ヴィレッジ(2004) の 由布 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ウ行
 > ヴィレッジ(2004)
 > 由布さんのレビュー
ヴィレッジ(2004) の 由布 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ヴィレッジ(2004)
製作国
上映時間108分
劇場公開日 2004-09-11
ジャンルドラマ,ホラー,サスペンス,ミステリー,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 ネタバレはしないで下さいとか、どんでん返しに次ぐどんでん返しとか、色々聞いたけど、悪いけど、冒頭の10分で少なくとも「村」が設立された理由は丸分かりで、こんなに見え見えでいいんだろうか、こんなヨタ話が延々と続くんだろうかと、早くも眠くなったけど、これって、もしかして、「村=アメリカ?」と思い始めた辺りから、わりとドキドキしながら見てしまった。アメリカはそもそも、ヨーロッパの厳しい階級制度や宗教戦争から逃げてきたボート・ピープルで形成された国だし、未だにアメリカ万歳の一国主義で、自由の国を標榜しながら、それが信じられない程、保守的な御国柄だし、「ヴィレッジ」は、まるでアメリカという国の精神を見ているような気がした。しかも、自分達が信じる精神を守る為には、たった一匹の蟻を巨大な化け物ででもあるかのように吹聴して国粋主義を煽る気風は未だに健在で、しかも、時としてそれは、自作自演であったりもする。盲目のアイヴィーは、一見、全てを見通している様に行動している。相手の「色」が分かるという。それは、白人から見た有色人種の色だと思うと、これはかなりきついブラック・ユーモアで、しかもアイヴィーは、ノアをそれと分からずに殺してしまった。ノア=ノアは、大洪水の前に箱舟を作り、家族と動物を安全な地へと導いた。純粋な家族愛によって。けれど、あまりの純真さは、世界を狭めるだけだった。アイヴィーは、それと分からずに殺してしまい、彼女を助けたのは、皮肉にも「ヴィレッジ」を守る為の組織だった。それは、FBIなのか、CIAなのか。本作は、まるでアメリカという国の精神を見ているようで、近年では、マトリックス・トリロジーについで、アメリカという国への痛烈なブラック・ユーモアのようだった。が、無論、シャマラン監督にそういう意図があったかは分からないし、単に私の深読みかもしれないが、本国アメリカで、賛否両論になったのは、分かるような気がした。アイヴィーは愛する人の為に頑なな保守の村に帰ったけれど、「彼女」の目が開かれることはあるのだろうか。
由布さん 8点(2004-09-17 01:03:23)(良:6票)
由布 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2007-12-20トランスフォーマー4レビュー5.70点
2006-12-23犬神家の一族(2006)6レビュー5.53点
2006-08-09悪魔の棲む家(1979)7レビュー4.30点
2006-08-09悪魔の棲む家(2005)5レビュー4.69点
2006-06-24バルトの楽園5レビュー5.88点
2006-05-22イルマーレ(2000)8レビュー6.82点
2006-03-31ブロークバック・マウンテン6レビュー6.88点
2006-02-06宇宙戦争(1953)8レビュー5.89点
2005-12-25Mr.&Mrs. スミス6レビュー5.99点
2005-09-09アイランド(2005)6レビュー5.74点
ヴィレッジ(2004)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS