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光りやまねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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1.  霧の中の風景
主人公の姉弟は、まだ見ぬ父を探し求めドイツに向け旅に出る。まるで幸福の“青い鳥”を見つけに旅に出る幼い子供たちのようだ。押し寄せる資本主義に飲み込まれる若者達、旅芸人一座の時代の終焉、大人のモラルの崩壊などなど…寒々とした映像も手伝い、まるでギリシャという国そのものが暗黒の時代に差しかかっているかのような印象をも受ける。主人公の姉弟も私生児だ。ラスト近く、海底から一本指の欠けた巨大な手の彫像が現われるシーンがある。現実と非現実が入り混ざり、不思議だが怖い。これは何らかのメッセージがあるのだろうか。それともアンゲロプロスのシュールな心象風景なのか。どちらにしても鮮烈な印象を放ち、脳裡に焼き付くシーンだ。《ネタバレ》ラストでは、暗闇の中、一発の銃声が響きわたる。そして絵本のようなシーンで幕が下りる。やはりこの映画、現代の寓話なのかもしれない。(かなり辛口だが) ギリシャといえばギリシャ神話やオリンピアに代表されるよう、数々の芸術や文化を生み出した歴史のある国。遠い他国ということもあり、当時の政治的、経済的背景が今ひとつ分かりかね作り手の意図するものが掴みづらい。しかしこのアンゲロプロスの独特な映像とリズムを通じ、繰り返し観たくなる傑作であることは間違いない。
10点(2004-07-24 11:02:54)
2.  ゆきゆきて、神軍
ここはひとつ冷静に。奥崎謙三氏の人生哲学と行動については肯定も否定もしません。あの凄惨極まりないニューギニア戦で想像を絶する地獄を体験し、奇跡的に生き残った数少ない日本兵の一人であるわけですから。我々戦争体験のない平和な時代に生まれ育った人間には、とうてい理解出来ようはずがない。それではドキュメンタリー作品としてはどうか?…というと本作は紛うことなき傑作です。奥崎氏の激烈な人物描写も手伝い、“衝撃的”とか“ショッキング”という言葉はまさにこの作品の為にあるようなもの。終戦後23日もたってから、ニューギニアで2人の兵卒が銃殺刑に処せられるわけですが、その真相が次第に明らかにされていきます。テーマがテーマだけに、まさに固唾を飲み込むという言葉がふさわしくグイグイと引き込まれてゆく。凄惨を極めたニューギニア戦で、戦死者の肉を喰って生きながらえた日本兵が少なからずいたということは、東京裁判や帰還兵の証言でも有名な話です。《ネタバレ》しかしこの作品では、さらに一歩も二歩も突っ込んでおり、極限状態で行われた戦慄すべく真相が明らかにされようとする。当時この処刑に係った元下士官達の証言により、上層部の命令下、同胞の日本兵をも殺しその新鮮な肉を分け合ったというそら恐ろしい事実が…。もちろんまだまだグレーゾーンのままなわけですが。まぁとにかく欧米で起きた歴史的猟奇事件でさえ、かすんでしまうほどショッキングなドキュメンタリー作品でした。
10点(2004-05-30 21:57:26)
3.  U・ボート
U・ボート、全乗組員4万人中3万人が戦死したという。きっと今でも、かなりの数の乗組員が潜水艦内に閉じ込められ、海底の奥深く戦没したままでいるのでしょう。本作はリアリティ溢れる演出と共に、厭戦感を漂わせた作風が素晴らしく、見応え充分な戦争映画に仕上がっている。しかも、潜水艦という逃げ場のない特殊な状況の中、心身共に極限状態に追いつめられていく乗組員の様子が、十分過ぎるほど観客に伝わってくる。また、サスペンス描写も特筆もの。とくに米駆遂艦が真上を通過する時の、息を潜めた艦内の物凄い緊迫感! ! 静寂から一転して爆雷の雨あられ。勇壮だが哀感溢れる音楽も忘れがたい。急転直下のラストも絶品。これが戦争なんだ! ! …ということをペーターゼン監督は訴えているのでしょう。まさに戦争映画の傑作です。
10点(2003-12-29 00:53:11)(良:1票)
4.  エイリアン2
前作はエイリアンの戦慄の恐怖を描いた作品だった。本作はキャメロン監督お得意の重厚なSFアクションもので、迫力満点な作品に仕上がっている。手に汗握る見せ場を次から次へと用意してあり、しかもエイリアンを出すわ出すわで、サービス度はもう満点以上。音響効果も抜群で、つま先までシビレさせてくれた。そんな中、勇猛果敢なリプリー(シガニー・ウィーヴァー)が智恵と度胸で大活躍。少女を守り抜く見事な闘いぶりが、ビシバシとポイントを稼ぎまくる。まさに、ニューヒロイン誕生の瞬間だった。ラストに用意された“クイーンエイリアン”との差しでの死闘は、SF映画史上、屈指の名場面! シガニーの智恵と勇猛振りに酔いしれた見事な作品でした。
10点(2003-08-02 23:18:57)(良:1票)
5.  セールスマンの死(1985)
テーマ自体が洋の東西を問わないので、いろいろと考えさせられる作品でした。現代人が直面せざるを得ない数々の問題 … 家族の問題、経済問題、老いの問題等々。ダスティン・ホフマン演じる老セールスマンのウイリーは、そんな数多くの問題に直面しており、彼が選択した解決策は余りにも悲しい。大多数の庶民にとっては、他人事と思えないのではないだろうか…。本作は名優ホフマンの演技が見どころ。とくに一歩一歩“死”に向かう、危なくも悲壮感を漂わす演技はさすがだった。そこには俳優としてのホフマンから、いつしか老いた父ウイリーのみが存在しているというこの凄さ! ! 「レインマン」の時もそうであったが、図抜けた役者だけがなし得る高次元の演技力! ! やはりラストの、ウイリーと長男ビフ(マルコヴィッチ)が通じ合い、抱き合うシーンが圧巻だ。結びの墓前のシーンには、うっ、涙が…。父ウイリーの選んだ道は、長男に、そして家族に対する精一杯の愛情表現だったのでしょう。
10点(2003-06-14 20:39:00)
6.  火垂るの墓(1988)
悲しい映画です。何回見ても涙が出る。この作品、日本人に計り知れない影響を与えたのは間違いないし、これからも与え続けるでしょう。兄妹愛の絆を中心に、冷たく描いた世間と対比させ印象付けさせるという手法がとられている。主人公の性格描写は野坂氏と重なって見えるが、世間には意地を張り身内には極端にやさしいという設定。主人公はやや裕福な家柄に育ち、平和な日々を送っていた。しかし戦争で家を焼かれ、母も失い、むちゃくちゃにされてしまった。さらに父も、そして最愛の妹をもたった数カ月で失ってしまう。敗戦間際の状況下、世間知らずの少年にとって、幼い妹を抱え自力で生き抜くには余りにも厳し過ぎた。必死だったろう。一生懸命だったに違いない。この少年に、この子供たちに一体何の罪があるというのだろうか。冒頭の、他人に頼る術を知らない、行き場のない子供たちの死がそれを静かに物語っている。ラスト近く、少年がリヤカーで妹の遺体を運ぶ場面がある。その脇を高台に住む、彼と同世代の少女たちが、喜々として我が家に戻り幸せを満喫する。彼女たちは幸運にも家を焼かれずに、生き延びもしたのである。まさに紙一重で、運命を感じざるを得ないこの対照的なシーン。つまり、兄妹と彼女たちとの立場が入れ替わっていたかも知れない。見事な演出でした。この映画、あまりにも悲しく救いようがない。そう、救いようがないのだ。戦争は、取り返しのつかない結果をもたらすということを、作者は訴えたかったのではないだろうか。
10点(2003-05-17 11:23:06)(良:1票)
7.  ターミネーター
初見は随分前なんですが、スピルバーグ作「激突!」を見た時と同種の衝撃と興奮を覚えたものです。ただならぬオープニングシーンからしてゾクゾクさせてくれたし、ド胆を抜く描写と展開にはキャメロン監督の異才ぶりをも十分に感じさせてくれた。さらに、これでもかという観客へのサービス精神と映画作りに対する姿勢は、スピルバーグのそれとまた一味違った独自のものを感じさせる。そしてシュワルツェネッガーに目を移せば、ハマり役というよりもこの映画の主役を張るために生まれてきた様なもの。その後の彼の活躍振りはまさにターミネーターそのもの。1970年代以降の、エンターテイメントSFの傑作シリーズとしては「エイリアン」と双璧を成しており、またキャメロンとシュワルツェネッガーを世に知らしめた記念すべき作品だった。
10点(2003-02-17 09:55:33)
8.  東京裁判
満州事変から支那事変、真珠湾奇襲攻撃で口火を切ることになる太平洋戦争突入とその集結。そして総決算ともいえる東京裁判こと極東国際軍事裁判。佐藤慶の明解なナレーションと共に、激動の昭和史がリアルに力強く明らかにされていきます。この作品では戦争という殺し合いを戦勝国が敗戦国を裁く、という大いなる疑問を見る者に提示します。日本と米英のイデオロギーと価値観の違い、コミュニケーションの壁までが浮き彫りにされる。そんな中、インドの判事パルによる裁判そのものの違法性と全員無罪の主張が説得力を持つ。(それでは誰が何を裁けば良いのか? それとも裁くという発想そのものが意味を成さないのか?) 近代日本の歴史的事実を極めて客観的に捉えており、ドキュメンタリー作品としては完成度も高く見応えも十分。監督小林正樹の集大成ともいえる本作の存在意義は余りにも大きい。
9点(2004-06-05 22:00:36)(良:1票)
9.  黒い雨
広島、長崎の原爆投下から60年近くも経とうというのに、今もなお被爆の後遺症に苦しんだり、いつ原爆症が出るか不安を抱えながら生活している人々が全国に29万人(被爆者健康手帳保持者の数)もいるという。多量の放射能を浴びるということは本当にオソロシイことで、ちょっとした体調不良でも恐れおののかねばならないと言います。このような苦しみはとうてい被爆者にしか分からないことであろう。俳優達の淡々とした好演も手伝い、平凡な市民の日常というフィルターを通し原爆症の恐ろしさが見る者へ静かに伝わってくる。川又昂の乾いたカメラワーク、武満徹の不安を煽る音楽ともに印象的だが、何よりモノクロ映像というのが良かった。全世界の人々(とくに米国)へ原爆の恐ろしさを訴え続けるためにも、永遠に残すべき映画作品です。
9点(2004-05-30 21:59:50)
10.  海と毒薬
太平洋戦争末期、大学病院で行われた戦慄の事件。戦争という狂気に満ちた時代の中、たとえ医師といえども人命に対して感覚がマヒしてしまうのだろうか。鬼畜米英、日本を破壊し尽くす憎きB29の捕虜達。彼らの生体解剖実験により何百何千という日本人の命が救え、医学の発展に繋がるのなら…という発想が出てきても不思議ではない。奥田瑛二が演じる内向的な研究生以外は、感情移入出来そうにない医師達として描かれている。彼らの行為は当然糾弾されるべきだが、戦争という二文字がここまで人間性を狂わせてしまうものかと思ったりもする。それは戦争が終焉し人間が人間らしさを取り戻した時に初めて、犯した罪の重さに気付く事なのかも知れない。
9点(2003-12-05 21:26:04)
11.  プラトーン
見事というか、強烈なベトナム“反省”映画だった。監督のオリバー・ストーンは自ら志願兵となりベトナムを体験しているだけに描写がリアルで生々しい。この作品の主題ともいえる内部の対立を通じ、必然的に返り討ちとなる展開にも大いに説得力がある。しかもベトナム人への虐殺、略奪、強姦など米兵は現地で何をしたかをも生々しく描かれている。チャーリー・シーン演じるクリスの“敵は自分の中にあった”というように、動機付けの無い兵士というものは敵を倒す事よりも自分が死なない事を優先に考える。つまり、外敵と戦う以前の問題なのだ。この当時、最前線に送られるのは移民や貧民層ばかりで、彼等の本音を言えば任期まで“生き抜く”が絶対的なものなのであろう。当然ヒューマンなエリアス(ウィレム・デフォー)よりも、冷酷だが生き抜く術を知り尽くしているバーンズ(トム・ベレンジャー)の側に付いた方が得策なのだ。世間の常識など通用しない最前線では、彼みたいなリーダー像こそがカリスマ性を持ってしまうのであろうか…。見る者にいろいろと考えさせられる戦争映画の名作です。
9点(2003-10-16 11:03:34)(良:1票)
12.  デッドゾーン
超能力を絡めたサスペンスもので、どんな結末が用意されているのか最後の最後まで目が離せない。透視能力を持ってしまった、ウォーケン演じる主人公の誰にも分かってもらえない苦悩と孤独。クローネンバーグはジーンとくるドラマ性を染込ませており、様々な“愛”を描いた作品ともいえるだろう。狂ったテロリストの烙印覚悟で望んだラストが、この映画のクライマックス。意外な結末は溜飲が下がる一方、主人公の心情を察すると余りにも切ない。個人的には、クリストファー・ウォーケンの代表作にして監督クローネンバーグの最高傑作です。
9点(2003-06-22 20:12:28)
13.  ザ・フライ
B級SFホラー映画の名作「蝿男の恐怖」のリメイク版なんですが、前作以上にエグさ炸裂で見る側に強烈な印象を残した映画でした。ところが、エグいグロいだけには終らせておらず「こんな醜い姿になってもオレを愛してくれるか」という悲劇的なテーマ性をも持ち合わせており、ジーンと胸を打たせてくれた。この当時、エイズ患者とダブらせているとかいないとかで、話題になった記憶もある。悲し過ぎる凄絶なラストは、前作同様に切ない余韻を残してくれた。一見、エグさグロさが“売り”の様な映画なんだが、実は「どこまで人を愛せるか」という奥深いテーマ性が用意されており、見る者をいい意味で裏切ってくれた。こういう手法の映画には許してしまうし、評価を高くもしたくなります。クローネンバーグの代表作のひとつにして、悲しいSFホラー映画の名作です。
9点(2003-06-22 20:12:13)(良:1票)
14.  仕立て屋の恋
冒頭、若い女性の死体のシーンからしてミステリアスな雰囲気を漂わし、カメラと音楽の使い方も抜群に上手く物語りの展開も申し分ない。つまり監督ルコントの、センスの良さと演出の妙をつくづく感じさせてくれる作品だった。 物語りは、サスペンスを絡めつつも“ゾッ”とするような男と女の一途な恋を描いており、最後にどんなドンデン返しが用意されているのか目が離せない雰囲気を持っている。そんな中、主人公イール氏の人物描写がいやらしい程上手く、見ての通り几帳面だがちょっぴり変態さん。その一方で、滑稽なまでの純愛の持ち主は孤独と哀愁をもしっかり漂わせていた。ルコント監督の代表作にして、切ないラブ・サスペンスの傑作です。
9点(2003-06-22 20:11:50)(良:1票)
15.  レインマン
兄弟、家族というものを今一度考えさせられる素晴らしい作品でした。ストーリーは淡々と進み、その中で徐々に心がつながっていく兄レイモンドと弟チャーリー。とくにホテルの一室で“レインマン”の意味が分かり、チャーリーの記憶が蘇るシーンは感動的だった。ダスティン・ホフマンとトム・クルーズ。この二人の掛け合いみたいな演技が見もので、とくにホフマンの演技にはただただ脱帽。ハンス・ジマーの哀切溢れる音楽も本作品に合っており、とくに心象風景っぽいエンディングはジーンと余韻を残してくれました。ところで、自閉症という心の病を社会に知らしめたと聞きますが、もしそうなら社会的意義のあった作品でもありますね。
9点(2003-05-11 15:36:59)
16.  フルメタル・ジャケット
万人に分かり易くという意図があるのか、キューブリックの作品にしては少々物足りない。映画は二部構成となっており、前半は新兵訓練所で若者が戦闘マシーンへと完成されるまでの過程がしっかりと描かれている。そんな中、鬼教官に執拗なまでに罵倒され、いじめ抜かれた「ほほえみデブ」の精神が崩壊し、鬼教官を射殺して、銃口をくわえて自決するシーンは鬼気迫るものがある。後半は戦場での生死のはざまを描いており、おおよそ思わぬ出来事で命を落とすものだという事を見せつけてくれた。とくに、凄腕スナイパーの正体がベトコン少女だったとは驚きで、悪夢的な彼女の表情は生涯脳裡に焼付きそう。
9点(2003-05-04 13:05:41)
17.  グローリー 《ネタバレ》 
奴隷制度が廃止となる北軍の勝利というのは、長いアメリカ黒人史の中でもとりわけ重要な位置付けにあるものと思われます。またそれは他国の者が想像する以上に、黒人にとって勝利しなければならないものだったに違いない。この映画では、奴隷として酷使される黒人の様子がワンシーンでさえ挿入されていないので、他国の者からすると、黒人の白人に対する憎悪の気持ちや志願兵となりたがる動機付けなどが少々理解しにくいかもしれません。その辺の事情は「ルーツ」(映画ではなくテレビドラマだがよく出来た作品です)なんかを見ると、白人の手によりアフリカから捕獲され家畜同然のように酷使される黒人の様子が描かれているので、彼らの気持ちがよーくわかります。黒人の犠牲で成り立つ既得権益を執拗に維持しようとする南部の白人、それに対し、ただ人間としての自由と尊厳が欲しかった黒人という両者との構図。黒人志願兵たちの言う我々すべての黒人の為に戦うという言葉はズッシリと重く、またラストの玉砕覚悟の突撃シーンは感動的ですらある。事実、人間が生み出す“悪”が存在する以上、侵略なんかではなく正義の為の戦争もあり得るのだ…この作品を見終えてそんな事を思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-30 00:10:38)(良:1票)
18.  アイスマン(1984)
4万年前のネアンデルタール人が北極で氷塊として発見される。科学の力で蘇生に成功するものの(こんなことは科学的に可能なのだろうか)、引き起こされる悲劇を通じ見る者に様々な問題を投げかける。ある意味奇想天外ともいえるお話しなんですが、作品そのものはやや大人向けに作られておりなかなか良く出来ています。言葉の壁はもちろんのこと、4万年前もの隔たりのある文明の壁。自由に空を飛べる巨大な鳥を神と崇める原始人に我々人類のルーツを見る。(演じるは何とジョン・ローン) 原始人を一人の人間とみなすか否か、あるいは貴重な研究材料にすべきだと意見の分かれる科学者たちなどなど…この辺り多分に考えさせられるものがあります。その一方、シリアスな展開の中にユーモラスなシーンもあり最後まで興味を持って見れる。郷愁を誘う音楽も印象的な本作は、SFドラマの隠れた名作と言ってよいと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-16 23:43:31)
19.  疑惑(1982)
まーとにかく、桃井かおりに尽きます本作は。あたかも自然体で臨んだかのような演技はハマりにハマり過ぎており、作品を大いに盛り上げてくれた。あの極妻こと、志麻姐ごに対峙させても一歩も引けを取ってはいません。山田五十鈴の突然の登場シーンもインパクト大。桃井かおり演じる球磨子は本当に保険金殺人を犯したのか? それともあれは事故だったのか? 前科四犯の毒婦、状況からすると限りなくクロに近く、しかも警察やマスコミに痛烈な悪態をつき捲りとことん敵に回す。《ネタバレ》犯人に違いない、いや万が一犯人でなくともこんなヤツは有罪にすべきだとするマスコミとそれに同調する世論。秋谷記者(柄本明)が女性弁護士(岩下志麻)に言う、「あんな女、たとえシロであっても弁護する必要はない」はまさに世論を代弁している。この辺り、ただの娯楽サスペンスに終らせてはおらず、やはり松本清張&野村芳太郎らしい作品です。
8点(2004-12-06 11:07:23)
20.  サルバドル/遥かなる日々
戦争映画の名作である同監督による「プラトーン」は、ベトナム戦争終結後10年余りも経ち何で今さらという感じもしなくはなかった。しかし本作は、サルバドルに米国が軍事介入している真っさ中であり、しかも様々なメッセージを見る者に投げかける真正面から切り込んだ作風となっている。オリバー・ストーン監督のこの心意気、この姿勢を高く評価したい。本作でもやはりオリバー・ストーンらしさが発揮されており、充分過ぎるほどの緊張感を放ちドラマチックに展開させる手腕はさすがだ。またジャーナリスト魂ここにあり、という主人公を好演したジェームズ・ウッズ。機転が利きエネルギッシュで恋多き男というイメージは、どことなくロバート・キャパを彷彿させる。(生前のキャパはこんな感じの人だったのではないだろうか) 緊迫するラスト、余韻たっぷりのエンディングも印象的だった。
8点(2004-09-14 15:37:28)(良:1票)
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