みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
9.《ネタバレ》 冒頭アバン部分はなかなかインパクトがあっていいと思います。ですが、展開の節目になる出来事のリアリティの無さが目立ち、その点は、作者の開き直りすら感じます。ダークな世界を描くのに、ツッコミどころが多いというのは、やはり今ひとつ引き込まれないです。そういった、かなり無茶な展開に加えて、使い古された設定も目立ってきますが、そこそこ、最後まで楽しめるのは、作り手の手慣れた手腕もあるのでしょうが、やはり、佐藤寛子氏のお陰なのでしょうか。氏の「たわわ」な感じが功を奏したのでしょうか。氏のことは初めて尻ましたが、今後は注目したいと思います。作品の暗い世界観と、劇場のロケーションは、なかなかあっていたように思います。 【camuson】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-06-25 17:22:24) 8.《ネタバレ》 最後まで観ると、基本的には前作の構造・設定を大枠で踏襲しながら、様々な要素をドギツくした、という感じですかね。とは言え、ド初っ端からの凄惨なシーンにはグロ映画マニアな私でもかなりギョッとさせられましたケド(特に大竹しのぶは他作品のイメージも多分にあるのですけど、ああもあっけらかんと楽しそうに残虐されちゃうと、観てるコッチがちょっと何か不安にすらなってくる、と言いますか)。 個人的に前作の評価を下回ったのには、幾つかの理由があります。一つ目は、前作の少し繊細な雰囲気(頽廃・厭世と言いますか)が、諸々をドギツくした今作ではちょっと損なわれてしまっていた様に思える点ですね。特に気になったのが、序盤~中盤明らかに竹中直人に喋らせ過ぎなコトです。これ見よがしな独り言は状況説明には必要なのかも知れませんが、正直ちょっとダサく感じました。もう一つ、エロもレベルアップしているのですが、これが陰毛全開で結局ボカシも全開なのですよ。この手の映画でコッチは別に下の毛なんて見たいと思ってはいないのです。ソコは構図を工夫してボカシが入らない様にするのがプロの技ではないでしょーか(ボカシが入らないバージョンというのがあるのでしょーかね?)。 ラスト付近の石切り場のシーンは、諸々素晴らしかったですね(極上のロケーションですね)。随所で私が前作で好きだと思ったさり気ない雰囲気のシーンもあり、続編を観れた喜びは確実にあったのですが、重ねて私は前作の方が好みです。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-06-03 01:14:48) 7.《ネタバレ》 漫画家でもある石井隆監督の最高傑作だと思う。 そして竹中直人の魅力をここまで引き出した作品もこれが最高! 俳優は名が売れてくると、探偵役か刑事役のシリーズものを背負うのだが、 竹中の場合、代行屋だった。 前作も切なかったが、本作の方が竹中の味が思う存分引き出せてたと思う。 クライマックスで薄幸の女性、レイの怒りの最期を見届けたのが、 代行屋の竹中だった。 石切り場でのアクションは、哀しさすら感じさせる名場面である。 もう最後はエロスを超えて、宗教画の世界である。 代行屋の再生に女刑事の手弁当と猫だったというのが、なんと優しい。 (石井さんの作品には「ナミ」が出てくるのが多いが、本作にもチラリと名前が出ているのが嬉しかった) 【トント】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-12-26 19:25:52) 6.《ネタバレ》 確かにエロさの面でも圧倒されるのですが(笑)、エロさ以上に、映画の中で展開される世界に圧倒される作品でした。 冒頭からいきなり凄惨な場面が登場し、もう先が思いやられるわい、トホホ、ってなもんですが、一方で登場するのは竹中直人演じる冴えない中年男の「何でも屋」。滑稽でもあり哀愁も漂わせていて好対照、さてこの2つの世界がどう交わっていくのか、と。 竹中直人は芸達者だから、一見冴えない・でも時に勘が鋭く・結局は自らの誠実さに負けていく男を熱演しているし、大竹しのぶも芸達者だから、壊れかけのオバチャンを熱演しているし、井上晴美はこれはもう持って生まれた意地の悪さがそのまんま出た適役(知らんけど多分そんな気がする)。そんな中で、佐藤寛子だけは、ニュートラルな、映画の中でどんな色にも染まりうる存在となっています。 いや、ニュートラルというのは違うかな。彼女は作中でこれでもかと脱ぎまくってますが、シャワー、主人公の妄想、事務所の夜、ラストの廃坑、4回あるハダカのそれぞれが、映画の節目になっているとともに、彼女の多面性を象徴する場面にもなっています。彼女は、誰よりも同情されるべき存在なのか、それとも3人の女の中でも飛び切りのワルなのか。最初の2つのハダカはそれぞれに対応しているようであり、3つ目の一番エロい(笑)場面は、彼女の二面性、いや存在の二重性をそのまま表している(だからこそ、この緊張感)。で、ラストで彼女は自らを一体化させようとし、しかしもはや、分裂していくしかない。おお、まさにエロの起承転結とはこれのこと。 それにしてもこのラストで舞台となる廃坑、スゴいですね。深海のような世界、まさに人外魔境。しかし、前半で竹中直人が彷徨う東京の街も、こんな風に底知れぬ闇を湛えていて、このラストシーンと呼応するものが感じられます。 異世界へのいざないに抗えず引き込まれて行ってしまう主人公を、かろうじてこの世界に引き留めうる存在・東風万智子、いつも、忘れた頃に絶妙のタイミングで姿を現すんです。ナイス。 いや、見事な作品でした。 【鱗歌】さん [DVD(邦画)] 9点(2016-10-18 12:13:21) 5.《ネタバレ》 DC版を見たが間違ったかも 長過ぎる 前作同様、何でも屋の紅次郎の純愛を描く 冒頭のイキナリの殺人から人体解体を鼻歌まじりにやってのける女3人 リアルバカギャル井上晴美に、いい様に扱わわれるヒロインの「れん」にのっけから引き込まれた しかしおおっ!と思ったのも紅次郎が出て来るまでだった それと言うのも紅次郎を雇った理由が解体した死体と一緒に投げたロレックスを探すためである これはダメだろう 死体遺棄現場に探偵もどきを派遣したら殺人が一発でばれるだろう どう考えても現実的じゃない 案の定、女刑事にすぐバレた しかし紅次郎が別件の殺人の重要参考人にもかかわらずそれをなぜか女刑事ちひろが一人で捜査 石井隆の一貫したテーマである主人公の純愛とヒロインの女の業が鮮烈に描かれればいいのだろうが、違和感ばかりの展開になかなか感情移入がむずかしくなってくる さらに竹中直人のクサい芝居が鼻について男の純愛の部分もいまひとつ乗れない しかし石井隆の描くテーマはいつも深く残酷で部分的には見るべき所が多い エンディング間際で自分に鞭打つヒロインも哀しくて胸を打つ展開だが、いくらなんでも長過ぎる ヌードのヒロインをたっぷり見せたいならここじゃ無い方が良かった 母親のあゆみも勝手に地底湖に落ちるとか激バカな展開でどこまで都合がいいのかと思った 母親役の大竹しのぶは相変わらずのキレた演技で激バカな女を演じさせたらこれ以上の女優はいないとマジメに思う 井上晴美の嫌なギャルぶりもかなり良かった ヒロインが最後に撃ち殺されるのは衝撃はあったが、あそこで撃たれるなら最初に揉み合う前に撃たれるだろうって皆が思ったはずだ しかも拳銃が空になるまでに3発しか撃ってない 延々と撃てる拳銃は時々出て来るが撃ってないのに空になる拳銃は珍しい 主人公を殺せなかった理由なので??って思った 主人公も騙されたとは言え完全に殺人教唆、あるいは自分が引きずっている間に事件に巻込まれた女が死んだので傷害致死は確実だろう それなりの覚悟でヒロインに協力したはずだ それなのにあのエンドロールは何だ? 石井隆は漫画家としては「天使のはらわた」を読んでも凄くて、ストリーテラーとしても天才的で、エロ女優を脱がせる商業的な話題作りも抜群だが、残念ながら映画を作る才能は余り無いと毎度の事ながら思う 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2014-05-10 13:29:07) 4.何となくCATVをつけ、さして期待もせずに見はじめたのですが、結構面白かったです。最後どう収束していくんだろうと気になり、つい夜更かししてしまいました。エロあり、グロあり、ハードな設定ありで、大人がひとりで見る映画です。最後、女刑事さんは竹中直人に惚れたのかな?食事もろくにとらず、シャワーも(たぶん)浴びてない「汚じさん」のはずなのに。。うらやましい。あと宍戸錠が「花と蛇2」同様、変態っぽい役を演じてましたが、イメージ悪くなりませんね。人徳と言うか、そういう性向が全然ないんでしょうね。こういう役を例えば西田敏行とかがやるとしゃれにならない気もします(これ西田さんへの褒め言葉です)。 【えぴおう】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-20 12:18:24) 3.《ネタバレ》 石井隆監督のエロスとバイオレンスの世界。 竹中直人もよかったが、大竹しのぶの演技力はさすが。 目的のために人を殺すことにためらいを感じない家族と、それに振り回された人のいい男。 サイコな家族のどす黒さが、男の純真さを際立たせる。 仕方なく犯行に加担していたかのようにも見えたレンだが、三人の中で一番狂っていたことが露わになっていく。 あどけない少女をモンスターに育ててしまった鬼畜父との陰惨な過去が痛々しい。 佐藤寛子は一番難しい役どころで、その狂気を演じるには力不足の感は否めない。 クライマックスでの長~いモノローグシーンを一人でもたせるには、それこそ大竹しのぶ並の演技力と存在感を備えていなければ無理。 それができる若手女優がどれだけいるかと考えても、すぐには思いつかない。 ただ、佐藤寛子は足りないながらもグラビア出身らしい抜群のプロポーションを惜しげもなく晒す熱演でカバーしていた。 ラストの男と女刑事の食卓シーンは、陰惨な物語の救いになってくれる。 その食卓シーンに流れるエンドロールの東風万智子って誰かと思えば、真中瞳が改名していたことを初めて知った。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-01-26 09:28:27) 2.愛は惜しみなく奪う・・・ホント、この映画の中で奪われなかった人は誰一人登場しない、命を奪われなかった者でさえ大事なものを奪われた。 こちらも佐藤寛子の美しい裸体に目を奪われるが、(ラスト前チト長くないか?)天使だと思った、いや思おうとした男がさんざんに振り回されるストーリー展開はそう悪くない。 しかしブレブレのカメラ同様、視点が定まらない映画になったとこは否めない、基本村木(竹中)だが、刑事(東風)のナレーションがあったり、あゆみ(大竹)の怪演、れん(佐藤)のこれでもかの全裸シーンとなかなか集中できない仕上がりになったのは残念。 私は「GONIN」がたいへん気に入ってるが、雨の多い石井映画、見応えは十分なので次にも期待です。 【カーヴ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-03-18 09:29:58) 1.ロングショットを主体とし、乱れた黒髪や逆光の陰影によってその表情をなかなか顕現させない佐藤寛子、東風万智子、大竹しのぶ、井上晴美らの女優陣。 その分、全身の動作と佇まい、発する声の抑揚と響きがその情念を前景化させる。 とりわけクライマックスの舞台となる石切り場内部の坑道や地底湖で、エコーがかかった彼女らの呻き・叫びともつれ合いは強烈な凄みを発散する。 巻頭の狭く血に塗れた浴室と対になる、青白い光線の差す石切場の壮観と幽玄な趣き。暗い洞内に差し込む外光のアクセントは聖性をも湛えて美的である。 竹中・佐藤の睦み会う背後にあるネオンサインの鮮烈さも目に沁みる。 新宿歌舞伎町界隈を彷徨う主人公を捉えるゲリラ撮影の生々しさ。その望遠の画面が、あるいは緩い傾斜の天井までを画面に取り込んだ事務所の空虚な広さと闇が、主人公の孤独を際立たせて印象深い。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-01-26 22:06:56)
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