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タイトル名 バイオハザード: ザ・ファイナル
レビュワー ザ・チャンバラさん
点数 2点
投稿日時 2016-12-24 13:29:08
変更日時 2016-12-24 13:29:08
レビュー内容
シリーズ最低作。そもそもポテンシャルの高いシリーズではありませんが、そんなシリーズ中でも一際酷い出来だったと思います。
行き詰れば方向転換をすることがこのシリーズの悪癖ですが、「ホワイトハウスで最終決戦だ!」という『Ⅴ』のクライマックスをほぼなかったことにした今回の裏切りはさすがにあんまりだと思いました。例えば『ターミネーター』シリーズのように新作が出る度に製作者が総入れ替えされ、毎回リブートのような形で製作されているのならまだしも、第一作以来ほぼ同じメンバーで最終作までやってきたのに、これほどまでに内容が安定しないシリーズというのも珍しいと思います。
また、平気でチートを出したり、前回倒したのはクローンでしたと言ってアッサリと故人を復活させることも本シリーズの悪癖であり、ご都合主義の乱れ打ちですっかり安っぽくなってしまった本作には、もはやスリルも興奮も宿っていません。どれだけ大掛かりな見せ場があっても、どんなピンチに立たされても、観ている側は「はいはい、また生き延びるか、死んでも復活するかでしょ」としか思えないのです。今回は『Ⅲ』で退治したはずのアイザックス博士が復活。わざわざ復活させるほどの人気キャラだったとも思えないのですが、これを演じるイアン・グレンがテレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』にて知名度と人気を獲得したことから、今回はすべてを仕組んだラスボスとして超絶ランクアップ。『Ⅱ』『Ⅲ』の時にはウェスカーの指示に従う中間管理職だったはずなのに、今回はウェスカーを顎で使っているし、しかもその逆転現象に対する説明もなし。シリーズをまともに観てきた客をバカにしているとしか思えません。
シリーズ中の一貫した謎だったアンブレラ社の目的が今回ようやく明かされるのですが、その内容もかなりの拍子抜け。このままでは人類が行き詰るから、アンブレラ社の上層部だけを残して他の余分な連中を皆殺しにしようということで人為的にバイオハザードを引き起こしたとのことですが、権力者が権力者で居られるのはその他大勢が居てくれるおかげであって、権力者だけが生き延びても新世界は成り立たないでしょ。一度滅んだ後の世界で、アイザックス博士やウェスカーが農業やったり建物を作ったりしている様を思い浮かべると笑いそうになりました。
話はメタメタでも3D技術にだけは力を入れており、3D上映が一般化した当初からハイレベルな3D映像を提供してきたことが本シリーズの数少ない良さでしたが、今回はその点もダメになっています。『Ⅳ』『Ⅴ』ではジェームズ・キャメロンの指示に従ってフュージョン・カメラシステムを使い、『アバター』と同等の3D映像を作ってきたものの、今回は普通のカメラで撮った映像を後付けで3Dに変換するという手抜き仕様にランクダウン。その結果、3D映画としての魅力も失っています。それどころか、暗い場面ばかりで3Dメガネが邪魔にしかなっておらず、これほど酷い3D映画は『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』以来でした。
日本ではさんざん宣伝されているローラの扱いも酷いものでした。とりわけ日本での興行成績が良いシリーズだけに、日本の観客にアピールすることが目的のキャスティングであることは事前に分かっていましたが、グループの一員としてたまに見切れているだけで、まともなセリフもないまま真っ先に死ぬという扱いは、もう少し何とかならんもんかと思いました。
人気ゲームだけに、普段映画館には来ないような中高生の観客も多く見掛けましたが、そもそも映画として面白くない、3Dなど家庭では味わえないような映画館ならではの醍醐味の訴求力が弱い、あれだけ宣伝されていたローラがほぼエキストラ扱いというガッカリ仕様では、彼らはさらに映画館に来なくなるのではないかと心配になりました。



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