恐怖の報酬(1953) の へちょちょ さんのクチコミ・感想

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恐怖の報酬(1953) の へちょちょ さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》  ジョルジュ・アルノーの原作は未読だが、これは…正に世紀の傑作!!アンリ・ジョルジュ・クルーゾーのエポック・メイキングなサスペンス演出はヒッチコック先生をも驚愕させたと言う。勝因の第1は前半に於けるニトログリセリンの一滴を垂らして威力の凄まじさをビジュアルで納得させる実験シーン!!コレで”掴みはOK”。第2の勝因は、ラス・ピエドラスに巣くう食い詰め者共のどん底吹き溜まり状態をじっくり濃密に描き、先述のニトロの威力を目の当たりにしても、2000ドル欲しさに運搬に名乗りを上げる浅ましさ・命知らずぶりを観る者に強引に納得させる一連のシーンである。殊にシャルル・ヴァネル扮するジョーの描写は出色。イヴ・モンタンのマリオもシャンソン歌手とは思えぬ男臭さで天晴れではある。が、矢張り演技の年季が違う。本作出演者のMVPはヴァネルを措いて他に無いと思う。先行していたビンバ&ルイージ組が爆発した余波で送油管から道に溢れ出た原油を渡る際に、トラックの下敷きにされてオイルまみれとなり車中で絶命する場面のド迫力は、正しく彼の名演に負うところが大きい。ラス・ピエドラスでの肝の据わった渋さと、道中でのニトロの恐怖に怯える不様さとの鮮烈な対比も素晴らしいの一語。そして…ラストシーン。狙い過ぎとも言える大どんでん返しだが、酒場で待つヴェラ・クルーゾーと軽快にハンドルをさばくモンタンのカットバックが加速する様は圧巻。”画竜点睛”とは正にこのコト。後になれば何とでも言えるだろうが、それまで誰も描いたコトの無い非凡なプロット構成を最初に考えつくのが天才の所以である。クルーゾーの前代未聞の神業に…勿論・当然・絶対に10点満点!!!
へちょちょさん 10点(2003-02-11 03:33:23)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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2010-02-21フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ8レビュー6.77点
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2008-03-17300 <スリーハンドレッド>4レビュー6.07点
2007-08-29惑星大怪獣ネガドン5レビュー5.77点
2007-07-27少林寺25レビュー5.85点
2007-07-25続・少林寺三十六房4レビュー5.37点
2007-06-26座頭市地獄旅7レビュー7.00点
2007-05-25ピカソ-天才の秘密10レビュー8.45点
2007-04-07県立地球防衛軍4レビュー5.50点
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