戦場のピアニスト の veryautumn さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > セ行
 > 戦場のピアニスト
 > veryautumnさんのレビュー
戦場のピアニスト の veryautumn さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 戦場のピアニスト
製作国,,,ポーランド
上映時間148分
劇場公開日 2003-02-15
ジャンルドラマ,戦争もの,実話もの,音楽もの,伝記もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 レビューがこれだけあって、主人公を助けたあの将校が「ナチス」じゃなく「国防軍」だということを明記しているのはクルイベルさんただ一人(恐縮です(汗))。レビューの内容から察するに、両者の区別がついてる方は恐らく数名でしょう。....ガックリ。それがわからなきゃ何故彼が主人公を助けたのなんかわからないんじゃないですか?。この映画に関しては、それはポーランド人とユダヤ人の区別と同じくらい重要で、大変失礼な言い方ですが、もしこの映画を観て「国防軍」と「ナチス」の違いが気にならなかったら、ご自分に軍事一般について重大な知識の欠如があるかも?と疑ったほうがいいと思います。「軍事知識」といっても戦車や大砲の形式がどうのといったオタク的なことではなく、軍隊の組織や戦争の流れのことです。そういう初歩の知識なしで戦争映画を観ると、大きな誤解をする可能性がありますから。例えば、彼を描くことで、ポランスキーが「ナチスにもいい人がいる」とか「ナチとの心の交流」を描こうとしているなんて思ったら、それは大きな大きな誤解ですよ。彼は「ナチ」じゃない。この映画では徹頭徹尾ナチス=悪で、ナチとの交流なんてあり得ない。ナチにいいとこ無し。皆無です。ポーランド人のナチに対する憎悪は、我々日本人が考えるほど甘くないってことを感じるシーンですね。また、ラスト近くで収容所待ちのドイツ兵達に対して主人公の知人(ユダヤ人)が唾する場面がありますが、あれも恐らく国防軍で、ユダヤを主に迫害したナチの兵隊じゃない。過酷な東部戦線を生きのび、残酷なソ連軍の捕虜にだけはなるまいと必死に逃げた人たちです。大尉は確かに「いい人」かも知れませんが、周りに座っている兵隊達だって決して「悪い人」じゃない。ある意味ユダヤ人みたいな立場で、彼らのその後の運命がとても暗いことを知っていれば、「ざまーみろ」じゃなく、哀しくむなしいシーンだと、まるで正反対の感想を持つんじゃないでしょうか。「ライフ~」や「シンドラー」のように手取り足取りのサービスがなければ、こんなにも誤解する人がいるってのが正直私は恐ろしい。「収容所モノ」は最近多いですけど、この手の映画のレビューに関しては、知れば知るほど「ユダヤ悲惨」みたいな通りいっぺんの言葉は使えなくなります。偉そうですみませんが、自戒をこめてということで。
veryautumnさん 7点(2004-02-05 00:43:00)(良:4票)
veryautumn さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2010-05-08第9地区9レビュー7.07点
2010-02-23ハゲタカ6レビュー5.46点
2010-02-23グラン・トリノ7レビュー7.87点
2009-02-17アフタースクール8レビュー7.20点
2009-02-15ぐるりのこと。9レビュー7.02点
2008-11-27ハッピーフライト(2008)7レビュー6.57点
2008-09-27おくりびと8レビュー7.03点
2008-08-08クライマーズ・ハイ(2008)8レビュー5.55点
2008-07-20アメリカン・ギャングスター7レビュー6.78点
2008-07-20インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国5レビュー5.86点
戦場のピアニストのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS