タワーリング・インフェルノ の よしのぶ さんのクチコミ・感想

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タワーリング・インフェルノ の よしのぶ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 タワーリング・インフェルノ
製作国
上映時間165分
劇場公開日 1975-06-07
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,パニックもの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 超高層ビルで火災が発生し、逃げ場の無い最上階の人達をどう救助するかというパニック映画。パニック映画ということを忘れさせてくれるほど濃厚な人間劇が展開される。特撮よりこちらの方が白眉だ。死を覚悟し、自分は詐欺師であると告白する老詐欺師。それを聞いて「知っていたわ」と許す未亡人。鎮火後、老詐欺師は未亡人を探すが、彼女は転落死しており、助かった猫を渡される。これだけで一本の映画になる。密かな恋愛関係にあった上司と秘書。気付いたときは煙が充満していた。「昔は短距離選手だった」と、助けを呼びに駈け出した上司は火達磨になり、秘書も炎上転落する。二人の恋愛は誰にも知れることなく終わった。バーテンダーは非常時でも平常心で仕事をこなし、子供の面倒もみる。地味だが忘れがたい存在だ。火災の原因は、ビルのオーナーの娘婿が施工した手抜き工事と電線を規格以下に変更した所為だ。だがこれには、オーナーから経費節減を迫られ、実際、オーナーはビル建設で娘婿以上の上前をはねているという背景があり複雑だ。設計者ダグは、設計責任者でありながら数週間も旅行に出ていた。火災が発生してからスプリンクラーが動作しないとか、廃棄セメントで非常扉が開かないことを発見しても遅いのである。それでも彼は八面六臂の活躍で、人々の救助にあたる。その中には彼の恋人もいる。消防隊長は給水塔の爆破を命じられるが、戻る手段のない危険な任務だ。男らしく唯々諾々と従うが、胸底では自分の運命を呪ったことだろう。火災が次々と延焼拡大し、それに従って救出手段が変るところが事新しい。内部エレベーター、展望エレベーター、屋上に救助ヘリ、隣のビルへワイヤーで吊るす救命籠、ヘリでエレベーターを吊り下げる。極めつけは給水塔の爆破による鎮火だ。よく思い付いたものと思う。この奇抜な着想がこの作品に命を吹き込んでいる。数分間に渡る爆発散水場面は圧巻である。火災原因が手抜き工事という人災という点が怖ろしい。対岸の火事ではなく、身近な問題として感じられるのだ。この点が、今日でもこの作品が新鮮さを失わない要因だろう。「今日は二百人の死者で幸運だった。いつか一万人以上の死者が出るだろう」の言葉には現実味がある。色褪せることのない傑作だ。文化の違いを感じたのは、事務所に寝台があり、情事を楽しんでいる点。違和感があるのは、女性が椅子で窓硝子を叩き割るところ。
よしのぶさん [映画館(字幕)] 10点(2015-01-13 23:01:21)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2015-02-198レビュー6.62点
2015-02-16死霊の盆踊り3レビュー0.76点
2015-02-11ゼロ・グラビティ9レビュー7.63点
2015-02-09パシフィック・リム10レビュー6.88点
2015-02-08エベレスト 若きクライマーの挑戦<TVM>5レビュー4.80点
2015-02-0717歳のカルテ7レビュー6.99点
2015-02-07噂の女7レビュー7.30点
2015-02-06華麗なる激情7レビュー6.00点
2015-02-06影の車6レビュー7.00点
2015-02-05第9地区8レビュー7.07点
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