みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 是枝裕和の『怪物』は3部構成。ひとつのプロットを3つの視点により描いている。 1つ目の母親の視点では、保利がとことん歪んでいる。 2つ目の保利の視点では、湊が歪む。 3つ目の湊の視点で、歪むのは誰か? 羅生門形式。そもそも、映画とは他者の視線から見られた世界の風景。世界を捉えようと思ったら、その世界なるものを多くの視点で囲んでいくしかない。それは視線の「反復性」と呼ばれる。 視点によって人物像が違っているのは、主観による視点であるから。それが怪物を生む。湊の視点は不安定で、「それ」が歪んで見えかけるのだけど、自分がどうしようもなくなり、それを受け入れる。そのキッカケが校長のいるところ。結局、怪物を断つ回路は、言葉(世界)ではないところ「非言語性」にあったのだなと。 すべての物語は本来、謎解きである。でもそれは容易には解かれない。だから謎は宙吊りとなり、観ている人の身体の中に「内面化」され、その人のものになる。 「反復性」「非言語性」「内面化」 『怪物』を傑作たらしめているターム。私ならこの3つを挙げる。 「なぜ性的マイノリティを描きながら不可視化したのか?」 それは、映画がその「気付き」こそを描きたかったから。ある人は、最後に二人が死んで違う世界で生き返ったとし、現世の死を以て、制裁が再生産されたと言う。これを「君と世界の戦い」(カフカの『君と世界の戦いでは、世界に支援せよ』)として単純化すれば、ある人は、「君が世界となるべきだ」と見做し、映画は「君は君であるべきだ」として映す。 私は、映画が文芸であるとすれば、映画は「君は君であるべきだ」ということこそ捨ててはいけないと思う。それが優先されなければ、君が世界になる、その世界を描くことだけに過ぎなくなるから。監督は、性的マイノリティーの世界ではなく、「君」を描きたかった。その決意を『怪物』から強く感じる。 彼ら二人は何処に生き返ったのか?ビッグクランチは時間の逆行。実は死んだのは飽和した世界の方だった、というのが私の解釈である。 【onomichi】さん [映画館(邦画)] 9点(2024-06-19 00:33:19) 2.《ネタバレ》 いやぁ... 久々に見終わりに唸ってしまった。 まさに「怪物だーれだ?」ですわ。 いろんなタイプの怪物総出演。 誰もが誰かからすると怪物なんだろな。 星川くんのポジティブ風味がいたいけで。 主演二人が本当に名演でした。 是枝監督は子供演出が見事ですよね。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2024-05-26 21:03:08) 1.《ネタバレ》 さすがというしかない。小説でたとえるなら東野圭吾や奥田英朗のそれ。引き込む力がすごいんだ◾️思春期以前のころのグラグラ感。二人の気持ちを決して他の人に知られないためのウソ。木田さん(女子)には、どうやらバレている(たぶん、雑巾のパス)。◾️本作は二人が事故に遭って宇宙の終焉(ビッグクランチ)を迎えて然るべき映画じゃないかな。すみません、人でなしで。【追記】皆さんのレビューを見て、そうですよねと納得。本作は、あくまでも救いのない悲しいお話です。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2024-03-17 19:24:32)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS