みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
23.《ネタバレ》 1か月ほど前に「蒲田行進曲」を見たので、こちらも久しぶりに再見。松竹大船撮影所の50周年を記念して作られた山田洋次監督による映画で、一人の新人女優がスターになっていくまでを軸に蒲田時代の松竹を描いているが、本来こちらが「蒲田行進曲」というタイトルになっていてもおかしくないと思うような映画になっているのが、「蒲田行進曲」とあまり間をあけずに見ると、やはり松竹内部ではあの映画に対する不満があったのではと思うような正統派な内容になっていて、方向性としては間違っていないのだろう。山田監督の映画に対する思いや、先輩監督たちへの敬意も感じられ、そのあたりも興味深く見られる。でも、「男はつらいよ」シリーズ開始以降のそれ以外の山田監督の映画の中では何か物足りなさがあり、逆に寅さんのレギュラー陣が多く出演していることによって、寅さんを見ているような錯覚を覚えてしまうのも事実で、渥美清演じる喜八(たぶん、小津安二郎監督のサイレント映画の坂本武の役名から取られているのだろう。)のキャラクターや、彼と倍賞千恵子演じる奥さんや笹野高史演じるくず屋の男とのやりとりは確かに面白いものの、安定感がありすぎて寅さんを普通に一本作ったほうが良かったのではと思えてくる部分でもあって惜しさを感じる。でも、その喜八が奥さんに惚れていると思わせるところや、クライマックスの映画館で奥さんと映画を見ていた喜八が映画の途中で息を引き取っているシーンなどは寅さんでは絶対に出来ない展開で、山田監督は一度こういうことをやってみたかったんだろうと思えてくる。記念作らしく豪華な出演陣だが、主演の有森也実は本来予定されていた女優の降板によって急遽抜擢されたとのこと。終盤で新作映画の主演女優が出られなくなり、まだ知名度の低い主人公が代役に抜擢されるというのが現実とダブっているが、おそらくそういう狙いもあったのだろうと思う。(現実にも劇中さながらに代役を誰にするかという問題が起こっていたんだろうなあ。)最初に「蒲田行進曲」のことを書いたのだが、本作にも松坂慶子と平田満が出演していて(一緒のシーンはない。)なにか複雑。対抗意識があるのならこの二人は使わないでほしかったかな。(2024年8月26日更新) 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2024-10-05 12:42:30) 22.《ネタバレ》 有森也実って上白石萌音に似てたんだなぁ。なんて思いながら鑑賞。 映画撮影所を舞台にした、映画俳優と製作者の話。寅さんのメンバーがどんどん出てきて、男はつらいよの劇中劇を観てるような、微笑ましさを感じました。 渥美清と倍賞千恵子の掛け合いは息もピッタリ。クズ屋の笹野高史が小春を褒めた時の父ちゃんの嬉しそうな顔。 マルクス兄弟の本をマルクス主義と勘違いして難しい顔してる財津一郎刑事、撮影所の水漏れにヒョイと足を上げる桃井かおり妃殿下可愛い。 う~ん、どうしても映画の内容でなく、出ている役者さんの話になってしまうなぁ… 昭和30年代当時は映画のことを“写真”と言っていたのか。世の中がDVDからブルーレイになっても、つい“ビデオ”って言ってしまうのと近いか? そういえばこの当時('86年)くらいまで、映画俳優とテレビの俳優には見えない線引きがあったような気がしたっけ。何というか、映画俳優が格上というか。そのうちTVドラマで観た顔が映画で溢れるようになり、役者でもないタレントが主演俳優として出てきて、メディアミックスだか何だか、映画が独立した娯楽を創る世界じゃなくなったような今の日本の映画界。垣根が低くなった結果、とても当時のような元気があるようには見えない。 『あの当時は良かった』になってしまうけど、当時はハリウッド大作ばかり観て、私自身があまり邦画に興味を示さなかったのも事実。 小田切先輩の『どうしてもっと優しく映画を観ないんだ?どんなくだらない映画でも、可能性を持っているはずだぞ?』 これは映画好きとして、レビュワーとしても心に染みる。食わず嫌いはもちろん、好みと合わないからって、テキトーな点を付けちゃダメだな。うん。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 5点(2022-05-05 18:55:02) 21.見たことのある顔が、ずいぶん若返ってゴロゴロ出てくるだけでも楽しい。プラス、いかにも「男はつらいよ」と「蒲田行進曲」を下敷きにした人間関係やセリフもいい感じ。特に渥美清の1人語りは、もう〝話芸〟の域だと思います。まさに顔見世興行的な作品。 しかしそうであるがゆえに、ストーリー的には王道すぎてどうということはありません。「蒲田行進曲」を聞いて思い出すのは、やっぱり小春ではなく小夏です。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-08-31 13:12:48) 20.どんな時代であっても右肩上がりの題材を扱うことで形になる。そんな気がして、観ていて心地よさを感じる人も多いと思う。 だが、「映画愛」があるわけでもなく作品として単純に考えると、感動しにくい、不思議だが。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-25 20:01:17) 19.蒲田行進曲にキャストの顔ぶれ、それだけで楽しい映画です。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-12-24 21:30:10) 18.《ネタバレ》 いやはや、、、、なんという豪華俳優陣。当たり前ですが、みんな若い! そして亡くなられた名優も何人も出演していて、もう二度とみられない錚々たるメンバーですね。 映画ファンのために作られたのかなと。昭和初期、映画が活動写真とも言われていた頃。 その当時の芸能世界に想いを馳せることができる良い作品でした。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-12-04 20:04:42) 17.企画自体が「全員集合のお祭り」みたいなもので、ストーリーなどはあってなきがごとしである。寅さんシリーズのメンバーの起用も、あそこまで露骨にしなくてよかったのに、と思ってしまう。●と思っていたのだが、改めて見てみると、いくつかの箇所でスパイスが利いていて、それが作品の存在を維持しているのです。序盤の「たった一言の台詞」をめぐるやりとりとか、岸部一徳のすっと染みるような存在感とか、平田満が落とす暗い影とか、そして、「次のスターとはみんなで作っていくものだ」という視点とか。●ただ、結局は着地点はノスタルジックな指向に収束しており、それが同時に作品としての限界でもあったりします。 【Olias】さん [映画館(邦画)] 5点(2018-12-04 01:17:01) 16.《ネタバレ》 おもしろくないなあと思いながら見てたら ほんと最後までおもしろさが無く終わってしまった。ここでの皆さんの評価に納得。ただ有森也美は新人ながらいきなりこんな大作に出演、しかも主演してしまってその後がなにかとやりにくくて大変だったことでしょうね 尻すぼみとなった女優活動ご苦労様でしたとでも言ってあげたい でもかわいらしさについてはさすがでしたね 同年代のアイドル菊池桃子のピーク時のぽっちゃり感にそっくりでした かわいらしかったですね それはもちろん良い意味で。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-05-17 17:21:29) 15.《ネタバレ》 大方の出演者が上手な演技をしている中で、主人公の有森也実さんがそれ程でもない演技をしていたように思えます。(周りの達者な役者さんと比べるのは少々酷かもしれませんが…) しかし、それが劇中の彼女の役とシンクロして、有森さんと小春の両方を応援したくなり、作品に入り込める良い要因になりました。 山田監督が意図した所なのか、偶然の結果なのかは分かりません。 緒方監督(岸部一徳さん)はロジックで、小倉監督(すまけいさん)は直感で、喜八(渥美清さん)は慈愛で小春に演技指導します。 馬の後ろ足の様な役をやっていた喜八が、難しいシーンを彼女に教える時に、役者としての引き出しが貧しい為に、秘密にしていた自分と小春の母親との過去を話すことによって、小春の素性が分かってしまうシーンは、胸が熱くなりました。 島田が「映画とは見る人の人生を変えてしまうような力を持っている。」と、言っていましたがその通りだと思います。 物語を語る事が出来る映画、演劇、本などは、前頭葉が発達してしまった人間にとっては、他人の人生を経験したり、夢や希望を抱く事も容易にさせてくれます。 私にとって本作はそこまでのものでは無かったですが、程良い喜怒哀楽を散りばめた質の良い話は、喜劇としては十分でした。 因みに、思想家カール・マルクスにも勿論兄弟はいました。 直近に起こった喜八の死を知らずに真っ直ぐに前を向き歌う、凛とした小春のシーンは、とても印象的でした。 小春個人に、この先の日本の映画産業を重ね合わしているような制作サイドの鼓舞と願望にも写りました。 その様な映画業界への批判や願望は御社の会議室でやって下さい、というシーンは何箇所か有りましたが、それらも含めて作品として昇華されていたと思います。 作品では死を単純に悲観的なものではなく、自然の摂理と捉えているようにも感じられました。全体的に人間関係の妙を丁寧かつ軽妙に情景として見せつつも、浪花節全開にならない山田監督の演出は、好感が持て非常に楽しめました。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-04-15 12:17:09) 14.《ネタバレ》 なかなか。映画製作の裏側というか、トーキーに移行する当時の雰囲気がよく伝わってくる山田監督らしい群像劇ですね。男はつらいよを一回お休みしただけあって、主要なメンバーがほぼ出演(タコ社長はいなかったけど、確か)+松坂慶子はじめ豪華な出演者はある意味見どころいっぱい。でもいいとこは渥美さんが持ってった感じかな~、有森さんもとても良かったです 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-03-11 10:07:38) 13.本当は5点。だけど主題歌と寅さんファミリーに免じてプラス1点。 【movie海馬】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-03-05 01:56:25) 12.今観ると、出演者がみんな若い~(28年前の映画だからね..) 映画としては、半分コメディで、半分シリアス..な感じの、微妙な演出..内容も、松竹らしい物語..私的には、中途半端で物足りないし、感情移入できる部分が皆無..でも、寅さん、いや 渥美清 は、泣かせてくれる... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-19 18:51:27) 11.「蒲田行進曲」に10点を付け、しかも山田洋次監督が大好きな私にとって、この映画の評価が悪くなるはずがない。とても好きな映画であり、ある面では、蒲田行進曲よりも思いが強く感じられる。当時バリバリの大女優だった松坂慶子や倍賞千恵子らを脇に置いて、さほど実績がない新人有森也実を主役にしたのは物語の中の田中小春と同様。だから主役の演技がどうこうとか、中井と有森のロマンスが云々と言っても始まらない。この映画の主役は松竹蒲田のキネマの世界だ。「男はつらいよ」の役者陣が勢揃いするだけでなく、「蒲田行進曲」にも出演したメンバー、それにクレイジーの面々やら豪華なキャストが、ちょっとしたワンシーンの中にも映画(活動写真)に対する思いを込める。森の石松、月形半平太など、おもしろいシーンもたくさんあって、なつかしくも感じられ、さすがは50周年記念作品と映画への情熱をひしひしと味わった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-03-20 20:42:47) 10.ネット上のいろんな人の評価を読んでも、評価がいまひとつなのは実に不思議だ。 素直に感動している自分はやはり頭が悪いのだろうかという変な疑いを持ってしまった。 20年以上ぶりに観たら、脇役のエピソードなど実に細かいところまで覚えていたままであった。 オールスター映画であるので、実にうまく脇に至る配役がなされていたとしか言いようがない。 僅かな出番の役者のエピソードや表情までも実に印象に残っている。 この映画は公開当時、年2回の「男はつらいよ」を休んで製作された経緯があるが、当時、毎回「男はつらいよ」を楽しみにしている観客に向けたような、渥美清、倍賞千恵子の人物配置とやりとりが絶妙に感じる。 前田吟、吉岡秀隆の配置も「男はつらいよ」そのまんまであるし、前田吟の渥美清に対する僅かな台詞のニュアンスも「男はつらいよ」そのもので笑ってしまう。 「男はつらいよ」は休みだけど、この映画にも「とらや」の面々はいるから楽しんでねというサービス精神。 当時のリアルタイムな観客にサービスしようという精神ってすごく大事に思う。 この人物配置を違和感なく別の映画にはめ込むテクニックというのは、プロにしか出来ない技だ。 こういうさりげない遊び心って今の映画にすごく欠けている気がするのである。 多くの評価を読むと「散漫である」という感想が多いが、自分はそうは思わない。 そもそもこれは映画を愛する人達の「群像劇」であり、映画を愛する人達を軸にした「青春映画」である。 断片的なエピソードの積み重ねの中で、愛すべき各々の人物の描かれない裏側や行く末を想像するのが群像劇の楽しみ方だと思うのである。 幹となる田中小春のストーリーも必要十分に思える。田中小春だけを執拗に描いていたら生々しく、刺々しい映画になったように思う。 20年以上前、大人の映画に興味を持ち始めた頃、映画の成り立ちや、時代背景、観客がどう映画を受け止めていたか、これを観てすごく勉強になったことを感謝している。 つまりは自分は映画が好きだから映画への愛を描いた映画には甘くなることは白状します。 【どっぐす】さん [インターネット(字幕)] 8点(2013-01-25 02:45:59)(良:2票) 9.山田洋次監督作品としてはいま一つな感じはするし、はっきり言って駄作に近いかもしれないが、何故か憎めない。そんなにも面白い映画でもないし、でもね、何だか作品全体に映画への愛がいっぱい詰まっているように感じられるので嫌いにはなれない。寅さんファンとしては寅さんのメンバーが多く見られるてだけでも良して気持ちにさせられてしまう。ヒロインの魅力の無さやその他欠点を探せばいくらでも見つかるほどの内容だし、そんな中でやっぱり渥美清がいる。それだけでこの映画を見て良かったと思えるほどに渥美清の上手さが輝る。しつこいようだけど映画的には面白さに欠ける上に山田洋次監督の得意とする笑いと泣きのバランスも感じられないものの映画愛と寅さんファンと小津監督への山田洋次監督の思いが伝わってくるということを評価してのこの点数! 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-02-02 23:04:20) 8.《ネタバレ》 映画は芸術よりも観客を励ます娯楽であるべきだ、という思想がまずあって、そこに通俗性の導入が企てられている(出生の秘密やラストの父の死など)。だがこのクセモノの作者たち(山田洋次・井上ひさし・山田太一)が、芸術と娯楽を対立概念として捉えたままで満足しているとは、どうも思えない。本当なら、芸術と娯楽の境界が曖昧になるところまで練り上げて、そこに通俗的なるものを導きたかったのではないか。そこへいくまでに作品が小さく固まってしまった、という気がしてならない。ラストで藤山寛美にダメを押されると、結局これは観客が素朴だった時代の通俗映画への単なるノスタルジーに終わってしまったのではないか、と思えてしまう。観念的だったホンが、スラプスティック化されて生き生きしたものになり、観客にも歓迎されていく、なんてあの具体的な姿勢で全編押していってもらいたいのに、助監督が映画への信頼を回復する、という重要な部分が、アカギレの女中に活動は楽しいと言わせるだけでは、彼が書いたシナリオと同じで、ナマすぎた。通俗と言われるもののバイタリティーをもう一度映画に回復させたい、という作者たちの気持ちはよく分かる。しかし通俗という言葉がしばしば悪口に使われるのもやはり理由のあることで、類型化による鮮度の後退という大きな欠点があるわけだ。『寅』シリーズが素晴らしいのは、パターン化されそうなところをいつも何か撹乱させる要素を含ませて鮮度を保たせていたからである。あれは通俗性を織り込みながらも、優れた娯楽映画だった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-01-09 12:22:53) 7.《ネタバレ》 皆さんの低評価がちょっと理解できません。 どこが原因なのかな? 昭和初期の戦争へと向かっていく時代背景、治安維持法、岡田嘉子の失踪等など、とくにわかりにくいハードルとも思えませんが。 有森也実、寂しげな表情が魅力的でした。 あと、父と屑屋のやりとりは次郎長のパロディだし、父と近所の奥さんとの関係はちょっと無法松を思わせるものもあり、いろいろお遊びがあって面白かったです。 少なくともパワハラ全肯定の「蒲田行進曲」よりは、こちらの方がはるかに上品かと 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-09-09 11:00:39) 6.中井・有森は芋っぽくて華が無いし、逆に寅さん・さくらには華があって目立っちゃうし、普通に「男はつらいよ」撮ったほうが面白いね。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2006-08-14 01:00:12) 5.オールスターキャストで、豪華な雰囲気は出ているけど、主役が不在のような焦点を絞りきれない感は残りました。藤山寛美をもったいない使い方で活かし切れていないと感じたんですが、せめて、寅さんとの大喧嘩ぐらい設定してほしかった。さくらは相変わらずいいね。旦那も健在で息子の満男も中学生か。時々、昭和初期の時代設定かなと感じるところもあったが、高度経済成長前ならこんな時代だったんだろう。しかし、そうすると寅さんが死んでしまうのはおかしい。寅さん映画の番外編としては矛盾する。製作者の真意を知りたいところだ。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-30 23:39:56) 4.ストーリーはNHK朝の連ドラみたいでたいしたこと無いのだが、日本映画がむかし全盛だった頃の活気は伝わってきて良い。渥美清のラストシーン、有森也実のひたむきさは印象に残っている。 「蒲田行進曲」の"雰囲気"が好きな人ならこちらも好きかもしれない。 【じゃん++】さん [地上波(字幕)] 5点(2005-08-18 13:04:27)
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