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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  アバター:ウェイ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 “The Way of Water”『水の(世界で生きる)習わし』。前作が森を舞台にしたのに対し、海を前面に押し出してきた本作。 体験型アトラクションとしてとても解り易い住み分けですね。ストーリーより映像美重視な作品とはいえ、前作より30分も長い3時間超えの上映時間を飽きさせない手腕はさすが。 前作から10年以上、“あれからジェイクたちに何があったか?”を駆け足で伝えていく中で、ネイティリとの実の子と養子養女。5人も出てくる。もし序盤のまま森が舞台だと、みんな青くて細くて、じっくり観ないとどれが誰だか??ってなりそうだけど、外観上違いのあるメトカイナ族の中にサリー一家を放り込むことで、きちんと(かろうじて?)区別は出来るようになっている。 ただ顔と名前が一致するまでちょっと大変なのと、パンドラ世界の固有名詞がポンポン出てくるので、直前に前作を観ておくと理解はスムーズだったと後悔。 ストーリーは、南北戦争の映画を観ていると既視感多いかもしれません。戦争に巻き込まれた大家族の宿命も。 本作は最初から続編を考えての作品の為か、全力を出し切った感が薄いです。キャメロンはターミネーターにしてもT2にしても、一つの作品に全力を出し切る姿勢が大好きでした。過去のどの作品も“彼らの戦いは今後も続くけど、映画で描くのはここまでおしまい”って感じがしっかりしていたのに、本作は“まだ続きますよ”感がありありで、こう観せられると『続編作りの神様でも、普通な終わり方するんだな』って思ってしまいました。 本作のヒロイン・キリが、まさかのシガニー・ウィーバーってことに最後のクレジットまで気が付かなくて。動く城の映画で感じた声の違和感が全く無かったのが、さすがのクオリティ。キリがシガニー本人なら、彼女の出生の秘密や不思議な力の理由も、モヤモヤっと解る気がしてきたぞ?そんな事より、この映画のモーションは、演者自身の動きから取り込んでいるんだろうか?だとしたら凄いなシガニー。 ひと作品の中で、同じような“捕まって逃げて”を何回も繰り返すから、さすがに『また捕まるのかい』って思った。そう言えばキャメロン映画の多くに“捕まって逃げて”が出てくるっけな。でも本作ほど何回も似たような展開がってのは、初めてだった。 『息子には息子』サリー一家の中で唯一純血のナヴィ・ネイティリの、スパイダーへの行いが、私の中でも未消化。あれで終わったのか、今後掘り下げるのか?う~ん、交われない存在って事なのかなぁ。 アトラクション映画として、今回4DXの字幕版で視聴。SWのEP9以上に映像と座席の動きに一体感が感じられました。浮遊感が素晴らしく、大佐のビデオメッセージのシーンでは宇宙酔いしそうに(※長時間じゃないので心配無用)。さすが家庭ではなく劇場で観るために作られた映画らしいなって思いました。 登場人物がナヴィばかりなのに英語のセリフが多いのは、字幕に気を取られるのを防ぐためだろう。そう考えると吹替版が一番適してるのかも? 映像に合わせて背中を叩かれるような衝撃が伝わるんだけど、3時間超えとなると首がじんわりと痛い。水しぶき同様、衝撃OFF機能が欲しかった。肩こり持ちの人はIMAX版のほうが良いのかな? そうそう、直前までIMAX版と迷ったせいで、うっかりREALD・3Dメガネをまた買ってしまった。これで5本になりました。欲しい人居れば…[3D(字幕)] 7点(2023-01-02 11:38:17)《改行有》

22.  哀愁 《ネタバレ》 - Waterloo Bridge - “ウォータールー橋”ナポレオンの『ワーテルローの戦い』から名付けられた橋なんだそうな。なるほど。 印象的な白いビリケンさんのお守り。1908年辺りに特許が~とあるから、マイラも流行りものとして一つ持ってたのかも。 ロイを好きにならなかったら、彼女はバレリーナとして、花形にはなれなくとも、淡々と生きていたかもしれない。 劇団を解雇され、娼婦に身を落としながらも懸命に生きてきたマイラ。ロイとの再会が無ければ、死を選ぶこともなかっただろう。 幸せを掴もうとしたが為の悲劇。マイラがあまりに純粋だからこその悲劇。彼女に人並みのしたたかさがあれば。 マイラに一目惚れし、大佐との食事を断ってまでバレエ劇場に足を運んだロイ。 戦地への赴任延期の日を、マイラとの結婚に使う、ある意味強引で、自分の感情に真っ直ぐな性格なんだろう。 家柄の良さからか、戦時中に職を失った女性がどのように生きていたのか想像もしない辺り、ロイもまた純粋だった。 キティ。純粋な2人を結びつけたいと、マイラと一緒に(というかトバッチリに近いカタチで)劇団を解雇され、彼女を見捨てること無く、黙って娼婦に身を落としたキティが素晴らしすぎる。 ある意味虫が良すぎるマイラ提案の玉の輿作戦。見方によってはキティを蔑ろにする行為なのに、快く送り出す優しさも素晴らしすぎる。 ロイがマイラを探して訪ねてきた時も、ストレートな物言いをせずに黙々と案内するところも素晴らしすぎる。 キティとマイラが初登場する時、「空襲警報だわ」って、マイラの前にグイッと割って入って言うところ含め、この映画の影の主役は二人を結びつけるために活躍したキティ。白いビリケンさんをロイに渡して以降、白いキティが常にマイラを守ってた。あまりに素晴らしすぎるキティ。[DVD(字幕)] 7点(2022-12-04 18:51:07)(良:1票) 《改行有》

23.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 -THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE- “テキサス・チェーンソー虐殺(事件)” 記録フィルムのような淡々としたナレーション。ストロボの光と浮かび上がる遺体。死者に対する敬意のカケラも無い遺体損壊オブジェ。アルマジロの死骸…最初っから生理的に受け付けない気色悪さ。 旅行中の若者が被害に遭うホラー映画って言うと、序盤はもっとこう、キャッキャウフフと盛り上がっているところを、徐々に不幸が忍び寄って…って印象だったけど、序盤からイヤな予感しかしない。 良くない運勢の占い話、牛の屠殺話。みんな若いんだから、もっと明るい話題はないのか?って思ってるうちに拾ってしまう最悪のヒッチハイカー。演じた役者さんには申し訳ないが、笑顔が行動が空気が全てが生理的に気持ち悪い。 突然出て来て突然殴り殺すレザーフェイス。ガァーッダンッと閉められる鉄の扉。恋人が切り刻まれて殺される様子を、吊るされながら見せられるパム。この交渉の余地のない絶望感。なんか落ち込んでるレザーフェイス。病んでる。 男は一撃でアッサリ殺されるけど、女は時間を掛けてじわじわ殺される。すみません私アッサリでお願いします。 ヒッチハイカーとガソリンスタンド親父とレザーフェイスがひとつ屋根の下に暮らす家族。よくこんな設定思いつくわ。サイコを彷彿とさせる祖父母のミイラ…と思いきやジイさん生きてる!血チュッパチュッパ吸ってる!!ヒィィッ~~! サリーの絶叫とエメラルドグリーンの瞳のアップ。力無く振り下ろされるハンマーでの処刑。いつまで続くのコレいつ終わるのぉ~~~!?? 急展開の脱出劇から、朝焼けの中踊り狂うレザーフェイスの映像の美しさ。不快感満点の映像美。 墓地を出て以降マトモな人が出てこないんだけど、会話が続くたびに仕事をめるガソリンスタンドの窓拭き係が可愛い。[ビデオ(字幕)] 7点(2022-04-10 20:58:46)《改行有》

24.  アバウト・ア・ボーイ 《ネタバレ》 ~About a Boy~少年について。気になる少年。フランス語のタイトルは“少年のため”とか。 母親にとって良い子であり続けることの難しさ、そこから生まれる世間とのズレが上手に表現されていた。 やはり母親のフィオナが問題だ。救いようがあるのかわからない。自分で勝手に落ち込んで自殺未遂したり、まだ子供のマーカスに依存している。 話はズレるが、自分はもう、サンタは居ないと解ったけど、親は未だに「今年はサンタさんに何お願いするの?」という。親のため対外的にもサンタを信じる子供を演じる自分。周りにも「アイツまだサンタ信じてるんだぜ(笑)」ってからかわれる。マーカスはそんな感じの少年だろう。 ウィル宅に何度もしつこく訪問したり、外観ちょい怖いエリーと堂々と話して握手を求める。頭の中で歌を歌ってるつもりが声に出てしまう問題があるが、大丈夫な子だ。 問題はフィオナ。彼女は子供が男の家に入り浸っているのを心配して怒鳴り込む…のは良いが、レストランという場所を選ばず問い詰める。 マーカスが虐められている現実を脇に置いて、ウィルならどうする?そんな自分勝手な…と呆れる。 それでいてSPATの集まりで「ここで話して」と言っておきながら、自殺の話をすると「個人的なことを何であそこで」と怒る。 ウィルをクリスマスの集まりに呼ぶが、スージーにも知らせず当日会わせる。 二人の対応が大人だったから丸く収まったが、やり方がエゲツない。絶縁されても仕方ないやり方だ。 マーカスは母を喜ばせるためのスクール・ロック参加。(…ちなみにそれを知らせる時のフィオナ、ソファーで電源入ってないTV見てて怖い。)これは親に自分が虐められてる現実を見せる意味もあるんだろう。 Killing Me Softlyは邦題『やさしく歌って』だけど、KILLが入っている通り、本来の意味は“ゆっくり(真綿で首を絞めるように)じわじわ殺される”になる。 殺されていくのはマーカス。殺すのは母親。だったが、ウィルの手助けで、何やかやでハッピーエンドになって、良かった良かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-03-21 13:09:23)《改行有》

25.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 むかしTVで観て以来。CSで視聴。 脱獄映画の面白要素がほぼ全て詰まった作品。囚人をイジメるイヤな看守が出てこないくらい。 「あんなハリボテ人形で誤魔化し続けられるわけ無いだろう」「バッツが見張っているとはいえ、何度も穴に潜っていたら…」この娯楽映画が、フランク・モリスの実話を元にしていると言うから驚きだ。2年掛けてコンクリを砕き、鉄柵を外し、浮き輪を作ったんだ。凄い。 フランクの過去や脱獄後の夢を語らないのも良い。エピソードは面白いが、モトが実話だけに、罪を犯した囚人フランクに肩入れしすぎない絶妙なバランスだと思う。 穴を掘った部屋を移される直前の脱獄。バッツが最後の最後で逃げるのを躊躇するのも人間臭い。 実話同様、生き延びたか死んだかは語られない。菊の花は溺れたフランクたちの遺品の一つなのか、所長へのメッセージで置いたのか。恐らく後者。やっぱ脱獄映画って痛快じゃなきゃ。[地上波(吹替)] 7点(2021-03-13 22:09:30)《改行有》

26.  アウトロー(1976) 《ネタバレ》 “The Outlaw Josey Wales”『ならず者ジョーシー・ウェールズ』。この作品を観て『北斗の拳とか武論尊作品ってイーストウッドの主人公の影響を結構受けてるんだな』って思いました。“無口で怖くてちょっと下品、でも根は優しい。”本作のウェールズは所構わず唾を吐きかけます。 家族を、仲間を無惨に殺された男の復讐劇。冒頭の殺された子供役がイーストウッドの実子だそうで、映像で観る以上に男の怒りが感じられます。 さてウェールズは、どこで早撃ちを身に着けたんでしょう?原作小説では描かれてるかもしれないけど、ここ描いたらきっと長くなるから割愛したんでしょう。農夫からゲリラになって、ゲリラ部隊の活躍はダイジェストで出るだけ。ウェールズが目立った活躍をするシーンは描かれません。家の焼け跡から拳銃(猟銃でなく)を出したことから、恐らく農夫になる以前から名うてのガンマンだったのかもしれません。 若者ジェイミーが死に、孤独になったウェールズが、どんどん仲間を増やしていくのが面白い。インディアンの爺さん。別なインディアンの女。犬…犬の額に見事唾を命中させて、犬が怒ってるシーンは結構好き。でも『大所帯になってきたな』って、犬も仲間にカウントしてるのが微笑ましい。 イーストウッド作品で高確率でレイプ被害に遭うソンドラ・ロック。あ~ぁ本作でも言わずもがなでした。でも乾いた大地に彼女の紙のような白い柔肌が、とても良く映えますね。[DVD(字幕)] 6点(2024-01-22 11:19:43)《改行有》

27.  赤い河 《ネタバレ》 “Red River”『レッド川』はテキサスとオクラホマの州境に流る川。 人気絶頂期のジョン・ウェインだし、彼が格好いい主人公かと思いきや、全然人の話を聞かない男ダンソン。幌馬車隊隊長の助言も聞かず隊を離れ、一緒に行きたい彼女は置いていき、他人の土地に勝手に牧場を作り、他人の牛にも自分の烙印を押す。アビリーンに鉄道が通ったなんて噂話には耳も貸さず、セダリアまでの強行軍を指揮する男ダンソン。 ヒロインのハズのフェンはアッサリ殺されてしまうのもあり、主役はモンゴメリー・クリフト演じるマシューの方みたい。 マシューとダンソン、何もない荒野から14年で牛を1万等も育てた二人の絆。ダンソンは開拓時代の古いワンマン・タイプのカウボーイで、南北戦争に参加したマシューは、戦中戦後の新しい協調性重視タイプのカウボーイ。1600kmもの距離を牛を連れ運ぶ過酷な行程は、世代の違う二人を対立させてしまう。 二人の間に立つヒロイン・テス。矢で肩を射抜かれても平然としている勇ましさ。マシューを追いつつテスにも惹かれるダンソン。自分の子を産んでくれなんて、この時代の女の存在がどんなものか想像できる。 そしてなんか、逃げるマシューと二人の男に惚れられたテスVS復讐の鬼と化したダンソンの図が、まるでターミネーターの追跡劇に思えてきた。 アッサリと退場する腕利きの相棒チェリーのその後が気になる。怪我程度で済んでてほしいけど…チェリーの事などお構いなしに和気あいあいとしてる二人にちょっと違和感。 モノクロで地味でのんびりした映画なんだけど、ついつい引き込まれてしまう。牛の大群を引き連れる規模の大きさ。どこまでも続くテキサスの荒野と青い空(モノクロだけど)。牛の暴走や川を渡るシーンは静かな迫力がありました。[DVD(字幕)] 6点(2023-08-24 22:52:08)《改行有》

28.  アイズ ワイド シャット 《ネタバレ》 “Eyes Wide Shut”『目をしっかり閉じて』。“Eyes Wide Open”『目を大きく見開いて』って決まり文句をモジッたものだそう。 見ちゃいけないものを見たい心理と、実際に見たらどうなるか?を、倦怠期の夫婦を主人公に描いた映画で、タイトルはその答えってことかな? ニコールの生ケツから映画は始まる。何とまぁ美しいスタイルだろうか。妻がどれほど美しくても、旦那の前でおしっこチーーってして、ペーパーでワシャワシャして、ポイッってされたら、並の男ならもうときめかないだろう。 そんなの見せられても「綺麗だよ」って笑顔でキスできるビル。人間が出来てるわ。脇に薬塗り塗りして匂いクンクン確認とか、誰でもやるけど人に見せないところが見えるのが夫婦。 この役を結婚8年目のトムとニコールの実際の夫婦に演じさせる。子供も7歳ときた。かなり鬼畜な人選をしたキューブリック。きっと夫婦仲を報じるゴシップ記事も出ていただろう。公開2年後に離婚しているが、この映画が関係ないとは思えない。 アリスにしてみれば今の毎日は退屈この上ないんだろう。パーティでのダンスの誘惑をキッカケに、アリスの女の部分が言わなくて良いこと(過去に士官に見とれたこと)まで旦那に暴露。マリファナでラリったのは彼女なりの予防線だろうか。 “何か”を求めるビル。“何か”が手に入りそうになると“邪魔”が入る。美女2人に誘われたときはジーグラーの急用。マリオンと変なことになったときはカールが到着。娼婦ドミノのときはアリスの電話。館では身バレ。ただその全てがLUCKY TO BE ALIVE(生き残って幸運だな)に結びつく。 この映画、私は夢オチだとは思えないな。マルホランド・ドライブのように不思議な映画ではあるけど、ジーグラーの種明かしが親切すぎたのか、枕元の仮面にビビったビルが簡単に落ちすぎたのか、我々視聴者が考えても答えが出ないことが解ってしまった感がある。ニックのその後、マンディーの真相、仮面パーティ、貸衣装屋の娘と東洋人… ただ、夫婦が出来ることは、欲望や誘惑を目の当たりにしてもなにも出来ず、昨日も今日も明日も夫婦でファックすることだけ。 …だから、見えることでも目を閉じて。[DVD(字幕)] 6点(2023-08-06 23:06:24)《改行有》

29.  アンブレイカブル 《ネタバレ》 - Unbreakable - “壊せない”。ある意味ネタバレ?自己紹介?なタイトルなんだけど、他に“(暗号が)解読できない”。って意味もあるそう。なんかコッチだと、シャマラン監督から観客への挑戦状にも思える。 確かに前作の完成度を考えると、ちょっとランクダウン感はあったけど、私にとって“まぁ楽しめたシャマラン作品”だったので、こちらでの点数に驚いてしまった。こんなに低いの?レディ・イン・ザ・ウォーターより下??まじか… 序盤の鉄道のゆらゆらしたカメラは印象深いし、事故後もう一人の生存者の、白いシャツに血がジワ~~っと滲むシーン。「数分後にはあなた一人になるでしょう」はショッキングだった。ベンチプレスで重りを追加する度にジョセフが後ろに下がっていくのも可愛い。デビッドが『これ俺、内緒な』ってジョセフに新聞見せるシーンも静かで良かった。当時のアメコミヒーローと言えばバットマンはお洒落にリメイクされ、X-MENは新時代のヒーロー物をCGでド派手に。そんな時代、リアル路線に傾倒したアメコミヒーローもアリだと思った。 シックスセンスの大ヒットで、シャマラン映画は予想外の結末を期待するものだってレッテルを貼られてしまったように思う。そんな期待に正面からガチンコ勝負を挑んだのが本作かもしれない。上に書いたタイトルにしても、『真実を知る覚悟はあるか?』ってキャッチコピーにしても、劇中のイライジャの母の台詞「この話、最後に驚くのよ」にしても。 シャマラン監督、この映画の結末にだいぶ自信があったんだろう。前作同様に観客が「あぁ、やられた!」って思うだろうと。でも多くの評価は「前作ほどじゃないね」って感じ?私は「なるほど~」って感じだったかな。イライジャの秘密は予想外で、不満はなかったけど、それよりデビッドが超人的能力を身に着けた、理由?キッカケ?が知りたかったんだけど…って、肩透かし感はあったかも。 前作を楽しんだ人が、同様の刺激、驚きの結末を期待して観に来ている以上、ハードルが上がりすぎたんじゃないかなぁ?もしシックスセンスよりコッチが先に公開されていたら、もう少し評価は変わっていたかも? それか公開時は監督名を伏せておいて、映画の最後の最後に『実はシャマラン監督作品でしたー』とかって。そうなるともうネタ映画か。[映画館(字幕)] 6点(2022-12-08 22:56:30)《改行有》

30.  I am Sam アイ・アム・サム 《ネタバレ》 - I am Sam - “私はサム” 主人公はルーシーでなくサムです。だけどこの映画をキッカケに、とんでもなく幼いハリウッド女優・ダゴタ・ファニングが認知されました。当時まだ6~7歳とかなのに、台詞とともに感情を乗せる凄い女優さん。ハリウッドの人財層の厚さを痛感しました。 3度目の正直でアカデミー主演男優賞を狙ったショーン・ペンだけど、残念ながら受賞はならず。理由はトロピック・サンダーで語られていたことが案外本当かもな?なんて思えたり… ちょっとあざといかな?って思える部分もあるけど、ルーシーが何度も家出して何度も連れ帰される画に、なんかとても癒やされる。 さて、とてもわかり易くヒューマニズム溢れる親子愛に満ちたこの映画。ルーシーでなくサムが主人公のこの映画は、果たして誰をターゲットに創られたのかな?ってことを、ちょっと考えてみました。 既に親離れして社会に出ていった、サムくらいの年齢の息子を持つ母親がターゲットなんじゃないか?って思った。母親から見て出来が悪く、私の育て方が悪かったのかしら?なんて自ら反省してしまうような母親。親元を離れたバカ息子がどんな生活をしているかなんて、断片的にしか知らない。気がついたら、どこが良いのか解らない女と結婚してて、誰に似たのか可愛いくて賢い孫を連れてくるバカ息子。 劇中サムの母親がどんな人だったかは語られない。幼いうちに施設に入ってるからだけど、母親イメージを固定させないためかも。同じくルーシーの母親も再登場がないのは、息子の嫁を話題にしたくないからかも。若い世代のアーティストが、サムの母親の青春時代によく流れていたビートルズを歌うのも、入り込みやすさに一役買っているのかも? サムがどれだけルーシーを愛して、不器用にも子育てに挑戦する姿を観て、本当に子育てに必要なものって、教養や裕福さではなく、愛情こそ一番だ。と再認識するんじゃないだろうか。自分のバカ息子をサムに重ねて、出来の良い孫をルーシーに重ねて観ると、私の子育ても間違っちゃいなかったのかも?息子への愛情だったら誰にも負けなかったわ。って、再認識出来るかもしれない。 そしてリタのように世間ではそつなく仕事をこなしていても、家庭はボロボロ。自分の子供をどう育てたら良いのか分からず、自信を失っている母親って結構多いと思うし、自分の子育て時代を振り返っても、私も当時はそうだった。と、共感出来る母親も多いだろう。 劇中、子育てを完璧にこなした母親が出てこない。リタの空回りした生活を通して、子育て真っ最中の自分を思い出し、サムの子育てを通して自分からは観えなかった息子の苦労を疑似体験するんじゃないだろうか。考え過ぎかな。 そうそう、新スタートレック好きには嬉しいサプライズがあるよ。データ少佐とケイコ・オブライエンが意外な役で出てくるから、お見逃しなく。[映画館(字幕)] 6点(2022-11-23 22:55:58)(良:1票) 《改行有》

31.  愛と哀しみの果て 《ネタバレ》 -Out of Africa- “アフリカから離れて”。アフリカ要素と恋愛要素を天秤にかけて、恋愛の方がウケるって判断した結果のタイトルでしょう。最後“果て”とした所が、地の果てアフリカな感じも辛うじて出していて、ニクい演出に思えます。類似タイトルで迷った時は“果て=アフリカ”とインプットしておけば、この作品を思い出せるかもしれません。 何不自由なく裕福なカレンがアフリカに移り住む。物欲に縛られないデニスは、彼女にとってアフリカそのものだった。 ヨーロッパの文明、人との繋がりとは対局な、孤独な生き方を選ぶデニス。 彼に近づけば近付くほど、彼女の裕福の象徴、文明との繋がりは足枷となっていく。 梅毒で生死の境をさまよい、子を持てなくなったカレン。生きるために不可欠な文明との共存。彼女はデニスのようには生きられない。 無情にもアフリカの神は彼女の築いた文明(農園)を焼き尽くす。人間のちっぽけさ。文明の儚さ。 カレンの影響で徐々に文明を受け入れたデニスは、皮肉にも文明の象徴である飛行機の事故で命を落とす。 残った財産を売り払い、すべてをアフリカに残し、文明の元デンマークに帰るカレン。 天に召されたデニスと文明に戻ったカレン。2人の肉体はアフリカを離れたが、2人の魂は永遠にアフリカに残っている。 …“美しいアフリカの自然”と“雄大なテーマ曲”というパワーワードを抜きに、この映画を語ることなんて、自殺行為だなって思ったわ。 そのくらい、この映画のアフリカ要素重要。[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-11 11:45:19)《改行有》

32.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 -Terms of Endearment XXX- “愛称” …え?タイトル愛称なんだ?誰か個性的な愛称で呼ばれてたっけ? 意訳の“愛情を受けるための条件”…とかでも良いのかな? タイトルには含まれないけど、タイトル画面の最後のXXXは、手紙とかで書くキス。“Chu!”みたいなものみたい。 先日、瀬戸内寂聴さんが亡くなった。幼い頃から徳の高い尼さんという印象で見てたけど、出家する前は不倫したり娘を捨てたり、本能のままに生きてきたようで、知らなかったから結構びっくりした。人間生まれてから死ぬまで、誰であっても、どんな立場でも、どんな年齢でも、恋愛はするんだなぁ。本作もオーロラとギャレットの熟年の恋愛から、エマとフラップの結婚。お互いの不倫まで様々な恋愛模様が出てくる。 ただ、エマの不倫がねぇ…フラップがまだ浮気疑惑(あの段階でどれほどの確証があったのか?)なうちに、サムと不倫。そこまでは仕方ないとして、不倫してることをオーロラに相談してる事にドン引き。オーロラもフラップが大嫌いだからって、娘の不倫をどんな気持ちで聞いていたのか、とてもモヤモヤする。 妻が死んでいく事を受け入れて、自身の浮気を白状するフラップに対し、自分の不倫は墓場まで持っていくエマ。こんなところも、なんかやっぱりスッキリ出来ない。何が正解か解らないけど、恋愛に対して不誠実に思えた。 長男トミーのエマへの冷ややかな態度から、彼は母親の不倫を知ってたのかな?なんて思ったけど、そう言う描写は無かったな。 人生の最後、必死にトミーに語りかけるエマ、それを面倒くさそうに聞き流すトミーがリアル。これ大人になって絶対後悔する。 併せて、ママを怠け者扱いするトミーに手を挙げるオーロラのシーンも、かなり心に刺さる。叩くオーロラの心も痛い。 エマが死んだときのオーロラの『この子が逝けば苦しみが和らぐと思ってた』ここもとても共感。末期の家族を看病するのって精神的にも体力的にも疲れ果てるから、熟睡できない夜を何日も過ごしてるうち、つい“この状況、いつまで続くんだろ?”って思ってしまうんだよ…人間って弱い。 人は生まれてから死ぬまで、友情、愛情、不倫も含めて人を好きになり、愛を与えあう。 愛する人の死でポッカリ空いた穴は、残された家族と友人とで、時間を掛けて埋められていく。 ジェームズ・L・ブルックス監督って聞いたことあると思ったら、あのザ・シンプソンズのブルックスだった。へえぇ~~、こんなこともする人なんだ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-17 00:30:14)《改行有》

33.  愛と青春の旅だち 《ネタバレ》 ~An Officer And A Gentleman~紳士及び士官に…。意味は『ザ・シネマ』というサイトのコラムに詳しく書かれています。 フォーリーがメイヨのコインは右側に入れるのに、次のデラ・セラのコインは左側なのは何でだろう?って思ったけど、その説明もコラムに書いてあって、そうだったんだ!!と、とても参考になったので、興味があれば探して見てください。 メイヨは親が親だけに、愛とか面倒で、女性に対する付き合い方がアッサリしているのも解るが、ウォーリーはスーザンという婚約者が居て(…とは言え死んだ兄の元カノという複雑な関係だが)、訓練期間中の遊びでリネットと付き合う。 妊娠を機に海軍を辞めるけど、家系と子供のためで、リネットのためではない。妊娠が嘘とわかっても結婚を申し込むが、愛というか、自分に退路が無くなったからにも見えた。 リネットは、士官のお嫁さんになって世界中を回る夢があるから、アッサリとプロポーズを断る。どちらもお互いを愛していた訳じゃなかったんだな。 フォーリーに人間性を批判されてシゴかれて、徐々に人間らしい行動を取るメイヨ。ペリマンにピカピカのバックルをプレゼントするところがいい。 ポーラは生まれてすぐに海軍の実父を亡くしていて、それで士官の彼氏に憧れがあるのか。自分の中の理想が高め。朝食のときに花を置いて 『見て見て、お花よ。こういう女、憧れるでしょ?』ってやるのが可愛い。 純白の制服姿で工場に行き、ポーラをお姫様抱っこで連れて行くメイヨ。 『君が憧れる士官になったぞ、みんな見てるぞ、こういうの、憧れるだろ?(オレは恥ずかしいけど)』ってお返し。 淑女の理想を叶えることが『紳士及び士官に相応しい行為』だから。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-15 14:22:36)(良:1票) 《改行有》

34.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 “American Hustle”『アメリカの詐欺師』。カンフーハッスルのハッスルですね。さぁ詐欺師の映画とくれば、最後どんでん返しで痛快に騙されるのが定番かと思いますが、私の集中力が足りなかったのか、どうにも波に乗れませんでした。 物語はプラザホテルのシークと市長の取引から始まります。取引を前に3人が揉めてます。でも理由はわかりません。 市長が出ていくとアーヴィンの回想、どうして彼は詐欺師になったかを振り返ります。そして愛人シドニーとの出会い、回想。奥さんロザリン登場。ディマーソ登場…市長の取引に戻るのは、始まってから48分辺り。おいおい、どうしてここから映画を初めたんだい? 最初の方しっかり観ていなかった私が一番悪いんだけど、最初に出ていたアーヴィン、シドニー、ディマーソの間にも騙し、騙されがあるものと思って観ていたから、シドニーが留置所で監禁されて、マジックミラーの後ろでディマーソとアーヴィンが話してるのを観て、2人でシドニーを騙してるのか?なんて思ってしまった。あぁちゃんと観れてないなぁ。 アブスキャム事件本題以降は、序盤で割と多く出ていたアーヴィンの“心の声(ナレーション)”が減ったため、このセリフが本心なのか相手を騙してるのかも解らなくなり、どれが本心だろう?って関心が薄れてしまいました。勝手に自滅してますねぇ。 でもテレジオ登場で映画はピリッと締まります。シークにアラブ語で質問するトコの『やべぇ』空気は最高。手に汗握ります。ここが一番のピンチで山場じゃないでしょうか?そしてアーヴィンは“失敗すると殺される”立場になります。さぁ、どう切り抜けるか?? でもその緊張感は長続きしないで、序盤のムードに逆戻り。いま誰が有利で、いま誰が不利なのか、チェス盤の駒の配置がイマイチ伝わってきません。私の集中力がなかったせいも大いにありますが、メインの3人がアレコレやってる事件より、奥さんの単独暴走のほうが面白くて目を引きます。 最後もどうにもスッキリしない。実話ベースにしても、もう少し解りやすい娯楽作品に振ったほうが良かったのかも?とか、観せ方変えればもっと面白くなったんじゃない?なんて思ったり。1回目の理解度はこの程度。もし集中力が続きそうなときにもう一度観たら、もうちょっと楽しめるかもしれない作品。[DVD(字幕)] 5点(2024-02-13 22:43:37)《改行有》

35.  アベンジャーズ(2012) 《ネタバレ》 “The Avengers”『復讐者たち』だそうで…。なぜ彼らの集まりが復讐者なのか、意味はわかってません。ただ『アヴェンジャーズ』じゃなく『アベンジャーズ』なのは好感度高いです。ケビンをケヴィンって書いたり、いつからかバビブベボを『ウに点々』表現ばかり使うようになってきましたよね。何でだろ? アメコミ・スーパーヒーローが夢の共演。といっても、私はアイアンマン1作と、お付き合いでエンドゲーム(何故に最後だけ)を観てしまったのみで、他の作品は観てません。アベンジャーズで4作品?枝葉を含めると膨大な数のヒーロー映画を見る必要があるようで、これは私には、楽しみというより辛い修行のように思えたので、なるべくなら手を付けないで済ませたい気持ちでいっぱいです。 今回偶然にも1作めのDVDを手に入れてしまい、ひとまず、これ1作だけでもって気持ちで、観ることにしました。 ソーは神だし、ブラック・ウィドウは拳銃で戦う普通の人みたい。それらを同じ立ち位置で描くには、強弱のバランス取りが難しいんだろうなって思います。そこは案外違和感なく、上手いバランスで描けていたと思います。 ただ、日本のアニメとかだと、敵のボスが強すぎて全員で立ち向かってギリギリ勝てるって展開だと思いますが、ロキが本作の大ボスということで、出てきた時からソー1人で勝てるんじゃないか?と思ってしまいました。チタウリの艦隊ってのも、数ばかりでロキよりは弱いだろうから、結果論ソーとハルクが居れば、他のメンバーがいなくても勝てたんじゃないか?と。 ただニューヨークの被害は酷かったですね。シールドや州軍も応戦してたけど、どれだけ有効打を撃てていたのか?ブラック・ウィドウやホークアイの攻撃は効いてるっぽいのに。 そうなると、私はどの立場で観ればよいのか、困ってしまいます。ヒーローの1人?無駄な抵抗をする軍人?逃げ惑う市民?主要メンバーに、観客の代弁者である普通の人が1人居ると助かったんですが、恐らくその役割だったフィルは途中リタイアしてしまいます。そうなると糸の切れたタコ状態で、超人的能力を持つ者同士の戦いを、自分がどの立場に感情移入すれば良いのか解らない視点で、ずっと観続けることになります。 最後の攻撃手段にちょっとビックリ。こういう、人間の科学兵器が効かないから、スーパーヒーローが戦うんだと思っていたから。 あと、最後のみんなでご飯食べてるところはとても良かったです。[DVD(字幕)] 5点(2024-01-28 22:52:49)《改行有》

36.  ある愛の詩(1970) 《ネタバレ》 “Love Story”『恋愛小説』。直球勝負の思い切ったタイトルです。どんな内容かも想像がつくタイトル。そしてこの、美しくもどこか悲しげなテーマソングは聞き覚えがありました。 小説と映画の同時進行(メディアミックス)の先駆けだったんですね。テーマソングをレコードで掛けながら小説の続きを読み進める…なんて立体的な楽しみ方も出来た作品だったことでしょう。 冬の寒空の下、スケートリンクの端に一人の男が座っている。その横にタイトル“Love Story”。テーマソングがサビに入り、この映画の一言目が「彼女は25歳で世を去った」と。驚いたことにこのお話は、男女の恋愛物語の『結末』から始まります。そして彼女との出会いの回想に続き、2人がどのように愛を育み、なぜ彼女は世を去ってしまったのかが描かれていく。 クリスマスの朝方にジェニファーは亡くなるけど、彼女が息を引き取るシーンは描かれない。 オリバーとジェニファーが、最後の晩にベッドで抱きしめ合うシーン。このシーンが2人の最後として描かれる。 死別を描いた映画だと、その後の彼女が息を引き取る瞬間がクライマックスで描かれそうなものだけど、この映画では一切オミットしている。彼女を失った夫(オリバー)と父親(フィル)の別れのシーンへと続く。そしてオープニングのスケートリンクへと繋がる。 神を信じない2人は、夫婦となることを神に誓わない、新しい時代の結婚式を上げた。2人には天国や転生といった概念がない。 オリバーの中で、彼女と出会った図書室から、彼女と別れた病室までが延々とリフレインされる。それが終わることのない2人の“Love Story”…なんて、ちょっと怖い方向になっちゃったね。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-01-20 14:08:50)(良:1票) 《改行有》

37.  アビス/完全版 《ネタバレ》 ~『アビス』のつづき~ 最近DVDを買うまで放置していた完全版。こちらだときっと、ディープコアを助けるまでの描写が細かく描かれてるんじゃないかな?なんてちょっぴり期待をしてましたが… 海底でバッドたちが孤立している間に、地上では米のミサイル巡洋艦がソ連の駆逐艦を撃沈(事故?)して死者が出るなど、第二のキューバ危機が起きています。このまま行けば第三次世界大戦って状況です。 完全版の一番の観せ場が地上を襲う大津波…う~~んどうでしょう??この物理法則全否定“モーゼの十戒”並みの奇跡を、この題材の映画で観せられるとは思わなんだ。ここまで行くとリアリティなんて吹き飛びます。 そして映像で観せる核実験、戦争、紛争。同種族で争う愚かしい人間が、自分の手に余る核という脅威を手に入れたことに対する警告であり、それが「人類はもう少し大人になれ。おせっかいだとは思うが」になる。 世界滅亡の核戦争を止めるための世界同時発生の大津波。命を犠牲にしても核弾頭を止めたバッドのような人間への敬意と、人類への期待から、深海生物は地上に姿を出すことに決めた。ってことだけど、見かたによっては人類をより強大な脅威で脅してるんだよな。 そもそも、原子力潜水艦モンタナが沈んだのは深海生物の接触で電力が死んだためで、それがキッカケで米ソの間に第二のキューバ危機が起きてる。 ディープコアが地上から切り離されたのは彼ら深海生物が起こした暴風雨の影響。 そしてコフィが核弾頭をセットしようと決めたのは、ヘビ状の水が核弾頭を見てたから。ってかどうしてコフィたちは核弾頭の部屋を無人にしてたんだ? もし戦争になってたら、その引き金はどう考えても深海生物のせいだったろう。余計モヤモヤするわ。 “強い女性”を描くのが上手いキャメロン監督。ターミネーターのサラもエイリアン2のリプレーも、最初と最後で主人公の女性が大きく変化(成長)します。さて本作のリンジーは? 彼女は登場時から頭の良い大人の女性。周りからは堅物の嫌な女扱い。そんな彼女が深海生物の存在をキラッキラした目で熱弁するギャップ。登場時はスーツでパリッと決めてたリンジーが、最後はノーメイク・髪ボサボサでダボダボのスウェット。まるで少女のように。これはこれで変化球だったかな。 賛否両論の本作だけど、印象的なシーンも多いし、悪くない映画だと思います。[DVD(字幕)] 5点(2023-08-28 22:48:46)《改行有》

38.  アビエイター 《ネタバレ》 -The Aviator- “飛行家” たくさんの飛行機が登場する映画制作。世界最速の飛行機の製作。そして航空会社の買収、超大型輸送機の開発に偵察機の開発と、飛行機に関するものを新たに作り、自ら操縦するまさに“飛行家”ハワード・ヒューズの半生を映画化している。 名前くらいは聞いた気がするけど、映画界に航空業界にと多岐にわたって影響力を発揮した人物。莫大な資産を持ち、自分の好きなことに好きなだけお金を使うこの生き方は、ズバリ男のロマンじゃないでしょうか? いっぽうで多岐に渡り過ぎて、ハワード・ヒューズを良く知らない私には、彼の人物像を掴むのに戸惑ってしまった。病弱な少年は資産家の子で映画監督になったのか→本業は航空機の会社なのか→有名女優との関係でも有名だったのか→精神を病んでしまったのか。みたいな。 そもそもハワード・ヒューズを構成する一番メインディッシュの部分が“飛行家”の部分で、どうして彼がそこまで飛行機に心奪われたのかが、劇中そんなにしっかり描かれてたかな?って。なのでこの映画が、彼のどの面を描きたかったのかが私には上手く伝わらず。 唯一の幼少期の描写「QUARANTINE(=感染予防のための隔離)」は、どっちかって言うとスパイス的な部分だと思う。初めにスパイスが出て、完成したメインディッシュが幾つか(資産家、映画監督、パイロット、実業家、プレイボーイ)出てくる…けどこれ、モトは牛?豚?鳥?みたく。 ハワード・ヒューズは過去にこんな経験があって飛行機に魅了された“飛行家”なんだよ。って部分を、しっかり描いた方が、解り良かったかな。その流れだと、こだわり抜いた飛行機映画の完成や、世界最速への挑戦やTWAの買収の成功も、『金に物を言わせて成功したぜ!』だけでない、彼だけのこだわり、達成のカタルシスが感じられたかもしれない。[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-08 10:32:09)《改行有》

39.  アリー/スター誕生 《ネタバレ》 -A Star Is Born-“スター誕生”タイトルまま。 無名のシンガーが、突然人気ロッカーのステージに上げられて、ぶっつけでデュエット。トントン拍子にツアー同行して、アンコールでいきなりソロ。普通ならジャックのコンサートを観に来た観客には“え?誰?”だったろうし、スタッフも“え?歌わせるの?”だろうけど、この優しすぎる世界に、ガガの圧倒的な歌唱力が説得力を持たせている。 ジャックのキャラクターは、カート・コバーンの影響を受けたという。グランジとフォーク・ロックはジャンルが違うけど、 ジャックは“若くして自殺しなかったカート”だと思うと興味深い。 個人的にだけど、ニルヴァーナ辺りの'90年代後半から洋楽(ロック)のジャンルが多様化・細分化して、王道・本線を見失ってついて行けなくなり、空白の10数年を経て、レディーガガの登場に『おぉ!』って思った。 ドラァグ・クイーンのバーで歌うアリーは、実際のガガの下積み時代を彷彿とさせる。デビュー当時からシンガーとしての実力がスゴかったガガは、日本でも知名度が高かった。歌唱力より奇抜なキャラクターで取り上げられてたような気がしたけど、それでもアイドル以外の実力のある海外アーティストが日本で注目されるのは、久しぶりのことだったと思う。 邦題で“アリー/”って付けちゃったから、アリーの話とジャックの話のバランスに違和感を感じてしまうけど、人は死んで星になるって説は何も日本だけの表現じゃないようだ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-11-07 12:11:42)《改行有》

40.  悪魔の毒々モンスター 《ネタバレ》 ~The Toxic Avenger~有毒の復讐者。…なんか毒々モンスターの名前が“ザ・トクシック・アベンジャー”らしい。 邦題が良い。特に“毒々”ってところのインパクト。考えた人すごい。 むか~し、テレビの深夜映画で観た。少年を轢き殺すのが衝撃過ぎ。 母親に笑顔で見送られた自転車少年を、街の不良たちが車で轢き殺す。ルールのある殺人ゲームで、少年が死んでないから戻って轢きなおす。死体をポラロイドカメラで撮って喜ぶ…テレビで何てものを見せるんだ。軽くトラウマになったじゃないか。 罪のない少年、盲導犬、老婆と、今まであまりホラー映画のターゲットにならなかった層に対する残酷描写。 盲目のヒロイン・サラ。性格は明るく健康的でエロエロしてないのに、気がつけば胸もとがはだけてる、今で言う“隙の多い女”。 障害を持った人がお色気担当のギャップ。 『フレディやジェイソンみたいな怪人が、ヒーローのような活躍をするホラー・コメディ』だと思って観てたけど、 『バットマンやスパイダーマンのようなヒーローが、見た目も残忍さも怪人並みなヒーロー・コメディ』だった。…こんな書き方で伝わるかな。 ホラー映画でなくヒーロー物。タイトルに最近流行った“アベンジャー”が入ってるから今さら気がついたんだけど、当時まだバットマンは公開されてなくて、日本ではアメコミ・ヒーローのイメージが定着してなかったから、メルビンは日本に馴染み深いジェイソンみたいな怪人に分類されたんだろう。 邦題も“毒々ヒーロー”でなく“毒々モンスター”だし。 そう考えて観ると、メルビンはピーター・パーカーみたく事故で変身してるし、敵キャラのシガーフェイスとか、顔はんぶん黒塗りの強盗とか、ヒーロー物に付きものの個性的な悪党が出ている。 舞台のトロマビル(トロマ村。てっきりビルディングだと思ってた)は、ゴッサムシティみたいな架空の都市で、トロマ映画ではよく出てくるっぽい。 ホワイトバランスとかがカメラごとに違うから、警官の制服や空の色がカットごとに青かったり白かったり… ベッドシーンが音楽とともに終わったと思ったら、同じ音楽がまた始まって、さっき見たシーンと新しいシーンが織り交ぜになってまたベッドシーンが… 低予算なのに戦車まで出す州軍の出動シーン(同じカットが何回も)に、なんで今?ってタイミングで意味不明に入る回想シーン… メルビンたちのテントを包囲する戦車の前に、兵隊とギャラリーがまぜこぜに居たりとか… きっとピリピリしないのんびりした撮影現場で、みんなでワイワイ楽しんで作ってるんだろうなぁってのは伝わる。 この、のどかさがトロマ映画らしく、完成度が低く編集は適当。 だけど、残酷映像だけは妙にクオリティが高い。あと必要性が低いスタントシーンが多い。全体的にバランスが悪い。 レンタルビデオの普及で日本未公開だった、いわゆる“B級映画”にもビジネスチャンスが生まれた。 '84年に作られた本作も、'87年になってから奇抜な邦題で劇場公開。背徳感を感じてしまうグロ・エロ内容から、日本で突然マニアックな人気に。 『日本では俺たちの作風が売れるんだ』と勘違い(?)したらしく、急遽'89年に東京を舞台にした続編が作られた。 他のはともかく1作目は、私はけっこう好きですよ。DVD買ったとか人には言えないけど…[地上波(吹替)] 5点(2021-08-22 15:39:40)《改行有》

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