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90年代に泣かず飛ばずだったソダーバーグ監督だが、本作は久々に「ソダーバーグの本領発揮」とも言うべき作品になっている。無理に娯楽性を追及せずにドキュメンタリー・タッチに徹したことが良かったのだろう。冒頭の「笑えないジョーク」や毒殺オチには参ったが、主要キャラ3人の顔合わせをさせないという設定が話をわかり易くさせ、普段の「ゆれるカメラワーク」もかえって作品にリアリティを持たせている。メキシコの2つの組織の対立と、アメリカとメキシコの刑事が共に相棒を失うところは興味深かった。ラストの盗聴器も終わりなき戦いを象徴していて余韻を残してくれる。ただ、ヘレーナの変貌が理由・結果という安直な描かれ方なのが残念。キャロラインが家出するシーンもどうせならオリジナルどおりロバートに追い出されるほうが良かった気がする。それにしても、次回作「オーシャンズ11」以降の失速振りをみると、どう考えてもソダーバーグは「セックスと~」以降の失敗から何も学んでいないとしか思えない。ソダーバーグの次の「復活」はいつになるだろうか。
【マイカルシネマ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-11 23:12:35)(良:1票)
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