ジェネラル・ルージュの凱旋 の マンフロント さんのクチコミ・感想

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ジェネラル・ルージュの凱旋 の マンフロント さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ジェネラル・ルージュの凱旋
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2009-03-07
ジャンルドラマ,サスペンス,医学もの,シリーズもの,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
映画としては面白くないことはないのだけれど、全体的に前作から続いて釈然としないのは、抜群の洞察力とあくの強さで事件をてきぱき解決するヒーローが、できることならみんなで石をぶつけてやりたい、と全国民的に思われている厚生官僚(事件解決の動機も省益の確保といういかにもな設定)であることではないか。本来なら普通の人なら切り捨てるものも大切にする人、目的があって結果が得られることしかやらないという現代人の病、合理主義や成功主義の病に侵されていない対極の非エリートヒーローとしての竹内結子が風貌に合わない意外な活躍をして、ロジックで固まった厚生エリートを凹ませれば胸もすくのに、バチスタを上回ってどうしょうもないただの引き立て役の無能医師にしか表現されておらず、映画としての主役の基本設定に失敗していると思う。言いたいことも病院経営と両立しない現代の救急医療制度の矛盾の告発であり、志の高い映画だとも思うのだが、救急医療が機能しなくなっているのは利益追求する病院がすべて悪いと言いたげな展開になっていて告発ポイントがずれていると思う。医療従事者が過労死寸前の献身や経済的不利益を引き受けなければ成立しないとしたら、それは大もとの制度設計そのものがおかしいからのはず。救急医療従事者に崇高な自己犠牲の職業倫理を押し付けることで問題を解決しようとして、救急医療従事者でも普通の生活できる制度に工夫しようとしない厚生省の無為無策こそ大きな問題のはず。ところがその点は全く追求されない。堺雅人みたいなスーパーヒーローが存在して初めて成り立つような救急体制は、現実にはあり得ない。これでは厚生省の無策への論点ずらしのためのプロパガンダ映画ではないか?原作どおりなら医者(原作者)の厚生省へのゴマすり作品じゃないか?とも思えたりするのだが。
マンフロントさん [映画館(邦画)] 7点(2009-03-12 00:52:22)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2019-08-09(500)日のサマー8レビュー6.60点
2009-10-27プライド(2008)8レビュー6.38点
2009-09-04愛のむきだし9レビュー7.15点
2009-04-03ヤッターマン(2008)8レビュー5.14点
2009-03-12ジェネラル・ルージュの凱旋7レビュー6.29点
2008-11-26うた魂♪9レビュー5.96点
2008-08-31ノーカントリー8レビュー6.42点
2008-04-25キサラギ8レビュー7.51点
2008-04-04亀は意外と速く泳ぐ8レビュー6.55点
2008-03-07それでもボクはやってない8レビュー7.60点
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