ヒトラー 最期の12日間 の わいえす さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ヒ行
 > ヒトラー 最期の12日間
 > わいえすさんのレビュー
ヒトラー 最期の12日間 の わいえす さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ヒトラー 最期の12日間
製作国,,オーストリア
上映時間155分
劇場公開日 2005-07-09
ジャンルドラマ,戦争もの,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 最初お客さんは、年配の方々か軍事オタクの男性ばかりと思っていたが、意外にも女性の方が多かった。あいにくと立ち見ではあったが、最後にはそんなことも忘れるほど熱中していた。物語は主に官邸の地下壕とベルリンの市街戦を交互に描きながら進む。ヒトラーはじわじわと正気を失い、ゲーリングやヒムラーはいつの間にか姿を消し、ヒトラーの隣の部屋で将官たちは酔いつぶれ、ある将軍は手榴弾で一家心中し、市内ではヒトラーユーゲントの少年たちが徹底抗戦を叫び、SSが処刑と称して市民を虐殺し、最前線は死体の山で、手術ができないためのこぎりで手足をぎこぎこし・・・ともう滅茶苦茶である。ヒトラーの妄言と彼をどうにもできない将軍たちの姿はほとんど喜劇に近い。ヒトラーの姿はあわれな老人という印象である。しかしその一方でベルリンの市街戦は凄惨を極め、誰も止めることができない。ヒトラーやゲッペルスは、市民の犠牲に対して「しょうがない」「死ぬのは若者の義務だ」と切り捨てる。考えさせられることが山ほどあると同時に、終末のカタストロフに快感を感じないでもない(私だけか?)。しかもナチの制服がかっこよい(不謹慎か?)。結局ヒトラーは自殺する。ヒトラーが死んだ途端、将兵たちがみな煙草を吸い出すシーンには笑った。そしてゲッペルスは一家心中。これがまた悲惨の一言だ。主役の女性秘書はユダヤ人虐殺について「ニュルンベルクで初めて聞いた」と証言している。「人間ヒトラー」とともにこの点も本作に対する非難の一因であろう。作家のデヴィッド・アービングを始めとする極右の人々の一部は、ヒトラーはユダヤ人虐殺を知らなかったと主張している。真偽はともかくとして、感情論を越えた、冷静かつ客観的な分析はやはり必要であろう。非難があることもふまえて、現代人は観た方がいい作品だと思う。
わいえすさん [映画館(字幕)] 10点(2005-08-12 00:54:28)
わいえす さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-06-13友罪7レビュー5.90点
2017-01-12マネー・ショート 華麗なる大逆転10レビュー6.25点
2017-01-12スポットライト 世紀のスクープ10レビュー6.80点
2017-01-12裏切りのサーカス10レビュー6.21点
2010-05-16イーグル・アイ7レビュー5.75点
2010-05-16マイレージ、マイライフ9レビュー6.69点
2010-05-16ヒトラーの贋札9レビュー6.95点
2010-04-109デイズ7レビュー5.22点
2010-04-10インビクタス/負けざる者たち8レビュー7.08点
2010-03-07キャピタリズム~マネーは踊る~9レビュー6.22点
ヒトラー 最期の12日間のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS