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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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21.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト
例によって僅かに目新しいのはトム・クルーズが老けて緩んだことくらいで他は一切新味がない。例によってデ・パルマ版から一歩も進歩を見ないって一体どういうこと? 母さん助けて詐欺でさえどんどん脚本が更新されているのに彼らは20年以上演目が全く変わらない。今時テレビの偽ニュースに引っかかるなんて悪人もたいがいトロすぎでしょ。そのうえ例によってミッション成功が約束されている世界観の中でサスペンスを持続させる工夫にも見るべきものが見あたらない。殴り合いの舞台の高所がいくら高くなってもyoutubeで現実の危険行為を見まくっている身としてはもはや何も感じない。爆弾解除までの残り時間が0.1秒になったからといって7秒(ゴールドフィンガー)の70倍はらはらするわけでもない(ご都合主義感だけは70倍だ)。なにか前作までの人間関係を引きずってドラマの足しにしているつもりのようだがそれも雰囲気だけだ(第一んなもんいちいち憶えてねえし!)。例によって過去の設定を食いつぶすだけで何も創造していないのはいかにもJJエイブラムス印といった感で例によって腹立たしいことこの上ない。
[インターネット(字幕)] 1点(2019-07-13 10:42:34)
22.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 
不条理でいかにも意味ありげな、しかしその実体はただのバカ映画という体の作品。たとえそれがいかに不快なシチュエーションではあっても作り手にここまで迷いが無いといっそ爽快だ。ハネケのファニーゲームにも似た理不尽で嫌〜な暴力を見せつけられることの連続なのだが、アクションはキレのある編集でたいへん気持ちがいい。ここはひとつ相互理解だのキリスト教云々だの小難しいことはすっぱり忘れて、ただ可憐な乙女が目茶苦茶な目に遭うスラップスティック感覚を素直に楽しめばいいのではないだろうか。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-06-01 16:43:37)(良:1票)
23.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
「鼻からポン!」や、「冷や汗タラ〜」や、「自分にコケにされる」など色々と押さえるべき要点をはずしている。 なかでもバーホーベン版オリジナルトータルリコールの最も重要な台詞である、 偽女房シャロンの「なんなら縛っていいわよ(^ω^)」が無いのはふんとに痛い。 あのエッチな妄想を最も喚起させる台詞が無いトータルリコールなんておよそトータルリコールとは言えない。 尻派の俺としてはおっぱい三つとかどうでもいい。
[インターネット(字幕)] 0点(2019-06-01 15:31:18)
24.  トレイン・ミッション
「劇団通勤電車」という体の犯罪集団が、一人のおっさんをドキドキハラハラさせるため?に 心を込めてびっくりイベントを仕掛ける。 このミッション犯人側からみたらまずインポッシブルですよね。 成功確率0パーセントなのによくあそこまでがんばった! しかしやっぱり何のため??? これほど意味なしで回りくどい方法に固執する面白悪人は怪人二十面相以来じゃないでしょうか。 主人公は小林少年のその後だと思えば納得… できねえよ!
[インターネット(字幕)] 2点(2019-03-21 16:14:25)
25.  ファインド・アウト 《ネタバレ》 
「怪人カリガリ博士」と並ぶサイコミステリーの快作! 病的虚言症とも思える主人公の造形のせいで ラストまでその訴えが妄想なのか事実なのか分からなかった。 ヒステリックで嘘つきでしょうもない人だな〜 と終始反発を感じていた主人公にオチの一言で一気に移入した。 そんな初めての感覚を味わせてくれた驚きの作品。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-03-07 09:18:59)
26.  ファニーゲーム 《ネタバレ》 
主人公一家に入れ込んで観るとたいへん不快な思いをする。しかし犯人の二人に移入できればこのうえなく爽快な作品となる。
[DVD(字幕)] 10点(2018-09-16 08:47:52)(良:2票)
27.  人生スイッチ 《ネタバレ》 
まるで筒井康隆のスラップスティックコメディを映像化したような快作。短編6つで綴られる怒りに捕らわれた人々の人生模様。些事が積み重なってどんどん大事になっていく様を見るのはブラックな笑いが好きな自分にはこの上なく痛快だ。トップのエピソードに親への復讐譚を持ってきているのもいい。なぜならここに出てくる沸点の低い人間を作ったのは間違いなく親だから。これほんと。監督は思いついた順番に並べたに過ぎない旨の発言をしているが、無意識だとしても鋭い感覚を感じる。音楽のセンスも最高。
[DVD(字幕)] 8点(2018-05-21 23:06:58)
28.  顔のないヒトラーたち
極めて丁寧に紡がれた重厚な歴史劇。戦後20年経ち、逃げおおせようとしているナチの残党を告発する若い堅物検事の葛藤に焦点が絞られていて高い文学性を感じる。内容の重さに反するように、まめにアングルを変えた細かいカットをテンポ良く繋いでいく編集。その軽快なリズム感が心地良く退屈させない。扱うテーマから予想される下世話な残虐シーンもなく安心して観ていられる。ファッション・インテリア・クルマなど装置のセンスが良く、登場人物各々の造形は堅牢で、その感情の動きの表現も画面全体の雰囲気にしっかりマッチしている。以上の点に見られるように格調高さと分かり易さが高次元で両立した演出は「アマデウス」のミロス・フォアマンを彷彿とさせる良質なものだ。同時代が舞台の同趣向の作品群の中でも出色の出来。観て良かった。
[DVD(字幕)] 8点(2018-01-31 08:20:39)(良:1票)
29.  忍ぶ川 《ネタバレ》 
これは珍品。単純な恋愛物、それもハッピーエンドのラブストーリーなのだが、作品全体を覆い尽くす不穏なムードはレベッカあたりの心理サスペンスのようだ。精神的に壊れた小姑のいる旧家に嫁ぐ栗原。普通ならどえらい事が起きるはずのプロットなのに、小姑はよくいるアスペというくらいのもので結局何も起こらない。では見所はどこか。まず画面構成が素晴らしい。日常風景の中の幾何学的オブジェ(階段や橋のトラスや障子の桟など)を上手く画面に活かすその美意識に感服した。そしてそれらの素晴らしい背景画にはめ込まれ、テクスチャマッピングみたいな異様な顔の加藤剛と、これまた人間離れしたハイパーブリッ子演技の栗原小巻。このプラスチッキーな二人のラブラブな様を見ているだけで、人様の悪夢の中に迷い込んだような居心地の悪さと不条理感を味わえる。主役なので当たり前とはいえ、両人ともこの世のものとは思えない浮きっぷりで、画面からせり出すような顔の圧迫感が凄い。物語はそんなカップルがラストは初夜の貫通式を無事迎えられてめでたしめでたしという脳天気な話で、恐ろしげなムードは一体何だったの?と肩すかしを食らわせられる。これが却って意外性があって良いのだから映画って不思議だ。但し残念なことにクライマックスの濡れ場があまりいただけない。栗原が浴衣を脱ぐプロセスで、裸のバックショットを狙える場面があるのに手慣れたストリッパーのようにサッと隠してしまい、尻とか一切見えない。乳首がチラチラ見えるのは結構なのだが、終始布団に入っていて体全体のボリューム(特に下半身)が分かるカットがひとつも無い。愛撫に対する反応もごく控えめでまるで不感症のように見える。ウブな女ということを表現したのだと思われる硬い演技の結果、全く欲情をそそられない。これでは加藤剛も内心あてがはずれたのではないか。清楚系女子は性行為中狂気を感じるくらい豹変してこそ、その清純さが価値を持つのだ!
[地上波(邦画)] 7点(2017-11-23 15:49:17)
30.  メッセージ 《ネタバレ》 
言語学者が異星人の言葉の翻訳に挑戦するという基本プロットが提示される序盤。久々のハードSFであることと地に足の着いた画面設計も好印象でここまでは大いに気分が高揚した。しかしその上がった気分も肝心の異星人が姿を現したところで一気にしぼんでしまう。なにあの意外性の全くない造形。肌の質感がまるで地球上の既成生物のそれだなんて。なんで時間を超越してる存在が地球上の動物みたいな声で鳴くのよ。そんでイカ型だからスミで文字を書くってえのか?有り体な生物感からどうしても抜けられない、毛唐の怪獣観の持つ弱点がモロに出ていて泣きたくなった。本当にイマジネーションが貧困なのね。あんなのに比べたらウルトラマンのブルトンだの帰りマンのプリズ魔だのの方が数百年先を行っている。日本の怪獣で比べたらドゴラかバイラスってとこでしょうかね。最後まで付き合った印象から言うと、どうも制作者にはハードSFを作っているという自覚がないようだ。なんか肝心の翻訳作業も解読の理屈は曖昧なまま進んでしまうし、後半は愛がテーマの甘ったるいファンタジーになっちゃうし。まあただの暴力とサスペンスに汚染された最近のメジャーなSF映画に比べれば大分マシとはいえますが。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-11-14 12:30:02)(良:1票)
31.  インターステラー 《ネタバレ》 
冒頭で語られる植物の疫病のため人類窒息というプロット。なのに重要な酸素供給源であるはずの海藻類がどうなっているのか全く語られないのでこれは怪しいと思ったら、案の定ハードSF風味のトンデモ映画でした。アポロ計画風の原始的な打ち上げのブースターと、未知の惑星を縦横に飛び回るスタートレック並の高性能探査機が同居する世界観が、図らずもその科学考証のいい加減さを視覚化してしまっている。相対性理論と不確定性原理の統合とか特異点とかそれらしい科学用語が沢山出てくるが、ただの雰囲気とご都合主義に利用されるだけで、それらがどういう理屈でどう話に絡んでいるのか観客にきちんと理解させる気はないように見えるし実際よくわからない。パーみたいな単なる悪人が出てきたり陰謀論が語られたり自己犠牲によるお涙頂戴と、重苦しい文学性のありそうな雰囲気もSF的プロット同様のお安さに溢れている。更にとってつけたようなサスペンスもテキトー。ブラックホールに落ち込むというえらい難儀な事態のはずなのに何が起こったか不明のままハッピーエンド方向に収束。ここらへんディズニーのバカSF「ブラックホール」と一緒。そういえば子分のロボットもビンセントみたいだ。ぶっ壊れたのが出てくるし。一事が万事この調子のラフさで、誠実さに於いて同じマコノヒー氏出演の傑作ハードSF「コンタクト」の足元にも及ばない。「ソラリス」に影響を受けたとか監督が言ってるらしいが笑わせるにも程がある。
[ブルーレイ(字幕)] 2点(2017-09-25 06:49:29)(良:1票)
32.  タイム・トラベラーズ 《ネタバレ》 
ええ、もちろんひどい映画ですよ。二流三流じゃすまないくらい退屈な映画ですとも。しかしこれは高い志をありえないくらいチープな演出で描くことにより、ほとんど意識が跳ぶようなトリップ感覚を味わえるメタな作品です。映画草創期、舞台で演じられる手品をフィルムトリックで再現する、というのが特撮映画の始祖とされています。その伝で言うと、本作はフィルムトリックで見せることが常識の特撮的シーンを手品に置き換えるというあり得ない発想で作られています。なのでまるで手品映画。使われる手法は「生きている首」「生きている手首」「頭のすげ替え」「人体消失」等々。人類存亡の危機に陥った人類が最期の最期まで手品道具を開発することに費やす、そうとしか見えないアメイジングなシーンが続出します。なんでよりによってこんなまずい駄菓子みたいな映画を貴重な金と時間を使って観ているんだろう?自分は。そんな存在論的な疑問がふと頭をよぎる、そのくらいどうでもいいような映画でした。……何故観る?って、それはSF映画だから。それも度を超して非常識と評判の作品だから。自分にはセンス・オブ・ワンダーに対しての狂おしいほどの渇望があるから。本作のラストシーンの噂を耳にしたらSF者として観ずに死ねるわけないじゃないですか。かつてここまでタイムパラドックスを大胆に、ある意味真っ当に視覚化した制作者がいたでしょうか。それにしてもSF映画の進歩のなさはどうしたことでしょう。その内容は60年代を頂点としてどんどん退行しているのではないでしょうか。ただのアクション物に堕ちたSFマインドのかけらもないリブート版スタートレックが端的な例です。私はどんなに演出が安くて退屈でも、ラストシーンのSFマインドの輝きに於いて「スターウォーズ・未知との遭遇・エイリアン」あたりから始まったSF「モドキ」作品群より断じてこの作品を支持します。
[DVD(字幕)] 9点(2017-08-25 10:31:49)
33.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 
なんだこれ?いい話風の雰囲気だけでぬるぬる進む気持ち悪い演出に意識が混濁したせいか話がよくわからん。分かったところで展開するのはマトリクス、トータル・リコール、ソラリス、2001年、アウターリミッツ等々どこかで見たようなイメージのサンプリングだけ。オリジナリティゼロ。ストーリーテリングのセンスも全く感じられない。なんて志が低いんだ!センスのかけらも感じられないSF的ガジェット類も「アバター」みたいなダサさでイタいものばかり。なんだよあの昭和のラブホみたいなスケベ風呂。ドローンって、SF作品にあって既に時代遅れっぽくないか?特攻礼賛のお安〜い感動にもゲンナリ。メイキングを見たら地の果てみたいな所でロケしたりCGかと思ったプロップが実物だったりと、あさっての方向に異様な努力が成されているようなのだが全くと言って良いほど効果を上げていない。そんなことばかりに力を入れて仕事したような気になるなよ!もっとSFと脚本と演出の勉強してくれ!
[ブルーレイ(字幕)] 1点(2017-08-21 09:56:45)
34.  イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 《ネタバレ》 
自分を大物アーティストと勘違いした愚鈍な男の見苦しい振る舞いを、超のつくほどクールな作家が白けながら映し出す。「土産物屋を通って退場」という本作のタイトルは、クソ高い入場料の美術館(公立なのに)に行くたびに感じていた苦々しい思いを代弁してくれているようで実に気持ちいい。しかし本作の内容は単にアートと金儲けを巡る問題というだけの単純なものではなく、芸術とは何かという根源的な問いまでをも含んでいる。そんな大テーマを大上段に構えること無く、笑いながらこれほど深く考えさせられるドキュメンタリーはオーソン・ウェルズの「フェイク」以来。なにしろ監督がはじめにつけようとしたタイトルは「クソのような作品をバカに売りつける方法」だ。素晴らしい!
[DVD(字幕)] 10点(2017-08-13 14:54:48)
35.  1000日のアン
リック・ウエイクマンの変なアルバムでプログレファンにはお馴染みの、ヘンリー八世の妻を描いた脚本中心の重厚な歴史劇。アンは凜々しく、女性映画として「ブーリン家の姉妹」より誠実な作品の印象。但しその舞台はハリウッドアメリカンな空気感の王宮で、英語赤点の私にも台詞回しがクイーンズ・イングリッシュにほど遠いことが分かった。セックスの為には後先を考えない、あなたや私みたいな人が王様なので非常に共感でき、あまり馴染みのない世界観のわりに話にはすっと入っていける。彼は王様なのに宗教屋との付き合いがあって、性的に自由なんだか不自由なんだか引き裂かれたような状態。めんどくさ。アン・ブーリン役の女優さんは線の細い外見とは裏腹に、強気で野心的な女を演じきったたいへんな熱演。終盤に、激高した夫にきつ〜いビンタをされて一瞬も怯まないという奇跡的なシーンがある。ハリウッドの大作史劇としては今まで観た作品の中で最も面白かった。ところで(皆さんここからいつもの豊満談義が始まりますよ〜)ヘンリー八世はアンとセックスしたくてしたくて国が滅茶苦茶になるのだが、例によってアンはちっとも肉感的ではない。実際肖像画なんかを見ても細身なので、王様は私ら庶民が性欲を煽られる 尻が大きく・二の腕が太く・下腹の出た 豊満なタイプなんかには飽き飽きしているのかもしれない。しかしヘンリーのように「あの女じゃなければいけない」とピンポイント的に的を絞るのはいかにも素人だ。なびかなかった時はいかに王といえどもあのように苦しむことになる。ヘンリーちょっとマゾ入ってませんか。あげくセックスを取引の道具に使うような、貞淑の皮を被った不感症のゲスい女を摑むことになる。ああいうあなたや私のような性欲最優先の男には、「股の緩い女=いい人と感じる」という「やらせる優先」の回路を脳内に儲けておけば幸せに暮らせるよ、とアドバイスしてあげたかったです。
[DVD(字幕)] 8点(2017-07-09 09:00:13)
36.  シン・ゴジラ
まるで実写によるリミテッド・アニメ。写真で作った絵コンテを静止画のままで見ているようだ。ドラマも俳優の演技も不在の本作はどう考えてもプロの作ったそれじゃない。なんでも映画の文法に沿ってりゃいいというものではないし、常識からの逸脱はアートの必須条件だ。しかしこの映画の逸脱は、創造的行為というより庵野氏の力(物語を作る能力及び俳優やスタッフとのコミュニケーション能力)の無さから導かれた様式、と感じられてしまうのがなんとも情けない。残念ながら氏の引き出しの少なさは致命的で、結果「ぺらぺら早口台詞シーン」と「ゴジラゆったり前進シーン」の2パターンの画面しかない退屈極まりない仕上がりになっている。何故か自衛隊の撃った弾が全弾ゴジラに命中し、全くと言っていいほど市街地には着弾しないのは不自然でとっても気持ち悪い。私には狂人が作ったように見えるこの作品を、アウトサイダー・アートとしてならともかく、まるでまともな映画のように語っている評論家諸氏は、業界内の同調圧力に流されているとしか思えない。これが世界レベルでは無視されるのは当然至極だ。
[ブルーレイ(邦画)] 0点(2017-05-05 10:38:21)
37.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
スラプスティックといえば昔はコメディと相場が決まっていたものだが、今はドタバタシリアスというジャンルが存在する。そう考えるしかないくらい次々に起こる危機的状況の天丼状態。主人公を追い込むのだけが目的の穴だらけで無茶苦茶なシナリオ。いちいち穴に突っ込むのもめんどくさいがキートンみたいなドタバタがやりたいのだと思えば納得できるような気もする。中盤、橋が傾いて人がずり落ちそうになっているシーンあたりでこれは「8時だよ!全員集合」ではないかと気が付いた。そして終盤の高層ビルが隣のビルに寄りかかるシーンに及んでそれは確信に変わった。あれ完全にドリフお得意の屋台崩しでしょう。そう思って笑っていれば、安易なお涙頂戴に腹を立てることもないのかもしれない。
[映画館(字幕)] 4点(2017-03-31 08:49:26)(良:1票)
38.  スター・トレック/BEYOND
ご都合主義もワンパターンもひとりよがりもここまで来ると、さすがに観ているこちらも無感覚になる。なにか終始せわしなくやっているようだが、考える甲斐も無いし考えたくもない。きっとこれはかつて「2001年」や「ソラリス」のようなSF映画を作るほど高い知性を誇った人類が退化していくさまを、その身をもって体現したメタ映画なのだ。確かにこんな作品は安〇やトラ〇プが大物になるようなバカっぽい世界にお似合いだ。回を重ねる毎にどんどんひどくなっていく本シリーズ。メタ映画として次回作ではもっと頭の悪い感じにならないといけないね。しかしいくらなんでも限界ではないか。もう充分人類未到のアホくささまで達したのではないか。
[ブルーレイ(字幕)] 0点(2017-03-30 21:35:24)(良:1票)
39.  コングレス未来学会議
メタ映画好きにはたまらない最高のメタ映画。主演女優の現実と映画内現実と映画内幻覚と映画内映画と幻覚内映画と幻覚内夢が交錯してクラクラする。主役の実際のキャリアを肴にしたブラックなネタ満載で、脚本上はまるでコメディなのだが彼女の煩悩に焦点を当てているせいで終始重苦しい空気が支配する。実写パートとアニメパートの混ざらなさ具合といい「博士の異常な愛情」の悪夢のようなパロディといい、無謀とも思える大胆さが快感だ。幻覚を見せてくれるのが「異星の生命体」と「薬物」という違いはあれど同じレムの原作だけあってそのテーマは「惑星ソラリス」によく似ている。軽いショックを受けて見終わってしばらく虚脱状態に陥った。作品の素晴らしさを上手く言えなくて申し訳ない
[DVD(字幕)] 9点(2017-02-05 12:58:34)
40.  カルメン故郷に帰る
初の国産カラー映画だそうだが、それ以上に驚きのトリップムービー(但しバッド・トリップ)だ。なにしろタイトルバックからして尋常じゃない。地獄の底から響いてくるような、デビューした頃のあがた森魚みたいな、聴いてると死にたくなる短調の陰々滅々とした童謡。その背景に映し出されるのは脳天気風な筆致の田舎風景のイラスト。画と音楽とが完全に乖離していて制作者の意図が全く理解出来ない。そしてこの異様な乖離は映画全編を貫いているのだからびっくりだ。どうやら真面目で陰気な田舎の人間と軽薄で脳天気な都会人の対比の面白さを狙ったように思えるが、二者のコントラストがあまりに強すぎて二つの世界観を脳内で融合させることは難しい。しかしそれは仕事に対するいいかげんな姿勢の結果というわけではなく、絵的には初のカラー作品という企画意図にばっちりはまった良い画が続出する。まず非常に見応えのあるパノラマ的大自然が美しい。ぼろい建物やトロッコみたいな列車や馬や牛などの動物が昔のカラーで見ると意外なほど活き活きしていて楽しい。もちろんぴちぴちした肢体を見せつける二人のおなごもたいへん眼に美味しい。そんなこんなで感じるバイタリティを、全ての浮かれた気分を、ありえないくらいダウナーなテーマ曲が徹底的にぶち壊す。これが悪い夢を見るような不快さで私のようなトリップムービー好きには堪えられないご馳走だ。おそらくそんな前衛を意図したわけではないだろうから、この違和感は「なんのかんの」さんが仰るように時代の価値観が違うせいなのだろう。戦後の退廃的な世相を皮肉る意図もあったのだろうか。確かに続編の「カルメン純情す」からは監督の「戦後」に対しての苛立ちが感じられる。いずれこんな鬱陶しい曲が違和感なく感じられる辛気くさい世の中など私はまっぴらごめんだが。
[DVD(邦画)] 9点(2017-01-23 15:00:07)
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