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《ネタバレ》 あちらの戯曲ものってのは、あんまり失敗がないな。セリフが練れてる。孤独というより、なんとはないモノ寂しさを感じる四十代。ビデオに逃げ込む心の固さ。一人になるのが怖いけど、一人になれないのも怖い、っていう都会の時代に、四十代のロマンスを構築してみせる。アル・パチーノとミシェル・ファイファーってんで、もう少し神経質なタッチかと思ったけど、暖か味がある(舞台ではキャシー・ベイツだったそう)。個性を出すのに、鼻の下を擦ったり、ビンのふたを開ける専門家にしたり、印象的なポイントを作ってある。怖い街ニューヨークが背景にあり、ラスト近くで分かるんだけど、それを別の角度から、路上の死体のマークの頭のところにコインを投げ入れる遊びのスケッチなんかもあるのがいい。店の仲間うちの雰囲気の味なんかいかにも舞台的なんだけど、パチーノが現われるシーンの長回しは映画ならではの楽しみ。花屋の前の二人の会話で声が聞こえなくなり…のシーンは、もし映像だけの仕掛けだったら、ちょっとわざとらしく感じたかもしれないが、声が消されるステップを踏んでるのがいいんだな。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-20 09:59:16)
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