Menu
 > レビュワー
 > わいえす さんの口コミ一覧。4ページ目
わいえすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 107
性別 男性
ホームページ http://blognoakuma.at.webry.info/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
61.  死の標的
実にオーソドックスなB級セガールアクションです。セガールがまだ若くてスリムで、アクションも冴えてます。表情一つ変えずに、一回りも小さいジャマイカ人ギャングどもをバタバタと投げ飛ばし、ポキポキと腕を折り、プスプスとスナイプし、最後は華麗な剣技を披露しています。懺悔までして刑事辞めたっつーのに、いくら何でもそりゃヤバイだろうというくらいの大虐殺。セガール最高です。初期の傑作。
[地上波(吹替)] 8点(2006-05-20 00:05:23)
62.  ロード・オブ・ウォー
意外と地味でシリアスな作品であった。シニカルな脚本、計算されたカメラワーク、抑制された演出はさすが「ガタカ」の監督といったところであろう。乾いたユーモアのセンスが秀逸である。少々薄味な印象もこの人ならではか。現実のエピソードに基づいたストーリーもたいへん面白いが、本作の魅力は何と言ってもニコラス・ケージであろう。黒いスーツにアタッシュケースを携え、世界の戦場を駆け回るケージの姿は最高にクールだ。私も仕事帰りにスーツ姿で観たので、映画館を出る時は「気分はもう戦争」ならぬ「気分はもうケージ」という感じであった。倫理観や政治に左右されずビジネスに徹する冷徹な姿は、黒ずくめの衣装と相俟ってまさに悪魔の化身である。最高にチャーミングな笑顔で、現地の住民たちに銃をばら撒くユーリの最低ぶりが、身につまされる人も多いのではないだろうか?カタギの商売でも結構ヤバイことをやっているものである。ホテルはヤクザが、印刷会社はエロ本が、自動車修理工場は暴走族が、武器商人はリベリア大統領のチンピラ親子がお得意先というわけだ。本作はあくまでAK47に焦点を絞っており、世界のハイテク兵器大集合という感じではない。戦車も戦闘機もエグゾセも登場しない。幸か不幸か世界情勢の裏側よりも、ユーリの不気味かつ魅力的なキャラの方が印象に残る。そのことが、問題の根の深さをより一層浮かび上がらせている。戦争オタクには多少物足りないかもしれないが、普通のビジネスマンが、ビジネスの極意を学び、少々反省し、世界情勢についての基本を学ぶために最高のテキストとなるであろう。まあ落合信彦みたいなものか。
[映画館(字幕)] 8点(2005-12-25 15:13:45)(良:1票)
63.  イントゥ・ザ・サン 《ネタバレ》 
「ブラック・レイン」と「キル・ビル」を足して3で割ってさらに劣化させたような作品である。ストーリーに精彩がない上、編集がグダグダで、中盤のダレッぷりは目も当てられない。日本語と英語と中国語が無秩序に飛び交い、日本人女優には恐らくネイティブのアフレコが被さり、しかもズレズレ。国に応じてアフレコで対応するつもりだったとは思うが、英語で話して日本語で普通に返してくるのはどういうわけか。登場人物の背景や行動も意味不明で、普通の頭では理解不能。そもそもわざわざ都知事を暗殺する必要があるのか?新米のFBIはアホなのか?と、偽造設計のマンションのごとく崩壊寸前の作品である(これまずいかな?)。しかしそんな中、セガールが一言怪しい日本語を発すれば大爆笑すること間違いなし。結婚まで誓った自分の女を殺され、殴りこみの決意を豊原に話すという悲壮なシーンで「~やねん」とか言われても、感動するのはほぼ不可能。日本刀振り回しても、全くいつもの調子でチャキチャキチャキーンという感じで、しかも無意味に残酷なのはさすがである。アクションが少な目なのが残念だが、不明確な編集のせいか、いつもの平凡なヒーロー主義とナルシシズムは影を潜め、ジャパンテイストと日本人俳優の怪演により、作品全体に漂う濃密なカオス感は最高にトリッピーである。というかもうわっけわからない。ジャパンテイストにそれほど違和感がないのは凄い。しかも歌が意外と上手い。役者に徹すればいいものを、なにせプロデューサーだからもう誰も止められない。ファン以外は観ない方がいいだろう。プログラムがまた爆笑である。
[映画館(字幕)] 8点(2005-11-30 23:17:49)(笑:1票) (良:1票)
64.  アルマゲドン(1998)
感動大作というには脚本、演出両面で少々粗すぎる。そのわりにカットが細かい。スピード感があって飽きないがその分重みに欠ける。単純なアクションならともかく、スケール感が必要なSF大作でこの演出は如何なものか。まあこのプロデューサーコンビでは仕方ないか。先日野口さんが宇宙に行った時に断熱タイル1枚で大騒ぎしていたが、その後で観ると「あんなシャトルで大気圏突入できるのか?」とか「ミールの宇宙飛行士杜撰すぎ」とか思ってしまったりもする。しかしNASA、ミール、シャトル、小惑星とプチ宇宙マニアにはたまらない要素がてんこ盛りである。私はシャトルの打ち上げシーンの美しさだけで結構イケた。エンドクレジットでミニチュア製作と出ていたがミールも模型なのだろうか。ゴジラも出てきたし。スターウォーズのオールCGも考えものだ。いくらアメリカ万歳と言ったところで、実際宇宙に行けるのはNASAだけだし、結局我々はハリウッド映画を見るしかない。未知のフロンティアで世紀のミッションに挑むのがNASAのエリートでは興醒めであろう。陽気でタフな荒くれ者どもでなければ意味がない。決死のミッションにパーティ気分で挑み、何人死んでも超ハッピーエンド。これぞハリウッド映画の伝統と真髄である。それが嫌ならジャパニメーションの名作「プラネテス」でも観ているべきであろう。何やかやと言っても、最後は泣ける。うぅっ。何気にインドロケが凄い。ビリー・ボブ・ソーントンが渋い。ボブ・シーガーの曲もいい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-28 18:53:17)
65.  ザ・コンテンダー
クリントン後の民主党政権という設定が哀愁を誘う。硬派でリベラルな政治ドラマとしてはなかなか面白い。政界でのセックス・スキャンダルというエグいテーマを、実にスマートかつクールに見せる抑制の利いた演出と演技は好感が持てる。しかしこの脚本であれば、もっと観る者の胸にぐりぐりと迫ってくるような演出にすることもできたはずである。政治の世界のよりダーティでどろどろな面を見たかった気もするし、これくらいの方が実はリアルな気もする。この辺りで好みが別れそうである。あるいはこの抑制にこそメッセージを見出すべきなのかもしれない。いずれにしても永田町にはないこの華麗さとカッコよさはさすがと言うべきか。映画も政治も見た目は重要である。アップの多用は臨場感がありなかなかの迫力であったが、その割にゲイリー・オールドマンに気付くのに1時間くらいかかってしまった。あの髪の毛は抜いているのだろうか?テレビ出演でだまし討ちに会うシーンの演出がスリリングでよかった。
[地上波(字幕)] 8点(2005-08-09 00:32:39)
66.  ラブストーリー 《ネタバレ》 
最初はトレンディドラマもどきのラブストーリーかと思いきや、話が進むにつれてスケールがじわじわと拡大し、気が付けば韓国現代史を俯瞰した激動の大河純愛ドラマと化していた。こうしてみると韓国現代史も不安定な時代であった。本作はたいへん見ごたえのある作品で、ベタはベタなりの、力技がぶりより涙腺鷲摑みという感じで、それなりに感動もするのだが、難点もいくつかある。運命の人というのはともかく、それが大学で憧れのちょっとかっこいい先輩(ハート)というのは、設定としては少し弱いような気がする。もう少し何か伏線とか因縁がほしいところだ。最後でいきなりネックレス(というかロケット?)を出されても「エェッー、そうなの?」という感じでついていけなかった。もう一つ。主演女優はとても可愛いのだが、セーラー服姿は微妙に辛い。何だか企画物のAVを観ているようで複雑な気分だった。ドラマもそうらしいが、韓流はアクションでも恋愛ものでもとにかく熱いですね。国民性か時代かは定かではありませんが。韓国軍のヴェトナム派兵(猛虎隊というのか?)を描いたのは、もしかして画期的だったのではないだろうか。
8点(2004-10-09 16:46:45)
67.  バイオハザード(2001)
もちろん現代的な要素満載であるが、基本的には「ゾンビ」以来の、正統派王道ゾンビムービーの流れを汲む作品。ゲーム原作という事実を前に、この基本を忘れていたので、改めて納得した次第。ゲームの方は知らないので、比較できないのが残念。元々ゾンビ映画があまり怖くない性質なので、(「ブレインデッド」で大爆笑した)そういう意味では、あまり怖くなかった。おまけにサイバーパンクなセットと、明るく美しい色彩で清潔感さえ漂う映像は、かつてのどろどろで、ぐちゃぐちゃで、アラを隠すのにも大いに役立ったと思われるダークネスとは程遠い。しかし連続する危機、少しずつ解明される謎によって、ストーリーはスピード感と緊迫感を最後まで維持し、キメ細かな演出と力強い演技がさらにそれを増幅することに成功している。画面の人工的な明るさが、逆に密室感を強調しているのかもしれない。地中の密室という設定は、宇宙船に近いですね。ミラ・ジョボヴィッチの体当たり演技は賞賛に値する。アニメCG顔負けの端正な美しさと脚線美。そして何よりもあの強さ。戦闘美少女という奴ですね。このあたりもひじょうに現代的といえるかもしれない。こういう嗜好は日本製アニメゲームカルチャーの鬼っ子といえるでしょう。 
8点(2004-07-22 23:36:53)(良:1票)
68.  RONIN 《ネタバレ》 
路地裏でカーチェイス、ハイウェイを逆走、屋台をブチ撒け、オープンカフェに客ごと突っ込み、トラック転がすわ、車何台も吹き飛ばすわ、銃撃戦で民間人を巻き添えにするわ、もうやりたい放題。さすがフランケンハイマー。最近の若い監督には、恐らくできません。CG全盛のこの時代に、ここまでガチンコでやるのは、今時石原プロと彼くらいのものでしょう。いしかわじゅんの言葉を借りれば「レッツゴーバカおやじ」といったところでしょうか?スケールはだいぶ違いますが。しかし伝説のカーチェイス「フレンチ・コネクション」はウィリアム・フリードキン監督で、フランケンハイマー監督は2作目の方ですね。ライバル意識でもあるのでしょうか?スパイものによくありがちな過剰なハイテクもほとんど登場せず。ラストシーンで、ジャン・レノにズームするあのブレブレ感がもうたまりません。全く実に惜しい人を亡くしました。結局デ・ニーロは、CIAの人間だったということでいいのかな?しかしCIAがIRAのことに、そこまで首を突っ込むのかな?英国情報部ならまだ話はわかるが。あるいはIRAに雇われたということだろうか?いまいちよくわかりません。タイトルはクロサワに対するリスペクトらしいです。アクションというより、活劇という言葉が似合いますね。
[映画館(字幕)] 8点(2004-07-12 01:17:43)
69.  オーシャンズ11 《ネタバレ》 
映像と音楽のセンスのよさはピカ一。セリフも決まっている。スマート過ぎて少々物足りないくらいだ。淡々とした演出で、仕掛けも控え目、これだけのスターを揃えた割に、全体の印象はあまりにも地味だ。クライムアクションであれば、もう少しスリルが欲しかった。計画がすんなりと成功しすぎでは?それともこの鮮やかさ、完璧さに唸るべきなのか?それにしても女のために命を賭けるクルーニー様はカッコ良い。しびれる。要はバランスの問題か?この映画と彼らの計画のクライマックスは明らかに、金庫を破るシーンでもなければ、逃走するシーンでもない。アンディがジュリアを捨てるシーンだ。つまり本作は、添え物的にラブストーリーを絡ませたクライムアクションではなく、あくまでクルーニー様のラブストーリーなのである。そして公私混同と理解しつつ、そのクルーニー様のわがままに付き合う仲間たちの姿には、心温まるものがある。「Heat」のデ・ニーロのような、冷徹なプロとは対極の存在だが、どちらも男の生き様を見せつけてくれる。ルパンだって、いつも最後は不二子ちゃんに騙される。しかしそれをとやかく言う者はいない。 
8点(2004-05-18 03:14:14)(良:1票)
70.  プレシディオの男たち
脚本、アクション、主演のマーク・ハーモンと、どこを取ってもいまいち地味な印象の作品で、評価も知名度もやはり地味だが、これが隠れた名作である、といってしまおう。ストーリーは刑事アクションの体裁を採っているが、人間ドラマに主眼を置いた作品なので、地味なのも仕方がないか。とはいうものの、そのアクションシーンのタイトさがドラマを盛り上げているのも事実。サンフランシスコのプレシディオ米軍基地で発生した殺人事件をきっかけに、男女の出会い、父と娘の確執、ぶつかり合う男たち、そして友情と、様々な人間ドラマが交錯し、スタイリッシュで美しい映像と、味わい深いセリフが彩りを添える。M・ライアンの美しさに驚愕し、S・コネリーの渋さにグッとくる。そして彼らを引き立てる、控えめで好青年のM・ハーモン。キャスティングのバランスが絶妙。「デッドって一体なんだ?」頑固一徹の憲兵隊長役は、まさにS・コネリーのはまり役。数々の名画の舞台となったサンフランシスコ。邦題もかっこいい。大人のための一本。
8点(2003-10-24 20:32:08)
71.  ミュージック・オブ・ハート
最初は「スクリーム」の続編かと思ったが、よーく見るとスタブ・マスクではなく、素顔のメリル・ストリープだった(藁)。最後の演奏シーンは圧巻。音楽映画はやはりこうでなくては。クラシックの有名バイオリニストに混じって、フィドラー(カントリーの世界では、バイオリンをフィドルと呼ぶ)のなんとかという人が出ていたのが、いかにもアメリカらしく、アメリカン・ロック・ファンの私としてはちょっとうれしい。ついでに、グロリア・エステファン(見ている時は気付かなかったが)とアンジェラ・バセット(もちろんティナ・ターナーのナンバー)あたりにも歌ってもらえば、もっと盛り上がったのに。ついでにウーピー・ゴールドバーグが修道女ルックで登場すれば完璧(藁)。冗談はさておき、いち音楽ファンとしては、音楽が人間の心を癒し、成長させ、社会さえも変革できる可能性を持っていることを示唆している点は、ひじょうに好感が持てる。子供たちだけでなく、主人公にとっても、音楽と子供たちが心の支えだったのだ。主人公が長男に「あたしは行かないでくれって頼んだのに、あの人は行ってしまったのよ。ヨヨヨ」と言うシーンは斬新、かつ印象的だった。
8点(2003-05-12 22:40:46)
72.  トゥルーナイト
ギア様の最高傑作!今度の役柄は何と、心に傷を抱えた放浪の騎士!お相手はうら若き王女様・ジュリア・オーモンド。そしてライバル(恋敵)はアーサー王・ショーン・コネリー。「プリティ・ウーマン」「愛と青春の旅立ち」をも超える超ハードなミッション。剣を振るい、愛を囁き、虜にしておいて、逃げ出そうと見せかけつつ、やっぱり舞い戻り・・・。こんな芸当はもはやギア様にしかできません。センスの良い衣装と、おとぎの国のような風景、そして目も覚めるような美しい映像美の中で繰り広げられる中世騎士物語は、もう最高にロマンティック。敵地に単身乗り込んで救出にこられた日には、ジュリアならずとも惚れてしまうのは当然。素朴かつお色気ムンムンなジュリア。貫禄のショーン・コネリー。この人がいると画面が締まる。そして騎士姿のギア様のアクションも冴え渡る。アーサー王伝説を斬新な発想で大胆にアレンジ、恋愛ものとしても、時代ものとしても実に個性的でユニークな秀作。もともと時代物はすきなので、華やかな甲冑やお城の背景だけ観ていても、個人的には楽しめた。あぁ、ギア様ぁ。
8点(2003-03-21 04:34:35)
73.  ファイナル・デスティネーション
 何だか、M.パレかなんかが主演のB級アクションに、無理やり邦題を取って付けたようなタイトルだが、実は新感覚のホラームービーだったのだ。ゾンビや怪物、あるいは殺人鬼ではなく、定められた運命によってもたらされる死の恐怖、というのは今まであまりなかった、と思う。断言はできないが。名作「天国の階段」など、死ぬはずの人間が生き残ってしまって・・・というのは過去にもあるが、それをホラーに仕上げたアイデアは素晴らしい。別に、神や天使、あるいは悪魔が出てくるわけでもなく、予知だ死神だという割には、映像もストーリーもほぼ完全に素面。運命の定めであっても、あくまで現実に襲いかかる死の恐怖にどう立ち向かうのか、といった点のみが描かれていて、息もつかせぬハラハラドキドキの展開がとても楽しい。学園青春ホラーといった趣は、「13日の金曜日」というよりは、どちらかと言えば「スクリーム」の影響でしょうね、やっぱり。 殺し方が凝っていて感心する。特に先生は可哀想だった。あそこまでやると、恐怖を通り越して大爆笑だが、ホラーにユーモアはつきもの。その一方で、何の前触れもなく、女の子(名前は忘れた)がバスに吹っ飛ばされてしまったのには、ショックで開いた口が塞がらなかった。意外と飽きずに、最後まで一気に観れる。ホラー映画の由緒正しき伝統を受け継いだエンディングも笑える。あそこまで派手なのは珍しい。こうして書いていると、大爆笑だとか、笑えるだとか、何だかコメディのレヴューのようだが、あくまでこの作品はホラーです。あしからず。
8点(2002-12-15 03:01:51)(良:1票)
74.  身代金
前半は何だか重苦しい展開だが、主人公が身代金を懸賞金に摩り替えてから、俄然面白くなる。誘拐事件に於ける、息詰まる駆け引き、犯人と被害者双方の、極限の心理状態が、リアルかつスリリングに描かれている。 犯人の動機や背景には一切触れていない点が、少々物足りないという人もいるかもしれないが、余計な部分を排除し、ひたすらに事件の経過を追うことで、緊張感が維持、増幅しているのだろう。ここで犯人のエピソードなどを挿入するのは、恐らく蛇足になるだろう。ストーリー至上主義のミステリーマニアであれば恐らく、純粋な営利目的の誘拐ではなく、実は怨恨による犯行で、犯人と主人公との間に何らかの過去や確執があり云々・・・、といった展開を求めるのだろう。この点で評価が割れるのかもしれないが、個人的にはこのリアリティに◎。犯人が電話で、H・G・ウェルズの「タイムマシン」を引用し、動機を語る場面は、犯人の金持ちに対する憎悪と逆恨みが、これでもかというほど滲み出ていて印象的だった。 まさに、手に汗握る大人のサスペンス。 主人公のモデルはもちろん、ヴァージングループ総帥のリチャード・プライス。そういえば、元空軍パイロットといえば、メル・ギブソンは「エア・アメリカ」でパイロットの役をやっていた。この元パイロットで、リスクを恐れぬ実業家という設定がとても生きている。
8点(2002-11-19 22:36:32)(良:1票)
75.  友罪 《ネタバレ》 
ロバート・アルトマン風の群像劇として観るべきなのか悩む。佐藤浩市扮するタクシー運転手の存在は必要だったのか疑問が残る。 そしてそれ以上に疑問なのが、現在の殺人事件と、鈴木との関りが、ほとんど追求されていない点である。 近所で過去と類似する事件が起きれば、当然、最重要容疑者の一人ということになる。更なる事件を防ぐためにも、益田としては、まずその点を明らかにすることが最優先となるはずである。そして、犯行を現在進行形で続けているとすれば、恐怖や怒りといった感情も、より増幅されるであろう。 例えば、DNAとかアリバイなどがあり、初期段階で『少年A』ではない、鈴木ではない、とかいう描写でもあれば、まだ納得できる。しかし、そのような描写は記憶にない(覚えていないだけかも)。そもそも、そういった描写があったとしたら、事件そのものが必要なくなる。現在の事件が鈴木を『少年A』に導くためだったとしても、それが近所である必要はない。遠隔地でも充分なはずである。近所で事件が起きるということは、当然のことながら、鈴木が犯人である可能性にリードされざるを得ないわけで、にも関わらず作中で、雑誌記者の元カノがいるにも関わらず、そうした点を追求した形跡がほとんど見られない、というのは理解に苦しむ。 もっとも、その線で話を引っ張ると、サイコサスペンスホラーと化してしまい、元々のコンセプトからはかけ離れた作品になってしまうのであろう。 さらに、公園でのシーンで、鈴木が『少年A』であると告白した時に、現在の事件について言及したのか。これも覚えていません。 いずれにしても、そうした点を正そうとすると、ストーリーを根底からひっくり返す必要が出てくるのであろう。原作の問題なのか、シナリオの問題なのか、原作を読んでいないので不明です。 まあ観ている最中は、そうした点は気にならなかった。 瑛太の演技は、モデルがないだけに難しかったであろう。 本物の『少年A』も、この日本のどこかで今も生きている。我々は、彼らの罪にどう向き合うべきなのか、問われている。しかし、答えはないのであろう。 最後の佐藤浩市の微笑みがいいですね。やっぱり孫の誕生が嬉しいのであろう。誰もそれを否定できまい。 ところで地元民としては、入間郡で事件が起きて、犯人が所沢在住まではいいとして、タクシーが川口というのは遠すぎないか。まあロケの都合ですね。 いろいろ書いたけど、もし間違ってたらごめんね。
[映画館(邦画)] 7点(2018-06-13 09:48:34)
76.  イーグル・アイ 《ネタバレ》 
ハイテク・ポリティカル・アクションというより、ほとんどホラーだ。アクションは派手なのだが、せわしなくて、迫力に欠ける。技術的には高度なのだろうが、懲りすぎて失敗している感がある。最近はこんなのが多い。昔映画館で観た「キングダム」のアクションは、似たような感じでも結構好きなのだが、映画館で観るとまた違うのか、自分の趣味の問題か、演出のスキルの問題かよくわからない。ストーリーは割と面白いのに、その点が残念だ。そう、何か暗いというか、悪い意味で真面目すぎる。似たようなテーマの「エネミー・オブ・アメリカ」は、やっぱりスピード感がウリのスコット弟に、スミスのコミカルな演技がマッチして面白かった。個人的に、本編よりプロローグの方が萌えたりする。アフガンの空では、今日も無人偵察機が飛び回っていることだろう。他でも書いたが、こういうテーマをちゃちゃっと映画にしちゃうところが、やっぱりハリウッドの凄いところではある。アメリカ国家の演奏で、爆弾が吹き飛ぶというのが、何とも強烈な皮肉だ。しかし何故ツアーバスが日本の会社なんだか?
[DVD(字幕)] 7点(2010-05-16 22:59:16)
77.  9デイズ 《ネタバレ》 
アクション・コメディなので、そのつもりで見ないと肩透かしを食らう。観る前にそれがわからないというのは、宣伝に問題ありだ。てっきりシリアスなスパイ・ムービーだと思っていた。本国では、タッカーというだけで見当がつくのだろうか。シューマッカー監督だけあって、映像は奇麗です。東欧の景色が美しい。アクションもいい。特に銃撃戦の音がいい。プシュプシュ、キンキンと薬きょうの落ちる音がたまりません。妙に力入ってます。ホプキンスが「君を殺す」って言うと、どうしてもレクター博士を思い出す。かなり怖いです。しかしタッカーのコメディ・センスというのは、日本人にはどうも微妙なようで、笑えることは笑えるのだが、あの甲高い声にはどうにも慣れることができない。作品の雰囲気にマッチしてるんだか、浮いてるんだか判断しかねるところがある。そのミスマッチがコメディたる所以なのだろうが、やっぱりこの美しいロケーションで、このネタだと、もっとシリアスなストーリーでも良かったのではないかと思うわけだ。元々タッカーありきの企画なのか、紆余曲折を得てこうなったのか、まあ今となってはどうでもいいが。軽い。と、ここまで書いて投稿しようとしたところで、タッカーとロックを混同していたことに気付いた。まあいいや。面倒なのでこのまま投稿してます。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-10 23:36:23)
78.  ココ・シャネル(2008) 《ネタバレ》 
何か英語喋ってるなあ、オドレイ老けたなあ、とか思ってたら、「シャネル」違いじゃん。シャーリー・マクレーンじゃん。もう一作まだ公開してないじゃん。何て紛らわしい。現在に回想シーンを混ぜる構成は、なかなか見事。演出もハリウッド的にわかりやすい。しかし、この辺は評価が分かれるかもしれない。なにせファッション映画なので、わかりやすさよりも、より格調高い芸術性を求める方も多いのではないだろうか。と思いきや、私の大好きな超絶スパイ・アクション「アサインメント」の監督さんであった。ちなみに脚本は、ヴィスコンティ映画で有名なベテランの方だそうで、流石に熟練のセリフ回しである。この辺はフランス版と見比べてみるのも一興かもしれないが、どうしようかな。1本観れば充分という感じだが。シャネルと言えども成功するまでは、挫折の繰り返しだった。父親の不在により、自立心を養われたのだろうが、二人の男たちの存在が、彼女の成功に大きく寄与しているのも事実。仕事と結婚の相克は、やっぱり女性の永遠のテーマなんですね。ファッションは人生を変え、時代をも変える。ただブランドもん着てればいいというものではないのだ。しかし先日、日テレでドキュメンタリーを見てしまったので、ネタばれしてるのがイタイ。いやいや、その番組がなければ、多分観ようとは思わなかったろうし、難しいところだ。マクラーレンがすっかり老人でびっくりした。実に優雅でエレガントな作品。男性も、ファッションに興味のない人も、観て損はない。
[映画館(字幕)] 7点(2009-11-28 01:34:50)
79.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 
監修のクレジットに、悪名高い故瀬島龍三氏の名前がありますが、彼は必要だったのでしょうか。大和の関係者はどう思うでしょうね?さて、難点はいろいろある。人物紹介と状況説明をテロップとナレーションに頼るのはいかがなものか。照明技術が古い。50年代のハリウッドみたい。冒頭のフリゲート艦は必要だったのか。海自が無理やり押し込んだっぽい。大和のスペックと戦闘シーンの説明が不足。沈没があっけない。松山よ、何故蒼井を押し倒さない?一茂のスタンスが謎。意外と元気な反町の最期が謎。ラストがオーバーアクト。脚本も監督の担当だが、明らかに練り込み不足。脚本家がいないのか。その他にもいろいろあるが、まあ邦画としては頑張った方でしょう。最初から最後まで涙腺がうるみっぱなしでした。これは原作の力か。戦闘シーンは血飛沫使いすぎだが、凄い迫力で、CGもあまり違和感がなかった。コンセプトは「タイタニック」+「プライベート・ライアン」といったところか。BHDのレビューで私が書いたとおりになった。しかし角川と東映が総力を挙げても、やっぱりハリウッドには叶わないのか。そういう意味でも、実に大和的な作品である。
[DVD(邦画)] 7点(2009-05-11 01:55:07)
80.  ダ・ヴィンチ・コード 《ネタバレ》 
あれだけ長い原作を、よくここまでコンパクトにまとめたという点は感心する。本来トンデモ系のネタだと思うのだが、それにしても随分とシリアスで重厚な雰囲気に仕上げたものだ。映像化より原作の方が、お気楽に読める歴史サスペンスというのも珍しい。それにしても暗い。ひたすら暗い。画面が暗い。キャラも暗い。チェイスもののスリルにも、秘密教団的なおどろおどろしさにも欠ける。本来キリスト教がひっくり返るような危険なネタなわけだが、どうもカルトやマニアじみた連中がごそごそ動いているだけで、時間的にも空間的にもスケール感というものがまるでない。これだけ展開が速いと、原作未読だとついていけないし、既読者は物足りないだろう。まあ金もかかってるし、画も綺麗だし、トトゥも好みだし(ラストがいい)、ネタも嫌いじゃないので、割と観れるのだが、あくまでブームの一構成要素の域を出ない映像化作品という感じ。CBSドキュメントでは、詐欺師の作り出した妄想とぶった切られていましたね。やはりそれが現実か。夢もロマンもあったもんじゃないな。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-11 00:03:02)
000.00%
110.93%
200.00%
300.00%
421.87%
521.87%
676.54%
72119.63%
82725.23%
92523.36%
102220.56%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS