レッド・ドラゴン(2002) の たきたて さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > レ行
 > レッド・ドラゴン(2002)
 > たきたてさんのレビュー
レッド・ドラゴン(2002) の たきたて さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 レッド・ドラゴン(2002)
製作国,
上映時間125分
劇場公開日 2003-02-08
ジャンルホラー,サスペンス,シリーズもの,犯罪もの,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》  『レクター博士が鉄格子の中からプロファイリングをし、推理する。』このスタイルが、やはりこのシリーズ一番のウリなのかもしれません。手負いの獣が危険であるように、鎖でつながれているほうが、レクター博士の狂気が滲み出るような気がします。
 ですが、本題は、悲しき殺人鬼ミスターDの物語。
 彼の犯した罪に同情の余地はありません。ですが彼の生い立ちは同情を誘うものです。
 鑑賞者の心の琴線に触れるバランス感覚が絶妙な脚本。いえ、これは原作があるわけですから、原作が素晴らしいのでしょう。
 リーバ・マクレーンという女性とのエピソードを通し、ダラハイドの善良性を前面に押し出す描き方は最早卑怯な感じすらします。
 観客はいつの間にかダラハイドに感情移入します。そしてその一方で、いつ彼が暴走するのか、不安な気持ちがいつもつきまといます。
 もともと人の心の闇を描くサイコスリラーが好きなので、好きなジャンルをこの完成度で仕上げられると、ため息しか出ません。
 ただ一つ注文をつけるならば、犯行動機についてです。『幼き頃の虐待』という抽象的で曖昧な表現にとどめてしまっています。
 標的となる家族の選び方の基準も、『自分の会社にビデオ製作を頼んだから』というだけのもの。
 そうではなく、なぜあの二家族が標的にされたのか、それこそがこの作品で一番知りたかったことです。肝心の部分を描いてくれていません。ダラハイドの生い立ちと、彼が狂気に走った理由を、もっと明確に結びつけてほしいのです。
 ラストは、ダラハイドがサプライズを仕掛けます。
 エンターテイメントとしは成功でしょう。映画としては間違いなく盛り上がります。
 ですが作品の格はどうでしょうか。
 ラストの仕掛けによって、よくある娯楽サスペンスに成り下がってはいませんか。
 ダラハイドが愛する女性を殺せずに、自殺して終わる。
 美しく悲しくやるせないラストとして相応しいと思ったんですけどね。
たきたてさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-06-26 17:46:59)(良:3票)
たきたて さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-29グランド・イリュージョン 見破られたトリック7レビュー5.50点
2024-03-24ピーターラビット4レビュー5.93点
2024-03-21百瀬、こっちを向いて。5レビュー5.64点
2024-03-18鑑定士と顔のない依頼人3レビュー6.79点
2024-03-17パージ:アナーキー7レビュー6.06点
2024-03-16グランド・イリュージョン7レビュー5.68点
2024-03-16アラジン(2019)8レビュー7.24点
2024-03-11ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館6レビュー5.82点
2024-03-11百円の恋6レビュー7.32点
2024-03-11ミスエデュケーション3レビュー5.00点
レッド・ドラゴン(2002)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS