕)] 5点(2012-09-30 01:04:01)
164.  恐怖のまわり道 《ネタバレ》 
この映画の公開が1945年となっていますが、現代の感覚で観ると、おそらく急性心筋梗塞か何かで死んだのだろうから死亡解剖をすれば罪を着せられることはないので、女に脅迫されている間は早く自首してしまえと思いながら観ていましたが、当時はまだ死亡解剖の考えはなかったのでしょうか? それはさておき、途中で乗せた女が眠りから覚めた所はビビりましたが、その後ずっとその女の金切り声を聞かされるシーンの連続で、それまでどうしても主人公の男に感情移入してしまっていただけに、あまり気持ちの良いものではなかったです。 映画の序盤、道でヒッチハイクをしていた次のシーンで「俺はここで曲がるが、おまえはどうする?」「じゃあ、ここで降ろしてくれ」と、パッと車の中の会話のシーンに切り替わる鮮やかさや、霧の中を恋人と二人で歩くシーンなど良いところはあったものの、オープンカーで走っているにもかかわらず髪の毛がほとんど風になびいていなかったり、最後のモノローグも少々くどい感じがありましたし、また終盤近く、それまでの立場が逆転して主人公の方が女を脅迫するシーンが一瞬出てきましたが、もう少しそこを上手く掘り下げてストーリーを組み立てれば更に良くなったと思います。 それと、タイトルは邦題の勝ち。
[映画館(字幕)] 6点(2012-09-29 11:18:00)
165.  緋色の街/スカーレット・ストリート 《ネタバレ》 
ストーリーは、パッとしない初老の出納係が悪女にのめり込んでいってしまうという既に何度か見たことのある話なんですが、序盤から主人公クロスの人物描写のきめ細やかさには目を見張るものがあり、興味を引かれるところであります。 雨の中、友人を傘に入れてあげたり警察を呼びに行ってあげたりするだけでなく、傘が破れているところをさり気なく入れてみたり、金庫から金を取ろうとして思い直したりするところや、エプロンをつけて家事をする姿なんかは滑稽を通り越して悲哀な印象すら覚えるほど。一方、悪女キティの方も、タバコを投げ捨てるだけでなくその先の流し台の中までも描くところなんかも唸らさざるを得ないようなワンショットだと思います。 人物の描写は丁寧で好きなのですが、やはりストーリーにアラが目立つのが難点でしょう。 一番気になってしまったのが、遠近法がメチャメチャと言われた絵が何故か高値で買い取られてしまったのと、金を工面するシーンが出てきたにもかかわらず最初に出てきた懐中時計がキーアイテムとしてその後に全く活用されなかった事なんですが、他にも、キティが主人公の台詞を借りて堂々としているにもかかわらず彼女は自分の絵に自信がないという設定で押し通そうとしていたり、殉職したはずの元夫と夫人が再会した後から裁判で証言をするシーンまでの過程が描かれていなかったりといった所もツメの甘さを感じました。 しかし、サイレントの影響を感じさせる音響演出なんかは好きですし、決して悪くはない映画だと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2012-09-28 00:45:03)(良:1票)
166.  南部の人 《ネタバレ》 
アメリカ南部で土地を開拓し、降りかかる困難に耐えながら逞しく生きる家族を通し、労働の尊さ、家族愛、自由とは何かを描いたルノワールの傑作。 トータル的なストーリーとしては、南部の土地に移住してきた一家族が様々な苦境を乗り越える話で、息子が栄養失調で病気を患ったり隣人との仲違いが刃傷沙汰にまで発展したり洪水に見舞われたりと、起承転結の転が3回も続くストーリー構成に当時の開拓者の苦労がうかがい知れます。 映画の序盤、近隣の住人に井戸水を分けてもらいに行った時の会話から、この映画はパイオニアvsニューカマーの物語なんだと思い、数々の苦労を乗り越え道を切り開いてきた先駆者に対し、その切り開かれた道を易々と通り「困った時はお互いに助け合おう」などとのたまう新参者に、両者の間で起こるであろうただならぬバトルの予感を感じずにはいられませんでした。 この映画の核と思われる場面は、息子の栄養状態の悪化で妻が大地に倒れこんで泣きじゃくる姿から、サムが「屋根で空も見えないようなところで働けと言うのですか」と都会での労働を見下すような言葉を空に向かって言っていた所までの一連のシーンでしょう。 この流れは終盤の大洪水の後の友人との会話に繋がっていて、「都会の人間は俺たちが作ったものを食べて生きている」と農業至上主義的な考えを崩さなかったところに「農業をやるにも農具がいるし、狩をするにも銃が必要だ。それらは都会の工場で作っているんだぜ」という友人のひと言や、「俺は絶対に命令なんかされたくない。自分の好きなように自由でいたいんだ」「都会にいれば好きなものを食べられるし、どこだって遊びに行ける」というやりとりにも考えさせられるものがあり、友人と会話をする中で少しずつサムが人間として成長していく姿を描いたストーリーが際立っていたように感じました。 映画の中で、当時の生活環境や栄養状態が克明に描かれていたところや、また豪雨の後の辺り一面を水に浸された土地の様子を撮影したスタッフの苦労、特に長期間豪雨を待ったであろう忍耐力には心底感服させられます。 一方で、農場で綿花が育ち、その中を手を繋いで歩く二人の姿は幸せそのものですし、ストーブの火で照らされた家族の暖かい表情は、お決まりの手法ながらも感動的なワンシーンでした。
[映画館(字幕)] 9点(2012-09-02 17:33:08)
167.  世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶 《ネタバレ》 
35mm版で観ました。 芸術の国フランスと言われるほど国民の美の意識が高いフランス人ですが、国家が成り立つ遥か昔、氷河時代にはその美的センスのDNAが既に組み込まれていたのだという事が分かります。 壁画の描写はまるで水墨画のよう。動物の体の輪郭は濃い色でくっきりと、体の内部は淡い色を用いて皮膚の質感を表現したり、またキャンバスの使い方も平面ではなく敢えて凹凸のある場所を選ぶことにより脚の動きを表現しようとする大胆なチャレンジ精神などが見て取れ、描いた人のセンスと工夫がとてもよく感じられて驚愕するほどです。 カメラワークも、いろいろと制約がある中での作業のためスタッフの苦労は想像に難くなく、暗い中で照明の角度や明るさに微妙な変化をつけることで壁面の細かな凹凸を浮き立たせながらじっくりと壁画の一つ一つを再現していたのは良かったですが、出来れば氷河期当時の人間が見ていたのと同じように松明の光で照らすシーンが出てきても良かったのではと思いました。 映画の終盤、製作者はこんな貴重な洞窟にも危機が迫り既に影響が及んでいる事の重大性を主張したかったのだと思いますが、ラジコンヘリにカメラを積んでアーチ橋の手前にいるスタッフを空撮するシーンを含め、この二つのシーンは完全に蛇足でしょう。 日本の鍾乳洞でも、発見されて間もない頃は煌びやかだったのに、一般に公開されてからは呼気中のCO2によってくすんでいってしまったという話を聞いた事があり、3万年もかけて形成された宝石のような洞窟も、わずか数年で輝きを失ってしまうという儚さを持つものなのだという事は感じ取れた気がします。 それと、邦題はもう少しシンプルにするべき。
[映画館(字幕)] 7点(2012-08-26 14:15:22)(良:1票)
168.  ラヴ・パレイド 《ネタバレ》 
全体的に間が悪い印象。 特にミュージカルシーンではそれが顕著で、室内のシーンが多いというのもあるかもしれませんが、唄い終わるまでカメラはほとんどフィックスの状態で、画面が切り替わるのも1度くらいしかないため、ややこじんまりとした感じを受けましたし、ルイーズ王女の歌声が喋る時の声とかけ離れていたりしたのも自分としては気になってしまい、どうもミュージカルを撮るのに慣れていないんじゃないかという気がして、後世に作られたミュージカル映画と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。 むしろ、小間使いたちのミュージカルシーンの方が歌と同時にモーションが加わったということもあってか、彼らのシーンの方がより引き立っていたように感じられました。 ストーリーの中でも、カットを入れるタイミングが遅いことが何度かあったりしてテンポが悪く感じましたし、物語の中身においても、女王の婿になれば苦労するのは目に見えていたこともあって特にそれを裏切るような変化もないまま終わってしまい、観ている間は退屈に思えました。 また、結婚直後の女王夫婦の部屋を覗いて様子を実況したり、婿にあてた手紙の追伸の内容もルビッチらしからぬ品位のなさを感じました。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-22 22:34:27)
169.  港々に女あり 《ネタバレ》 
何となくっていうレベルの話ですが、船乗りを演じる男って何故か格好良く見えるんですよね。 この映画の主人公は見た目はワイルドで無骨な感じに見えるんだけど、出会った女の事を手帳にメモるなんてマメな奴だなぁとか、女に声を掛けに行く前に毎回キチッと身なりを整えたりする所なんかもどことなく滑稽じみていて見ていて笑っちゃう。 また、一度女に惚れるとのぼせ上がって人の話が耳に入ってこなくなったり、人に対して裏表がなさそうな性格や情にも厚い人柄もしっかりと描かれていたりして、まさにヴィクター・マクラグレンを見るための映画という風にも言えそうですね。 よく“○○を見るための映画”と美人女優が出ている映画に対してそのような事がよく言われることがありますが、この映画もその男版って感じ。 マクラグレンが話しをする時、相手の両肩を持って目を見て話すシーンが相手を問わず何度も出てきましたが、どんな内容であれその時その時の気持ちが表情に現れていたのが印象に残りました。 酒場での喧嘩のシーンも見るからにアドリブで迫力があって見応えがありましたし、そう言えば、船乗りを引退した後の生活についても試算を手帳に書いてましたね。
[映画館(字幕)] 7点(2012-08-19 22:01:31)(良:1票)
170.  凸凹フランケンシュタインの巻 《ネタバレ》 
アボット&コステロの映画は初めて観ましたが、何となくダチョウ倶楽部っぽい(笑)。太っちょのコステロは上島、ノッポのアバットは肥後、ついでに言うと狼男が寺門か? それはさておき、タイトルからしてキチッと正座をして観るようなシロモノとは思えず、ユル~く構えて見るべきでしょう。笑いのパターンはへちょちょさんの仰るとおりベタベタのコテコテ。しかーし、これが面白い!典型的ギャグ上等上等! ギロチンの模型にぶつかって落ちた頭をコロコロ…と落としたり、上島じゃなかったコステロだけが怪物たちを目撃して相方に話を信じてもらえなかったりって言うのは、なかなか古典的で好きで、特に地下室の回転扉(壁?)を使った一連のギャグシーンが一番面白かったです。 また、ギャグシーンだけでなく、こんな映画には勿体無いくらい(失礼!)の美人女優が出ていましたし、鏡の使い方も上手、難しい夜のシーンの光加減なんかもそつなくこなしていましたし、何と言ってもオープニングのアニメーションが秀逸だったのと、ストーリーの中でも上手くアニメーションを活用していた所が印象的でした。
[映画館(字幕)] 7点(2012-08-17 23:23:17)
171.  桃色(ピンク)の店 《ネタバレ》 
自分も、邦題にツッコミを入れようと思いましたが、中身の方に集中させていただくとして・・・この映画のストーリーの肝は、主演二人がそれぞれに文通相手がいて、目の前の同僚なんかとは比較対象にもならないほどの立派なお人という時点で、お互いの文通相手がこの常にいがみ合っている相手同士なんだろうなということが予測できないわけがない訳で、序盤は映画を観ている我々が、そして中盤以降はクラリックとその同僚を加えた人々が真相を知らないクララの行動を傍目から観察して楽しむという構図でしょう。 見終わって、それをラスト近くまで如何に引っ張れていたかを考えてみると、シガレットケースのネタも面白いとは思えませんでしたし、脇を固める店員たちも影の薄かった男が社長夫人との不倫関係にあったりといった中途半端な個性の持たせ方でしたし、クラリックが店主になってから不倫相手だった歳上の店員を解雇するくだりも社長のやり方と対比させる意味がわからないですし、やはり何よりも女性がまくし立てる場面が多すぎたのが大幅減点の材料で、映画の大半をクララが一喜一憂する姿を見て楽しむのに費やすのはちょっと無理があったように思えました。 序盤の、重曹を二人続けて買って来てもらって飲むシークエンスもいまいちでしたし、最後のO脚かどうかというのも、映画を締めるネタとしてはクオリティに欠けていたと思います。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-12 20:48:25)
172.  真昼の決闘 《ネタバレ》 
これはもう「格好良い」という言葉しか出てこないです。 自分の仕事の後始末に命を賭けるゲイリー・クーパーは、ただひたすら格好良い。 そして、その格好良さを更に後押しするのがタイムリミットの存在。上映時間の約9割以上をそのリミットによる緊迫感が常に支配していることで、非常に見応えのある作品に仕上がっていると思います。 また、クーパーを取り巻く脇役たちも渋く抑えた演技で主役に匹敵するほどの好演。 半人前の血気盛んな若手保安官との口論や馬小屋での殴り合い、訪ねた先々で相手にしてもらえず「街を去れ」(←西部劇ならではのこの台詞、格好良い。)と一蹴されるシーン、教会に集まった者たちで議論をする場面での意見交換のシーン(神父が「例え犠牲者が出たとしても…、いや何でもない」とクーパーが命を落とすのではとハラハラさせるような台詞を挟むのも実に上手い)や、新妻とメキシコ女との間で交わされる会話でそれぞれの人物背景が語られるシーンなど、クーパーと悪漢との間に起きた過去のいきさつやクーパーの人望の厚さが次第に浮き出てくる描き方は、ほとんど完璧と言って良いくらいの見事なテクニックでしょう。 ゲイリー・クーパー演ずるケーン保安官は、主演でありながらそれまでの西部劇ではありえないほどの小さい存在になってしまっていて、仲間を求めて街を彷徨う姿は部屋の中から小さく捉えられるショットが多く、また時間の経過を表現する時計も、序盤は小さく撮られていたものが終盤にかけては振り子が画面一杯に揺れるほどの存在感を出すように撮られたりと、カメラワークにおいても絶品。 言うまでもなく、真昼のシーンだけで構成されている本作ですが、冒頭から幾度となく現れる澄み渡った空の“白さ”が乾いた印象を与え、街の殺伐とした雰囲気やラストの保安官夫妻の去り際の無常感を際立たせているように感じました。 悪玉のボスが意外とアッサリとやられてしまった事以外は、ほぼパーフェクトの映画。大満足。
[映画館(字幕)] 9点(2012-08-12 17:40:47)
173.  黄色いリボン 《ネタバレ》 
原題邦題共にタイトルがダメ。原題は仕方ないにしても、配給会社はもう少し映画の内容に相応しい邦題を考えるべきだったと思います。 「黄色いリボン」というくらいだから、それがキーアイテムとなるかと思いきや、それにまつわる話はほんの数分しか出て来ず、しかもオープニングからインディアンとのそれまでのバトルの進捗状況が暫くの間ナレーションによって語られるため、本来のメインテーマであるジョン・ウェイン演じる大尉の出番が遅くなってしまい、彼にまつわるストーリーがサブプロット程度のものにしか捉えられない状況を作り出してしまっていると思いました。 メインのストーリーはそこなのだから、何よりもまず先にジョン・ウェインの存在感を出してからストーリーを進めるべきであって、中盤辺りに差し掛かった頃では軍曹らを交えた軽妙なやりとりが始まったりして、本題そっちのけの随分と悠長な映画だなぁなどと勘違いをしてしまったほどです。 ただ、やはりオープニングでのフルショットで見せる馬の疾走やラストの馬の大群のシーンなど迫力あるシーンはさすがジョン・フォードと唸らされるショットですし、人情味のあるシーンも随所にあって、彼の特色が出ていて面白かったです。 中でも、軍曹に変な問題を起こさせまいと私服を着させて営倉に閉じ込めようとする大尉の粋な心配りや、隊長の命令に文書で抗議するワンシーンなんかは、絶対服従の軍隊の中でのビジネスライクな対応で、ここは印象に残りました。
[映画館(吹替)] 6点(2012-08-08 22:59:50)
174.  オーケストラの少女 《ネタバレ》 
タイトルですが、原題はどう見ても上手いとは思えないのですが、邦題にしてようやくマシなタイトルになったという所でしょうか。 そのタイトルにもなっている少女ですが、この子から光るものを見出せなかった、というか、デカすぎ。「あんな少女の言うことなんか…」という台詞が何度も出てきましたが、もう少しその台詞に見合うくらいの小さい女の子を起用すべきだったのではと思いました。 しかし、文部省推奨の映画というだけあって、あの少女のバイタリティは子供たちの手本となるほどのものだったと思いますし、困っている人を助け困難に直面しても挫折せず夢に向かって突き進んでハッピーエンドを迎えるストーリーは少々強引な部分もありますが、観ていてパワーをもらえるようなお話しと言えるでしょう。 父親役のアドルフ・マンジューも味のある良いお父さん役でハマっていましたが、ストコフスキーが本人役で自ら出演していて、自分としては初めて聞く名前でしたが、こちらの方に魅力を感じました。他の連中とは違い、少女が仕事の邪魔をしたりしても決して怒鳴り散らしたりするような事はせず優しく諭す姿も好感が持てますし、やはり彼が立っているだけで偉大な音楽家としての風格が出ていて、それが画面を締めているような印象さえ受けます。 結局、最後まで少女は数々の制止を振り切ってストコフスキーに直訴しますが、彼の自宅に楽団員全員を入れて階段と踊り場で演奏させるシーンは、どうやってあの大人数を入れたんだ?とかいう疑問も吹っ飛んでしまうくらいの圧巻のワンショットでしょう。 演奏の後、ストコフスキーが改心しオーケストラの指揮を執るようになるまでの過程が省かれていますが、そういう部分には目を瞑って観るべき作品なのだと思います。
[映画館(吹替)] 6点(2012-08-07 21:44:42)
175.  クリスチナ女王 《ネタバレ》 
観終わってからグレタ・ガルボのプロフィールを見て初めて、彼女がスウェーデン出身だと知ったのですが、これはまさにガルボ入魂の一作と言えるのではないでしょうか。 序盤の、彼女の政治信念を語り国民の幸福を願うシークエンスが実に格好良く、この時点でこの映画は最後まで絶対面白いと確信。 一番の見どころは、クリスティナ女王演じるガルボの演技に尽きると思うのですが、酒場での堂々とした立ち振る舞いや、朝の読書の後その辺に積もっていた雪でゴシゴシと顔を洗うスギちゃんばりのワイルドさを見せたと思いきや、スペイン大使に同じ部屋に泊まらせてくれと言われた辺りからのおどおどした雰囲気、寝る前にお互いに服を脱ぎ彼女が上着を脱いで弱々しく佇む姿を見せる一連の変貌ぶりが素晴らしい。 極めつけは翌朝、部屋の中のあらゆる物に触れ愛し合った記憶を留めんとするこなしの端麗さ! 酒場でのアントニオ「南国でないと愛は生まれない」など、何処ぞと言わんばかりのラブシーンでしょう。 更には、宮殿に来た男の方が再会に驚くという“逆ローマの休日”をやっているのも楽しい。 また、彼女の表情のクローズアップをラストを含め要所要所で用いるなど、メリハリのあるカメラワークも効果的。 ラストは悲しい結末になってしまいましたが、亡くなる前に聞いていた目指すべき場所へ船首を向けるクリスティナ。もはや女王ではなくなってしまいましたが、その直前の王冠を外す姿も、船頭に立って一点を見つめる眼差しも非常に印象深く、最初から最後までグレタ・ガルボに魅了され存在感に圧倒されっぱなしの100分間でした。
[映画館(字幕)] 8点(2012-07-29 17:25:13)
176.  こうのとり、たちずさんで 《ネタバレ》 
国境によって人間の運命が変えられてしまうという事は、島国日本に住む我々にとっては夢物語のようで、にわかに信じ難い出来事のように思えますが、映画の中で起きていることは紛れもなく実際に現実に起きている事なのでしょう。 男女が一つになるという生命の本質に関わることが、国同士の諍いの具現である国境によって妨げられてしまう。こんな事があっていいわけがなく、他にどんな不幸がこの世にあるのだろうかと考えてしまいます。 川を挟んだ結婚式は平和の来訪の諦観の念、新郎新婦が再び出会う事を絶望視してのものなのでしょうか? 互いに連絡を取れずにいるにもかかわらず、一年の同じ日にしかも時間まで合わせて川岸で再会するなんて、渡り鳥が海を渡るとか、魚が生まれた川に戻るとかのような、何か神秘的な印象さえ感じます。 このレビューを書いているのが7月8日。前日が七夕だったということもあり、織姫と彦星の物語を連想せずにはいられませんが、バルカン諸国で現実に起きているこの物語はロマンティックのロの字もないほどに厳しく切ないものでした。
[映画館(字幕)] 6点(2012-07-08 19:09:39)
177.  狩人 《ネタバレ》 
雪原を歩く狩人たちが発見したもの。それは20年以上も前に起きた民主化運動の市民兵の死体。と言うよりは、彼らが“生み出した”といった方が正しいかもしれません。 何故、あんな所に死体が・・・?ズバリそれは彼らに過去を悔いる気持ちが残っていたからと言えるでしょう。 彼らは死体を持ち帰り、皆それぞれが過去を回想することで忌まわしい過去を清算する。清算という言葉が的確な表現かはわかりませんが、何かしらの気持ちの整理をつけたと解釈しました。 回顧シーンの驚くべき手際の良さ、時の流れを巧みに操るスムーズさにしばしば目を奪われます。皆で囲んで食事をしていた長卓がスッと画面から消え、全く同じ長卓が今度は死体を横たえた出で立ちで瞬く間に姿を現すシーンにゾクゾクさせられます。 極めつけは、パーティー会場の中に市民兵が乱入し、動かないはずの死体も起き上がり彼らを外に出し一列に並ばせるシーン。銃声と同時に倒れる狩人たち。これが彼らが生み出した悔悟の念の最たる部分であったのでは。 そして、懺悔を済ませた彼らは再び雪原に戻り死体を埋める。新年を迎えるべく栄光館に戻る後ろ姿。 何故、アンゲロプロスはこの映画をブルジョア側の視点で撮ったのだろう? 彼自身も狩人たち同様、悔悟の念を抱いていたのかも・・・。読み間違いをしているかもしれませんが。
[映画館(字幕)] 6点(2012-07-01 22:07:44)
178.  殿方ご免遊ばせ 《ネタバレ》 
もう、タイトルからして駄作臭がプンプンとしていたのですが、この映画コメディーとして見ればなかなか面白い(と言うか、原題も素っ気無さすぎて、こちらもかなり微妙)。劇中でブリジットとかミシェル・ルグランという名前が出てきたり、終盤で見せる全くリアリティのないくしゃみなど色々と遊び心が感じられる作品で、中でも面白いのが、冒頭で乱暴な運転で警察に職務質問されるシーンでの一幕。「好きな人を追いかけているの。」に対し「追われれば逃げる。男とはそういうものだ。」と、違反を追及されるどころか愛の指南を受けるところなんかはいかにもフランスらしくて好き。 他にも、首相が撃ち落した鴨が二人の頭上に落ちてきたり、パーティー会場のウエイターの曲芸、殿下が人違いされて乱闘騒ぎになったシーンでのBBのアクションなど、コメディーとしての出来が良いので、BBを見るためだけの映画と位置づけるにはちょっと勿体無い気がします。 と言いつつも、この映画のBBのベストショットは背中のペンを取ってもらうシーンかな? 6点→7点に変更。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-30 13:42:55)
179.  青春群像 《ネタバレ》 
自身、フェリーニ作品は過去6本観ているのですが、後の「崖」「甘い生活」への布石を見ることが出来たような気がします。(なので、これより先はその2作のネタバレあり!) ストーリーなんて、まさに「甘い~」のはしり。だらけた日常や途中で知り合った純粋な少年の存在など“まんま”と言っていいくらい。ただ一つ異なるのが、天使像を運ぶのを手伝わされたりして一番目立たなかった男が最後に旅立つシーンで終わる事。ここは「甘い~」とは違い、将来への希望を感じることができたような気がします。 また、最後の方で、ファウストが家に戻り子供を抱いた妻のもとに近づいていこうとした瞬間に父親のフルショットにパッと切り替わったそのワンカットで、父親の凄まじい怒りを感じたのですが、ここで自分は「崖」のラストがふと頭に浮かびました。 ところで、原題「I Vitelloni」は、フェリーニの生まれ故郷の俗語で「のらくら」の意だそうですが、Googleの自動翻訳にかけてみると、何故かゴッドファーザーと出ます(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-09 19:51:06)
180.  水の中のナイフ 《ネタバレ》 
「戦場のピアニスト」の後に本作を観ると、作風のあまりの違いに面食らうこと間違いなしでしょう。 こっちは、まるでアントニオーニの映画を観ているよう。 シャープなモノクロ映像の中で繰り広げられる卓越した人物描写。卓越し過ぎて置いて行かれることも・・・。 冒頭のキャスト&スタッフ紹介が終わった直後、フロントガラスに反射する木々の影が消え人物の表情が浮き出るという洒落た演出に早くも唸らされます。 また、画面の手前と奥に人物を配置した構図が幾度となく出てきていて、斬新な印象さえ受けます。 舞台となる湖というのが面白く、海とは違ってたまに遠くの方に小さく島が見えたりして、遠くから目撃者がいるんじゃないかと思わせるような程良い感じの密室感が作られていたような気がしますし、登場人物の三人以外には一人の人影も出さずにストーリーが進んでいく舞台設定も異様なほどの孤独感や切迫感が出ていて、他の映画では決して感じることのない独特の雰囲気が出ていたと思います。 男同士の心理戦が微妙すぎて難しいのですが、ヨットの上の状況を例えて言うならば、飛行機のコックピットの中に一人の狂人が入ってきたというような印象で、ナイフを持った狂人が癇癪を起こさないように事を穏便に収めておきたいような感じでしょうか。 しかしながら、恐怖心を余計に煽るような演出は本作の主題から外れるということもあってか、全編を通して一度もナイフに光を反射させずに通していて、それが一筋縄ではいかない心理戦の難しさを暗に示していたように感じました。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-08 23:58:00)
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