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1. 傷だらけの栄光
あのポール・ニューマンの出世作というのにレビューなしとは意外です。
映画は実在のプロボクサー、ロッキー・グラチアノの一代記。元ボクサーの父に虐げられ、スラム街で悪事の限りをつくした少年時代から少年院、刑務所を経て更生し、ボクサーになって、世界チャンピオンにたどり着くまでを描きます。人から愛を受けることを知らない少年が、母や妻の愛を得て栄光に輝くというのは定石どおりではあるけれど、ポール・ニューマンが武骨な男を好演しています。特にボクシングシーンは迫力があります。見どころは少年院時代。溝掘りの労役や他の収容者や看守との軋轢などが「あしたのジョー」にそっくり。個人的には、梶原一騎はこの映画の描写を下敷きにしたと確信します。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-23 19:29:24)《改行有》
2. 奇跡の人(1962)
ヘレンとサリバンの演技力のすごさはもう言い尽くされているので、違う観点から感心した部分を1つ。ケラー家に着任して早々、へレンがサリバン先生を部屋に監禁しかぎをかけてしまう場面があります。その後もたびたび「かぎ」がキーアイテムとして登場しますが、この「かぎ」とは、言葉の無い世界に「監禁」されたヘレンを解き放つきっかけを指しているといえるでしょう。そしてその「かぎ」が「ウォーター」という言葉だったというわけです。単なる実話ものを越えた感動があるのは、こうしたキーアイテムによる効果や、ヘレンの境遇にサリバンの育った環境を重ね合わせた描写といった優れた脚本の力が大きいといえるのではないでしょうか。7点(2005-03-05 11:11:55)(良:1票)
3. キャメロット(1967)
楽曲に聴くべきものがないのが致命的。せいぜい「キャメロット」と「グエナヴィア」の2曲ぐらい。ミュージカルとしては失敗作でしょう。アーサー王の理想郷が王妃とランスロットの不義で破綻する……。歴史ロマンのストーリーはどうにか及第点。衣装や城の内装など美術はすばらしく、グエナビア役のレッドグレーブとランスロット役のフランコ・ネロが美しい。
5点(2004-06-18 00:46:55)《改行有》
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