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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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41.  アドレナリン(2006)
ただひたすらバカとエロをやるためだけのくだらない設定。すごいテンションで突っ走る、説教臭さの微塵も無いその振り切れた姿勢は賞賛に値する。浅いフェミニズムなんかを入れてアカデミー賞をもらって喜んでいる「マッドマックス」のジョージ・ミラーはこの監督の爪の垢を飲めばいい!
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-12 19:50:37)
42.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 
本作には大勢の役者がカメオ出演する。その顔ぶれと結果を見ると野村監督は佇まいがその役に見える役者をキャスティングしさえすれば、あとはろくに演技指導しなくていいとお考えのように思える。役者の力量の差が思い切り顕わになって、演技レベルがバラバラになってしまっている。総じてベテラン勢がさすがの演技を見せていて、特にみごとな松村達雄・丹波哲郎・山田五十鈴あたりは自分にあわせて適当に台詞をアレンジしていると思われる。若手では鹿賀丈史が特にはまり役で芝居も上手い。千葉県知事の人もボロの出ないチョイ役のせいもあってかなかなかいい。残念なのはまず岩下志麻。得体の知れない人物造形に説得力を持たせるだけの深みはなく、記号的演技に終始している。そして主役の桃井が柄本明や新田昌玄と並ぶ下手の筆頭格なのはまずい。ギャーと叫ぶ大仰な演技からタバコに火を付ける小さな演技まで、よくこれでオーケーが出たなというカットが続出する。彼女の芝居を支持している方々には申し訳ないが、台詞回しに手一杯で身体の使い方に意識を向けることが出来ないように見える。自然な演技が難しい雑な脚本なので全て桃井のせいにするのは酷かもしれないし、そもそも素はあんなヒステリックな人じゃないんだろう。演技指導は黒澤明みたいに厳しければいいってものではないが、主役級のまずい芝居を見ると投げやりな監督の責任はやはり大きいと言わざるを得ない。そして本作には演技指導の問題とは別にシナリオ上の大穴がある。桃井は事故の時のダンナの様子を知っているわけだから、本筋であるダンナの無理心中の線を初めから訴えるのが当然だろう。彼女は六法全書まで持ち出して無実を勝ち取ろうとしているくらいなのだから。岩下が桃井にそこらへんを聞き取る描写がないのもあまりにも不自然だ。時に屋上屋を重ねるもっさりした展開といい美学の無いカメラワークといい火曜ワイド劇場かなんかのテレビドラマみたいな安い造作。よって飯でも食いながら横目で見るのにふさわしい作品と考える。
[DVD(邦画)] 1点(2017-01-02 12:18:14)
43.  乱れる 《ネタバレ》 
惜しい。実に惜しい。互いに引かれあいながら女の異常な潔癖症のために、なかなかぐさっ!といかない二人。「あたしだって女よ」なんて重大な告白した高峰秀子と温泉旅館の部屋に二人っきりになった時点でもう加山雄三は勝利を摑んだも同然だったのに!密着を期待しつつも狂人クラスの古い貞操観念が邪魔をして心の準備が充分できていない高峰が反射的に放った「堪忍して」の一言に、これまた反射的にむくれちゃったのが加山の敗因だ。あそこはあんなにすぐふて腐れちゃっちゃあいけない。眠狂四郎みたいな気分になって「一度味をしめたそなたの肌が男を求めていることはそなたがいちばんよく知っておろう」と余裕を持って切り返すべきところであった。そこまで達観できなければ植木等みたいに「お呼び出ない」とか言って誤魔化してちょっと間をおけばいい。そうするとスタンダール先生が「恋愛論」で仰るように彼女の中でエッチな妄想がどんどんふくれあがることだって大いに期待できる♥ とりあえず風呂に入って(これ重要)、とりあえず飯を食って酒でも飲んで、とりあえずふとんに入る。その間浴衣をはだけるとかしてちょいちょいそっち方面に意識を行かせるようにすれば、性交成功の確率は3000倍くらい上がったのに。ああいう無理して性欲を堰き止めてるっぽい女はセルフ寸止め状態だから、ひとたび一線を越えるとありえないくらいにひーひー「乱れる」ことも期待できたのに。和風旅館の小道具、浴衣の紐や座椅子や梁なんかもうま〜く使えばいいのに♥♥♥ ちなみにブチッと唐突に終わるタランティーノみたいなエンディングは文句なく素晴らしい!
[DVD(邦画)] 7点(2016-12-31 11:32:01)
44.  エレファント・ソング(2014)
とても丁寧に作られた渋い台詞劇。登場人物の行動は終始スタティックだが、彼らの心の中はダイナミックに動きまくるのでしかっりハラハラもできる。素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2016-12-30 07:58:16)
45.  生きものの記録
独りよがりが過ぎて狂人の域まで至っている黒澤監督が、同じく独りよがりが過ぎて狂人の域まで至っている男を主人公に描く純粋独りよがり映画。監督の内面をそのまま実体化したような不快なじじいが主役。そして、凶暴なようなそうでもないような彼を近親者が恐れているようなそうでもないような、心理的につじつまのあわないシーンが連続してあきれる。そんなご都合主義の演出は歌舞伎の型で出来ているようなシュールさで、無理矢理な老け役の三船敏郎の力みすぎの熱演と、コントみたいなメークの水戸黄門の登場と相俟って観ているこちらも発狂しそうだ。また大上段に構えすぎる問題意識の表明は、黒澤さんがはずす時の「観客おきざり」というある意味王道ともいうべきパターン。本作はタイトルからしてそうとう恥ずかしいその手の代表作かと。こんな自己満の塊みたいな作品のために、町工場のセットを周辺も含めてまるごと作るのだから、当時の映画産業の持つパワーに思わず感心してしまう。家庭裁判所の廊下のセットは当時新しく出来た体育館みたいなスタジオを斜めに使った長大なものらしいが、画面を圧縮して密度を高める黒澤理論に沿って望遠で撮っているせいで奥行き感はなく、その効果はほぼ感じられない。大塚駅のセットもそれを作る必然性を感じる画は無い。いったい何やってんだ? 我が儘いっぱいの大人子供が作ったような極めて奇怪な作品なので、貴重なその珍奇さをもって10点でも100点でもいいのだが、どう好意的にみてもドラマ的なチープさは否めないうえに、心底恥ずかしい気持ちにさせられたので0点。
[DVD(邦画)] 0点(2016-12-29 16:40:57)
46.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 
折角大真面目に裸の女を複数出せるプロットなのにどうしてわざわざあんな貧相な女ばかり並べるのか?豊満大好きの私にはまったく理解できない!彼女らはセックス・マシーンでもあるのにあんな子供みたいな体型じゃ、おにんにんはチューリングしないよ!俺が監督なら全盛期の(一番太っていた頃の)クリスティーナ・リッチか、全盛期の(最も太っていた頃の)レニー・ゼルヴィガーみたいな娘をキャスティングするところだがなあ。プロトタイプ一人くらい尻のでかいグラマーさんを作ってみましょうよ!〜ホントお願いしますよダンナ!……とはいえ意外にハードSFの本作。「AIが地球を支配した未来に於いて、絶滅した人類は創造主ではなく進化の一過程と捉えられるだろう」という、アシモフ先生の未来予想まんまの台詞があって教養を感じさせる。但しロボット三原則は不採用でしたが。はずし技はなかなか気が利いていてアンドロイドが強くなかったり、AIを疑わせる奴がただの人間だったりする。センス・オブ・ワンダーの感じられない安い美術に目をつぶる割り切りは必要だが、「赤ちゃんよ永遠に」あたりを思い起こさせるバッド・エンディングも心地よい好小品だ。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-12-27 10:29:16)(笑:2票)
47.  怪談(1964)
どういうわけかこちらでの評では「耳なし芳一の話」の人気が低いが私は断然「芳一」を支持する。「黒髪」は話が単純すぎ。「雪女」は(本作の舞台装置は「型」だと理解したうえであっても)息が白くならないのが致命的でどうにもノれない。「茶碗の中」は珍しいリドルストーリーとして悪くないがあくまでオマケ的な扱い。そこへいくと「耳なし芳一の話」は元々の話の抜群の面白さに加え、海岸ロケ・屏風絵・セットの海・寺・屋敷・文字だらけの芳一の姿と、おいしいビジュアル満載だ。平家の武家屋敷でのシンメトリーを強調したキューブリックを思わせる構図も高い効果をあげている。さらに劇中で案じられる琵琶の演奏は、邦楽に見識がない私のような者にも充分その良さがわかる素晴らしいものだ。
[映画館(邦画)] 8点(2016-12-13 15:33:44)(良:1票)
48.  FAKE 《ネタバレ》 
今までの報道や経過から想像していた佐村河内像を出ない。序盤監督が彼に「私を信じていますか」なんて問いかけ「信じています」と言わせるといった気味の悪いやりとりなんかあって驚く。目に映るものの嘘・まがまがしさがテーマの作品なので全てが意図的なものと思われるが、佐村河内氏の発言は嘘も真実も中途半端に含んでおり、信じる信じないなんてことを大真面目に問うてもあまり意味が無いように感じる。彼は筋金入りの演技性人格と思われるので虚と実がぐちゃぐちゃに混ざり合っているのだろう。演技性人格という点では監督も相当なものだが。表面上二人が低次元でかみ合っているせいかその展開に意外性はほとんどない。中盤民放テレビマンが登場して信じられないくらい嘘くさい振る舞いを見せてくれ、その卑しさに圧倒される。「あなたをおもちゃにしない」などとテキトーなことを言っているくせに、誠意があるように見せるため意志の力で目が泳がないようにしているのが見え見えで、このシーンが一番興味深かった。仕事とはいえ気の毒なことだ。相対的に佐村河内氏の方がまともな人に感じられてしまうこのシークエンスが、映画の意図を最も端的に表現した部分だろう。彼は豆乳が異常に好きだということが明らかになる不思議なエピソードも実に怪しい。あの底知れない人風のキャラは奥さんと一緒に作り上げたものではないか。というか「人形使い」ではないが、奥さんの方が本体で佐村河内氏は彼女の期待に添うように演じているだけなのではとさえ感じさせる。彼女がいなければ佐村河内氏は別のキャラで新たな人生を演じる可能性が高いと思った。試写会で「絶対に口外しないで」とアナウンスされたラストはそんなに驚くほどのものではない。これもまがまがしさ演出の一端だったのだろう。総じて今村昌平のメタドキュメンタリー「人間蒸発」の系譜という印象。
[映画館(邦画)] 7点(2016-11-30 22:09:01)(良:1票)
49.  プロメテウス 《ネタバレ》 
映像美には所々見るべきものがあるが、その内容はグズグズ。アンドロイドの性能が全体のメカ描写の中で突出しており、まともなSFとして見ることができない。人間と見分けの付かないアンドロイドは1作目に於いては「びっくり」に必要な要素として許容されるかもしれないが今回はそうはいかない。じじいが乗ってる現在と変わらない4輪デザインの車椅子とあのアンドロイドが共存する世界って発達のバランスが無茶苦茶じゃない?人工の脚とかいくらでも出来そうなもんだけど。怪しい惑星に着いたら、目的地はそこから徒歩15分くらいの近場で探検感はゼロ。あんな隣駅に行くくらいの行程ならいっそ「転送!」でいいんじゃね?物語中盤から一人の女性が突然超人っぽく活躍し始める唐突なシナリオ。そして極めつけは彼女のあの切腹描写。あんなグロテスクで不快なシーンこの作品に必要なんですかね?ちゅうかやっぱりエイリアンがそうだったようにこれも宇宙を舞台にしたホラーなわけ?だったら「人類の起源」なんて大上段に構えたテーマなんか匂わせないで欲しいよ。さらにトドメの「バンゲリスみたいなサウンドで」と注文して作らせたとおぼしきテーマ曲の安さ。いくら真似しても本物には到底及ばない底の浅〜いサウンド。監督、作曲者共に志の低さがモロバレだぞ!
[ブルーレイ(吹替)] 0点(2016-11-01 10:06:26)
50.  完全なるチェックメイト
面白い!社会性を犠牲にしながら特殊な能力を身につけた人物を描ききっています。今ならアスペルガーか自閉症スペクトラムと統合失調症の共存と診断されるのでしょう。知人にこのタイプの人がいて色々驚くことが多いのですが、彼の主観を疑似体験できて大変参考になりました。ロシア人とのチェス頂上対決は要点をうまく押さえて再現しており、ルールを知らなくても充分局面の変化と緊張感が伝わるように出来ています。ドキュメンタリー作品「ボビー・フィッシャー 世界と闘った男」と併せて観ると面白さが倍になるよ。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-28 08:21:59)
51.  フェノミナ 《ネタバレ》 
「監督狂ってる」「超B級」「悪趣味やりたい放題」〜普通はけなす言葉がことダリオ氏に関しては褒め言葉と捉えられたりする。しかし本作はそのどれもが一線を越えていて見るに堪えない。なにしろ「夢遊病の美少女」「少女を虫が助ける」「汚物プール」等の設定や素材が生かされていない。全く筋に関係の無い少女のゲロシーンに象徴されるように、適当に思いつくままジェニファー嬢に汚れ役をやらせたいだけのご都合主義があまりにも鼻につく。その結果、ハエは友達なのに蛆はキライみたいな矛盾した描写まである。この話で主役の虫好きキャラがぶれるなんてあっちゃあいけないよ。
[DVD(字幕)] 2点(2016-09-12 16:17:50)
52.  選挙 《ネタバレ》 
いくらなんでもここまで脂ぎった不快な人達が不快な行動をし続けるのを2時間見るのは正直言って辛い。おまけに連中の喜ぶ結果も不快で不快で一瞬たりとも救いがない。それこそが現実というのは間違いないが、長年生きてきて嫌というほど思い知っていることなので今更確認させられる意味もない。監督の提唱する観察映画は素材が全てなんだね。爽やかな人しか登場しない同監督の傑作「精神」を観てこの不快感を中和することにしよう。
[DVD(邦画)] 0点(2016-08-23 08:45:49)
53.  オペラ座/血の喝采 《ネタバレ》 
物語的には興味を持続させる中心がなく推進力に欠ける。よって激しく中だるみしたりもするのだが、時々あっとおどろくような芸術的シーンが立ち現れるのでそのヌルさを責める気が失せてしまう。ずっと閉塞空間で進んでいた舞台が最後に雄大な自然に切り替わるので普通にカタルシスもある。そして音楽に対して監督はセルジオ・レオーネ並に鋭い見識をみせる。劇中の音楽は3種類。オープニングにも使われる生音のオペラ。ショックシーンに使われるハードロック。そしてほのぼのシーンの女性スキャット。オープニングのオペラはカラス(鳥ですよ=マリア・カラスじゃありませんよ)のどアップと鳴き声がかぶることにより極端に不穏な空気が漂い実に素晴らしい。ハードロックは「もう逃げられない」と歌っていてヒロインがいたぶられるシーンと犯人逮捕の両方のシーンにかけてあるのが見事。座布団1枚!そして苦痛の全てから解放されたラストシーンとエンドクレジットは女性スキャット。それまでの残虐行為はなんだったの?というくらい最後はいい話風の雰囲気でエンディングを迎える異化効果に驚愕!「手段のためには目的を選ばない」という諺があるが(いや、ない)まるでダリオ氏のためにあるような言葉だ。
[DVD(字幕)] 7点(2016-08-22 13:10:51)
54.  サスペリアPART2
ダリオ・アルジェントは頓珍漢だ。イタ公らしく美的なセンスには見るべきものがあるが、話を論理的に語る能力はなくコメディセンスも変。見てるとこっちのアタマもおかしくなってくるような意識の混濁感がある。映画鑑賞は非日常感を味わうのが目的なのでそれこそが本作の最大の魅力だろう。しかしラストまで観ると細部はともかく大筋は意外にしっかり構築された物語だったりして却って驚かされたりする。伏線の貼り方も頓珍漢ならではの大胆さが小気味いい。但しゴブリンの音楽はあまりにチューブラーベルズのチープなまねっこにすぎてちょい情けない。………にしても怪奇大作戦「青い血の女」に影響されたような(まさかね)あの人形、なんで頭にあんなでかいゼンマイが入ってるのよ!
[DVD(字幕)] 6点(2016-08-21 17:01:27)
55.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
物語性不足もはなはだしい。おおまかなストーリーは東宝作品「妖星ゴラス」のアバンタイトル=隼号突入のエピソードみたいなもの。到底2時間持たせるような内容ではない。前任のイカロス1号が謎の救出信号云々〜の月並みなエピソードが挟まれているが、ストーリーを盛り上げることに一切貢献していない。それどころかホラー調になってSF作品としての焦点をぼやかしてしまっている。ミッション変更の瀬戸際に立った乗組員たちが「多数決ではなく、科学者としての正しい選択をしよう」という耳を貸すべき台詞が出てくるが、その後の選択の根拠というのが全く科学者らしからぬ「爆弾2個ならミッション成功率2倍!」などという丸八真綿のCM(ご存じない方はyoutubeで見てみてね)並のトンデモさでタメにする脚本ここに極まれりの感があった。真田広之は何を考えているのかさっぱりわからない。特攻賛美のようなヒロイックな演出も鼻につく。名作「スラムドッグ・ミリオネア」の奇跡的脚本をみごとにまとめ上げたスマートな監督とは思えない凡作だ。
[ブルーレイ(邦画)] 2点(2016-08-12 11:55:39)
56.  題名のない子守唄 《ネタバレ》 
釈然としない。ヨーロッパ映画らしく肌触りは深く豊かなのだが、意外なことにその印象に見合った深みが無い。一見感じる人間に対しての洞察もスパイシーなサスペンス風味も、イタリア映画の弱点である「人情」という湿ったフィルターがそれを濁らせてしまっているように思う。汚物やバイオレンスなどの激しい描写はバーホーベンやタランティーノなどの乾いた表現の方が好感が持てる。なによりこの物語を成立させる大前提「母の愛は絶対」というイタリア人的感性に全く共感できないので、ラストをいい話風に締めくくられてズルっとなってしまった。
[DVD(字幕)] 3点(2016-07-29 09:03:45)
57.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
これはがんばって45分しか持たない内容だろう。荒っぽい脚本のどんでん返しのための純粋どんでん映画。こういうものを未体験のウブな人には楽しめるのかもしれない。しかし制作年からいってあまたの類似作品のある手垢の付きまくったどんでん手法であり、まったく新味がない。どんな画作りも許されるこの設定なら悪夢の見せ方に美学が欲しいがそれもなく、あるのは必然性を感じない陳腐なゴア描写ばかり。囚人の造形もダサすぎて見るに堪えない。本作と共通する構造を持つ「怪人カリガリ博士」のエレガントな不思議さ・異様さ・不気味さ・色っぽさを少しは見習って欲しい。1962年で既にあれだけのものが作られているんだぞ。
[DVD(字幕)] 1点(2016-07-26 09:55:08)
58.  スティーブ・ジョブズ(2015)
ジョブズの人格障害者っぷりがよく分かるいい作品だった。重厚な台詞劇。一人の変人の人生を三幕物の舞台のように組み立て直した大胆な構成も見事。時代の変化を16ミリ→35ミリ→デジタルと画質の違いで表す仕掛けのスマートさにも驚いた。ボンダイブルーのiMacも懐かしいね!しかしこのような一般的な見所をどうでもよくしてしまうのは、なんといってもケイト嬢の腰の太さである(また始まった)。台詞も重厚なら身体も重厚。顔なんかは痩せてだいぶ直線的になってしまったが、腰回りのボリュームは不思議としっかり維持している。実は見始めて「台詞回しがケイト嬢みたいだが顔が違うよな〜」なんて思っていたのです。しかし若干アンバランスさを感じさせる女優の腰の太さに魅入られ、透視能力を使って服の中を見ていて彼女と確信できた次第。だいたい女はカラダしか見ていないうえに彼女は化けるのが上手いんで別人に見えるんだよ。ケツの格好が分かるような服は一切着ていないしバックショットもほとんど無いのだが、それでもわかる尻の大きさはベースになっている骨の太さ、骨盤の大きさからくるものだろう。やはり最後まで女の記号としての拠り所になるのは脂肪ではなくてコツよのぅ(持論)。まああと30キロくらいは脂肪を纏ってくれた方が望ましいとはいえ、今の尻だけでも充分持ちます!あんたいい女だよ!
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-07-15 08:38:54)
59.  エンジェル ウォーズ
アニメ「少女革命ウテナ」からの影響が感じられる。ウテナでの学園を精神病院に置き換えると主要登場人物の配置に多くの共通点が見いだされる。また「世界を変えるのは自分を変えるために戦うこと」というテーマから、スタティックなドラマ部分に幾度かの決闘が挟み込まれる構成からラストのオチに至るまでウテナにそっくりだ。これはインスパイアド・バイ〜くらいのクレオジットは入れて欲しいレベルではないか。但しウテナが日本アニメ界の隠れた金字塔として世界に誇るべき深みと文学性を持っているのに対して、本作にはそれらの重みがほとんどない。折角いただいた深いテーマもとってつけたようで、残るのは殺戮シーンの殺伐とした印象ばかりだ。この 深さ1:脳天気さ9 といった不自然な割合は、本作の制作者がオリジナルを生み出す苦労をしていない安易な模倣者であることの証左だ。しかも引用元を想起しないくらい劣化させている。ただあばれるだけでバリエーションに乏しい戦闘シーンはひとつにして、脚本をブラッシュアップすることにもっと力を注いで欲しかった。たとえ借り物とはいえ普遍的で重要なテーマを扱っているのは間違いないのだから
[DVD(字幕)] 2点(2016-07-13 11:02:55)(良:1票)
60.  オデッセイ(2015)
意外にもエレガントな仕上がりで狙いは判るが若干退屈した。何か実感の伴わない夢の中の出来事のような印象。主人公は始めから人格者であって、あのすさまじい経験によって特に成長するわけでもない。よってラストの講義のシーンにぐっとくるものがない。あそこが蛇足に見えてしまうのは失策ではないか。但しクールな科学啓蒙映画として観るとそのベタつかなさが小気味よいとも言える。よって作品自体はそこそこ評価できる。それにしても劇中の楽曲に訳詞を付けていないのはまったくどうかしている。サウンドより歌詞が重要な本作の場合は著作権料を払ってでも付けるべきだ。更に、邦題を「オデッセイ」にした愚かさ・傲慢さにはほとほとあきれた。これを提案した者も許可した者もちょっと足りないのではないか。国内での無神経な処理二点、しなければいけないことをしないこと・すべきでないことをしていることが折角の力作をぶち壊しにしている。日本版関係各位の猛省を望む。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2016-06-21 16:46:45)(良:3票)
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