1. 追想(1956)
イングリット・バーグマンが、およそ一般人には見えない美貌で、この「詐欺を企てる」というストーリーの骨格を支えている。ユル・ブリンナーはタイの王様になったりロシア人になったり、忙しい人だが、一筋縄ではいかない感じで、やっぱり面白い俳優なのだということが、改めて分かった。二人で駆け落ちして、その後どうするのだろう。ヨーロッパの王室史の裏側という意味で面白い題材だが、その割にはセットとかがショボいかな。 6点(2003-12-08 21:56:11) |
2. ローマの休日
何度見ても、オードリーの美しさは圧倒的である。清楚・可憐・高貴・・・・・・あらゆる賛辞を並べても説明がつかないような気がする。髪の長いアン王女のあまりにも清純な姿も素晴らしいが、髪を切って活発に外へ飛び出す変身がイイのだ。女性はこういう変身を、一度ならず経験している。コンタクトにしたとき、メイクを覚えたとき、パーマをかけたとき。だから、アン王女の浮き浮きした心情は「分かるような気がして」しまう。そして、自分もこんな素敵な女の子になってみたいと憧れる。王女様になりたいのではなく、この映画のオードリーになりたいと望む。だからこの映画は、普遍的で不朽なのだ。賭に負けた新聞記者のジョーが果たして編集長にお金を返すのかが、あとはとっても気になるところだ。友人の恋のために、スクープを捨てたカメラマン君、アンタが一番スゴイぞ。 8点(2003-12-05 21:44:01) |
3. 十二人の怒れる男(1957)
少年が無実かどうかはちょっと疑問もあるが、大変緊迫感のある人間ドラマ。初めて観たとき、ラストの、建物を出たところで「あなたのお名前は?」と聞くシーンで、ああ、名前も知らない同士だったのか、と胸を熱くした。あと・・・・・・思春期に観たので、話に出てくるオバサンのように、めがねの跡が顔についたりしないように、めがねを触る癖を付けないように、とっても気を遣うようになりました。 7点(2003-10-20 21:45:48) |
4. 禁じられた遊び(1952)
素晴らしいメロディーにのせて、描かれる戦争下の小さな小さな悲劇。これほど静かな映画が、この上なく強烈に反戦を訴えかけている。小学生の頃、親と一緒にこの映画を観たが、どうして十字架を持ってきてお墓をつくることがいけないのかよく分からなかった。冒頭に戦争の場面(両親が殺される場面)を見ても、それが少年と少女に何をもたらしたのか理解できなかったからだ。ポーレットとミシェルも理解できなかったに違いないと思う。 10点(2003-07-24 22:03:34) |
5. 昼下りの情事
《ネタバレ》 ラブストーリーの古典だ~。言語はわからないので字幕に頼るしかないけど、会話も素敵。だいたい先のストーリーは読めるのに、ドキドキハラハラしながらオードリーを見守ってしまう。小道具もスゴイ。廊下に積まれたルイ・ヴィトンバッグの山を見たとき心臓が早鐘を打ってしまった。アンクレットというものをこれで知ったし、オードリーの黒のドレスが可愛い。ゴージャスな小道具というのも昔は映画の楽しみだったんだろうと思う。ラストも、オードリーのいじらしさにホロリとして、二人が結婚したという締めくくりに「おめでとー!」と思ってしまうが、冷静になって考えたとき、二人は「末永く」幸せにはなれないだろうなー、せいぜい2・3年よねー、と思えてしまう。 7点(2003-07-22 10:56:35) |
6. 欲望という名の電車(1951)
あのヴィヴィアン・リーが演じている、ということが一番のポイント。だんだん暴かれていく、醜い素顔。ヴィヴィアンはどんな気持ちで演じていたのだろうと考えてしまいます。そして演技もストーリーも壮絶です。あの虚勢の張り方にはイライラしつつも、女としてはわかっちゃうんだよね・・・・・・何となく。 9点(2003-06-03 20:47:16) |