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コメント数 106
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1.  父/パードレ・パドローネ 《ネタバレ》 
原作者の一人称プロローグという強烈な異化効果で幕を開けるこの映画はその教育的主題とともに牧歌的でありながら非実存主義的な感覚の二次的創作が安定的に織り込まれている。アコーディオンの音色をオーケストラの演奏として感じ取ることは言うまでもなく、「息子を殺してくる」と羊に告げ帰路を早足で歩く父親を捉えたあの俯瞰の移動撮影が妙に感動的なのもそのためだろう。引き離された2つの事物が反発し共振しながら近付いていくその様は、その動機がたとえ「殺す」ためであってさえもなお涙を誘う。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-02-07 14:05:07)
2.  チャイナタウン
この黒とパンフォーカス!この難解さ!ホークスの「三つ数えろ」を思わせる主観によって構成された、この紛れもない探偵映画は正にそれと同じくノワールの傑作である。
[ビデオ(字幕)] 10点(2008-02-07 14:03:44)
3.  話の話 《ネタバレ》 
時折見せる写実的な画のあまりの完成度に緊張感が漂う。何故こんなにも光や土や水や木を捉えられるのだ。何故大きな一枚の画を自由に眺める視点のような、二次元を散歩しているような感覚を作り出せるのだ。  現実世界では、男たちが戦争に駆り出され女の下を去って行き、狼は車の排気でくしゃみをする。夫婦同士でさえ仲良くできない両親と言う現実を見せられた瞬間、カラスと林檎を分け合い肩に手を回す子供の夢想はハジけて消える。 一方、牛や猫や男や女が共に縄跳びをし、揺りかごを揺らす2次元の世界。魚までもが同じ画(世界、社会)に収まるフィクションの世界。眩いほどの光を放ち、正体が分からないほどにイノセントな生命。 ユートピアから盗んでしまった子供、ユートピアに近付くための必死の子守唄。 戻ってくる男と戻れない男、片足を失った男。 そして花火。 再び夢想に浸る子供。 それとは対照的に魅力を失っていくユートピア。牛はひとりで縄跳び。男は一人でイスに座る。 必死の子守唄が実を結んだ瞬間。人間ではなく獣によって理想郷を必要としなくなったその瞬間である。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:49:10)
4.  天国の日々 《ネタバレ》 
映像が綺麗な作品? そうだ、だがこの作品は「映像がキレイ」で片付けられない。そう、映像集ではないのだから。皆さんはあの狂気の瞬間を目に入れただろうか。保ってきた人間性が崩壊する瞬間に訪れたこの映画の躍動を。幾度となく映されていた動物に虫がついて回るという変化を。 イナゴをつかまえて笑っていた少女がそれを叩き出したその瞬間。イナゴの生々しいクロースアップ。はっきりと見えてしまった瞬間。農場主の気品ある穏やかな顔が歪むその瞬間。 画が画でなくなり、ショットがショットでなくなる。 全てが映画へと還元されるその瞬間。  「世の中には持てる者と持たざる者がいる。」少女のナレーションが語る。持てる者がいる以上、持たざる者について回る劣等感。拭い去ろうとすることが持たざる者の人生なのか。 であるならば、狂気とは何と身近なことだろう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-24 12:29:57)(良:2票)
5.  さすらいのカウボーイ 《ネタバレ》 
男と女。男と男。幸せを愛に求め、それゆえに愛に誠実な女という生き物。愛を求めながらも、幸せという抽象的な概念を計りきれずに、さすらいを続けてしまう男という生き物。さすらいや自由こそが幸せと考えることも、分からなくなることも、結局は愛に落ち着くこともある。愛を求め、自由を求め・・・飽くことのない繰り返し。それが人生。自由と疲労と少しの優しさが人生。ギター、逆光、オーヴァ・ラップ。さすらいの失われた現代。失われることのないさすらいへの憧れ。煮え切らない感情や曖昧な感傷を包み込むようにフィルムに焼き付けた正に珠玉の一本。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:18:37)(良:1票)
6.  田園に死す 《ネタバレ》 
田舎を、田を、畑を母を、切り離そうと考えるばかりに、土着的な人格、習慣や因習を卑しいものと捉えすぎる、また作品内に取り込みすぎている嫌いがあるが、それもまた寺山の回帰への抵抗と考えれば可愛らしいものである。 過去を捨てるということ、過去があり現在の自分があるということ、記憶(映画)の中で母を殺し、故郷を捨て現在の自分と異なる自分を求めたこと。思い通りに動いてくれない20年前(記憶の中)の自分、映画(記憶)の中ですら田園を捨てることのできない寺山、少年の童貞を奪うことで父なし子を捨てさせられた復讐となし村を捨てようとする女、息子を捨てない母、世を捨てる男女。 雛壇は川を流れ、空の色は明暗を彷徨う。暗闇で映えるタバコの煙。支配する赤。支配する舞台装置。新宿区新宿字恐山。魔術はまだ完成を見ぬが、それでも尚頭一つ抜けた演出の才。寺山修司とは、事件である。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-09-24 12:15:39)(良:1票)
7.  ピンク・フラミンゴ
トラウマになってしまい、しばらく犬のうんこ食べれませんでした。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-05-12 16:49:20)(笑:5票)
8.  時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 
キャラクタリゼーション、テンポの創出、それらの道具としての美術のアイデアが計り知れないほど素晴らしい。全体主義・画一主義への皮肉が本編からもタイトルからも伝わってくるが、やはりそれは映画的にメインのテーマではないように思える。何だかんだで本当のメインは人間の本能・狂気・悪そのもの。悪を解放しているアレックス→悪を抑制されもがき苦しむ時計じかけのアレックス→再び解放され人間らしくなったアレックスという構図。そしてその構図に説得力を与える“強者―弱者”の関係。強者は弱者のことなんか道具程度にしか思っていないし、当然弱者の気持ちなんか知ったこっちゃない。弱者はされるがままになるしかないし、こいつ(強者)はイカレてる、と恐怖を感じるだけ。だが関係が入れ替わればそれにともなって考えや行動も入れ替わる。アレックスの元仲間もホームレスのジジィも老作家も内務大臣も皆この法則に従った行動をし、誰もが持つ本能・悪を見せつける。誇張された過激な世界ではあるが、この法則が基本的に真実だという認識があるからこそこの映画は面白い。 余談。この映画そんなにSFじみた話ではない。けど映像的にはちょっとしたSF。この中途半端なSFがかなりの功績。映画のコメディへの位置付けを可能にし、いい意味で作品の重みが消え、少々粗いご都合的展開も気にせず見られる。こういったバランス感覚もキューブリックのず抜けた才能なのだろう。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-04-22 19:19:17)(良:1票)
9.  スウィート・ムービー
あーぁ、こんなんなっちゃったかマカヴェイエフ。過激な性描写という道具が思想の伝達という目的を上回ってどうするん。その思想自体もソ連の共産主義を批判してみたり、自由主義批判の描写を入れてみたりでどうしたいんか分からんし。結局カティンの森事件の映像とか出しちゃって、性と政治の相関性に自信がないなら最初からしなければいいのに
[ビデオ(字幕)] 3点(2006-04-18 09:06:39)
10.  修羅雪姫(1973) 《ネタバレ》 
作品の質を正しく自覚すること。ほとんど見たこともない親の敵討ちをするため、ひたすら修羅の道を行く。このアホらしさをアホらしいと認識すること。そしてアホらしい大袈裟な演出で突き進む。なんか知らんけど協力してくれる和尚は鬼みたいにシゴいてくるし、血ドバーッやし、修羅雪姫めっちゃ小ギレイな身なりやし、ってか10回ぐらいコスプレしよんし。恨みの連鎖を美しく面白く映し出した、娯楽センスが溢れ出ているような作品。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-15 19:39:16)
11.  ラスト・ムービー
サミュエル・フラーが出演している。ピーター・フォンダもデニス・ホッパーも悪い俳優ではない。だがまぁ何というか、ヤク中に映画は作れないという証明だろうか。ラズロ・コヴァックスはカッティングによって輝きを持つカメラマンであるのになぜこうも怠惰な編集ができるのか。ハリウッドや軍事主義の批判が幼稚であるからではなく、出来事の希薄さではなく、映画の虚ろさについて批判したい。サミュエル・フラー出演作の中で唯一の駄作ではないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 0点(2006-04-15 17:18:23)
12.  映画に愛をこめて/アメリカの夜
トリュフォーがスタジオシステムへの愛情を表すってのも面白いな。まぁそういう固執しすぎないところが君のいい所でもあるんだけどね(偉そう)。で、内容やけど映画作りを取り巻くトラブル・ダイナミズムは伝わってきたけど、恋愛のトラブルばっかで飽きるし、たまに違うのきたと思えば俳優死んだとかなので、さすがに食傷気味になってしまった。それにしても映画監督って大変なんやろなー。映画好きの少年が一番幸せなんやろなー。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-15 15:37:28)
13.  イレイザーヘッド 《ネタバレ》 
本作の「未熟児なるもの」は誰がどう説明を施したところで、怪物である。視覚経験上それが未知なる何かであることがその証拠なのだが、なぜその未知なる怪物に何の説明も施さずにいられるのかという問いの発現こそがリンチの才を発見する口実であったように思う。わたしは未熟児の体調を心配して加湿器をあてている画に触れ、笑いを抑止できなかったのだが、それこそ未知なる才に気が触れた瞬間、シュールレアリスムの精神を正統に受け継いだ同時代の監督との遭遇であった。『イレイザーヘッド』は『勝手にしやがれ』や『ストレンジャーザンパラダイス』と同様に、大監督にふさわしい生気を纏った傑出したデビュー作である。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-04-15 02:51:25)
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