1781. ロッキー・ザ・ファイナル
ロッキーシリーズとは、ラストの試合(路上の殴り合いもありましたが…)を通してロッキーが何を獲得するかが、作品の出来の良し悪しにダイレクトに繋がっている分かり易いシリーズだと思います。チャンピオンになることや、友人の敵討ちなども意味があることですが、今作のように“生き様”がテーマになってる作品は見応えが違いますね。誰もが同様に一年に一才ずつ歳を重ね、ある時点から成長が老いに転じて行く。その老いをどう捉えるかによって、つまり意思の力で、人生の意義は変わる。そんな励みをくれる映画でしょう。ちなみに第一作は人生そのものを勝ち取ったので、もの凄くインパクトがありました。あの作品に比肩するテーマはなかなか見つからないと思います。自分の半生を劇中人物にオーバーラップさせて、こういうカタチで残せるスタローンはとても幸せな奴なんだと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-20 12:00:56) |
1782. モダン・タイムス
教科書的には機械化社会への警鐘という意味合いで解釈されている今作ですが、自分は資本と労働の関係全般を風刺しているように思えました。何度も浮浪者に戻るチャップリンの不安定さの原因はやはり資本の都合ということだもんね。その後の労働環境を概観するとチャップリンの描いた未来が概ね正しかったことには驚きを禁じえません。最近、機械化が全自動化やIT化へと移行して、やっとチャップリンの想像範囲を少し超えた感じだけど、自らが進化させるテクノロジーに苦しめられるという図式は変わらないですね。有名なナット締めや自動食事機のシーンより、目隠ししてのローラースケートにチャップリンの芸の凄みを見ました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-19 18:57:44) |
1783. 紀元前1万年
そこそこたくさんお金を使ったことは分かったが、何がやりたかったのかは分からなかった。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2009-05-19 15:36:16) |
1784. ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌
人間性悪説の説明が浅く、真面目にテーマに向き合っている感じがしない。今は亡き緒形拳さんの芝居の重さだけが浮いていて、自分が言うのも変だが故人に申し訳ない気分になった。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-05-19 04:21:00) |
1785. ヤマトよ永遠に
「ヤマト」に熱狂した第一世代を自認する。その熱に流されて今作も劇場で観た。最初のテレビシリーズが放送されてから6年後だった。分かってはいたことだけど、登場人物は同じでも、やはりまったく別物でした。松本零士氏も、この前年に「999」とか作ってるんなら、もうヤマトの映画化にはNOと言っても良かったんじゃなかろうか。本来0点の映画ですが、元ファンの思い入れの点数だけ入れさせてください。そういえば刑務所に入っていたあのプロデューサーが新作を企画しているようなニュースを読んだ気がする…。<5/18PM追記>今日のニュースで読んだけど、新作は今年末公開予定で進行しており、新しい波動砲は六連発らしい。 [映画館(邦画)] 1点(2009-05-18 16:41:02) |
1786. キッド(1921)
《ネタバレ》 チャップリンの映画って、これまでちゃんと観たことがなかった。無声映画なりのシンプルな構成だけど、テーマが明確で入って行きやすかった。あの少年の可愛いこと。警官から逃れるために子供を蹴っ飛ばすシーンに感じ入りました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-17 14:52:55) |
1787. ジャンパー
有りそうで、過去には無かった設定。自分は楽しみました。そりゃあ、あんな能力を持ったら銀行を狙うでしょう。自分も速攻で金庫を漁ってサラリーマンなんか辞めますよ。当たり前です。性犯罪方向へ行かなかっただけでも良かったんじゃないですか。もう少し頭が良かったら無敵になっちまうので、あの程度が頃合です。続編へ向けて、成長の余地を残したという見方もあるけれど、お決まりの行儀良い成長なんかして欲しくないですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-17 14:31:16) |
1788. スナッチ
途中から誰が何を目的に行動しているのかを見失いました。みんな、あれに付いて行けてるの? [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-17 14:24:20) |
1789. ジキル&ハイド
正確には知らないけど原作は「二重人格もの」の始祖的な位置づけのはず。でも、他の方も指摘されてますが、二重に見えなかったですね。1.5くらいがいいところでしょう。主人公を第三者目線のジュリア・ロバーツに持ってきたのは試みとしてはアリですが、これも中途半端でした。彼女がジキルよりもハイドの方に惹かれているように思えたので、そのあたりが掘り下げられれば深いテーマが表現できたかもしれなかったけどね…。収穫(?)は人格入れ替わりシーン。なぜ人格と共に髪や髭が瞬時に伸び縮みするのか疑問だったんだけど、それには120点で回答してましたね。でも、髪と髭の突込みをかわす為にあれをやってるとしたら、ちょっと笑っちゃいます。二重人格どころの話しじゃなくって、完全にモンスターだもんね。そうか、書いていて気づいたけど、これはモンスター映画だったんだ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-17 14:21:38) |
1790. ミラーズ・クロッシング
《ネタバレ》 自分が見る限り、主人公のトムは重要な選択を2回しています。ひとつ目はヴァーナとの仲をレオにばらすシーン。ふたつ目はバーニーを殺さずに逃がしてやるシーン。これらの選択はトムの思惑を外れて悪い方向へ転がって行く。特に後者は自らを窮地に追い込みます。機転を巡らし運にも助けられて彼は生き延びますが、その手腕を見応えとする映画ではないですね。無残に死んじまってもそんな映画だと納得していたと思います。ミラーズ・クロッシング(ミラーの十字路)というタイトルは、主人公の行動の選択肢を象徴していると解釈しました。そしてミラーズ・クロッシングを転がる帽子は、個性も矜持も、はたまた愛情も、複雑な関係性のなかでは風に吹かれるように翻弄されるということでしょう。「諸行無常」は言いすぎ。「塞翁が馬」って感じでしょうか。そんな環境で頑張ってハードボイルドやっているトムがちょっと滑稽でもあり、可愛く感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-15 12:51:59) |
1791. 永遠<とわ>の語らい
《ネタバレ》 文明遍歴パートと会話パートは、淡々としているものの妙な味わいがあって楽しく観ていたんだけど…。あれは普通では考えられないラストシーンだ。演技や台詞や音楽の枠をはみ出したところでメッセージが発せられていて、普通の鑑賞態度で臨むと違和感が残るというのがノーマルな意見だと思う。過去に栄えた文明、その残骸、現代の日常などを辿った上で、突然に襲来するテロ行為を見せることで、過去の文明破壊行為と比較しようという意図なのかな…。ローマやギリシャ、トルコ、エジプトといった土地の歴史的意義に精通していればもっと深入りできるのかも知れないが、自分はメッセージを受け取る前に対応に困って前に進めませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-05-12 12:21:21) |
1792. 僕の彼女はサイボーグ
綾瀬はるかは可愛いかったけど「猟奇的…」が面白いと思えなかった自分にはいいとこ、この点数です。内容が無さ過ぎです。無理矢理のタイムパラドックスにIQの低さを感じます。この設定はもっと面白く出来ると思えるので残念です。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-05-08 16:38:38) |
1793. ジャック・サマースビー
《ネタバレ》 昔の名前に戻るより死ぬことを選ぶって…。そこが理解に至らない。普通に考えたら、自分の素性を明かし、その罪を償い、イチからやり直すという選択がスタンダードだし、最も良かったと思える。あんなに愛され、子供も生まれたばかり。いくらでも今後の人生に希望を見い出せたはずだ。過去を全て抹消したいという「逃げ」が美化されているようで、納得しにくい映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-08 01:09:45)(良:1票) |
1794. ハーレーダビッドソン&マルボロマン
オープニングを見て、セックス&バイオレンスに満ちた映画かと思ったらそうでは無く、主人公たちはそこそこ常識人で、中年の悲哀とけだるさを感じました。その中年が頑張ってアクションをやるんだけど、どうも腰が重たげで笑えました。等身大のヒーローを描こうとしてジョークになったような映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-04-30 01:05:02) |
1795. ダンス・レボリューション
自分はジェシカ・アルバだけが目当てで、内容もその通りの映画でした。そこそこ踊れるんだから、最後は彼女のダンスで締めて欲しかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-04-30 00:51:00) |
1796. アジアンタムブルー
主人公の阿部寛が何故空っぽだったのかが良く分からず、感情移入できなかった。ストーリーの動機の部分が曖昧です。この手の映画は入り込めないと見るところが無くなりますね。これを観たのは1年ほど前で、松下奈緒は初めてだったので新鮮でした。その時は少し期待していたんだけど、なかなか伸びてこないですね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-04-24 18:03:11) |
1797. 飢餓海峡
《ネタバレ》 たいへん高い評価を受けている理由が良く分かりませんでした。 まず、犬飼・八重・弓坂の誰にも共感できなかった。終戦直後の貧困=飢餓がそれぞれの人生を変えてしまったということだと思うのだが、その飢餓がリアルに響いてこなかったからだろう。八重を例にすると、貧農の出自ゆえに娼婦をやっていましたが、あんなに素直に健気に爛漫に演じられると幸せそうに見えてしまう。犬飼に関しても、八重の握り飯を見つめる表情には力があったけど、自分は一時的な空腹と思っていました。戦後を知らない人間にとって、飢餓的状況とは想像の範囲外で、映像の行間を読めませんでした。 また、八重の殺害シーンだけど、あんなふうにむしゃぶりつかれては、犬飼じゃなくても怖くなります。犬飼に殺す動機があったのは確かだけど、あのシーンは犬飼に同情します。 その犬飼も極悪人という類いの犯罪者ではないので、犯人として追い込まれて行く過程にカタルシスを覚えなかった。 海峡を渡ることは犬飼にとって、飢餓の彼岸へ渡ることと同義だったのだろう。その行程で犯した殺人が、どれほど犬飼を苛んで来たかは想像するしかないが、証拠能力の無い灰に観念するほどとは思わなかった。弓坂も、犬飼の自責の念に期待して灰を見せたのだと思うが、ちょっと出来すぎの感がありました。 現代のサスペンスを見慣れた目で見ているせいなのか、メインの3名の行動に微妙な違和感を感じてならない作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-04-23 23:21:20) |
1798. 猿の惑星
《ネタバレ》 面白さという意味では抜群のできでしょう。あの印象的な音楽はジェリー・ゴールドスミスだったんですね。初めて観た小学生の時には、ラストカットに戦慄しました。色んな映画に出てくるモニュメントだけど、この映画での使われ方が最も雄弁。そのラストシーンだけがよく取り上げられるが、展開が読めないSF的醍醐味と、多くの暗喩が込められたストーリーには、随所に見どころがあると思います。 地球から300光年離れたオリオン座のとある星を目指していたテイラーたちの宇宙船がなぜ地球に戻ってきてしまったのか、という疑問には答えていないが、相対性理論が示す光速と時間の論理をタイムマシン的に見せている映画はいまだにこれだけじゃないかな。 猿の世界で中世の宗教的暗黒時代をなぞりつつ、しっかり現代人にも鉄槌を下す。テイラーの「本当にやってしまったのか」という最後の台詞はあの時代の実感ワードだろう。映画の基盤に人類の愚かさが多面的に表現されていて、さすが名作という印象です。 聞きかじりの知識だけど、原作者が第二次大戦中に日本軍の捕虜になった経験があるらしく、それをダイレクトに映画にしたのが「戦場にかける橋」で、今作でも黄色人種に拘束された屈辱をストーリーに込めているらしい。するとあの猿たちはイエローモンキーってことで、ニッポン人としてはビミョーな心境だけど、面白かったからいいや。。 [地上波(吹替)] 8点(2009-04-23 15:42:10)(良:1票) |
1799. マイ・ブルーベリー・ナイツ
《ネタバレ》 失恋の痛手から新しい恋に踏み出す決心の着かない女性が、300日の傷心旅行を経て、やっと心の整理がつきました、ということらしい。その旅先で出会った人たちには、複雑な関係にあった人を亡くすという共通項があり、一様に悲しんでいた。その哀しい姿に同情しているうちに自分には帰る場所がある有難さを覚った、ということなのかな…。でもこりゃ、分かりにくい映画ですね。思わせぶりな面倒くさいラブロマンスかと思ってぼーっと観ていたら予想外に人が死んだりして、ストーリーを見失った印象だった。後味が悪くて見直したんだけど、結果として私の中では一回転して、元の思わせぶりで面倒くさいラブロマンスへ戻った感じです。MTV系をほとんど見ない私にとって、動いているノラ・ジョーンズはたぶん初めて。特に美人って訳でもなく、演技の方は素人と位置づけるなら頑張っていた方だ思う。でもあれ程に歌えるんだから、無理して映画に出ることはないでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-04-23 11:29:42) |
1800. 妖星ゴラス
《ネタバレ》 この映画、35年くらい前にテレビで観ました。子供の頃の心象だけのレビューだけど記憶違いがあってもお許しください。 ゴラスに接近した宇宙船のパイロットがなぜか心神喪失状態になっていた。煮えたぎったようなゴラスの赤茶色の表面が視覚的に催眠効果を持っていたのか、あるいは怖いけど目を逸らすことが躊躇われるくらいゴラスが美しく、魅入られて心がアッチに行ってしまったのか。子供心には分からなかった。 南極の曇天の空をバックに画面右側から「ウルトラマン」のジェットビートルが凄いスピードで進入して来て、レーザー光線を発射する。標的は「ウルトラQ」に出ていたトドラだ。このジェットビートルが「ウルトラマン」のそれより格段に機動性が良く、しかもレーザー光線が強力で、簡単にトドラをやっつけたことに驚いた。その曇天の空と力強く白色の軌跡を描くレーザーのコントラストの鮮やかだったこと! 「ウルトラQ」「ウルトラマン」が後年の作品なので、この映画がオリジナル出演ですね。良いものは何度も使う円谷プロ。 ゴラスが地球に最接近する瞬間の主役は、南極の基地の壁に掛かった時計の秒針だった。最接近の時が近づく。時計を見上げるスタッフ。地球に接近するゴラス。人事を尽くして天命を待つ。秒針が12を指す直前から、2秒、3秒と過ぎるあたりまで体を硬くして見守った。数秒という時間にあれほどの緊迫感を詰め込んだ演出は秀逸。ラストの台詞は地球の軌道を元に戻すために「さあ、これからが大変だ」って感じだったと思う。 余談だけど、これを書いていて改めて気付いたのは、忘れている部分も多いけど、覚えているシーンやカットは自分でも驚くほど鮮明に記憶している(と思い込んでいる?)こと。それってある意味、財産だと思うのです。大人の視線で見直して記憶を上書きしたくない作品ってありますよね。 もうひとつ余談。小学校の高学年だった自分は、観終わった後に3歳年上の兄に「あんなことやっても、大気圏の中で空気が対流するだけじゃないか」と言った。兄も「あっ、そうか」って言ってた。ホントのところはどうなんだろう? [地上波(邦画)] 8点(2009-04-22 06:35:05)(良:1票) |