Menu
 > レビュワー
 > Tolbie さんの口コミ一覧
Tolbieさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 642
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 《ネタバレ》 
 珍しくフラれた寅が、泣き言的な嫌味に言うセリフ「わざわざ来ることはなかったんだよ。こっちの気にもなってくれっていうんだよ。」に、ちょっと違和感を感じたが、ただ確かに言うとおり、わざわざフリに来るためだけに会いに来なくても、とも思う。  考えてみるとこのセリフは、寅の気持ちを当然女も知っているはずだ、という前提に成り立っている。そのへんの具合がちょっとしっくりこないというか、そうは思えない感じがする。   それにしてもとらやに来た途端に寅をフッたシーンでのやり取りは、シリアスに隠れて笑うシーンが多く、クスッとさせられる。 ふみ「寅さんみたいに楽しい人じゃないんです」 おいちゃん「楽しけりゃ良いってもんじゃありませんよ、男は」 ヒロシ「大事なことは、人生を力強く生きることです。兄さんみたいな人はそれがないんですよ」 笑っちゃうけどヒロシ、そりゃあないだろ。
[DVD(邦画)] 5点(2020-10-08 15:17:02)
2.  わが青春のアルカディア 《ネタバレ》 
 松本零士の「ハーロック」はいろいろな作品で使われている。手塚治虫のいわゆる「スターシステム」と違うのは、松本零士の頭の中では(全てとは言わないが)それらが時を超えて繋がった物語だということだ。というわけで彼の代表作の一つ『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』と戦場まんがシリーズ『スタンレーの魔女』と『わが青春のアルカディア』を融合した作品。  だが、単独作品時代からのファンは、それが後付であることに気付いていて知らん顔をしている。スター・ウォーズが「当初から」9部作だと言っていたのと同じように。  本作を見る松本ファンとしては、スターウォーズファンがそれを受け入れているの「心優しさしいなぁ」と思うのだ。   『スタンレーの魔女』の部分はハーロック一世の物語をそのままに、超えられない山を超える役を、宇宙を行くキャプテンハーロックとトチローに置き換えている。だが、複葉機や片肺の軍用機と違って、星を滅ぼすほどの宇宙戦艦で炎の川を渡ったって、なにか感動が薄い。トカーガのゾル(今作では人間態だ)が、船から飛び降りるのも無理矢理感。   この映画の中で一番感心したのは「俺達は負けたが滅びたわけじゃないからな」というセリフ。   映像的には、これの前の作品であった「さよなら銀河鉄道999」のハーロックが一番かっこよかった。一緒に見に行った友人の評価も低かったのだが、何だかんだ言っても、かつての松本零士ファンとしては、6点つけちゃうのである。
[DVD(邦画)] 6点(2020-08-12 20:27:08)
3.  復活の日 《ネタバレ》 
 こんな時期に、こんな時期だからこそ(?)復活の日・Virusですわ。 人類が細菌兵器をうっかり漏らしてしまっての厄災・滅亡の物語で、唯一南極で生き残りがいたという話。昔見たときには、オリビア・ハッセー綺麗!とか、草刈正雄よくこの美人と何もなかったな(実生活的にね)、などと思っていた。そしても一つ、昔は「死者と話をするの、斬新な演出だな」なんて思っていた。  この映画はそんなことではなく、人の希望を描いていたんだと、この時に及んで深くそう思う。それと同時に理性的・科学的に行動する人々の凄さを描いてもいる。いくらこんな状況とはいえ、システム的に子を作るなんて、今の我々には考えもできない。まあ考えたの小松左京だけど。  物語中、何人ものぞみを失って自死していく人がいるなか、主人公は僅かな望みにかけて潜水艦に乗る。ワシントンから南極まで、普通は歩いてはいけないと思うよね(品川区から台東区まで歩いてイッパイだった自分が情けない)。でも彼は歩いた。多分愛する人に会うために。(食べ物は汚染されていなかったのね)  冷静に考えれば、草刈が歩いて南極を目指した根源とかもっと描いてほしかった気もするが、今のままで十分長い。この話はそんなに簡単に描けるもんじゃないということか・・・、
[DVD(邦画)] 7点(2020-05-05 21:11:31)
4.  月光仮面(1981) 《ネタバレ》 
公開当時、確かそのバイクアクションが凄いって宣伝してたなあ。なんでも、バイクでトラックを飛び越えるシーンでのバイクの切っ先が弧を描いたまま下に向いてるのが、今までではありえないそうで、川に突っ込んで着地したって聞いた記憶がある。 確かに、バイクアクションは他の部分も含めてナカナカのものだとは思うし、最後まで正体を明かさない演出も悪くない。(もちろん、誰が月光なのかは、朧に分かるのだが。) でも、正義の見方側に大したドラマが無い代わりに、ちょっと期待させる悪者側にあるドラマ要素がいい加減で萎える。志穂美のえっちゃんと悪者ラスボスの関連は、本人気づいてなかったの?と首をかしげるし(あのロケットペンダントの意味を持ったわかりやすく)、最後にヘリが爆発した理由はサッパリわからなかった。 まあ、良いよ、そんなことは。でも最低限、志穂美悦子の無駄遣いはダメだ。もっとアクションを見せろ。戦後の苦難による成り上がりの悪党の怒りを見せろ。育ての親(?)と決別する逡巡をもっと魅せろ。 あ、あと月光が活躍する時の勇まし気な音楽が、チンケ。
[DVD(邦画)] 4点(2020-05-02 22:06:05)
5.  二代目はクリスチャン 《ネタバレ》 
 公式的には同じつかこうへい原作でもある、『鎌田行進曲』の夢をもう一度的なことを言ってるけど、どう見ても『セーラー服と機関銃』の下のドジョウ狙い。あちらは少女の成長というようなテーマがあったが、こちらは毛色の変わった任侠モノどまり。どまりと言っちゃあ、つかこうへいに失礼だが、基本的には高倉健映画と変わりない。それにしちゃあ、せっかくのアクション女優である志穂美の、殺陣やアクションが見られたりはしないのが残念。ただし、志穂美悦子はめっぽうキレイ(多分絶頂期)だし、お宝シーンもあるのだが…。  これ確か同時上映の『早春物語』を目当てに行ってこれ自体は見ずに帰ってきたのだが、まあ、正解だったかもしれない。『早春ー』の方も決して面白かった記憶はないが。
[DVD(邦画)] 4点(2019-08-16 00:46:38)
6.  スター・トレック5/新たなる未知へ 《ネタバレ》 
 TOSの中に、アポロンを名乗る宇宙人が登場、と思いきやその巨人は本当に「我々の」アポロンだったという話があったのを思い出した。   一方、本作では意味ありげに銀河の中心にいたのは、超常的な力を持ってはいるが、詳しい事情は明かされない囚われの生命体。もう今更、神と名乗る進化生命の話なんて、ありきたり過ぎてつまらない。というか、だれか知らないけど、こいつをここに閉じ込めたやつこそが、多分神だ。…でも神と呼んだのは人間側だけだし、幽閉されているなんて一言も言ってない。ひょっとしたら植物のように、動けない生き物なのかもしれないなあ。こいつは神じゃない時点で、物語の面白さ的には前述のTV版一エピソードの方に軍配を上げたい。  スポックの兄なんてのも出てきて、人の苦しみにとらわれた心を開放するとか、人の心的なものを描くのかと思いきや、そっちは終盤トーンダウンで残念。   そうそう、TOSの中の「緑の踊る女」を見てうわっ何だこれ?と思った瞬間、本作のウフーラの踊りを思い出した(他の人とは順序が逆だろうな)。こういうセンス、好きなのかね?スターシップの船長は。   総合的に、シャトナー自身の監督作なのに、これではガッカリ。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2018-10-10 23:24:55)
7.  故郷への長い道/スター・トレック4 《ネタバレ》 
 劇場で見た時には、捕鯨国・日本に対しての批判めいた感じを受け、ちょっと反感を覚えた記憶がある。むしろ沢山捕りすぎて絶滅に追いやったの、お前らアメリカ人だかんな、と思った。  今見ると、あからさまな日本批判は無く、昔の地球で四苦八苦して任務を遂行して帰ってくるという話が、スター・トレック的でいろいろな描写も面白い。  ただ一点。タイムワープってそんなに簡単にできちゃうの?という事だけ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-10-08 17:51:06)(良:1票)
8.  スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ! 《ネタバレ》 
 個人的なことだが、(今更か!とは思うが)私の中で空前のスタートレックブームが起きている。  さて今作は、スポックを救う。その一点のみの目的・希望で成り立っている。カークたちが禁止されているエンタープライズでの出航を画策する展開は、我らの時代の『さらば宇宙戦艦ヤマト』を思い起こさせるが、アレの嫌悪感は唯の感傷に過ぎないことを平和目的に乗っけている所だったのかと、今作を見て思った。一方、今作はとにかくスポックへの思い一点で貫いている潔さで、不快感はゼロだ。  また、本放送終了十数年後に、新たなバルカン人の特性・儀式が明らかになったりして、ファンの人たちは驚き喜んだことだろう。   絶体絶命の状況下では、船さえも捨てるという、思えばTOSの中でやたら「私の船」を連呼していたカークが、進歩(だと思う)したもので、これこそが「コバヤシマル問題」のカークの最終結論なのではないかなどとも考えたりしている。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-10-08 16:20:25)
9.  スター・トレック2/カーンの逆襲 《ネタバレ》 
 死を意識させるシミュレーション試験。実戦でそれに対峙せざるを得ないエンタープライズ。いわばカンニングで逃げたカークに対して、真正面から立ち向かったスポック。  正直、自己犠牲で船を救うとか、多数の利益が少数の利益に優先するとか、なんだか素直に受け入れ難いというか感動しにくい展開なのだが、スポックが死んだという衝撃は、やはり劇場版だけ見てた時とは違い、(TOS の)思い入れの積もった分悲しい。自己犠牲への不満も最大幸福論も頭から吹っ飛んでしまう。勿論、扱ってる話が無から命を生み出す技術の話なので、それに引っ掛けてスポックを復活させるのは当初からの路線だったのだろうが。   そうそう、TOSでカーンの回を見たが、新たな星を支配すると豪語したカーンにしては、今回のカーンは逆恨み感が女々しい。残虐感が増しているが、そういうキャラじゃなかったのでは?また、初めて見た時には、有視界航行での戦闘とか楽しかったのだが、スタートレックの面白さってそういう所にあったわけじゃないんだなと思い知る。   この映画は、次の『ミスター・スポックを探せ』と一組の映画なんだな。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-10-04 21:48:33)(良:1票)
10.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 
 「寅ちゃんのお陰でたくさんきれいな人に逢えますよ、あたしたちは」。今回おばちゃんは寅に泣かされたが、この大反撃がお見事!
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-29 12:18:11)
11.  男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 《ネタバレ》 
 劇中で言ったように、このシリーズももう10年。寅さんもとうとう父親スタンスだ。……と思ったけれど、今回のマドンナはやはり伊藤蘭なんだな。前々回のように寅に似合う年頃のマドンナは今回はいない。  そんなわけで私には、今回寅が最後に旅立つという展開にちょっと無理な感じがするのだ。寅が女としてのすみれに惹かれている、という感じがしないせいだと思う。桃井かおりの時のように、その後の二人を見守るのが自然なような気がするのだ。  或いはもっとあからさまに、守護者としての寅よりも、(母と同じ轍を踏むかもしれないのを押して)青年を選んだというくらいの、すみれの描写があっても良かったのではなかろうか?   まあ、それはそれとしてさすがランちゃんは可愛いわ。豊かが惚れるわけだ。
[DVD(邦画)] 7点(2014-07-29 12:17:50)
12.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 《ネタバレ》 
 いやぁ、泣いた。  今まで『男はつらいよ』というのは、寅次郎が永遠に女にふられ続ける人生を描いてきた映画だと思っていた。だがこの映画を見て、『男はつらいよ』というのは、寅がリリーさんに巡りあうための道程を描いた映画だったんだ、と思い直した。  自分の家で普段の夕餉の茶の間ですっかり気を許している時に、つい口に出たホンネ、プロポーズの言葉を「冗談」として笑い飛ばしてしまう寅の悲しさ。ド直球の本音であるのを承知の上で去らねばならぬリリーの哀しさ。もう、泣かずにはいられない。  そして、旅先でまたもや顔を合わした二人のやりとりの、なんと粋で楽しそうなこと。この二人は、こうやって永遠に旅の空で暮らすのが宿命で、それが幸福なのかもしれない。  50年も生きてきて「邦画が好きだ」などと言いながら、この映画を今まで見ていなかった己の不明を、我ながら大いに恥じねばなるまい。   渥美清さんが亡くなって、最後にこの作品の特別編が作られたのは知っている。そして、その一つ前の作品にリリーさんが登場するというのも知っている。どちらもまだ見ていない。この先の新たな展開があるのだとしたら、『男はつらいよ』というシリーズ映画の評価も変わるかもしれない。だがそれらを見ていない現時点でこの『寅次郎ハイビスカスの花』はシリーズ最高と言って差し支え無いと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2014-07-21 22:29:56)
13.  スーパーマン4/最強の敵 《ネタバレ》 
 本作の2年後に日本ではゴジラがクローンされるが、さすがバイオテクノロジー先進国、本作でヒーローのクローン誕生である。クローンのわりには性格と頭の良さが本家と段違いだが。  ただし、スーパーマンの遺伝子から作られた、同じ力を持つ相手なのだ。強いわけだ。  クローン羊の登場までは、もう十年ほどかかるのだが、当時はバイオテクノロジーなんてモノが、人々の期待と不安を煽っていたんだっけ?    さて今回は、ロイス・レインよりも美しいヒロインが登場するが、あまりたいした活躍をしないのが残念だ。スーパーマンにしても、ロイスに対して都合のいい時だけ正体を明かし再び記憶を失わせて、なんだか自分勝手な感じ。  それだったら、ボンドガール的に毎回新たなヒロインとのロマンスを描いてくれた方が、楽しかった気もする。 
[DVD(字幕)] 4点(2014-03-25 22:19:31)
14.  スーパーマンIII/電子の要塞 《ネタバレ》 
 そもそも地球の周りを飛び回っただけで、時間が戻っちゃう世界観なのだから、今更「最強のコンピュータ」が軍事施設の事だったり、気象衛星(普通は観測しか出来ないはず)が気象をコントロールしちゃったり、海上に流出した液体を息で戻したりするのは、もう受け入れるしかない。   というか、そういう部分を笑いながらツッコむ以外に、この映画の楽しみ方がわからない。  スーパーマンには、ヒーローとしての魅力ともう一つ、ヒロインとの関係という見せ場があるはずだが、本作にはその部分が全く描かれておらずガッカリ。   本来ならデビルマン級の評価になるはずだが、只々クリストファー・リーブの凛々しいスーパーマン姿に3点である。
[DVD(字幕)] 3点(2014-03-25 22:19:04)
15.  スーパーマンII/冒険篇 《ネタバレ》 
 最後にロイス・レインにかけたワザの説明が、もうちょっとあっても良かった。正直、途中まで退屈気味だったのは否定できないが、3人組が暴れだしてからは結構引き込まれる。   ビルの頂点にある鉄塔が折れ落ちて、地上にいる人に危機が及ぶと、それを持ち上げに飛び立つスーパーマン。これこそ、私の望んでいたスーパーマンで、そこに彼の弱点を見出す悪者といい、思った通りの展開でウレシイ。 
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-25 22:17:59)
16.  フィラデルフィア・エクスペリメント(1984) 《ネタバレ》 
 Wikipediaでフィラデルフィア実験という項を読むと、実に凄いことが書いてあって、どのように甲板に体がめり込むのか興味津々で見た。  しかし、やっぱりというか残念ながらというか、その辺は詳細には描写されず、瞬間移動という部分を拡大解釈して、タイムスリップものに仕立てたられていた。  タイプスリップして未来で恋に落ち、過去に戻って後始末をして恋人に会うために戻ってくるという、(映画としては)よくある感じの話。…そういえば、おそらくこのジャンルの嚆矢である「タイムマシン」も、過去と未来の差はあれど、結局はそういう話だっけ。つまり大道ってことか。  だが、いくら何でも磁気実験で時空を行き来できるとは思えず、そう思わせてくれる説得力もなく、ありきたりなタイムスリップSFと言った感。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-09 21:36:11)
17.  誘拐報道 《ネタバレ》 
 公開当時既に、読売新聞社の言い訳じみた報道協定の「精神に違反していない」という言い方には、共に見た友人ともども納得できなかったが、今見てもそれは変わらない。警察がガセネタを掴まされていたり、勇み足をしていたら、この人達はどう言い訳するんだろう?   誘拐犯のショーケンが、だんだんと追い詰められていく様が実にリアル。「神は細部に宿る」などと言うのとちょっと違うかもしれないが、さらった子供を持て余して追い詰められたショーケンの、小銭のなくなる描写は見事。人を追い詰める神(あるいは悪魔)って、こういう下世話で俗な所から攻めてくるものなんだよなあ、と思う。   この犯人の焦燥と、鏡のように同様に焦燥している被害者両親の、双方の不幸を見事に描いたこの映画、「報道」をその描写ごと取り払って『誘拐』として再編集したら、より良いと思う。
[ビデオ(邦画)] 8点(2013-09-29 21:55:54)(良:1票)
18.  マルサの女 《ネタバレ》 
 随分前から言われていることだが、新書のタイトルというのは、実にうまく作られているもので、そういうタイトルにつられて、時々興味のない分野の本を読むことがある。全く知らなかった世界の話や、気にも止めていない普通の出来事の意味を知る事となり、たいそう勉強になる。いや、勉強というより知的好奇心が満たされるという感じか。   この映画の(というか、この人の映画の)魅力というのはつまり、そういう部分にある。有職者の8割が被雇用者だという日本では、この分野に詳しい人はそうそういない。客数を少なく見せる手口、印を付けた札(これ、違法な気もするが)を使った不正の追求、当たりくじを売りに来る奴など、税の攻防にまつわる話がどれも面白い。漠然と「敵」だと思っていた税務署・国税関係者などと、脱税者を巡る闘いは、もちろんスパイ物のような派手さはないが、地に足の着いた頭脳戦でワクワクさせられる。  「戦」とはいっても当然、命の遣り取りをするわけでもないうえ、「査察が入って潰れた会社はない」そうなので、結構ゲーム的な感覚で安心して見ていられるのも良い。   それだからこそ、権堂と板倉の友情に似た、たぶん「好敵手」というのが一番似合うのだろう、その関係にグッとくる。
[DVD(邦画)] 9点(2013-08-21 00:43:13)
19.  遙かなる走路 《ネタバレ》 
 随分と昔、東南アジアの国へ旅行に行った時に、その国の写真フィルムを買おうと思ったら、そんな物は無いと言われ驚いたことがある。我々は大抵のものは国産品があると思っている。無いのは石油と旅客機(YS-11が現役ならなあ)くらいではないだろうか?  そう、日本人というのは、とにかく自国の物を求めるし、自国で作ろうとする。なんでも自分で作らないといられない、というモノ作り大国の気概、素晴らしや。   そんな主人公、豊田喜一郎の幼少時の自動車への興味から、工学を学び自動車を開発する過程が丁寧に描かれており、製造業に携わるものとしては、大変に面白く見られた映画である。  特に論理的・基礎的な技術と同時に、製造技術の壁も実際の製品開発には重要なファクターである話、会社というものは人々の生活を背負っているのだという事に悩む経営者の話などもまた、興味深い。  さらにこれも前の話だが、数十年ぶりに光岡自動車がメーカーとして認可されたというニュースを、不思議と思ったその訳もこれで理解できた。   完成直後の役人との密約や政治的駆け引き、とりあえず作っちまうというスタンスなど、ちょっとどうなのかと思う所もあるが、行動力と情熱の人というのは伝わってくる。   色々ともっと知りたい部分もある。シボレーのエンジンパーツと入れ替えてみるって、デッドコピーを作っているんだろうか?とか、60馬力を超えた時の原因と対策は何だったのか?とか、箱根をヒーヒー言って押しながら超えたのに、あの電報はいいのか?とか、ニッサンはライバルじゃなかったのか?とか。でも、細かいとこだから、いいのだけれど。 
[DVD(邦画)] 8点(2013-08-11 08:57:45)
20.  首都消失 《ネタバレ》 
 理不尽で不可解な超常現象に対して、人間が右往左往しながら対峙する物語。基本的に、怪獣映画のセンスで作られているが、異常事態が発生した時の政治家たちや報道機関、安全地帯にいる一般人などを、リアルに描こうとする姿勢が見て取れ、まだゴジラシリーズよりはまともに見れる。もっとも、SCMトラックなどはメーサー砲のセンスで辟易ではある。   この東京を包み込む謎の雲の正体が、全く語られないのが逆に良かった。自然現象と説明するのは無理がありすぎるし、兵器・地球外からのいたずらや攻撃などでも規模が規模だけにウソっぽい。人間にはどうしようもない事のメタファとしてそのままで良いと思う。  電気的な特徴を持っているとか、薄い皮のような状態だとかの、雲の詳細が少しづつ分かってくるあたりは、とてもワクワクする面白さなのだが、人間の家族ドラマのほうがありきたりで、つまらない。さらに「特殊兵器」への展開には、やっぱり日本のSFなのだなあ、と思い知らされる。
[ビデオ(邦画)] 4点(2013-07-23 20:05:40)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS