ダークナイト(2008) の マーチェンカ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > タ行
 > ダークナイト(2008)
 > マーチェンカさんのレビュー
ダークナイト(2008) の マーチェンカ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ダークナイト(2008)
製作国
上映時間152分
劇場公開日 2008-08-09
ジャンルアクション,サスペンス,SF,シリーズもの,犯罪もの,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 <<かなり核心的なネタバレをしています。未見の方注意!!!>>まずは一言、通常のハリウッド映画の定石というガチガチの「枠」を踏み出して、およそ2時間半という長丁場をものともせず緊張感を維持し続けたその内容と、僕自身が最初から最後までその内容にのめりこんで鑑賞することができたことに関して、この映画に感謝したいと思います。

9点と言う点数は、二転三転して観客を振り回すそのストーリーと、観る者を圧倒するアクション、そして個人的には、「高潔で良心的」なゴードン警部を演じたゲイリー・オールドマンに対して差し上げたいと思います。

ではなぜ満点ではないのか・・・個人的には、この映画のテーマの根幹に係ると思われる「ダーク」な部分、つまり「暗部」についての解釈に、やや釈然としない思いを抱いたからです。

人間の「暗さ」というのは、どの人間も等しく持ち合わせているものだと思います。この映画でも至る所にその「暗部」が、ある時にはちらついたり、ある時にはあからさまな狂気と共に描かれます。

その「暗部」についての描写(あるいは「闇」と対比された「光」の部分)に対して、「映画」という一貫性のある表現形態で形にする必要があったという事情を考慮したとしても、余りにも「今の時代」の暗い雰囲気を意識し過ぎているのではないかと僕は感じられたのです。その気持ちは、僕の場合は作品がクライマックスを迎えるにつれてより募っていきました。

たとえば作品ラストでバットマンが「ダークナイト」として「罪」を引き受ける場面についても、「古風」と言われればそれまでなのですが、僕は正義を行うのであれば、たとえ良かれと思ったことであっても自分の中に「偽り」を抱え込むべきではないし、また「偽り」を抱えたままではそれまでのようなまともな「行動」もできなくなるのではないかと、思ってしまうのです。

しかしその一方で、高潔でまっさらな「ヒーロー」というものが成立しにくいという今の時代に、そのあたりの屈折した感情をも背負った「アンチヒーロー」として形作られた「バットマン=ウェイン」という存在を、大変魅力的にも感じます。個人的に上記の「違和感」は否定しきれないのですが、一本の作品としては、単なる「娯楽映画」という枠を突き抜けた重い感触を観客に残す力のある、素晴らしい映画だと感じました。
マーチェンカさん [映画館(字幕)] 9点(2008-08-17 02:06:13)
マーチェンカ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-03-19シン・仮面ライダー8レビュー5.50点
2022-02-13ゴーストバスターズ/アフターライフ8レビュー5.80点
2018-12-13ボヘミアン・ラプソディ8レビュー7.38点
2018-02-07スター・ウォーズ/最後のジェダイ9レビュー5.79点
2016-12-25ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー8レビュー7.09点
2016-01-03スター・ウォーズ/フォースの覚醒8レビュー6.85点
2014-08-10思い出のマーニー9レビュー6.02点
2014-01-02劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語5レビュー5.61点
2013-11-24かぐや姫の物語10レビュー7.17点
2013-10-18じゃりン子チエ9レビュー7.75点
ダークナイト(2008)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS