全身と小指 の アンナ さんのクチコミ・感想

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全身と小指 の アンナ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 全身と小指
製作国
上映時間109分
劇場公開日 2006-07-15
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 こんなにも衝撃を受けた作品は初めてだ。これは、普通の衝撃ではない。近親相姦という題材。かなり過激な演出ではあるけど、2人の愛が切なすぎる。唯一2人の関係を知っている姉。繰り返される兄妹の喘ぎ声できっと常識が壊れていただろう。「本気なら間違ってもいいんだよ」という姉の言葉。無口なお姉ちゃんが言うこの言葉にはとても重みがある。姉の言葉で殻が破れたように妹に会いに行く純。久美が好きなのに素直に言えない。「結婚する」と久美に言われ、抱きしめてキスする。バスが去った後もずっとキスするシーンのカットが好き。劇中、純とヘルスの子がセックスするけど、純はまてもに彼女の顔を見れていない。久美以外の人とセックスするなんて考えられない、とでも言うように。また、久美と純がセックスしてる時「見ないで」と顔を隠す久美の行動は、とても切なく涙が溢れた。池内博之君は、彼の作品をしばらく見ないうちに格段と演技力が上がったように思う。妹役のモデル出身福田明子ちゃんは初めての演技とは思えないほどの熱演で、とても惹きつけられるものがあった。失礼な言い方かもしれないが、そこらの女優さんよりずっと魅力的でエロくセクシーだった。カウンセラー役の恵俊彰、姉役の片岡礼子、不思議なスナックのママ役の山田美也子。脇役の俳優人も良い。日本映画のキスシーンってなんか違和感があったんだけど、この映画は違う。ラストは恐ろしく、そしてたまらなく切ない。監督の堀江慶は、「なんでもなあなあな世の中になっていて、自分の信念や思いを貫く事がしんどくなっている。でも良い悪いでなく「本気」って事を考えた。そこで究極って考えたら兄妹の愛になった。もちろん近親相姦はありえない。自分はそれを書きたかった訳ではないって事、分かってもらえましたよね?」と言っていた。その思い、私には痛いほど伝わってきた。愛を貫くということは、こんなにも痛みを伴うものなのか。純と久美それぞれが抑圧し続けてきた感情を解き放ち、愛し合う姿はあまりにも美しい。見終わった後、いろんな意味でのショックが大きく、翌日の授業は頭に入らなかった。
アンナさん [DVD(邦画)] 10点(2006-10-17 19:48:16)
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投稿日付邦題コメント平均点
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