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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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1.  ベン・ハー(1959)
この映画には、愛がある。友情がある。信頼と裏切りがある。希望と絶望がある。争いと平和がある。笑いと涙がある。勇気と自己犠牲がある。嘘と真実がある。圧政と抵抗がある。そしてなにより、信仰がある。この映画には、人の営みのすべてがある。これぞ傑作!
[映画館(字幕)] 10点(2010-12-03 19:17:25)(良:1票)
2.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
『奇跡の人』同様、小学生の時にテレビで見て、感動を覚えた映画。こちらは中学年の頃「水曜ロードショー」だったと思います。やはりなんの予備知識もなく偶然チャンネルが合って見始めたため、社会派ドラマとはつゆ知らず、法廷ミステリーとして見ていました。しかしそれが逆に幸いし、どんどん物語に引き込まれていきました。一見有罪間違いなしと思われた証言を突き崩してゆく面白さ。謎解きではありませんが、推理ものの魅力を十分堪能できます。 ここで注意しなければいけないのは、あちらの裁判では「推定無罪」が原則。つまり、検察側は有罪であることを立証しなければならないが、弁護側は必ずしも無罪であることを証明しなければいけないというわけではない、ということ。つまり有罪であることに疑念があれば、二者択一で無罪ということになります。劇中でも語られてはいますが、この原則がわかっていないと、なぜ無罪票が増えていくのか理解できないかもしれません。 それはともかく、推理ものとして見ていただけに、最後に3番陪審員が泣き崩れる場面でとてつもなく感動しました。ミステリーから人間ドラマへの転換が、実に鮮やかでおみごと。予想もしなかった展開だけに、感動も大きかったようです。当時子供だったので、父親の息子に対する思いなど理解できるはずもないのですが、大いに感じるものがあったようです。つまり私にとってこの映画は、社会派というよりはミステリー+父と子のドラマという印象が強く、その点他の方と受け取り方が少々ちがうかもしれません。が、映画史に残る名作であろうということは、変わらないでしょう。こんな古い映画をスクリーンで見ることはないだろうと思っていたのですが、今回機会に恵まれたのは幸いでした。ただ、あの最後の「無罪だ……」は、吹き替えの方が感動できるかも。
[映画館(字幕)] 10点(2010-11-20 17:41:30)
3.  情婦 《ネタバレ》 
DVDをレンタルしたのに続いて、2回目の鑑賞。さすがに最初の時のような驚きはありませんが、随所に見られる小道具の使い方のうまさを堪能できます。ミス・プリムソールの存在も大きい。まあ、これを最後までミステリものだと思って見たら、それほど評価は高くないかもしれません。しかし本作の真価は、法廷ものだと思っていたら、最後に男と女の激しい憎悪の物語に転換するところでしょう。さらにヒューマンな締めくくりでダメ押しです。それでこそ素晴らしいどんでん返しと言えましょう。ディートリッヒはもちろんですが、嫌味な男を演じたタイロン・パワーも好演でした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2010-08-16 19:28:37)
4.  ローマの休日 《ネタバレ》 
個人的に劇場でしか見たくない映画 No.2 なので、ずいぶん久しぶりでした。少なくとも、オードリーが亡くなってから見たことはないはず。が、あいかわらず楽しい、そしてステキな映画です。とってもおかしいし、笑いのとり方に品がありますね。そして最後の“Rome”は、わかっていても感動で涙ぐんでしまいます。こんないい映画になったのは、脚本のよさか、監督の手腕か、オードリーの魅力か、グレゴリー・ペックが格好いいからか、ローマという街の持っているオーラから来るのか。きっとそのすべての要素に、さらになにかよくわからない「プラスアルファ」があって初めて、これだけのすばらしい作品になったのでしょう。もうほとんど奇跡です。奇跡の名作。
[映画館(字幕)] 10点(2010-06-02 20:31:45)(良:1票)
5.  ダイヤルMを廻せ!
実は、録画してから見るまで一年以上経ってしまいました。だって、これまで何度も見ていますから。内容はほとんど頭に入っている。けれど抜群に面白い。ものすごく引き込まれる。最高!
[CS・衛星(字幕)] 10点(2010-01-26 19:41:37)
6.  七人の侍
某テレビ局が黒澤明作品を大量に買い付けた時があって、それまでテレビではほとんど放映されなかった作品が次々と登場しました。私は主要な黒澤作品をこれで見た口で、評判だけは聞いていたものを、この目で確かめることができました。中でやはり傑作だったのはこの『七人の侍』で、なんとも面白い映画を作ったもんだなぁというのが、当時の感想でした。  その後数回見ましたが、今回改めてリマスター版を劇場で鑑賞し、面白いことは面白いのですが、はやり初見時の感銘には及ばないかと感じます。こちらが見慣れてきたということもあるのでしょうが、もしかしたらデジタル化したことと関係があるでは、とも思えます。映画の中に没入せず、やや距離を置いてクールに眺めてしまうところがあるのです。これはやはりそういう類の映画ではないだろうと思うので、こうして客観視してしまうのは、この映画を見る態度としては問題があろうかと思われるのですが、そこに少なからずデジタル化の影響があるように思えてなりません。たとえ傷があったり音がこもったりしていても、フィルムで見た方がより夢中になれるのではと勝手に思ってしまう次第ですが、まあそれは単なるノスタルジーによる思い過ごしかもしれません。「凄くて面白い」映画であることには、間違いないのですから。  内容的にはあれこれ考察することは可能ですが、そういうことをしてもつまらないのでやめておきます。「凄くて面白い」娯楽映画の傑作、これだけで十分でしょう。〔レビュー900本目〕
[映画館(邦画)] 9点(2016-12-30 22:13:16)(良:1票)
7.  生きる 《ネタバレ》 
東宝創立50周年の時に見て以来ですから、久しぶり。いやぁ、これはうまい。面白いとか感動的という以前に、うまさが目立つ。中でも「ハッピー・バースデー」にはやられましたなぁ。あえて言うなら、技巧に走ったところが欠点になっています。本作では役所の体質に対する風刺もありますが、それよりもやはり「生きているというのはどういうことなのか」という点がポイントであり、正直役所批判はおまけのように思えました。そういう意味では、とりあえず一度は見ておいた方がいい映画だと思います。現在では癌は必ずしも治療できないわけではないし、役所の体質も変わっているでしょうが、生きることに対する本質は生きていると思います。
[映画館(邦画)] 9点(2016-09-22 20:52:25)
8.  巨人と玩具 《ネタバレ》 
増村監督らしく、早口でわめき立てるようなセリフ。しかし業界自体の性格が表れているようで、ピッタリしていました。内容的にも現代にまで通じる「サラリーマン残酷物語」であり、マスコミの裏側に垣間見られるいかがわしさや非情さをうまく描いていたと思います。それを体現していた高松英郎もすばらしいけど(若くて最初は誰かわからなかった)、虫歯の野添ひとみもキュート。「大衆は何も考えていない」などの鋭いセリフも飛び出し、とにかくパワーのある作で、「笑うのよ」っていう締めもなかなか考えさせられます。60年近く経っても風刺精神が生きているというのは、人間の本質を捉えているからなんでしょうね。『三丁目の夕日』シリーズが好きな人も、一度見てみればいいんじゃないでしょうか。  本作のDVDを販売しているのが角川というのも、偶然ですが面白い因縁です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2016-03-12 11:37:34)
9.  ゴジラ(1954)
久しぶりに見ました。この頃の映画の常として、時間が比較的短い(その中では長い方かも)。なので特に前半はポンポン話が進みます。このテンポ感がいい。ムダな説明を省いて観客にちゃんと話を理解させるところが、本多演出の真骨頂でしょう。 内容的には改めて言うことはないですが、一部大仰な演技のところがあり、全体がリアルなタッチで描かれているだけに、妙に浮いてしまっていたのが残念でした。しかしそれ以外は、今見てもよく作ってあるなぁと感じさせます。  それにしても、子供の放射能を本当に測定するような時代が来るとは、考えてもみませんでした。最後の山根博士の台詞にあるように、21世紀のゴジラもあれが最後の一匹というわけではなさそうです。そう考えると、この作品の存在意義は60年経った現代でもあるというか、ある意味時代がゴジラに追いついてきたと言えるかもしれません。なんという予見性か。〔レビュー600本目〕  [2014年06月13日追記]劇場で「60周年記念リマスター版」を鑑賞してきました。映像はもちろんのこと、音声が非常にクリアになっていて感動的でした。現在では機器の性能が向上していますから、音に関しては初公開時以上かも。リマスター版制作に拍手を。
[DVD(邦画)] 9点(2014-03-15 21:27:52)
10.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
以前洋画劇場で見て、その時は話がよくわからない部分もあったのですが、おそらくカットされていたからでしょう。序盤のホテルで母子が歌うシーンなんて、見た覚えがありません。クライマックスの伏線なのに。今回ノーカットで見たら、かなり面白かった。 なんといってもユーモアとサスペンスの組み合わせ、これが絶妙です。そこから一種の余裕が出て、こちらもゆったりと楽しめます。本作では音楽というか「歌」がポイントになっていますが、教会で賛美歌に合わせて会話するあたりは最高におかしかった。あれってミュージカルのパロディ(皮肉?)かもしれませんね。また、いかにも怪しそうな人物・怪しくなさそうな人物をうまく組み合わせていると思います。単純ですが効果を上げています。コンサートホールでは、比較的長い曲を丸ごと演奏していて、ダレがちになりそうですが、そこで間を保たせる演出にヒッチコックの自負が見て取れました。 サスペンスですが、終始子供を思う親の心が基本となっていて、物語の牽引役にもなっています。終盤ドリス・デイが泣きそうな顔で歌うところは、こちらも泣きそうになってしまいました。最後も気が利いています。こうしたユーモアがあるから、あくまで「フィクションの娯楽」として素直に楽しめますし、そうしたジャンルとして傑作に仕上がったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-06-05 07:56:21)(良:1票)
11.  姉妹(1955) 《ネタバレ》 
これは名作。基本は姉と妹を中心に家族を描いた作で、2人姉妹なので簡略版『若草物語』といった感じ。短いエピソードで構成されているのも共通していますし、はっちゃんの家へ掃除に行くあたりも、『若草物語』を連想させます。序盤は笑える話が多く引き込まれて見ていると、徐々に重いテーマが顔をのぞかせるあたり、うまい構成です。社会問題についていろいろ取り上げていますが、現実的なのは問題提起をしても大して解決されないまま終わること。多くのエピソードが連なっているということもありますが、世の中の問題はそんな簡単に解決できないということを素直に現しています。そんな社会の“壁”に対し、やはり素直な想いで立ち向かってゆく中原ひとみがものすごくさわやか。彼女のまっすぐな気持ちが本作最大の魅力でしょう。 この作品、原作も絶版ですし映画のDVDも廃盤のようです。作中「めくら」や「かたわ」といった言葉が出てくるのが原因かもしれませんが、時代がどうのこうのというよりは、そうした言葉を使わないと表現できないこともあるのです。本作ではまさにそうした使われ方をしており、単純に「差別語が出てくるから」という理由で入手困難であるとすれば、非常に残念です。これはぜひ、多くの人に見てもらいたい作品ですので。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-10-13 20:14:52)
12.  二等兵物語 《ネタバレ》 
こういう名画が隠れていたとは、まだまだ映画の世界は深いです。前半は隊長の愛人がらみや悦子さんの伯母さんなど、かなり笑わせてくれます。後半は柳田親子を巡る話を中心に、軍隊の無茶ぶりを描写。このあたりはほかの戦争映画にもありますが、戦争が終わると知って物資を確保しようとする上等兵たちに、主人公凡作が思いっきり逆襲するのが見もの。こちらも胸がスカッとして、持って行き方がうまいです。ここですばらしいのは、凡作は「集団における信頼の大切さ」を説くのですが、これが軍隊批判にとどまっていないということ。学校におけるいじめが大きな問題として取り上げられている昨今、この信頼の重要性は胸に響きます。こういう意味で、今の時代にも通じる作品であると思います。ただ、最後の「平和が続く機械」というのは、ちょっと感心しません。平和というのはモノではなく、人間の心で維持していくものだと思いますから。 とはいえ、全体としてはすばらしい作だと思います。あまり知られていないようですし、ソフトも廃盤のようですが、もっと多くの人に見てもらいたい映画です。シリーズの2作目以降も見てみたいですね。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-09-10 21:18:12)
13.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 
これはまたすごい映画を見ました。広大なセットを使った舞台劇風の作り。場面転換も舞台を彷彿とさせながら、映画ならではの表現を用いています。BGMに長唄を使ったのも効果的でした。照明もすばらしく、特に赤の使い方がうまい。ということで、監督の技巧が光る作品です。物語の方は、姥捨に対する各人の異なる思いを重層的に描いているのも見ごたえがありました。 これだけでも上出来なのですが、本作の真骨頂は最後の大転換でしょう。セットからいきなりロケ(現代の機関車)映像となり、最後に姨捨(おばすて)駅が映されて終わり。この部分だけわざわざモノクロで撮影されています。それまでセットを使い、観客の現実とは離れた、作り物めいた世界で物語が展開していたのですが、ここで一転、観客とつながった現実世界が現れます。過去と現在・虚構と現実・閉じた世界と開けた世界・カラーと白黒という対比を持たせながら、両者が地続きであるということを端的に表した、実にあざやかな、そして簡潔な幕切れでした(もちろん、こんなところに台詞はありません)。ここまでやられると、素直に参りましたと言うほかないですね。このように、木下監督の映像技術が存分に発揮されています。正直、物語よりもそちらの方に目を奪われました。でもこのテクニックだけでも、一見の価値はあるでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-26 20:15:52)
14.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
高校生か大学生の頃、三本立ての名画座で見ました。この時は字幕が読みにくいところがあったりして、全然いいとは思わなかった。 ところが今回再見したら、すばらしい映画ではないですか! いち家族を描くことによって、罪と罰、善と悪、人と人とのあるべき関係について、真理に迫るような深い考察を促されました。特に「人を許す」ことについて、いろいろと考えさせられます。人は一人では生きていけないのだ、誰かが必要なのだと痛切に感じました。もしかするとアダムやアロンは、その点勘違いしていたのかもしれません。 ジェームズ・ディーンは、役を演じるより「役になりきる」タイプなのでしょうね。おそらく本作では、演じたキャルと彼自身とがオーバーラップする部分が多かったのでしょう。その分存在感があり、非常にインパクトが強くなったと思います。それ以外のキャストもそれぞれはまり役。特にアブラとサムが記憶に残ります。 これはやはり、名画として今後も残したい作品です。時代や国を超えた普遍性があります。結局はそういうものが、人の心をつかむのでしょう。
[映画館(字幕)] 9点(2010-06-26 20:37:51)
15.  裏窓(1954) 《ネタバレ》 
久しぶりに見ましたが、記憶していたよりはるかに面白かった。本作では基本的に窓から覗いた世界しか映されておらず、そうした限定された状況で情報を手に入れるのがミソなわけですが、そこで重要な役割を担っているのが“音”。他の部屋から漏れ聞こえてくるSEが効果的に状況を描写しています。また、BGMとして歌を流しておいて、心理描写に使ううまさ。ヒッチコックの技巧の冴えを聞くことができました。カメラ・ワークのたくみさは言うに及ばず。話としては、疑惑が確信に変わる展開がよかったですね。あの、ベッドが空の部屋を「お待たせしました」とばかりババーンと映すあたりとか。ユーモアも適度にあり、時間も長すぎず短すぎず。小道具の使い方もうまいです。 ちなみに、最後にジェフが落下する場面ですが、最初に見たときは色のトーンの違いから合成であることがかなりはっきりわかりましたが、今回はかなり自然に見えました。デジタルで処理したのかもしれませんし、ヒッチコックが生きていたらきっと喜ぶでしょうが、以前の方もそれなりに味があって好きでした。
[映画館(字幕)] 9点(2010-02-26 19:57:22)
16.  ボディ・スナッチャー/恐怖の街 《ネタバレ》 
「周囲の人間が違うものと入れ替わっている」という侵略SFの元祖でしょうか。日常に根を下ろしたSFという点では、眉村卓や光瀬龍などの学園ジュブナイルにも影響を与えているように思えます。元祖なので話の展開もオーソドックスですが、そのためか安定感があります。最後がちょっと弱いのですが、これも時代的に致し方ないところでしょうか。  共産主義批判というのも、時代がうかがえて興味深いです。ただ、ナントカ主義を離れても、「顔は知っているが何を考えているのかわからない」ということを考えれば、現代的な側面も持っていると思います。そういうところをSFではなく現実的に描くと、『サイコ』のような話になるのでしょう。何度もリメイクされているのも納得です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-01-05 19:45:57)
17.  野火(1959) 《ネタバレ》 
原作は読んだことがないのですが、聞いたところによると主人公はキリスト教徒なのだとか。それはけっこう重要な設定だと思うのですが、映画ではそれらしいことを示唆するだけで終わっているのが少々残念。  それはともかく、本作では「人間であるとはどういうことか」というのがテーマのようで、戦争というのはあくまで背景であり、カニバリズムも問題が顕在化した、ある種象徴のような扱いだと思います。だから本質は反戦ではないし、食人ばかりをことさら取り上げてあれこれ言うのも、ちょっとズレているかなぁという感じ。船越英二はあまりタフには見えないのですが、最後の「普通の暮らしをしている人間に会いたい」というところで納得。「見た目が普通」というのが大事で、強靱なタイプではあそこで逆に説得力がなくなってしまうでしょう。インテリのクリスチャンという点でも、よくあった配役だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-05-04 20:22:26)
18.  理由なき反抗 《ネタバレ》 
近頃ではこうした親と子の相克を扱った作が少なく、特に昔は定番であった「父と息子」の話はほぼ絶滅状態なので(特に日本では)、逆に新鮮に感じました。まあ「強い父親に対するあこがれ」というのはマッチョな発想で現代的ではないのかもしれませんが、それでも今見ても見どころが多く、十分引きつけられました。やはり家庭劇というのはドラマの基本であり、家族の問題をちゃんと描けることが、劇作の上で必要とされるのではないかと思います。本作ではそれと「同世代との交流」が適度にからめてあり、最後の悲劇と希望を持たせる幕引きでうまくまとめてあると思います。今のような時代だからこそ、見る価値がある作品かもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-11 17:21:52)
19.  リオ・ブラボー 《ネタバレ》 
「ジョン・T・チャンスと愉快な仲間たち」って感じの娯楽作。悪党を相手にするのにそんなにお気楽でいいのか、と思うほどユーモラスで楽しい。その一方でアル中から立ち直るデュードの話をからめ、シリアスな部分もありバランスを取っています。ドラマと笑いとロマンス、三拍子そろった楽しい快作でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-15 08:18:20)
20.  血槍富士 《ネタバレ》 
メイン(?)の道中劇もかなりよかったのですが、最後の立ち回りも迫力があり引き込まれました。「法のもとの平等」を謳った戦後民主主義の思想がよく表れているのですが、それを時代劇でやってしまうところがすごい。敵討ちのむなしさを「海ゆかば」に象徴させるというのも、皮肉が効いています。なかなかの力作。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-02-08 20:20:57)
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