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ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 614
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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1.  ペントハウス 《ネタバレ》 
 「オーシャンズ11」の監督を降板したブレット・ラトナーが、そのリベンジのように撮った映画って印象ですね。   オールスター感は薄めだけど、その分だけ主演のベン・スティラーの魅力が光る仕上がりになっており、個人的には大いに満足。  ビジュアル的に最高に恰好良い彼を収めたフィルムってだけでも、凄く価値があると思うんですよね。  微かに白髪交じりな「老け具合」さえも魅力的に思えちゃうし(この人、恰好良い歳の取り方してるよなぁ……)って、惚れ惚れしちゃいました。   ストーリーとしては「善人が泥棒になる話」であり、中々感情移入し難いはずなのですが、その点を上手く仕上げている辺りも、お見事。  「大金を盗んで楽に暮らしたい」なんていう身勝手な動機ではなく「皆の年金を取り戻す」という目的がある為、主人公のジョシュを自然と応援したくなるんですよね。  そもそも皆の年金が失われたのは「ジョシュが悪人のアーサー・ショウを信頼して、金を預けてしまったから」なので、一種の贖罪行為になってるという点も上手い。  この辺り、ジョシュに全く咎が無いとなると「無償で皆を救おうとする聖人」タイプの主人公になってしまい、ちょっと鼻白んじゃいますからね。  自殺未遂したレスターに同情している、と言い張るアーサーに対し 「……じゃあ、何故レスターが無事か訊かない?」  と静かに問い返す場面も印象的であり、彼の犯行動機が「自分の為」ではなく「他人の為」である事が伝わってくる、良い場面だったと思います。   上述の台詞もそうなんですが、この映画って「如何にも名台詞って感じではない、さりげない台詞が凄く良い」って特長があるんですよね。  特に終盤にて、何とか助かろうと取り引きを持ち掛けるアーサーに対し、主人公達が「チップは頂かない決まり」と答えるのも恰好良くて、痺れちゃいました。  そういった会話劇としての魅力だけでなく「宙吊りの車に掴まって、高層ビルから落ちそうになる」っていうスタント場面もあったりして、視覚的に分かり易い魅力も備わってるし、本当にバランスの良い映画だったと思います。  序盤にて、こっそり司法試験の勉強してたジョシュの部下が、いずれジョシュを助けてくれる展開なんだろうなと思っていたら、やっぱりそうなったって辺りも、実に気持ち良い。   一応、難点も挙げておくなら……  副主人公かと思われた泥棒のスライドが、全然活躍しなかった事が該当するでしょうか。  活躍しないだけなら、まだ良いんだけど「ジョシュとの間に絆が生まれてるように思えなかった」っていうのが、何とも寂しかったですね。  例えば、金を独り占めしようと銃を向ける場面にて、幼馴染であるジョシュとの子供時代を思い出し、結局撃てなくて悪態をつきながら銃を下ろすとか、そういう場面があれば、もっと印象も違ってた気がします。   後は、そもそもの犯行計画が杜撰過ぎるって点も該当しそうだけど……まぁ、この点に関しては「アーサーを終身刑にした代わりに、主人公も窃盗罪で二年ほど服役する」という相討ちに近い結末だった為、さほど違和感は抱かずに済みましたね。  特に悩んだりもせず、淡々と「クィーンを犠牲にする」事を決意した辺り、いざとなったら自分が全ての罪を背負って逮捕されるって、最初から覚悟の上だったんだと思われます。   ラストにて、屋上のプールに隠してた車を取り出す爽快感も素晴らしいし……  色々欠点があるのを承知の上で、それでもなお「傑作」と呼びたくなる。  ベン・スティラーの代表作の一つとして、彼を好きな方には、是非オススメしたいです。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2022-01-12 17:54:23)(良:2票)
2.  ベイウォッチ 《ネタバレ》 
 ライフガード物……というよりは、刑事物って感じの映画ですね。   作中でも散々「それは刑事の仕事」とツッコまれていますし、海での人命救助がメインの話と思って観ると、ガッカリしちゃうかも。  海ではなく、スタジオで撮影しているなって丸分かりな場面もあったりするし、色々とハードルを低くして観る必要があると思います。   それと「よぉ、ハイスクールミュージカル」「有り得ないTVドラマのパクリみたい」などのメタな台詞を挟んでいるのは、ちょっとオタク映画っぽくて、この題材とは不釣り合いにも思えましたね。  内気なロニー青年を「第三の主人公」枠にしたりして、マッチョ賛美な体育会系の映画ではない、幅広い客層が楽しめる映画にする意図があったのかも知れませんが、それが成功していたとは言い難いかと。   でもまぁ、自分としては「ザック・エフロンとドウェイン・ジョンソン主演のアクション映画」が拝めただけでも満足というか……  至らないところも多々あるけど、充分に合格点に達してる映画だと思うんですよね、これ。   怖いもの知らずな若者と、経験豊富なベテラン主人公のコンビって時点で、バディ物としては王道な魅力があるし、二人が衝突しつつも互いを認め合い「仲間」「相棒」になっていく流れも、微笑ましくて良かったです。  観ていて安心させられるというか、新鮮な驚きは無い代わりに、落胆させられる事も少ないって感じ。   音楽もノリの良いのを揃えてあるし、水着美女のサービスシーンも豊富。  海が舞台なんだから、これは外せないとばかりに、ジェットスキーでのアクションがある辺りも嬉しいですね。  先程は「スタジオ撮影なのが丸分かりな場面がある」と減点個所を述べてしまいましたが、それ以外では「海の美しさ、解放感」を感じさせる場面も多かったし……  結果的にはプラマイゼロどころか、プラスの方が大きいくらいなんじゃないかと。   元ネタのTVドラマ版で主人公ミッチを演じたデビッド・ハッセルホフが「ミッチの師匠」というポジションで登場したりと、ファンサービスをしっかり行っている点も良かったですね。  エンドロールのNG集も和気藹々としてるし、撮影現場の楽しい雰囲気が伝わってきました。   それでも、最後に「これだけは、どうにかして欲しかった」という希望を述べさせてもらうなら……  クライマックスは「敵のボスを撃つ」ではなく「人命救助」って形にして欲しかったですね。  一応、ボスを倒す直前に「ミッチがブロディを助ける場面」もある為、ライフガード要素が必要無かったって訳じゃないんですが、最後の最後で(……これ、やっぱり刑事物でも成立したよなぁ)って気持ちにさせられて、興醒めしちゃいましたし。  そこのところを上手くやってくれていたら、もっと自信を持ってオススメ出来る品になってたと思います。
[DVD(吹替)] 6点(2020-06-25 13:02:29)
3.  ベガスの恋に勝つルール 《ネタバレ》 
 色んな意味で「夢を叶えてくれる映画」って感じですね。   ベガスで一攫千金、お金持ちになりたい。  美女(美男子)と一緒に暮らしてみたい。  そんな庶民の願望を疑似体験させてくれる、心地良い映画だったと思います。   スロットで大当たりする場面もテンポ良く、気持ち良く描いているし、自宅でのパーティーや社員旅行などのイベントの件も、とても楽し気で良かったです。  二人が同棲する事になる部屋も「ここに住んでみたい」と思わせるような魅力があって、好きなんですよね~  ヒロインは嫌がっていたけど、バーカウンターやピンボールの台があるなんて素敵じゃないかと思えるし「ドアを開けると、そこからベッドが飛び出す」ギミックなんかも好み。   「相手に浮気させようと互いにアレコレ画策する」「便座の上げ下げを巡って争う」「夫婦カウンセリングに向かう二人」などの夫婦喧嘩パートも、軽快なBGMに乗せて楽しく描かれており、良かったと思います。  テーマがテーマだけに、ここで攻防が陰湿になり過ぎて観ていて引いてしまう可能性や、主役二人が「嫌な奴」に思えてしまう可能性もありましたからね。  そこを暗くなり過ぎず、明るく能天気なテンションで描き切ってみせた事には、大いに拍手を送りたいところ。   「自分でサイコロを振る勇気すら無かったけど、とうとう起業を決意した主人公」「仕事に依存していたけど、仕事が好きという訳じゃなかったと気が付くヒロイン」などの真面目な部分を、ライトなノリを失わないまま、さりげなく描いているのも良かったですね。  お約束だけど「今回の騒動を通して、二人は大金よりも価値のあるものを手に入れる事が出来た」と感じさせるものがあって、凄く後味爽やか。   主人公の男友達と、ヒロインの女友達も魅力的であり、喧嘩してばかりだった二人が、最終的にはカップルみたいに仲良くなっちゃう結末も、ハッピーエンド感を高めてくれたように思えます。   その他にも「夫婦どちらも『レイダース』が好きだったと分かる」「結婚指輪を填めた薬指を、中指を立てるようにして旦那に見せ付ける妻」など、印象的なシーンが幾つもあって、本当に観ていて楽しい。  夕暮れを迎えた海辺での「結婚してくれませんか、もう一度」という二度目のプロポーズも素敵で(あぁ、良いなぁ……良い映画だなぁ)なんて、しみじみ感じちゃいました。   あまり評判は良くない(ゴールデンラズベリー賞にノミネートされてる)のを覚悟の上で観賞したのですが、意外や意外、本当に面白くて、楽しくて、吃驚させられましたね。  やはり世間の評判なんかに左右されず、自分の感性で判断しなきゃ駄目だな……と、そんな当たり前の事を再確認させてくれた、非常に価値ある一本でした。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-07-12 08:54:37)(良:2票)
4.  兵隊やくざ 《ネタバレ》 
 冒頭にて「荒野に孤立した巨大な刑務所」という言葉が出てきますが、実際に刑務所映画に近いテイストを感じられましたね。  主人公の一人である大宮は極道だし、囚人同士の争いの代わりに日本兵同士で争うし、最後は脱走劇で終わるしで、非常に似通っていたと思います。   「兵隊の話は、もう御免」「カーキ色を見る度に胸糞が悪くなる」なんて独白から始まる以上、軍隊批判というテーマも込められていたのでしょうが、自分としては上述の通り「刑務所映画の軍隊版」という印象のまま観賞した為、重苦しい気分にはならず、娯楽作品として楽しむ事が出来ました。   とにかく上官が部下を殴る蹴るを繰り返し、胸糞が悪くなったところで、主人公の大宮と有田とが力と知恵を駆使してやり返してくれる訳だから、非常に痛快。  軍隊は階級が全てだとばかり思っていたら、さにあらず、実は勤務年数も力関係に大きく作用しているという辺りも、非常に興味深いものがありましたね。  喧嘩する相手が二年兵だと分かった途端に態度を豹変させ、上官であるはずの伍長に遠慮なく殴り返し、対等の条件での決闘に持ち込む件なんてもう、痺れちゃいました。   頭の良い兄貴分と、腕っぷしが強い弟分。  そんな凸凹コンビの二人が、様々な苦難を乗り越え、絆を深める姿を見せてくれる為、観ているこちらとしても微笑ましく、心地良い気分に浸れるのですよね。  それでも最後の最後「国家の命令」という強大な力には逆らえないのか……と思わされたところで、見事に逃げ出してみせるという流れも良かったです。   ただ、取り残された他の兵達は一年後に全員戦死したと語られている為、ちょっと影を落とす形となっており、爽快さに欠けるものがあったのは残念。  状況を考えれば仕方ないのだけど、主人公達だけが逃げて、残された皆は死んでしまったという形だから、罪悪感が伴うんですね。  戦争だから人が死ぬのは当たり前だし、軍隊に所属した以上は殺されたって不思議じゃないのでしょうが、それでもその重苦しい語り口と、直後の脱走劇の明るい描き方は、ミスマッチであるように感じられました。  ここの部分を、もうちょっと受け入れやすく描かれていたら、戦争映画ならぬ兵隊映画の傑作として、大絶賛出来た気がします。   それと、大宮を演じる勝新太郎が刃物を用いてチャンバラを披露するシーンがある訳だけど、それが原作小説にもある要素なのか、映画特有の「勝新ならチャンバラも見せなきゃ」というサービスなのかも、気になるところですね。  もし後者であったとすれば嬉しいのですが、真相や如何に。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-13 22:21:04)
5.  ペリカン文書 《ネタバレ》 
 タイトルは知っていたけれど、ストーリーに関しては全く知らないという状態で観賞。   「仮説を唱えた論文程度を恐れて殺人を犯す訳が無い。きっと何かもっと深い理由があるはずだ」と思っていたのですが、中盤以降で「そんな深い真相なんてない」と気が付いてしまい、何だか大いに落胆させられましたね。  勝手に深読みし、期待しちゃっていた自分が愚かというだけなのですが、それにしても終盤において「どんでん返し」が無いのは寂しいし「真実を明らかにしてみせたカタルシス」も薄かったように感じられます。    理由を分析してみるに、こういった映画の場合は視点を「論文を書いた法学生」に定め、巻き込まれ方のサスペンスとして描く事が多いのですが、本作はその視点を意図的に分散させているのですよね。  それによって、法学生が明確な主人公ではなくなり「彼女も殺されるかも知れない」と緊迫感を抱かせる効果があったのかも知れませんが、自分としては「彼女に感情移入出来ない」「敵方も何を考えて、どんな行動をしているのか丸分かりなので、不気味さに欠ける」という結果に終わってしまった気がします。   若き日のジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンの組み合わせは新鮮で、ただ立って話しているだけでも好感を抱いてしまう雰囲気が漂っているのは、流石という感じ。  総じて真面目に作られており、クオリティも決して低くはないのですが……  何だか、その優等生っぷりが「面白みに欠ける」と思えてしまうような、物足りない映画でありました。
[DVD(吹替)] 5点(2016-11-23 15:02:09)(良:1票)
6.  ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 《ネタバレ》 
 「これでもまだ実話」のテロップには参りました。  笑ったら不謹慎なのでしょうが、ついつい頬が緩んでしまいましたね。   マイケル・ベイ監督作としては、非常に異質な内容である本作。  豪華な出演陣と、シニカルなストーリーのギャップにも、ちょっと戸惑うものがありましたが、何処か作り手が楽しんでいるというか 「こんな馬鹿げた事件があったんだよ。どう? 笑えない?」  と問い掛けているような雰囲気が漂っており、あまり深刻にならず、リラックスした状態で観賞する事が出来ました。   「悪人だけど、どこか憎めない」というタイプの主人公達だったのですが、やっている事は凶悪極まりない為、最後まで感情移入は出来ず。  書類にサインさせる為に、被害者を拷問している場面もキツかったのですが、個人的に一番落胆させられたのは、終盤の貸金庫の件。  その中身が、思い出の写真、そして子供時代の靴の型である事に怒って「金は無いのか」と怒り出す主人公の姿は、本当に見苦しいの一言でしたね。  ここで決定的に愛想が尽きたところで、映画が終局を迎える構成となっているのは上手かったです。   また、被害者の豊胸パックを取り出さなかったばかりに、それが決定的な証拠となってしまう辺りにも「そこかよ!」と思わずツッコミ。  指紋については気を遣っていただけに、その間抜けな見落としには、乾いた笑いを感じられましたね。   主人公達が筋トレに病的に固執している点や、理想的なボディと現実の経済事情とのギャップに耐え切れず犯行に至ったと思しき点など、色々と分析してみるのも楽しそう。  けれど、それよりは、もっと肩の力を抜いて、実話である事も意図的に忘れてみせて、のんびりと観賞するのが最適な映画であるように思えました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-07-11 18:05:00)
7.  変態家族 兄貴の嫁さん 《ネタバレ》 
 世の中にはパロディAVというジャンルが存在します。  そこでは「アベンジャーズ」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」などが元ネタとなっている訳ですが、これは小津安二郎監督の作品を元ネタにした同ジャンルの品である、という印象を受けました。   とにかく予想以上に「絡み」のシーンが多くて、笑えるシーンも極僅かであったのが意外。  当初は「東京物語」単独のパロディかと思っていたのに、他の作品からも色々と拝借している事にも、驚かされましたね。   自分としては、食べ物として「お茶漬け」が登場する場面で(あぁ、パロっているなぁ……)と思わされた後、時間差を置いて再び「お茶漬け」が登場して(またやるのかよ!)とツッコまされた場面が、一番面白かったです。  ただ、正直に告白すると、そこ以外のシーンは退屈だったというか、趣味の合わないAVを早送りせずに延々と見せ付けられたという印象だったりしました。   周防監督の作品は好きだけど、小津監督の作品は今一つピンと来ない……なんて感性の持ち主である自分ではなく、小津監督が好きな人が観賞した方が、より楽しめる一作なのだと思われます。
[DVD(邦画)] 3点(2016-05-25 06:29:07)
8.  HELL ヘル(2003) 《ネタバレ》 
 刑務所映画が好きで、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが好きな自分としては期待しつつ観賞したのですが、それを裏切らない内容でありました。   まず、入所時の主人公が決して強くはない事が意外。 「これはアクション要素を極力排した、シリアスな刑務所物語なのか?」  と思わせて、事実その通りに陰鬱とした展開が続き、中盤にて「スパルカ」の存在が明かされて、一気にアクション映画の色合いが強くなる。  その後のトレーニングシーンは中々に心躍るものがあるし、ヴァン・ダムがヴァン・ダムらしい強さで敵となる囚人達を倒す姿には、大いに満足。  かと思えば終盤には主人公は戦う事を否定し始めて……といった具合に、二転三転する内容が飽きさせなかったですね。 「あれ? 結局どういった映画になるんだ?」  という興味も相まって、先の展開や結末を推理しながら楽しむ事が出来ました。  この構成は主役を演じたのがヴァン・ダムだからこそ、と思えますね。  アクション俳優として抜群の存在感がある彼が主役だからこそ、この映画は一体どちらなんだ? と考えを巡らせる事が出来るという。   また、主人公の妻がレイプされて殺されており、それがトラウマとなって何度も夢に出てくるのですが、そんな妻の姿と重なるように、主人公の同房人には少年期にレイプされた過去があるし、刑務所で仲間となった若い美男子も現在進行形で囚人達にレイプされている、という設定にも感心。  それゆえに、後者の死に衝撃を受けた主人公が「俺はもう看守の言いなりになって戦わない」という宣言に至る流れも理解出来るし、前者と共に脱獄を図る展開にも、自然と応援したくなる気持ちが湧いてきます。  逆に、他の囚人までもが主人公に影響を受けて「スパルカ」を否定する展開には、少々唐突なものを感じたのも事実ですね。  自分としては「これまで数多くの死者が出ていただけに、元々不満も溜まっていたのだ」と解釈しています。   全編に渡って暗い雰囲気が立ち込める映画であり、ラストシーンも解放された喜び、自由を手に入れた達成感などは希薄。  それでも、地獄のような刑務所生活の中でも、最後まで愛する妻が傍にいてくれたし、これからも共にい続けるのだ、と静かに再確認するかのような主人公の姿には、心を打たれるものがありました。  ヴァン・ダム主演映画の中では「その男ヴァン・ダム」と並んで好きな映画となりそうです。
[DVD(字幕)] 7点(2016-04-02 06:44:13)
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