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【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 “The Visit”『滞在』
夜中に吐きながら歩き回るお婆さん。『夜9:30を過ぎたら大人しく寝なきゃダメ!』なんて前フリが活きているから、次の晩はどんな怖いものを観せてくれるんだろう?なんて期待してしまうし、その期待にしっかり応えてくれたお婆さん…じゃなくて映画でした。
床下の鬼ごっこ。初見時は怖さ満点だったけど、何回か観ていると、とてもお茶目なイタズラ好きのお婆さんに観えてきます。ほのぼのした次の瞬間に驚きを残すの、巧いよなぁ。老婆+お尻丸出しなんて組み合わせ、凡人には思い付かない、シャマランの持ち味全開に思えました。
シャマラン作品らしく後半に仕掛けがありますが、本作はこの仕掛けから逆算して組み立てられた作品のように思います。このネット社会で、お互い顔も知らない状況にしていますが、結構自然だったと思います。パソコンのカメラは壊しても、ビデオ撮影はOKだから、気が付きにくい風にしています。仕掛けが解っている2回目も(仮に途中で仕掛けに気が付いても)、それはそれで観方が変わって楽しめました。
祖父母と孫の初めての交流。日中の穏やかな時間が、観方を変えると、孫たちをもてなそうと精一杯頑張る祖父母に観えて健気です。日中にも徐々に顔を出してしまう異常行動。祖母は本当の娘をシンモフィテリア星に送ってしまった=カバンに詰めて井戸に沈めて溺死させているので、正常なときに娘のことを聞かれると壊れます。ベッカはその反応を15年前の母への気持ちと勘違いしてます。それでも、何とか一週間、良い祖父母を演じようとしています。孫たちも、徐々に異常に気がついていても、出されたご飯やお菓子をペロリと食べてるのが可愛い。
この老夫婦の目的は、4人でシンモフィテリアに行く(井戸で心中する)ことのようです。そのため、祖父母は地下に隠していたけど、ステイシー(訪ねてきた知り合いの女性)はブラブラさせていたんですね。
孫たちと心温まる完璧な一週間を過ごしたのは、正常時の妻クレアのトラウマを克服させるためだったんでしょう。
登場人物全員がトラウマを抱えているようです。祖父にしても、恐らく工場で白いものが見えてクビになって仮装パーティに行けなかったとかでしょうか?
終盤に姉弟が自分の力でトラウマを克服するのも一本の映画として上手いと思います。映画の最後にあれほど悩んでいた父の映像を入れ、更に賛否両論(?)の『弟が ぜひにと言うので』がサイコーでした。鏡を見てメイクできるベッカと、おむつの汚さと死の恐怖を歌えるタイラー。結論として弟くんカワイイ。
もう監督=M・ナイト・シャマランというだけで、ある意味見る前から“最後にオチがある”ってネタバレしています。そんなレッテルを貼られているので、観る前からオチを見破ろうと予想しながら観るし、そのオチが期待以上だったか以下かで、評価されている部分が強いのかなと思います。
でも、本作の老婆の裂けたズボンとか、想像したこともない映像を観せてくれて、原作ものやリメイクものが多い中、オリジナル作品で勝負していて、近年どんどん長くなっている上映時間も短くスパッとまとめられる。作品にムラはありますが、もっと評価されて良い監督だと思います。なので点数ちょっと甘め。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-08-31 16:11:40)
3.《ネタバレ》 シャマラン監督ということでオチの部分はすぐ予想できるものの、現代で問題になっている認知症をミスリードとして扱う斬新な設定、恐怖や嫌悪感を煽る描写が優れているため非常に楽しめました。オムツはマジエグいっす 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-15 02:28:10)
2.とても奇妙な映画だった。
「微妙」と「絶妙」の狭間に存在する一線をひたすらに渡らされるような、とても意地悪な映画だったとも言える。
渡りきったその先でしばし立ち尽くしつつ、「ああ、シャマラン映画ってこういうのだったな」と思い出す。
果たして、僕はこの映画が面白かったのか、つまらなかったのか。
それすらも釈然としないまま、寝床に入り、ふと昔を思い出した。
幼いころ、妹と一緒に母方の祖父母の家によく泊まりに行った。
こう言うと、母は気を悪くするだろうが、今思い返してみると、その祖父母の家はとても粗末で随分と古かった。
頻繁に泊まりに行っていたが、それは自分たちが望んで行っていたのか、母の何かしらの都合であずけられていたのか、いまいちよく思い出せない。
小さな家だったが、幼い僕にとっては何だか踏み込みづらい領域がいくつかあって、好奇心と一抹の恐怖感を同時に感じていた記憶がある。
居間の奥の部屋はいつも戸が閉まっていて禁断区域のような雰囲気があった。
祖父が陣取る座椅子の後ろのふすまの中には戦艦のプラモデルが隠してあった。
寝室は古いマットレスが部屋いっぱいに敷かれていて窓がなく一日中暗かった。
トイレは汲み取り式でしょっちゅう腹痛になる僕には殊更苦痛だった。
祖父母は優しくて、好きだった。
たぶん、当時は自分たちが率先して泊まりに行っていたのだろう。
けれど、今記憶に残るあの家に一晩泊まれるかというと、正直きつい。
この映画は、奇怪な言動を見せる祖父母の家に迷い込んだ“ヘンゼルとグレーテル”の一週間を恐怖感たっぷりに描き出しているけれど、真に伝えたい事は彼らの恐怖体験そのものではなくて、姉と弟それぞれが抱えた記憶と精神との葛藤だった。
白く暗い雪の中で織りなされる不安と恐怖の連続。
こうなのかな?と想像した展開が、この監督独特の意地悪なミスリードによってはぐらかされていく。
そして、本当に対面しなければならない事象に知らず知らずのうちに導かれていくのだった。
結局のところ、面白い映画だったのかどうか、よくわからない。
ただし、独特の毒々しい味わいがじわりじわりと脳裏に染み渡ってくる。
作品としての好き嫌いは別にして、M・ナイト・シャマランの映画はこうでないと。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-04-30 00:42:05)(良:1票)
1.《ネタバレ》 上映館が全国で20も無いというのは現状のシャマランの評価なんだろうか。まあそのおかげで予告編も観ずにすんだし、どんな話なのかも知らず「シャマランの新作だから」というだけで遠くの劇場まで行ってきましたが、フラットな状態で観るコトが出来たので正解だったのかもしれないな。今回は原点回帰的なスリラーでまさか今さらPOVを使ってくるとは思いませんでしたが、相変わらず何かあると思わせたり不穏な空気を感じさせる演出が巧い。終始緊張感が漂うものの合間に適度なコメディ要素も入れているので緩急が効いている。シンプルかつ低予算ながら、ここまで嫌な空気を作り出しているのはシャマランの力量によるモノでしょうね。 姉弟に奇行を指摘されても「病気なんだ」「年だから」などとお互いを説明する老夫婦、子供の訴えを聞いても恋人とのバカンスで浮かれていて「元ヒッピーだから」などと真剣に聞き入れない母親、どんどん悪化してくる奇行に不安な空気はますます濃くなる一方、さて兄弟の運命は。 まあ私なら深夜に老婆がマーライオンばりに盛大に吹きながら歩き回ってたり、裸になって壁で爪とぎしてるトコを見たら速攻で逃げますね。いろいろと辛抱強く信念のある姉弟でしたが、潔癖症の弟が食らったアレは振りが効いてただけにキツイ一発でした。数々の恐怖を乗り越えたコトで兄弟はトラウマも払拭することが出来たし、シャマランも久々のヒットらしいし、私も遠くまで来た甲斐があったしでみんなハッピーになれて良かったです。まあでも高齢化社会を迎えた日本ではあの老夫婦の奇行が身につまされた人も多そうですね。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-10-30 20:36:12)
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【点数情報】
Review人数 |
38人 |
平均点数 |
6.03点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 1 | 2.63% |
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2 | 2 | 5.26% |
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3 | 1 | 2.63% |
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4 | 2 | 5.26% |
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5 | 7 | 18.42% |
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6 | 6 | 15.79% |
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7 | 13 | 34.21% |
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8 | 4 | 10.53% |
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9 | 1 | 2.63% |
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10 | 1 | 2.63% |
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【その他点数情報】
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