みんなのシネマレビュー

雪に願うこと

What the Snow Brings
2005年【日】 上映時間:112分
ドラマ動物もの小説の映画化
[ユキニネガウコト]
新規登録(2006-04-27)【くらけん】さん
タイトル情報更新(2024-08-27)【イニシャルK】さん
公開開始日(2006-04-08)


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監督根岸吉太郎
キャスト伊勢谷友介(男優)矢崎学
佐藤浩市(男優)矢崎威夫
小泉今日子(女優)田中晴子
吹石一恵(女優)首藤牧恵
香川照之(男優)小笠原
小澤征悦(男優)須藤
椎名桔平(男優)黒川(獣医)
津川雅彦(男優)加藤テツヲ
でんでん(男優)大関
山本浩司(俳優)(男優)富永
出口哲也(男優)藤巻保
草笛光子(女優)矢崎静子
山崎努(男優)丹波
脚本加藤正人
音楽佐々木次彦(音楽プロデューサー)
撮影町田博
製作ビターズ・エンド(製作プロダクション)
プロデューサー甲斐真樹(エグゼクティブプロデューサー)
配給ビターズ・エンド
美術小川富美夫
衣装小川久美子(衣装デザイン)
編集川島章正
録音小野寺修
照明木村太朗
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8.《ネタバレ》 いまや世界中でも、帯広でしか行われていないばんえい競馬。それを支える人たちの人間ドラマを丁寧に描いていて面白かったです。実際、普通の競馬と違って、途中で止まるし、鼻先ではなくてそりがゴールラインを超えないとレースが終わらないので、現地で見ていても結果がよくわからなかったりして、かなり独特なのですが、そういうことも描かれているので、ばんえい競馬に興味がある方にはお勧めです。 また、幻の橋であるタウシュべツ橋梁(帯広からは1時間以上かかりますが)も見ることができます。 TMさん [DVD(邦画)] 8点(2018-05-13 00:30:48)

7.《ネタバレ》  佐藤浩市と伊勢谷友介が演じる歳の離れた兄弟についてだけ書く。二人の演じる兄弟には味があった。  「母ちゃんは、歳を取ってから生まれたお前ばかりかわいがった」と思っている兄は、13年間音沙汰なしで、東京から逃げ帰ってきた弟に不満だ。弟の言い分は、「俺だって必死にやってきた!」だ。「俺や母ちゃんを捨ててか!」「そうだよ!」 で、「馬鹿たれが!!」と顔に一撃を食らって、弟はもんどり打って腰掛けから落ちる。(ここのひっくり返り方は見事だ。)弟の言った「そうだよ」は「それほど自分は必死だった」の意味だろうが、兄からすれば“肯定してはならないこと”だった。こんな風にこの二人は、およそ、言葉では意思疎通の不可能な二人なのだ。  しかし、兄は頑固だが、弟を憎んでいるわけではない。弟は頑なだが、どこかで兄になついている。ウンリュウをレースに出すと発表した食卓で、「学、テツヲ、ウンリュウを頼んだぞ。」と言われて、テツヲと見交わした後、兄を見る弟の目の柔らかさ。認められたうれしさがこぼれる。兄は弟の方を一度も見ないけど、それでイイのだ。  晴子との結婚を弟が勧めるシーンでは、「お前、人のことに口出せる身分か? かかあに逃げられたくせによ!」と言われて、「そうだった。そうだった!!」と言って立ち去る、その2回目の声を高くする伊勢谷の言い方が、なぜだか楽しい。こうやって13年間のブランクを埋めていく…。論理で話し合うのではなく…。 TAMAKISTさん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-21 03:22:16)

6.《ネタバレ》 田舎を捨て都会で一旗上げようとした弟と、田舎で地道に馬の調教しつつ地味な生活をする兄。都会で失敗し田舎に舞い戻ってくる弟をさりげなく迎え入れ、馬を通して信頼感を復活させていくところは心が暖かくなりました。お母さんのシーンはせつなくなりましたが、早朝に体から湯気が出る馬とか思い出の橋のたもととか、綺麗な景色が映画によく反映してたと思いました(*^_^*) うさぎ大福さん [DVD(邦画)] 8点(2007-04-23 16:56:53)

5.“職人監督が丁寧に撮った”という言葉がぴったりな作品です。役者も演出も撮影も派手さは無いけれど、手堅く、じわりと胸を打ちます。邦画バブルな現在、こういう良作がどんどん増えていくと嬉しいですね。 キタシンさん [DVD(邦画)] 8点(2007-03-14 01:44:35)

4.故郷を捨ててまで都会へと向かったものの、仕事の行き詰まりから挫折を味わい、やがて人生に絶望した挙句、追われるように舞い戻ってくる。その故郷の暗く凍てつくような環境は、都会となんら変わる事のない厳しい現実そのものであり、寒さが殊のほか身に凍みる。人生に失敗した者だけが味わう遣る瀬無さを、凍えるような土地柄に否応なく滲ませる。地方競馬が舞台である事により、その雑然とした殺風景な佇まいは、夕暮れに鈍く光る泥濘の寒々しさで増幅され、故郷の風当たりの厳しさを痛感する男の心象風景と重なり合う。この序段の描写が圧倒的に素晴らしい。ここ帯広にも不況の影は色濃く、ばんえい競馬存続そのものが困難な状況でありながら、必死で家業である厩舎経営を守ろうとする兄。しかし、彼とて目標が定まらず迷い続けている自分の人生を、思わず吐露するシーンは、誰しもが経験する焦燥感を言い表しつつ、奔放な生き方をしてきた弟を羨んでいる事をも感じさせる。弟を許せず辛く当たるのも、鬱積した気持ちの捌け口としての行為であり、単なる恨み辛みだけではないのである。一方、反撥しながらも兄に頼らざるを得ない肩身に狭さを感じている弟。そのあたりの心の揺らぎというものを、佐藤浩市と伊勢谷友介が共に抑揚のある見事な演技を披露する。そんな荒んだ心を癒してくれるのは旧知の友であり、仲間であり、暖かく包み込んでくれるのは故郷そのものである。そっと心の支えになってくれる人がいればこそ、生きる希望も湧いてくるというものだ。凝ったカメラワークもドラマチックな展開もなく、映画は彼らの何気ない日常を点描していく。そして、人生の機微に触れたしみじみとした味わいと、その情景描写のさり気なさは、いかにも土の匂いがする極めて日本的な風土から生み出されたものだと改めて実感できる。坂を懸命に駆け上がろうとする馬の姿は、いかにも絵になる本作を象徴するシーンだが、逆境をバネに、その力強さを自らの再生として夢を託すという意味では、同じようなテーマを扱いながら「シービスケット」とは趣が異なり、あくまでも人間のドラマに力点が置かれ、その表現力の泥臭ささは、どこまでも日本映画的だと言える。 ドラえもんさん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-21 17:20:15)

3.《ネタバレ》 朝日をバックにした輓馬の調教、寒さに白き吐息や美しきシルエットなど詩情的なショットを超えて、この映画は骨太に感じる。都会で疲れた男が田舎で癒されるといった生易しい図式ではなく、真剣に勝負に生きる人間の剣の鋭さを突きつける。佐藤浩市の殴る蹴るの暴力、女性にも容赦のない暴力、山崎努が差し出す札束。“勝ち負けにこだわる無意味”の無意味を叩きつける。そして、そこで生きる人間にのみ真の“願い”が許される。佐藤浩市の神棚への力強き2拍手。ラストの雪球こそが伊勢谷の成長、到達点・・・もはやウンリュウのレース結果は彼には必要なかった。 彦馬さん [映画館(邦画)] 8点(2006-06-05 13:02:19)

2.もしこれが普通の競馬場を舞台にしていたら、これほど素晴らしい映画にならなかっただろう。なぜならサラブレットはそれ自体、すでに選ばれた存在だから。ここでは輓馬という力だけが自慢の、不恰好な馬たちによる必死な競馬を背景にしているからこそ、主人公と1頭の馬が再び立ち上がろうとするその気持ちを強く感じることができた。だれでも、何度でも、立ち上がることができる。最後のレースに訪れる静かな感動に、久々に映画館で涙した。 ぽん太さん [映画館(邦画)] 8点(2006-05-24 22:58:24)

1.《ネタバレ》 佐藤浩市かっこよかったなあ。年々父譲りの存在感が出てきて本当にいい男ななってきた。道産子の私にとって、どこか見慣れた懐かしい風景の中で、都会で挫折して田舎に戻ってきた弟を中心に展開していく話は地味ではあるが、力強く優しい。不恰好な道産子馬が自分の馬体重以上の錘を背負って坂を上っていくばんえい競馬という競技に、心に傷を持つ登場人物たちの想いが重なって感動が倍加していった。馬の息遣いまで聞こえてきそうな映像も迫力十分だった。こういう良心的な映画がグランプリという東京国際映画祭の懐の深さを感じる。 くらけんさん [映画館(邦画)] 8点(2006-04-30 17:43:18)

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【点数情報】

Review人数 20人
平均点数 6.75点
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6420.00% line
7525.00% line
8840.00% line
900.00% line
1000.00% line

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