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 > 田吾作 さんの口コミ一覧
田吾作さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 270
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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1.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 《ネタバレ》 
IMAXで鑑賞。 本作は、やはり大画面と高音質で鑑賞できればより楽しめると実感。  言わずと知れたトム・クルーズ印のシリーズだけに、畳みかけるアクションは予想していたが、その畳みかけ様は想像を超えていた。 通常のアクション映画であれば、クライマックスに持ってこれるようなアクションが、序盤から終盤まで惜しげもなく連発されるという豪華さ。  よく知られているように、本作もスタントなし、大事なところはCGで誤魔化さない、という路線を徹底しており、いかにリスキーなアクションでも「観客にホンモノを見せたい」というトム・クルーズの「超映画バカ」ぶりが、本作でも炸裂しまくっている。 とはいえ、単に無謀な撮影をしている訳ではなく、トムのこれまでの実績を背景に、長期間の準備と予算をかけた上での撮影であり、他の映画製作現場では同じようにやるのは、それこそインポッシブルだろう。  さらに、ロケ地もアブダビ、ローマ、ベネチア、ノルウェーと1作の映画には詰め込みすぎるくらい、観客を世界のいろいろな所に連れて行ってくれている。  ストーリーが若干分かりにくかろうが、上記の点を含め、トム・クルーズでなければ為し得ないエンターテイメントな映画体験を世界中の観客に提供している点で、私には満点以外の評価がみつからない。  蛇足だが、60歳を越えたトム・クルーズは、シニアオリンピックの競技大会に出場しても、表彰台に上がれるのでは…と真剣に思いながら鑑賞(笑)
[映画館(字幕)] 10点(2023-08-14 12:02:34)
2.  あん 《ネタバレ》 
主演の樹木希林と永瀬正敏の名演技が印象に残る作品。 特に樹木希林演じる徳江さんの台詞は、完全に樹木希林さんの「間」になっており、特別なディレクションは不要だったのではと思えるくらい自然な演技で、もはや他の俳優の追従を許さない域に達していると思われる。  わが国におけるハンセン病の隔離(差別)政策が、結果的には大きな誤りであったことは今日では周知の事実だが、それがどれほど人間の尊厳を奪ってきたか…。今後当事者がいなくなるにつれ、その社会認識が次第に薄れていくだろうことを考えると、本作が製作された意義は決して小さくない。 愛する家族とわけのわからないまま引き離され、子どもを授かっても産むことが許されず、人生のほぼ大半を社会と隔てられた施設で過ごさなければならなかった不条理は決して繰り返されてはならないが、だからといって、それらの人々が弱く哀れむべき存在であったかは別であることを、本作の徳江さんが示している。  「どら春」の常連女子中学生達のぼやきに「自由に生きればいいんだよ」と明るく諭す徳江さんに救われた気がするのは、決して私だけではないだろう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-04-13 10:40:56)
3.  オールド 《ネタバレ》 
皆さんおっしゃるとおり、アイデア一発勝負のシチュエーションサスペンスミステリーとして、シャマラン監督らしい作品に仕上がっている。  登場人物たちが「特別なプライベートビーチ」に案内された後は、奇々怪々な老化(あるいは成長あるいは風化)現象が発生したり、突然取り乱す人が出てきたりするなか、何故かこのビーチからは出られないことが分かって以降、カメラは徹底してビーチ視点から離れることなくストーリーが進む。 このため、観客もこの得体の知れない場所に閉じ込められた心理になり、物語に没入しやすくしているのは、脱出ものお決まりの手法とはいえ、効果的だった。  また終盤には、医薬品メーカーの関わりが分かるわけだが、その意図が単純な悪ではなく、一定の説得力が見いだせる余地があるところにも、設定のユニークさが光る。 例えば、人間の寿命を延ばす薬を研究するとして、その治験には途方もない時間がかかることを想像すると、この製薬会社のような発想が出てきても不思議ではない。(もちろん実行してはいけないが)  また、子供達が急速に成長するのはいいとして、体の体積がみるみる増えていくのは物理学的に?とは思ってしまう。  本作はこうした設定上の細かい矛盾点をツッコんで楽しむのもいいし、それを忘れて非日常のミステリーに身を委ねるのもよしという、良質なサスペンス映画としてオススメできる。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-06-26 11:42:26)
4.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
いわずと知れた前作から36年ぶりの新作。 まさに「満を持して」製作された意気込みが伝わって来た。  トム・クルーズを一気にスターダムにのし上げたあの大ヒット作の続編を作るなら、これしかないと思えるような完成度の高い脚本に加え、本作の白眉は言わずもがな、本物のジェット戦闘機に俳優が実際に(正確には後部座席に)搭乗して撮影したと言われる操縦シークエンスの「本物さ」であることは疑いない。  前作でのコックピットはブルーバックのセット撮影だったが、本作では空中で激しいGを受けながら操縦するパイロットの「本物の」息づかいや真に迫る表情を観ることができる。  これはまさに映画館で「体験する」映画という点で、過去のどの航空機アクション映画の追従も許さない高みに至った作品であり、今後、本作を凌ぐ戦闘機アクションは当面期待できないだろうとも思えるほど、完成度が高い。  端的にいえば、前作の主役をトム・クルーズ以外の俳優が務めたとしても、恐らくそこそこヒットはしただろう。だがしかし、この続編はトム・クルーズでなくしては生まれなかったと断言できるほどの、彼のいい意味でのストイックなこだわりが詰まっている。  他の主演作を含め、エンターテイメントとしての「映画」をこれほどまでに高い次元で提供し続け、世界中の人々を魅了し続けているトム・クルーズは現代を代表する映画人として長く名を残すであろうと改めて思った。  <2回目鑑賞後の追記> 2回目はIMAXにて鑑賞。 期待していた通り、高品質な視聴環境のおかげで、より一層作品世界に没入することができた。 本作はテーマパークの何回でも並んで乗りたくなる人気アトラクションと同じような体験型の映画だと改めて実感。 アトラクションは数分で終わってしまうが、本作は2時間余りも楽しめる点でコスパはかなり高い。(しかも身近にあって並ばなくてもよい!) その意味では、ストーリーの完成度は二の次でもよいはずだが、本作はその点でも一切手抜きはない。前作の伏線を多く回収しつつ、ワンカットも無駄なシーンはないように思える。(特にライバル・アイスマンとの友情あふれるシーンは、やはり本作には絶対に欠かせない) 36年を経たマーヴェリックは心に痛みを抱えたヤンチャな天才パイロットのまま、いい歳の取り方をしていたし、「戦闘機パイロットの役割はもう終わった」と言われても、「そうかもしれない。でも今日じゃない」とほほ笑むシーンは、稀代のエンタメ映画人トム・クルーズの生き様とも重なり、最も印象に残る名シーンだった。 誰しも歳を取るごとに何らかのトラウマをかかえ、いつかは時代や年齢といった壁に突き当たる。その時に背中を押してくれるようなマーヴェリックの活躍を見せてくれ、観客が観たいモノのさらにその上を見せてくれた本作は、やはり満点の評価にふさわしい傑作だ。
[映画館(字幕)] 10点(2022-06-06 14:01:41)(良:1票)
5.  アンビュランス(2022) 《ネタバレ》 
IMAXシアターにて鑑賞。 極力CGを使わない、とのマイケル・ベイ監督の意向どおり、久しぶりにリアルでド迫力なカーアクションを楽しむことができた。  銀行強盗犯を親にもった白人と黒人の義兄弟と、その逃亡に巻き込まれる女性救命士が主役のノンストップ逃走アクションだが、本作は単なる逃亡劇ではなく、兄弟の信頼と確執、そしてトラウマをかかえる救命士の再起といった人間ドラマもしっかりと描かれており、脳ミソ筋肉映画のイメージが強かったマイケル・ベイ監督の先入観をいい意味で覆してくれた。 とはいえ、ドローンを使ったカメラワークは観たことのない画角を捉えており、こちらも見応え抜群だった、  絶望的な逃亡劇の中で、救命士の心に変化が生じるといったストックホルム症候群的展開は決して新鮮とはいえないものの、ラストにいたる展開には一捻り入っており、グッとくるラストには見応えもあった。  有名俳優も出演していないためか、あまり注目されていない本作だが、意外に拾いものの佳作アクションドラマとしてオススメできる作品。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-13 11:23:31)
6.  ドント・ルック・アップ 《ネタバレ》 
とにかく、超豪華なキャスティングに驚く本作。 出演料だけでもどれほどかかったのかと、下世話な想像をしてしまうほど…  ブラックコメディとされる本作だが、扱うテーマが彗星衝突による地球滅亡なだけに、コメディ要素よりも相当ブラック色が強いことを覚悟して鑑賞するべき作品。  彗星が地球に衝突するというプロット自体は使い古されたものだが、本作ではよくあるヒーローや、地球を救うために立ち向かう人々はほとんど描かれず、現実をまともに見ようとしない大統領や、視聴率しか考えないテレビ番組、自社の利益誘導しか考えない巨大IT企業のCEOとか、真実を訴えようとする科学者を揶揄するSNSとか、「今」の世界(というかアメリカ)を風刺しまくる内容に、笑いよりも恐ろしさしか感じない。その点では冴えまくった感性を感じる映画だ。  最後、冷凍保存技術で地球を脱出して、生存可能な惑星に降り立った有力者たちが、皆中高年というところも、バカバカしくて全く笑えない。  決してハッピーエンドではないし、胸くそ悪い気分で観終わるため、評価が分かれるところだが、地球の危機は決してSFの世界とはいえない今、世界の指導者やマスコミ、巨大企業の経営者にはお願いだから一度鑑賞していただきたいと思った。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-01-20 16:35:29)
7.  007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 《ネタバレ》 
上映時間が2時間40分という長さながら、ダレ場がほどんどなく、ストーリーやアクションが展開していくため、決して長くは感じなかった。 ダニエル・クレイグ版007の最終作だけに、ダニエル本人のこだわりも随所に反映されているような気がする。 まさにテーマは世代交代であり、人間ジェームズ・ボンドへの回帰だったように感じた。  スペクターの親玉は既に逮捕勾留されているため、新たな敵が必要だった訳だが、今回の敵はそういった意味でやや後付け感は否めない。そのため動機や目的については不明確なままだったのが惜しい点だ。  ただ、それ以外は、美しい画を舞台に、アクションは期待を裏切らず、ボンドガール(ボンドウーマン)も美しく、ガジェットも炸裂の本作はクレイグボンド最終作にふさわしい面白さだった。 個人的にレア・セドゥの流し目に完全にやられてしまったのもご愛敬。  ボンドの最後、そしてエンドタイトル後のメッセージには賛否両論あるようだが、個人的にはダニエル本人がこの終わり方を条件に本作への出演を承諾したのではないかと思えるほど、納得の終わり方だった。  次回作の新ジェームズ・ボンドは、恐らく全く新しいフォーマットでリスタートするのではないかと思うし、それでいいと思った。
[映画館(字幕)] 8点(2021-11-12 16:03:11)
8.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
公開当時に劇場で観たはずなのだが、今回改めて鑑賞して、ほとんどのシーンが記憶になく、ほぼ初見のように感じたことに軽い衝撃を受けた。 唯一印象に残っていたシーンはシンドラーがラスト「もっと救えた…」と繰り返し慟哭する場面。このシーンのための映画だったとも言える名シーンだ。  シンドラーが根っからの善人というよりは、普通の欲深な商売人であり、女性や酒が好きな俗な人間として描かれているところは真実味があって好印象。そのシンドラーがエスカレートしていくナチスのユダヤ人迫害に巻き込まれつつ、心が変遷していく様子が丁寧に描かれ、3時間を超えるという当時としては異例な長編ながら、長さはあまり気にならなかったし、リーアム・ニーソンの演技も見応えがあった。 このあたりはスピルバーグ監督らしいつくりで、とかく重くなりがちなホロコーストという題材を、硬軟とりまぜてドラマチックに描く手法はさすがに秀逸だ。  また、ゲットーや収容所における迫害や身体検査、ガス室の描き方、家族が引き裂かれる苦しみなどは史実に基づいた描かれ方をしているが、登場するユダヤ人たちはシンドラーの工場で比較的良好な待遇を受けていた人々が中心のため、本当に(もっと)悲惨な境遇にあった人々については描かれていない物足りなさも感じた。(しかし骨と皮だけにやつれ果てた人物を実際に撮影することは不可能なのも理解できる)  いずれにせよ、本作はハリウッドの人気監督が製作した作品ということもあり、ホロコーストの歴史を多くの人々に伝えた功績は大きい。その歴史的意義に+1をつけたい。
[インターネット(字幕)] 9点(2021-09-15 17:13:37)
9.  トゥモロー・ウォー 《ネタバレ》 
未来に発生した人類存亡をかけた戦いのために、過去(つまり現代の)私たちが徴兵される物語…というアイデアがまず斬新で興味を引く。 さらにその未来の敵の造形や威力が徐々に明かされるプロセスには丁寧に時間をかけており、恐怖が煽られやすい。  その後は、「スターシップトゥルーパーズ」的なバトルがひたすら展開されるわけだが、ここに家族のドラマを入れ込んで、お涙頂戴の展開にしてくるのがハリウッド映画らしいところ。  この手の映画では、普通は主人公が敵をやっつけて、未来から無事帰還してメデタシとなるところだが、本作では、もう一つの後半シークエンスが用意されており、その点ではなかなか見応えはあったと思う。  気分転換にSFアクションが観たいという期待にはしっかり応えるクォリティーはあったし、個人的には序盤で24-TWENTY-FOURのクロエ役の女優を見られたのは嬉しかった。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-08-19 10:00:01)
10.  ワイルド・スピード/ジェットブレイク 《ネタバレ》 
毎回、カーアクションの新しい地平を切り開いてきた本シリーズだが、そのスタンスは本作でも健在で、超強力なマグネット・カーアクションでは、CGを多用しなければ再現不可能なアクションをリアルに見せているし、挙句の果てに潜水服で乗り込んだ車で大気圏外まで行ってしまうに至っては「新し」すぎて、もはや他の追従を許さないジャンルになっている(いい意味で)。邦題も「ロケットブレイク」の方が合っているかもしれない。  また、ミッションインポッシブルばりに世界各地を舞台に、悪の壮大な企みから世界を救おうとするドミニクファミリーが、もはや何者なのかは、もう考えるのを止めた方がいいかもしれない(いい意味で)。  とはいえ、本作のDNAであるゼロヨンレースをはじめ、「車」そして「家族」というテーマも一貫しており、ワイルドスピードらしい楽しい作品になっている。  さらに、話題になっていたハンの再登場や「TOKYO DRIFT」のルーカス・ブラックの登場は、シリーズを観てきた人には嬉しい顔合わせだった。  いずれにせよ、文字通りポップコーン・ムービーとして、頭を空っぽにして映画を楽しみたい、という人には、期待どおりしっかり応えてくれる作品。
[映画館(字幕)] 6点(2021-08-17 15:04:03)
11.  グリーンランド -地球最後の2日間- 《ネタバレ》 
いわゆる「終末もの」はジャンルとして好きなのだが、これまで数多くの作品が作られてきたためか、テーマもアイデアも出尽くされた感がある。 本作も特に目新しいストーリーではないし、系統としては「ディープインパクト」や「2012」に近く、作品としての完成度もそれらの方が高いかもしれない。  強いて言えば、いつも強い男を演じるジェラルド・バトラーだが、本作では家庭に問題を抱えるごく普通の父親(建築士)を演じているところが見どころといえるだろう。  国の機関から、シェルターへの受け入れ対象者が人選される際、携帯やテレビに自動音声で突然通知が入ってくるところなどは、デジタル社会となった現代らしい設定だと思った。  本作では、この「選ばれし人々」と「そうでない人々」との葛藤を中心に、家族を守るために最後まで諦めない主人公家族をめぐり、一見善人に見えた人が豹変したり、その逆のケースに出会ったりと、非常時にはその人間性が(善くも悪くも)顕わになるところがテーマとして描かれている。  地球滅亡の危機に発生するであろうこうした差別や混乱は、現在のコロナ禍など比較にならないだろう。 本作に登場する人々は、すべて普通の人である。だからこそ「あなたならその時どうしますか?」と問いかけられているような気がした。  本筋以外では「ライト・スタッフ」などで馴染みのスコット・グレンが久しぶりにスクリーンに登場するところも見どころの一つ。  既に垢のついたジャンルであり、過去作の焼き直しかもしれないが、「終末もの」が好きな人は見て損はないといえる作品だった。
[映画館(字幕)] 6点(2021-06-23 14:44:41)
12.  アーミー・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
名作「ドーン・オブ・ザ・デッド」のリメイクでゾンビ映画の新境地を開いたザック・スナイダー監督が オリジナルのゾンビ映画を作ったと知り、期待して鑑賞。  今回はNetflix単独配信ということで、認知度が低いのが残念だが、ロードショー上映にも耐えうる期待どおりの面白さだった。  ゾンビ映画のアイデアはこれまでに出尽くされた感もあり、本作において全く新しい着想はなかったものの、ゾンビアポカリプスのラスベガスを舞台に、一攫千金を狙うグループと、そこに対峙するゼウスを中心とした統率の取れた「ゾンビアーミー」という、アクション映画王道のストーリーを、最新のVFXを駆使して映像化するわけだから、期待は高まろうというもの。  特にゾンビタイガーのリアルな描写は特筆すべきだろう(実際ラスベガスにはホワイトタイガーが売りのホテルがある)  ネット配信を意識してか、主要キャストにはあえて有名な俳優を起用せず、その分視覚効果等に予算をかけたのは正解だったと思う。  物語は主人公の父とその娘の家族関係を軸に進んでいくわけだが、ラストも安易な予定調和に終わらせないところもザック・スナイダーらしい。  いずれにせよ、ゾンビ映画好きを楽しませる要素いっぱいの本作は、ゾンビ映画ファンにこそ観てほしい作品だ。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-23 13:06:02)
13.  いのちの停車場 《ネタバレ》 
原作を先に読んだが、既に本作のキャストが表紙になっていたこともあり、読んでいる時は登場人物のイメージがしやすかった、というか主人公は吉永小百合以外に思い浮かべられなかった(笑) 在宅医療や終末医療という、今後ますます重要になっていくであろうテーマに真正面から向き合うストーリーは、感動と共に、読者に重い問いかけを投げかけており、社会に一石を投じる意欲作だった。  そして本作の鑑賞に至ったわけだが、ストーリーは原作に忠実でありつつも、一部登場人物の背景に改変があったり、2つのエピソードが合体していたり、新しいエピソードが追加されていたりと、映画としてのオリジナリティーを求めたことは理解できるものの、結論としては原作のイメージを超えることはなかった。 ※新しいエピソードのひとつに、小池栄子演じる芸者のエピソードがあるが、何故か回収しないで終わった感が残った。  日本が誇る大女優・吉永小百合が初の医者役に挑戦したという本作だが、あのおっとりとしたキャラクターは生き馬の目を抜く救急救命の世界に長くいた人にはとうてい見えず、年齢も原作よりも10歳以上超えていることもあり、残念ながらリアリティーに欠けたことは否めない。  もっと致命的なのは吉永小百合演じる主人公の父親を田中泯が好演しているのだが、この二人は実際はほぼ同年齢であり、さすがに親子に見えづらかった。 この辺は恐らく「主役に吉永小百合」ありきで製作が始まったことに起因するのだろうが、私には興ざめだった。  とはいえ、キャストは脇役に至るまで多彩かつ豪華であり、そこは見所のひとつと言えるだろうし、特に柳葉敏郎演じる厚労省の高級官僚は、某刑事ドラマの印象そのままで、いいキャスティングだったと思う。
[映画館(邦画)] 5点(2021-05-31 15:49:49)
14.  ライトスタッフ 《ネタバレ》 
高評価が気になり、40年近い前に製作された本作を初めて鑑賞。  舞台は米ソ宇宙開発競争のまっただ中、アメリカ初の有人宇宙飛行計画(マーキュリー計画)に参加したテストパイロット達の挑戦を描くドラマ。  この人類未到の計画に白羽の矢が立ったのは、当時、高速飛行の壁に挑戦し続けていた命知らずのテストパイロット達だった。 その中でも腕利きで知られるイエーガーだったが、「大卒」の要件を満たしていないばかりに、いわゆる「マーキュリーセブン」に選ばれなかった。  この孤高のイエーガーと、世間から脚光を浴び続ける宇宙飛行士達に生き方が対比されながら、宇宙飛行士としての「正しい資質」(ライトスタッフ)とは何か。そしてそれをもつ者は誰なのかが静かに語られていくストーリー。  危険なミッションだけに、重大なアクシデントが描かれるかと思いきや、そうしたスペクタクル要素は控えめに、人間ドラマとして秀逸な内容だったが、 いかんせん時間が長く、期待したほどの感動は得られなかったのは残念だった。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-07 11:43:52)
15.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
まさに終末ものの王道をゆくストーリー。 20世紀の映画だけに細かいガジェット(携帯電話など)は時代を感じさせるが、ストーリー構成は現在にも通じる安定感をもっている。  地球と衝突軌道にある彗星を発見→各国政府は秘密裏に彗星の軌道変更ミッションと、地下シェルターの準備を進める。 本作ではこの「軌道変更ミッション」がメインディッシュと思いきや、さにあらず、それが失敗すると、地上からの核ミサイル攻撃と、地下シェルターへの避難という現実的な次善策が用意されている。 このシェルターは当然ながら定員があり、これを巡る人間ドラマも描かれる。政府が選んだ一部の専門家以外は、社会保険番号で抽選されるというドライな手法は興味深い。今後の日本ならばマイナンバーが役に立つのかも知れないが、抽選から連絡そして輸送と、今のコロナワクチン接種などは比較にならないくらいの大混乱があるだろうし、実際だったらどうするんだろうと思わず考えてしまった。  こうした終末感を漂わせておいてから、実はミッションクルーによる最後の「捨て身のミッション」というアルマゲドン的な展開が用意され、人類滅亡という最悪の結果は回避される。  と、2時間の映画に詰め込むにはイベントが多すぎて、消化不良の感も否めないし、本作の主人公は一応女性TVキャスターになると思うが、どちらかといえば群像劇として見せているため、それぞれの人物像の掘り下げは浅い。  自分としては、人類滅亡の脅威を前に、世界各国がどのようにまとまっていくのか、そのプロセスも観たかったし(彗星衝突のリスクと比べれば、現在ニュースになっているほぼ全ての問題は後回しでよくなる)、終末リスクを知った群衆がどんなパニックを起こすのかも観たかったが、同様に1本の映画では無理だろう。  結論としては、本作をベースに是非連続ドラマとしてリメイクを希望します。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-03-26 14:54:28)
16.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 
本シリーズ得意のガン・フーはもとより、ナイフ戦、バイク(と馬の)チェイス、刀アクションなどなど前作よりもアクションの幅も広がり、質もアップしている。 最新技術を用いたガン・アクションが見たい人にはうってつけの作品とも言える。  特に本作では背景となるセットにも工夫を凝らしており、スタイリッシュな画作りが光っている。(クライマックスのガラス装飾の部屋でのアクションはその最たるシーンだろう)  こんなに少数対多数で切り抜けるアクションは、ともするとあまりに現実味に欠けるためシラけてしまう恐れもあるが、本作は一種のダンスのような独自なアクションを確立しているところに納得感があるのだろう。 防弾服で一度に倒れない敵を、首やヘルメットの隙間に何度も銃弾を撃ち込んでとどめを打つ、なんてアクションは本作が最初ではないだろうか。  年齢の割に頑張っているキアヌ・リーブスだが、体が固そうなのは相変わらずでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-03-25 11:54:40)
17.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 
某BS局で昨年から放映された全作品をコンプリートした後に鑑賞。 まさに50周年だからこそ企画製作された作品だろう。  他のレビューアーもご指摘のとおり、内容については気になる点は少なくない(ゴクミの棒読み、泉の父役の改変など)が、諏訪家とそれを取り巻く人々の「その後」を見たい、懐かしい寅さんの映像も見たい、という欲求にはきちんと応えてくれたと思う。 スター・ウォーズのジョージ・ルーカスではないが、多くのファンをもつ作品ほど、皆が納得できる続編を作るのは難しい。 でも、これは他でもない山田組による続編なのだからと納得するしかない……  「男はつらいよ」は、極端に一言にまとめてしまうと、フーテンの寅さんが故郷・柴又にふらりと帰ってくるお話だ。 なぜか間の悪いタイミングで帰ってくる寅さんに、とらやの面々はいつも慌てふためいてしまい、なかなか普通に「お帰り」と迎えることができなかった。  だから、今回は観客も含め、みんなで「お帰り、寅さん」と迎えてやろうじゃないか、というのが本作の魂ではないだろうか。 その時、寅さんの横にはきっと「女房」が伴われているに違いない。さくらはどれほど嬉し泣きをするだろうか……  ラスト、歴代マドンナの回想シーンが流れ、合間にあの懐かしい寅さんの笑顔が挿入される。 そうしているうちに、あのテーマ曲が聴こえてきて、渥美清さんの歌声と共にエンドクレジットが流れる。  私はこれでやっとこのシリーズが完結したのだと、瞼を熱くしながら思った。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-03-23 11:20:59)(良:3票)
18.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
映画館で映画を観るメリットのひとつは作品世界に没入しやすいことだが、本作においても終始主人公・三上の生き様を追ううちに、自然に彼に感情移入していることに気づく。 殺人犯として服役していた刑務所を出所するところから始まる物語だが、「受刑者の社会復帰」という通常では垣間見えない視点をとおして、人間と社会を考えさせる秀作だった。  特に役所広司の演技は秀逸で、一本気で喧嘩っ早い反面、どこか愛嬌のある三上という男を表情豊かに演じている。  長澤まさみ演じるTVプロデューサーも時折印象的なセリフを吐く。 「レールの上を歩いてる私たちも、ちっとも幸せだと感じてないから、はみ出た人を許せないんだよね」 そして三上の喧嘩の撮影中怖くなって逃げる若手ディレクターに「撮らないんなら喧嘩を止めろ。止めないのなら、撮って人に伝えろ!」と凄む。 この一件から、ディレクターは本気になって三上と向き合うことになる。  三上が社会復帰のために、失効した運転免許の再取得に動き出すシークエンスは、本作の肝にあたる。 こうした三上の努力や周囲の助力を知ったあとだけに、ラスト近く、三上のアパートに駆けつけ号泣するディレクターと一緒に、観客である自分の目頭も熱くなっていることに気づく。  そしてラスト、三上に関係した人々が集まるアパートから青空へと画面がパンし、ここで初めてタイトルが浮かび上がる。  「大事なのは誰かとつながりを持って、社会から孤立しないことです」 最初にケースワーカーが三上にかけた言葉を思い出しながら、タイトルの意味をずっと考えていた。  そして観終わった今もずっと考えている。こうした映画こそ佳作と呼んでいいと思う。
[映画館(邦画)] 8点(2021-03-22 14:44:32)
19.  男はつらいよ 寅次郎紅の花 《ネタバレ》 
昨年から約1年かけて、この国民的映画シリーズ全作をコンプリートできたことにまず満足。  そして事実上の最終作となった本作は、周知のとおり渥美清が亡くなる前年に公開されたということもあり、寅さんの登場場面もめっきり少なく、セリフにも力なく、いつになく横になっているシーンが多かった。 文字通り最後の力を振り絞って「寅」を演じ切った、その俳優魂にまず敬意を表したい。  リリーが4回目の登場で花を添えたのも最終作に相応しい。 満男の煮え切らず情けない言動も本作でその頂点を迎えるが、リリーの後押しと、泉ちゃんの神対応のおかげでメデタシとなる展開もまた良し。  本作では、久々にとらや(くるまや)でマドンナを伴っての茶の間談議シーン(タコ社長とのからみ)が見られたのも嬉しかった。  いつものようにリリーと痴話喧嘩になり、リリーが1人で奄美まで帰ろうとした時、さくらの「お兄ちゃんと一緒になるのはリリーさんしかいないとずっと思っていた」との告白のおかげで(+サンペイの力走のおかげで)、リリーと一緒に帰ることができたシーンは、本シリーズにおける、さくらの寅さんに対するスタンスを如実に物語っていた名シーンだったと思う。  個人的に印象深かったのが、寅さんがコードレスホンの受話器でくるまやに電話するシーンで「あれ?コードはどこ?」と不思議がる場面。 昭和から平成に変わり、寅さんが親しんできたアナログな世界がもはや過去のものになりつつあったこの時代は、どこか寅さんも生きづらい時代に入っていたのかも知れない。  全作を観終わって思うのは、あの無責任で無鉄砲な渡世人「車寅次郎」が、困ったことが起きた時「寅さんなら何て言ってくれるかな…」と人々から頼られるキャラクタ-として親しまれた奇跡に感動を禁じ得ないことだ。  そして、今も日本のどこかで、あの名調子で啖呵売をしながら、悲喜こもごものドラマを巻き起こしていて欲しいと願わずにはいられない。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-03-15 14:35:30)(良:1票)
20.  空母いぶき 《ネタバレ》 
原作未読。  一言でいえば、現在の日本で他国による領土侵犯が行われ、これに即応する自衛隊が他国軍から攻撃を受けた場合、どんな事態が発生するか…… とのシュミレーションをとおし、現代の日本が抱える国防のあり方を観客に正面から問いかける硬派な作品となっている。 その分、ありがちな男女の恋愛描写が入るわけでもなく、主人公は格好よく敵をやっつけるヒーローでもない。  本作では相手国は「架空のならず者国家」となっているが、これは尖閣諸島における中国の台頭を明確に意識しており、リアルなシチュエーションを想定して描かれている。(本作を観ると海自が長年「軽空母」の導入を意図しているのもよくわかる)  特に現在の我が国での法制度のもとで、自衛隊が置かれている制約(相手の攻撃を受けてからでなければ反撃できない等)が、防衛の最前線でどれほど自衛隊員の命を危険に晒しているか、また相手国がいかにその制約を利用しうるのか、等も視覚化されている。  とりわけ自衛隊として初めてとなる「戦死者」と「防衛出動」を具体的に描くことにより、平和ボケしている国民の安全保障意識に一石を投じた意義は少なくない。  一方で、実際の作戦指揮においては、第五護衛艦隊だけではなく、海幕や統幕さらに米軍も当然絡んでいるはずだが、そこはあえて省略されていたり、ネット記者による動画が国際社会を動かし、最後は国連軍による仲裁による解決という、いささか現実離れした(理想ではあるが)展開が描かれてたりするが、そこは映画ということで了としたい。  時あたかもクリスマスの設定で、コンビニでの一コマを合間に挿入することで、自衛隊が「何を守ろうとしているのか」を暗に語っていたのではないだろうか。 そして、護衛艦や潜水艦、艦上戦闘機による戦闘描写もこれまでの邦画の域を超えていることも付記しておきたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-02-16 15:18:09)
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