みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
1.雄大な山肌を背にした一本道を荷車が往くファーストショットから素晴らしすぎる。 灌木が疎らに散らばる平原。あたかも演出されたかのような雲の表情。それはいかにも北米西部の荒野の風情だ。函館方向と大沼方向を示す道標から、背後の山が北海道大沼の駒ケ岳とわかる。 続いて函館山から俯瞰した市街、その夜景、そして歓楽街の街路へと画面は移り、バーの店内ではアメリカ人らしき船員らが揉めている。そのバーの長いカウンターテーブルの美術がまた彼国風でいい。 そこへ至る一連の流れも鮮やかだ。 映画は港の倉庫街、連絡船乗り場、湾内の堤防、函館独特の坂道などを奥深いパースを用いながらシネスコ画面を目一杯使って的確にフレーミングしてみせる。 とりわけ、序盤で通りがかりの子供のために風船を買ってやる小林旭の、橋を使った縦構図のロングショットなどは絶品だ。 洋上の船の荒々しいローリングも素晴らしく、ロケーションの魅力が全編に亘って存分に詰まっている。 その揺れる船上で対決する小林旭と宍戸錠も相当なタフであり、殴り合い主体の擬斗シーンもカットを割ることなく、持続的なアクションを当人が見事にこなしている。 ビリヤード台を挟んだ二人の、因縁の対決の瞬発性。 主人公の過去を数ショットに留め、多くを語らない経済性。 シンプルな物語を効率よく語りながら、主題歌のメロディを明確に印象付けてしまう洗練された技能。 それらが、充実しながら無駄のない77分を創り出している。 【ユーカラ】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-02-26 22:01:17)
【点数情報】
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