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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  グレン・ミラー物語 《ネタバレ》 “The Glenn Miller Story”邦題ままですが、固有名詞の人名の前に、冠詞の“The”が付いてますね。なので『“あの”グレン・ミラーの物語』みたいな意味合いかと思います。 曲のタイトルは分からなくても、聞けば「あぁ、この曲!」ってなる名曲の数々が、誕生のキッカケとともに軽快に流れてきます。 そしてグレンとヘレンの恋愛模様…というか、ほぼほぼグレンが強引にヘレンを引きずり込むような強引さでグイグイ進む2人の関係。 更にルイ・アームストロングだけでなく、ジーン・クルーパやベン・ポラック、アーヴェル・ショウといった当時のジャズ界の巨匠が本人役でドカドカ出てくる贅沢な映画。ジャズの知識が殆ど無いので知らなかったけど、なるほど、ジャズ版ブルース・ブラザースのような映画でしょうか。 没後10年、バンドマン・グレンの功績と、ヘレンとの交際・生活を映画というカタチで残す手段として、とてもスタンダードな創りです。当時彼の死因・事故原因は不明だったので、不明のまま(生々しい事故再現も避けた)にするのも正解に思います。きっと、誇張された美談・トラブルも入れていないと思うので、淡々とした印象はありますが、この映画の目的として、グレンの家族や友人が集まって、彼との思い出を振り返る映像作品にすることだったと思うので、良い思い出や、苦労を乗り越えた話を集めて、綺麗に一本の映画にまとまっています。[DVD(字幕)] 6点(2024-03-13 08:24:07)《改行有》

2.  クリムゾン・タイド 《ネタバレ》 “Crimson Tide”『深紅色の潮流』。うん、解るようで解らない。アラバマ大のフットボールチームを中心とした、スポーツチームの愛称なんだそうな。うん、舞台はUSS.アラバマだけど、なんでこの映画のタイトルにしたのか、解るようで解らない。 潜水艦映画に良い作品は多いですが、この映画も例に漏れずです。ゴチャゴチャ思ったこと書いてるけど、面白いです。 いよいよ核戦争か?という緊張感の中、通信不能に陥って、艦内を二分する争いに…劇中、ロシアのクーデターも、本国からの指令も添え物になり、外界から孤立した艦内では、ベテラン艦長とエリート副長の判断能力の戦いとなっていく。 艦内の緊張感についつい見落としがちだけど、叛乱軍のアクラ型原潜は何してたんだ?アラバマは通信障害を抱えていたけど、通常なら魚雷攻撃される以前に、核攻撃中止命令を受信していたはず。同時刻アクラ型にも、叛乱はロシア軍により鎮圧されたって情報は入っていたと思うんだけど?なんでアラバマ撃ったん?そっちも通信障害?まぁ、潜水艦映画は地味になりがちだから、ほんのちょっぴり派手さの華を添えたんだろうね。 ※もしかしたらクーデター失敗後、未だに任務を遂行、核の発射準備をしているアラバマをヤバいと思った米ロ両国首脳が、近くに居たアクラ型にアラバマ撃沈を命じた可能性も…? それより何より驚いたのは、食事中の原爆の話題。「広島と長崎に原爆を落としたのは間違いか否か?」って。上手く答えを濁すハンター副長と、ズバッと言うラムジー艦長。当時の日本軍には逆転勝利の目はない状態。にも関わらず、戦争が長引いてアメリカの若者がじわじわ殺されるのを防ぐために、非戦闘員を含め、一瞬で21万人も殺した作戦。文明人であるなら、それが正解だったとは思ってほしくない。 叛乱軍ラドチェンコの核攻撃対象は、アメリカ本土だけでなく日本も入っているって、もう何なの?アメリカ人もロシア人も。どんだけ日本に核落としたいの?…とかって映画の面白さと関係ないところが気になってしまう今日このごろ。 世界を滅ぼす能力がある艦なら、ワンちゃん乗せるスペースあるなら、通信手段の2つや3つ、余分に積んどこうよ…頼むわもう…[地上波(吹替)] 6点(2024-03-11 23:59:21)《改行有》

3.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 “GoodFellas”『気の置けない奴ら』。日本のヤクザ界の『兄弟』っぽい意味でしょうか?男同士の友達に使われるようです。 マフィアが日ごろ遊んで、好き放題やって暮らしている訳ではなく、きちんと仕事をする対価として、一つ格上の上質な暮らしをしていることがよく分かる。上下関係やルールはもちろんあるし、イタリア系かそうでないかで出世出来るかも決まる。ヘンリーの立場はマフィアの中でもチンピラの部類だと思うけど、人気のレストランで予約なしに席を作ってもらえる立場というのは相当優越感を感じられそう。 ファミリー内での付き合いが多くて、やれ結婚式だのお祝いだのとパーティの連続。これって夏のBBQとか冬のスキー泊とか強制参加させられる、時間外の付き合いを強要するブラックな会社みたいで私には無理。インドア派の私はお家帰ってボーッとしていたいって思ってしまいます。 そして家族同然の付き合いをしていながら、殺し殺されも日常に組み込まれている異常さ。警察の腐敗ぶりも、彼らが増長する原因になってましたね。 この映画といえばジョー・ペシ演じるトミー。この映画の印象がとても強くて、私の中ではジョー・ペシは、どこでキレるか解らない怖い男。トミーは仲間目線でも一般人目線でも、どの立場で鑑賞しても怖い。この映画の血生臭さはトミー絡みがほとんど。バッツ殺しが最後まで付きまとうのが、またマフィアの世界の怖いところに思えました。 だけどトミーのアクが強すぎて、ヘンリーは板挟み状態で右往左往するサラリーマンのようにも。これで真面目な性格なら(マフィアに真面目もクソもないが)良いけど、別宅に女囲ってるし、ボスに禁止されている麻薬に手を出すし、結局は自分が一番なところがクズらしい。で最後は証人保護プログラム。まるで借金して遊ぶだけ遊んで自己破産するダメ人間。エンディングのシド・ヴィシャス版マイウェイが印象深い。[ビデオ(字幕)] 6点(2024-03-11 23:02:06)《改行有》

4.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 “Crash”『衝突』。多数の登場人物が、さっきまで自分とは無関係だった人と衝突することで、様々な影響を受ける群像劇。 こういう、誰かの行いが、他の誰かに影響を与え、連鎖していく映画ってとても好きです。点と点がどんどん結びついていく快楽とでも言うんでしょうか?そして人間は誰しも多面性を持っていて、善と悪だけでは別け切らない部分も、うまく表現できていたと思います。 この一本の映画で、登場人物の連鎖が綺麗にまとまることはなく、劇中で全てが完結していないのも、たくさんの人物の中から一部を抜粋しただけな感じがよく出ていました。 この映画を観て思ったのは、アメリカでは他人を人種で区別することでしょうか。黒人、アラブ系、メキシコ人、アジア人。怒りをぶつける時は、本人には変えようのない人種の部分を攻撃する。まぁ、日本でも職業とか学歴とかでマウント取るような人、居ますものね。公開された時代の関係もあるけど、銃砲店でのファハドへの暴言は酷い。ダニエルの入れ墨を見たジーンの反応は、過剰ではあるけど気持ちはわかるかな。 魔法のマントは2回観て2回とも泣けました。ファハドには奇跡。奇跡には理由があるけど、それを言わないドリ。ドリが銃砲店のあの短い時間で、数ある弾丸の中から“あの”赤い箱を選んだのは、彼女の職業が深く関係していたことに、2回目で気が付きました。 トムがピーターを撃つ。普段善人なトムの裏の顔とも言えるけど、善人だからこそ、ああするしか無かったとも言えるなぁって。誰も見てないんだから正当防衛になるよう、ピーターを路上強盗に仕立てる小細工とかも出来たろうに。 次もう一度観たら、また新たな気付きがあるかもしれません。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-11 20:31:42)《改行有》

5.  クレイマー、クレイマー 《ネタバレ》 “Kramer vs. Kramer”『原告クレイマー氏と被告クレイマー氏の裁判』。むかーし観た時は、夫婦の離婚ばかりに目が行っていたけど、その根底に女性の社会進出があったのね。夫サイドで話が進むから、いきなり離婚を切り出されたテッドが、今までやったことのなかったフレンチトースト作るのに悪戦苦闘する様子が、なんともコミカルに観えたっけ。自宅に連れ込んだ会社の同僚が素っ裸でビリーに挨拶するとこなんて、笑えるような、困ってしまうような…軽快なテーマソングも相まって、重いテーマだけどスルスル観られます。 今風に言うと、仕事と育児の両立がどれだけ大変かをシュミレートして観せる映画なんだけど、当時は“女の仕事(家事)を男がするのがどれだけ大変か”に重きを置いているように思えます。『女性が社会進出するっていうことは、男性が女性の仕事をすることですよ。』と。新規事業を任されるくらい、会社に期待されていたテッドが、育児が原因で結果を出せず、あっさりクビになるところも怖い。 映画を見る限り、ジョアンナが耐えられなかった部分、夫婦生活におけるテッドの落ち度が描かれません。突然、ビリーを置き去りに出ていって、ずっと音沙汰もなかったのに、今度は一方的にビリーの親権を取り戻そうと裁判を起こす。何とも身勝手に観えますが、テッド視点だからというのと、これほどの行動を起こさないと、女性からの離婚は難しい時代だったのかもしれません。 別居から離婚中の1年半ほどの間に、ジョアンナがどういう生活をしているかの描写はありませんが、彼氏が出来て、かなりの高収入で働いています。裁判の結果も『そうなるよな…』って思えます。 最後のフレンチトーストの手際の良さが印象的でした。私は本作を30年くらい前に観てたんですが、結末を思い違いしていました。判決通りジョアンナがビリーを引き取ったものとばかり… なので今回、ビリーの気持ちも理解できて『母親を失って、今度は父親と家を失うのか』と可哀想に思っていたところ、ジョアンナの選択。勝負に勝って試合に負ける。結末こうなってたんだと納得すると共に、自分の記憶のあやふやさに苦笑い。 この映画の主題は、離婚のゴタゴタより、当時の女性の社会進出が進んだ結果のシミュレートを、女性に観せるのが目的の映画なんじゃないか?と思いました。男の方が出て行き、残された女が子供を抱えて苦労する話は、いつの時代もあったと思います。今回は逆で、女が出て行きます。 結果的にジョアンナ・クレイマーは、自由を手にする代わり、クレイマー姓で積み重ねた数年間の全てを失います。突然育児を押し付けられたテッドは、最初は悪戦苦闘するものの、最後は手際よくフレンチトーストを焼きます。つまり『大変だけど男にも育児は出来るんだよ』と。乱暴な言い方をすると『離婚したら女は全部を失うよ?それでも良いの?』と。当時のフェミニストは、この映画をどう観たんでしょうか?[ビデオ(字幕)] 7点(2024-03-11 17:02:59)(良:1票) 《改行有》

6.  クイック&デッド 《ネタバレ》 “The Quick and the Dead”即死…かと思いきや『生者と死者』って古い言葉の使い方でした。 西部劇の決闘を、1対1の生き残りトーナメント形式(正しくは何て言うんだろう?)にした本作。ちょうど世界的に格闘ゲームが流行ってた時代、決闘開始前にそれぞれの個性がしっかり紹介されてるから、どっちが勝つのかワクワクして観られました。 そして“女ガンマンが主役のウェスタンもの”というのも他に思いつく作品がなく、かなり印象深い映画です。 あんな砂だらけの荒野なのに、シャロン・ストーンがピシッと綺麗。どうしてドレスなんか持ってるんだ?なんで日焼けしないの?なんて細かい事は言いっこなしです 。 何より主演男優賞俳優3人は豪華。しかもクロウもディカプリオもまだ大ブレイク前。なのに作品のキーパーソンとして起用しているのは、サム・ライミ監督の先見の明かもしれません。 日曜洋画劇場か何かで観た時は、漫画チックな演出と、どっちが勝つのか?どうやって勝つのか?って、結構ワクワクして観た記憶があります。今回2度目で、筋書きがある程度記憶にあったため、安心して観ていられました。言い方を変えると初見時が一番楽しめる映画とも。 『対戦して生き残ったほうが勝ち』。いきなり第2試合からルール変更。結構美味しいコンテンツでシリーズ化も狙えたろうに、これじゃ続編を創れません。登場人物死んじゃうから。無理して創るとハイランダーみたいになったでしょう。逆に言えば、思い切りよく、この一作で出すモノ全部出し切ったとも言えます。 シャロン・ストーンの勇ましさとチラ見せの美学。脇を固める俳優陣の豪華さ。安直だけど他に思いつかない設定。スピーディーな展開。 やることのない休日に観ると、良い暇つぶしになると思います。こういう映画を創るのも才能ですよね。[地上波(吹替)] 6点(2024-02-24 12:05:58)《改行有》

7.  グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 《ネタバレ》 “Le Grand bleu”『雄大な青』。日本では公開当時“Great ”とし、アメリカでは“BIG”にしてます。グレート・ブルー当時大流行しましたね。それが数年後グラン・ブルーに名を変えてリバイバル上映。私はどちらもきちんと観ること無く現在に至りましたが、ジャック・マイヨールとかエンゾとかって名前は知ってるくらい、知名度の高い映画です。 父親の事故のシリアスさから生真面目な映画かと思いきや、コメディ要素も入っていて、リュック・ベッソンらしいなって思いました。 振り返ると『あ、この子ジャン・レノの子供時代だな』って一発で分るのも面白い。ジャン・レノってどの映画でもジャン・レノですね。 ジャイアンとのび太の友情スポ根ものかとも思いましたが、それ以上に海への愛が異常なほど強いですね。登山家とかもそうですが、命を懸けてまで未踏の領域を目指す気持ちって、どこから産まれるのか? イルカへの愛も強く感じます。イルカと心を通わせられるジャック。イルカを家族として写真を持ち歩き、イルカに似た女性(言われてみれば似てるかって思いました)を好きになる。ジョアンナとの初めての夜、寝てる彼女放っぽって一晩中イルカと遊ぶなんて『そこまで・・・』って思ってしまいます。余談だけど日本チームが滑稽に描かれてるのは、やっぱクジラとか食べるからかなぁ? ジャックの海愛・イルカ愛は、人魚姫の逆バージョンのようにも思えますが、父親が危機たときに、いち早く状況を察知したのも、彼にはソナーのような能力があるんでしょうか。安直な言い方をすると『丘で産まれたイルカの物語』ですかね。 子供の頃の海の夢は、命懸けで浮上する怖い夢に見えましたが、エンゾを見送った後は夢の中のほうが居心地が良さそうです。何時からか(最初からか)、「海底は怖い、上がってくる理由が見つからないから」と。そんな感覚は私の理解を超えますが、この映画を観ていると、何となくですがその気持が(私には理解できないってことが)わかるような、そんな気がします。最後ジョアンナの話も聞こえてるのかどうか…イルカに誘われて向かう深海は、私には真っ暗闇に観えましたが、ジャックにはきっと雄大な青に映っているんでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2024-02-24 11:21:21)《改行有》

8.  グラディエーター 《ネタバレ》 “Gladiator”『剣闘士』。ですね。 巨大な闘技場で剣闘士が殺し合う。これもう、少年ジャンプの格闘漫画ですよね。私の世代はみんな大好きだと思います。主人公が普通の奴隷でなく立派な過去があり、暴君に家族を殺された復讐劇という勧善懲悪もの。戦いの舞台も、地方の小闘技場から中央の巨大コロッセオへ。自分や仲間もどんどんキラキラ装飾が増えていく。敵の甲冑も不気味なのから強そうなのまで。そんで戦車だ、寅だ、伝説の剣闘士だとグレードアップしていくのも、まさにジャンプの王道展開。優れた娯楽性です。 CGで表現の自由度が大幅に上がった、今からおよそ四半世紀前。本作以降、古代ローマ時代(とその近辺)を舞台とした映画が幾つか制作されていますが、この映画こそが知名度・完成度共にいちばん優れていると思います。 この年代辺りを頂点に、以降、猫も杓子もCGで創られるようになっていきます。それはそれでお金が掛かるんだろうけど、どんなに凄い映像でも『あ、これCG表現だな』って解ると、途端に安っぽく感じてしまいます。 本作ではコロッセオやローマ都市の俯瞰図といった、実物で再現できないものをCGで補っているのが解ります。そして昔ながらの実際に作られたセットに、豪華な衣装。本物の馬車に戦車に装飾品やら小物やら。つまり、メチャクチャお金が掛かってるのが感じ取れます。映画観るのにどうせお金を払うなら、CGのアニメじゃなく、ゴージャスな本物を観たいもの。本作はそんな欲求を満たしてくれます。 マキシマス将軍が家族の復讐を果たし、悪のコモドゥスを倒して、ローマに一筋の平和が訪れ、仲間の奴隷は故郷へと帰っていく。シンプルで良いですねぇ。ストーリーは創作部分がたっぷりで、本作を史実と比べるのは無意味だと感じます。本作をキッカケにイメージを膨らませて、史実に興味を持つのが正しい見方でしょうね。でもこの時代の人の名前って、長くてみんな似てて、難しいなぁ。[DVD(字幕)] 8点(2024-02-18 19:19:48)《改行有》

9.  グランド・ホテル 《ネタバレ》 “Grand Hotel”とは、欧米において、その地域の最上級ホテルを指す…みたいです。日本では最上級=グランドとは限らないけど、まぁ、その地域の『格が高めなホテル』には違いなさそうです。 主要登場人物の5人は、たまたま同じ日々をこのホテルで過ごし、その後の人生が変わってゆく。今でこそもっともっと複雑な人間関係が絡む映画も出来ているが、90年以上も昔の映画だけにシンプル。当時斬新な作品として世に登場したこの群像劇は、今の目では目新しさはあまり感じられないけれど、それは後年、色んな作品で散々弄り倒さ(パクら)れたスタイルだからだろう。 この映画のキモとなるところは、登場したときには思いもしなかったカタチで、ホテルを後にするところ。そして全員がハッピーエンドじゃないところ。グルジンスカヤの希望からの絶望は描かれることがないけど、真相や結末はホテルを出てから、エンディングのその先の話となる。 私はこの映画のような格式高いホテルに連泊したことがないので解らないけど、泊まり客同士で、あんなに交流を持つものなんだろうか? みんな富裕層なので、同族意識のようなものがあるのだろうか? 温泉大浴場にて ??「こんにちわ!」私「あ、こんにちゎ…」 ??「地元の方ですか?」私「え?はぁ…まぁ…へへへ」 ??「私、大阪から来たんですよぉ」私「え?あ。へ、へえぇ~~・・・おおさか・・・」 大阪人「・・・」私「・・・」 大阪人「さって、先に上がりますね~じゃ!」私「あ、どうも・・・」 う~ん…ここ10年でも挨拶程度しか記憶がない。私が人見知りすぎるのかな?…恐るべし富裕層のコミュ力。 そんな私からすると、やはり庶民の代表のようなクリンゲラインが共感を得やすかった。死ぬ前の豪遊。クリンゲライン目線で、今まで見上げるだけだった富裕層と同じ目線で同じ景色を観て、ゲームや酒に興じる。その先に待つ第二の人生。 彼の寿命が伸びるとは思えないけど、残りの人生に良い変化をもたらせた一人だろう。 じゃあ、クリンゲラインが手に入れたものって?グルジンスカヤが一転して希望に溢れた理由は? 人生の価値の有る無しを感じる基準って、結局“金”と“異性”なのかなぁ…?いやあと“時間”も大事。絶対。[DVD(字幕)] 6点(2024-01-19 22:39:59)《改行有》

10.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 “Gran Torino”『フォード・トリノの一部車種の愛称』。日本だとスカイラインの、GT-Rじゃなくジャパンとか鉄仮面だと思う。 ウォルトはアメリカの輝かしい時代を生きた世代だ。'50年代に青春を過ごし、朝鮮戦争で戦ったのちフォードの工場で働き、愛する奥さんと二人の息子。郊外のニュータウンに一戸建てを持った男の余生、成れの果て。 2000年代、アメリカは様変わりしていた。ニュータウンは寂れて老朽化し、残っているのは老人とヨーロッパの移民系。金のある白人はもっと利便性の良い地域に移り住み、代わりに入ってくるのはアジア人。若者は移民や黒人のギャング。奥さんに先立たれ、息子はトヨタに勤めていて、孫はみんな馬鹿。 当時イーストウッドは78歳。いつ死んでもおかしくない年齢の男から観たアメリカの小さな街。あの街はアメリカの縮図。ウォルトは決して裕福ではない。広いとは言えない建売りの家をピカピカにして、小さな庭の芝を刈り、欠かさず国旗を掲揚している。グラン・トリノも当時大人気のマッスルカーってほどではなく、燃費の悪い中型のアメ車。ウォルトはアメリカの中流家庭の、プライドの塊のような男。 また'50年代の白人文化を過ごしてきた世代からの警告のカタチも取っている。白人中心のアメリカ社会も、アメリカ中心の世界も、今後更に変わっていく。 奇しくも公開年に起きたのが、サブプライム・ローン問題を起点としたリーマン・ショック。今の時代のウォルトのような中流以下の住宅ローン債務が焼き付いて、大手銀行が破綻するまでのダメージに発展し、アメリカ経済がどん底に落ちていった最中の公開。 この街の若い白人は、スーの友達のようなナヨナヨした白人しかいない。移民たちを受け入れて行くしかない現実がある以上、どんな人達と共に生きていくかを考えなくてはいけない。世界の警察だったアメリカは、他民族に銃を向けるのではなく、他の方法で解決をしなければいけない。 ギャングと戦う決意をしたウォルトは、白人の誇り高いスピリットは神父に残し、アメリカの輝かしいプライド(グラン・トリノ)はタオに残した。 最後ウォルトの手に残ったのはジッポーライター。これもまた、アメリカが世界に誇った古き良きアメリカ製品の象徴であり、消えゆくタバコ文化の象徴。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-23 11:44:11)《改行有》

11.  グリーン・デスティニー 《ネタバレ》 “臥虎藏龍”『伏せる虎・隠れる龍』=まだ世に出ていない才能の持ち主。みたいな意味のようです。邦題はムーパイの碧名剣を表したんでしょう。まぁ、竹林や野山の緑が目に鮮やかなので、本作の映像を脳内で蘇らせる邦題になっていますね。 私の中では中国の歴史ファンタジー物の先駆けの印象が強いけど、『武俠映画』というカテゴリ分けがあったのは今回初めて知りました。 ジャッキー・チェンがカンフー+スタント映画に傾倒していった一方で、ワイヤーアクションとCGをミックスして、こんな美しい映像を創るなんて!と、当時驚いたものでした。 アクションは見応え充分。もちろん本格カンフー映画じゃないから、役者さんの演武と言うより演舞かな。最後のイェンが空を飛ぶCGを観ての通り、まだあのレベルのCGの時代に、ワイヤーを駆使するなどして、とても綺麗な舞に仕上がっていたと思います。武術家とイェンの食堂の乱戦はテンポも良くてカメラもバッチリ決まっていたし、シューリンとの姉妹対決は色んな武器の特性を活かした闘いが観られて、割と長時間なんだけど飽きさせない。この場面の重たい棍棒が持ち上がらないの、可愛い。続くムーパイとの竹林の舞も、綺麗なんだよな。竹の細い部分にちょこんと乗っかってるのが幻想的。登場人物が空を舞う時に余計な効果音を入れないのも、ファンタジーっぽくって良いですね。 ストーリーは正直良くわかりません。あまりにも良い所で出てくる神出鬼没のムーパイ。名前も容姿も中ボス・クラスなジェイド・フォックス。あとやっぱりイェンの行動がとにかくメチャクチャで…結婚式から家を飛び出して、気が付けばさすらいの剣士みたいになってるのって、急展開過ぎてどこか観飛ばしたのかと思ったわ。まぁでもそういうご都合主義っぽい所も、ファンタジーっぽくて良いですよね。 ストーリーより何より、今考えると中国・香港・台湾・米国の合作ってところが一番ファンタジーかも?[地上波(吹替)] 7点(2023-04-12 23:50:56)《改行有》

12.  グレムリン 《ネタバレ》 “Gremlins”=機械の中で悪さをする小悪魔。イギリス空軍が発祥らしいので歴史は浅く、当時の人面犬やトイレの花子さんみたいな存在だったのかも。ギズモの可愛さとグレムリンの不気味さが程よくて、テンポの良さとバカバカしさもあり、ちょっと背伸びした子供には丁度いい怖さがあって、『3G対決』の学校人気では一番好評だったように思います。 今改めて観ると、こんなにグロかったっけ?ってなりました。ある意味ヒロインのケート以上に活躍するお母さん。ミキサーに電子レンジと、子供の頃は素直に『おぉ!ナイスアイデア』って思ってたけど、アレに生き物を入れたらどんな死に方するのか?って好奇心を満たすのが目的だろうか?なんて、怖い想像をしてしまった。 そしてケートのお父さんの死の真相。もしかしたらこの映画で一番怖いのが、この話かもしれない。小さな町であんな死に方をしたら、結構町中に広まってそうだけど、何にせよケート可哀相。 ストライプの最後。ネチッこくジワジワと死んでいく様子を丁寧に表現。ほとんど骨になって倒れる時の、白くなった目玉がプルンッ!って踊るところが当時の技術力の高さかな。 グレムリンがみんなで白雪姫観ながら合唱してるのが可愛い。その後のスクリーンに写ったビリー達を襲ってくるシーンも上手い。アレだけの騒動で犠牲者がディーグル婦人(悪人)だけってのも、後味悪くしない工夫かも。 パブでグレムリンの接待をして以降、フィービー・ケイツの頬が赤いんだけど、どうやらバイクで遊んでて転倒した際に出来たものらしい。しかしグレムリン、ビールとか飲んでたけど、増殖しないのかな? 最後ギズモが古物商の老人に連れて行かれるシーンが、凄くクリスマスっぽくて好き。[地上波(吹替)] 6点(2022-12-29 23:28:05)《改行有》

13.  グリーンブック 《ネタバレ》 - Green Book(=The Negro Motorist Green Book) -  “グリーンによる黒人ドライバーのための旅行ガイドブック”。著者が黒人の作家ビクター・グリーンさんなので、グリーンブック。 黒人への人種差別がまだまだ色濃い時代に、白人運転手が黒人ピアニストを乗せてアメリカ南部を移動する。考えただけでもとても興味深いロードムービーで、アカデミー作品賞受賞の快挙含め、ドライビング・ミス・デイジーやレインマンが思い浮かぶ。 「ワオ!ケンタッキー州でケンタッキーフライドチキン!!」子供のように興奮するトニーにすっかりやられてしまった。あのチキンの大きさ。なんと食べごたえの有りそうな姿。こないだ買ったセットのやつは、一番大きいのでも私の握りこぶしより小さかったぞ。私の学生時代と比べても絶対小型化してる。 あぁでも食べたくなるなるケンタッキー。初めての人にも食べやすいドラムから渡すの、トニーの優しさだよね。ドンが美味しそうに食べて、キールも勧められて…チキン食べる時のベストな流れだよね。骨の処理で距離が縮まって、その後の「(紙コップ)拾いなさい」で見事に落ちてる。素晴らしい。ただ当時、空き缶でさえポイ捨てが日常茶飯事だった(であろう)時代に、紙コップごときで車戻すか?というと、さすがに創作だろうなとは思う。 楽しく観終わって、映画界やドンの遺族から批判的な意見が出ていたことを知り、ちょっと複雑な気持ちになった。映画としてとても面白く、まとまりも良く、テーマも伝わり、ドクター・シャーリーにとても興味も持てて、当時の黒人差別に理不尽さを、充分に感じとれたからだ。 “映画ではあのように表現していたけど、本来はこうだった”なら批判も解るけど、“本来はあぁではなかった。と思う”だけでは、良い物語を潰すことは出来ても、創ることは出来ない。あの時代に紙コップを拾うのを、有り得ないと批判するのではなく、映画としてのデフォルメとして楽しく観て、映画が伝えたい何かを少しでも吸収できたら、それは良い映画と出会えた。って言えるんじゃないだろうか。 最終公演の決断から、オレンジバードで楽しそうにスタインウェイ“じゃない”ピアノを弾くドンに嬉しくなった。帰り道の警官。トニーの家と、テンションどんどん上がってハッピーに終わるこの映画が、私は大好きだぁ![CS・衛星(字幕)] 9点(2022-11-28 02:10:32)(良:1票) 《改行有》

14.  グッドモーニング,ベトナム 《ネタバレ》 サッチモの“この素晴らしき世界”の美しさと、最後の和やかなソフトボールシーンが、この映画を異国の人情モノに思わせてしまう。 けど、何か違う気がするぞ。監督はどういう立ち位置で、この映画を観せようとしたのか。 '80年代半ばから後半にかけて、ベトナム戦争を題材にした映画が多く制作された中の一本で、戦闘をメインとしない珍しい戦争映画。最初に観たのは14~5歳の頃で、当然ながら当時はクロンナウアのアメリカ側の視点で観ていた。30年以上経ったいま、ベトナム人のトリンやツアン側の視点で観てしまう。 トリンに一目惚れ(・・・というか白いアオザイを着た美人なら誰でも良かった)のクロンナウア。フラレたのに金で買った自転車で追い回し、英語教師の座も金で買い、適当な授業で笑いを取りながら彼女に近づく。遥か遠いベトナムの地で、割り切った楽しい思い出としてトリンで遊びたいクロンナウア。 彼の一方的でワガママな要求に、丁寧に、誠意ある断わりを続けるトリン。なんて良い人なんだろう。一族総出のデート。笑えるシーンだけど、アメリカ人に文化の違いに気が付かせたいという、強い思いが感じられる。だけどショッピングで見え見えの人気取りをするクロンナウア。物価が安いから出来るだけで、誠意の欠片もない。 自分の身の危険も考えず、バー爆破とベトコン占領地区で2度もクロンナウアの命を救ったツアンに対し、彼がベトコンだったからってガッカリ・・・まぁその気持ちはわかる。友達に裏切られたと言いつつ、クロンナウアはツアンの何を解ろうとしたのか。 学生の時は戦地に向かう兵士一人一人に笑顔を振り撒くクロンナウアの姿にジーンときたが、今思うと『いやいや、お前ら全員、素直にアメリカに帰ってくれよ』て思ってしまう。人の国で好き放題してきたアメリカ。 トリン役のチンタラー・スカパットが、日本のアイドルみたいな可愛さ。どう考えても当時のアメリカでウケる東洋人顔(ツリ目、エラ張り、鼻ぺちゃ)ではない彼女を起用したのは、バリー・レビンソン監督の大英断。[ビデオ(字幕)] 5点(2022-06-23 23:38:45)《改行有》

15.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 《ネタバレ》 -Good Will Hunting-主人公の名前である“善人、ウィル・ハンティング”って意味と、“人の好意を求めて”って2つの意味があるみたい。マット・デイモンがまだカッコいい美青年だった頃の映画で、日常の荒々しさと天才的知能を発揮する場面のギャップが格好良く、バーで大学生を知識で言い負かすのはスカッとする。共演するベン・アフレックも、前に出過ぎない程よい存在感を出せていて、とても好感を持てる。 映画で語られるように、ウィルが本などで得た知識と、実際に実物を目にしての感想は別物。例えば写真で見る清水寺と、実物の清水寺の違い。現地に行かないと感じられない空気感とか佇まいとか。だけどそれは、修学旅行で興味のないガキの時に実物を見ても、あまり入ってこない。でも歴史に興味を持ってからに観る清水寺の、何と素晴らしいことか。そんなコトをぼんやり考えながら観ていた。 マグワイヤもランボーも、スカイラーもチャッキーも、異口同音に今のウィルの境遇を認めたうえで、次のステップを勧める。ある程度まで人間関係が進むと、自ら心を閉ざすウィル。気を許せる幼馴染みのチャッキーの思い『ノックをする前の10秒間』の話はとても心を打った。学がなく単純労働しか出来ないチャッキーが、人間関係に臆病なウィルに勘付かれもせずに、あんな思いを抱いていたなんて。 マグワイヤとランボーが、それぞれの思いでウィルのことを熱く語るところも素晴らしい。出てくる人みんな良い人ばかりだ。 今回久しぶりに鑑賞して、ウィルの最後の決断を勘違い(どこか優良企業に就職したと思ってた)して記憶していた。ウィルと接する登場人物で、思いの変化が一番あったのはスカイラーだと思う。かけがえのない人間関係だけど、あそこで動かなければ生涯失ってしまう関係がスカイラーとの関係なので、まず何より、カリフォルニアに旅立ったのがとても良い終わり方だと思った。[ビデオ(字幕)] 8点(2021-12-12 17:17:30)《改行有》

16.  暗くなるまで待って 《ネタバレ》 ~wait until dark~暗くなるまで待つ。 …意味はそのまんまだけど、“待って”と語りかけるような言葉だから、こんな怖いサスペンスだとは思わなかった。 マイクとカルリーノを部屋に誘う方法。指紋やタバコと言った痕跡の消し方、残させ方。リサの死体登場までも、ロートの一筋縄では行かないヤバい犯罪者っぷりが凄い。敬語を使わせる拘りも変態っぽい。ターゲットが盲目の女性で、ほぼ一人暮らしっていうのも絶対的に不利な状況。 スージー役のオードリー。彼女の体のラインがハッキリ解る上下タイトな服装で、驚くほど細くてびっくりした。椅子につまずくとことか結構思いっきり行っていて、目が見えなくなって長いことを感じさせる自然な演技だった。 人形が見つかった連絡から、部屋の中にマイクの他に無言の男が2人入ってる画の怖さ。外との繋がりが玄関と電話だけ。その電話線が切られる絶望感。観てる私は当然目が見えるだけに、この“助けたいけど助けられない感”が半端ない。 マイクすら微かな希望に思えてしまうほどのロートの変人ぶり。密室の生活空間をフル活用した攻防。序盤にタバコの消し忘れで大騒ぎを観せてからの、後半のガソリンを使った駆け引き。電球を壊して真っ暗なスージーの世界の追体験。上手いこと逃げられそうと思ってからの、期待を裏切る冷蔵庫。 最後刺さったナイフを持ったロートが、自分を殺そうと迫って、手の届く距離で苦しんで唸って死ぬまでの声や音を延々聞かされてたんだから、これは想像するだけでも怖い。扉の影で小さくなってるスージーは、不謹慎ながら猫のようで可愛い。 事件が解決したって、スージーの目は見えないままなんだよなぁ…って不思議な気持ちになると同時に、目が見えない弱みを利用した卑劣な犯行に、ニュースとかで聞く実際の高齢者詐欺の被害話とかが重なって、やりきれない気持ちになる。 それとグロリア。そういう年頃だから仕方ない気もするけど、弱い立場のスージーに対する意地悪が過ぎる。そもそも、グロリアが人形を持ていかなければ、リサさえも死ななかったんじゃないか? …なんて思ってしまうけど、ストーリーも演出もそのまんまで再映像化出来そうってくらい、全く色褪せてない良質なサスペンス。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-15 02:04:02)《改行有》

17.  グッドナイト&グッドラック 《ネタバレ》 ~Good Night, and Good Luck.~「おやすみなさい。そして幸運を」エドワード・R・マローがTV番組の最後に言う締めの挨拶。 現代の魔女狩りと言えるほど加熱したマッカーシズムとジャーナリストの闘いを取り上げた作品。 モノクロの渋い映像。1953年のアメリカが舞台で、序盤からたくさん人名が飛び交うので、正直置いてけぼり状態になってしまった。 番組の構成を打ち合わせ、番組を流し、出来具合を話し合い、新聞の評価で判断する。美味そうなウイスキーとダイアン・リーヴスの挿入歌がホッとさせてくれる激シブい構成。 予備知識無しで観たから、どれだけ理解できたか疑問だけど、余分な説明、私たちでもついていけるくらいの時代背景を一切省いて、ロケもなく当時のニュース映像もほぼ無く、当然娯楽性は排除して、ほぼ全編スタジオの中だけで、90分台に収めたことは、なんとも凄いバランス取りだ。 今の日本の報道番組は、何でも娯楽に結びつけてしまったり、内容よりインパクトの強さでトップニュースにしてしまうような報道が多い気がする。でも深夜のドキュメント番組とか、興味深い番組も多い。ジャーナリズム、報道番組の存在意義は、視聴率ばかりでは無いことを、忘れてはいけないね。 娯楽として楽しめる作りではないけど、駄作でもない。マッカーシズム、マローについて予備知識を入れてから観るべし。[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-08-17 22:18:21)《改行有》

18.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 ~Cloverfield~地名をモトにした映像記録の暗号名。シロツメクサ原野とか。 ジャンパーか何かを観に劇場に行き、入り口の注意書きを見て興味が湧いてしまい、予定を変更して観たのがこの映画。 【全く新しいアトラクション・タイプの映画です云々・・・】これは気になるでしょ観たくなるでしょー。 一番大きなスクリーン。ズゥンン!!!と大音響で震える館内。ワクワクして心拍数上がりまくりの中繰り広げられる若者のラブラブホームビデオ…あれ?セレブな若者のホームパーティが延々と映され、勝手にやってろと正直飽きてきた頃に・・・ 突然の揺れ、建物のヤバい音。屋上から見える遠くの火災。上空から降りかかる火球。ここからがまさにジェットコースター。ゴロリと転がる自由の女神の首。それを写メする人々。避難した商店から外に出ると廃墟になってる街。避難する人々。電気屋を襲う暴徒。街なかで発砲する軍隊。戦車までいる。 途中映像酔いに絶えられなくて、2組4人が脱落した。 同僚の甥っ子(小学生)もお婆ちゃんと見にいって、マリーナの最後のシーンで脱落したと後から聞いた。 何の説明もなく怪獣が暴れる足もとに放り出される感覚。ロブやハッドと逃げながら(何故か)ベスを助けに行く流れ。あくまで記録映像として始まり、記録映像として終わる内容。 あぁこれ、怪獣映画だったんだ。 エンドロールに流れるゴジラ映画のオマージュと言える重厚なテーマソングで、これ以上無い“体験してしまった”感に満たされた。 マリーナは助かってほしかったな。怪我をした後に初めて見せる笑顔、死の直前の蒼白の顔の美しさが印象的。 この映画は何の予備知識もなく観ることで、最大限に楽しめる作品の一つだと思う。 基本この手の映画は、一度観たら満足して再試聴は遠のくんだけど、私は大好きで、いまでも毎年、夏になると観たくなる映画。 一度観ただけでは単なる垂れ流し(風)映像に思うかもしれないけど、ちゃんと細かくカットされている。 例えば最初のアパート(あんなセレブ向け高層タワーマンションがアパートだと??)のシーン、ロブがベスの写真立てを撮るシーンや、火球が迫るロブのマンションから逃げるシーンとかでも細かくカットが入ってる。 後々、東日本大震災のニュース映像で、人が死ぬ瞬間や、撮りっぱなしの映像に遺体が映らないとかの“放送上の編集”を見て、この映像も同じ様な編集がされたんだろうなって思ったりした。 バッテリー問題、不死身のベス説、トラビスはどこにいった?。主人公たちに優しい軍隊。いろいろアラは多いけど、これはアトラクションなんだと思えば許せてしまう。 よくブレア・ウィッチ・プロジェクトと比較されると聞くけど、比較する必要も意味もない、怪獣映画の完成形だと思う。[映画館(字幕)] 9点(2021-07-17 16:24:28)《改行有》

19.  グラン・プリ(1966) 《ネタバレ》 ~Grand Prix~大賞。その年その国で一番権威あるモータースポーツに付けられる。4輪の最高峰がF-1ワールドチャンピオンシップだから、自国開催の時に(国名)+グランプリって呼ぶそうな。 とにかく、この時代にどうやって撮ったんだ?って迫力満点の映像が満載。80年代後半のF-1ブームの時、最先端技術としてオンボード(車載)カメラが登場したと思っていたけど、66年にこんな綺麗で滑らかな映像があったなんて。 それでいてレース中の空撮にはカメラ搭載車が写ってない(見分けがつかない)。87年のカメラでさえ、牛乳パックくらいの大きさだった事を考えると、レースの空撮と車載映像は別撮りということか。 車載映像だけでモンテカルロほぼ一周ノーカット撮りっぱなし。スパは雨のレース映像。空撮は空撮で上空からの俯瞰だけでなく、横からかなり寄りで撮ってるから迫力があり、観客席に人が溢れてるのも、あれ実際のレースシーンなのかな。映画の撮影だとしたらスゴイとしか言えない。 そして一番驚くのが主演俳優が本当に運転していること。こんな撮影、今だったら考えられない。 まだシートベルトが無い葉巻型のF-1の時代。写真でしか見たことがなかった当時のF-1の映像が資料価値満点。 グラハム・ヒル発見!他にジャック・ブラバム、ヨッヘン・リント、ギ・リジェ…数枚の写真と文字資料でしか見たことがない伝説のドライバーたちが活躍…してるようだ。ウイングカーの時代(70年代後半)なら多少解るかもだけど、ここまで古いとデーモン・ヒルのお父さんしか解らなかった。 アロンが主役かと思ったら途中からサルティ中心になり、メインの4人にそれぞれ女性が絡んでと、どうもストーリー的には絞りきれていない感じがした。 世界で活躍するヤムラ・レーシングの扱いが大きくて嬉しいのと、三船の横に本田宗一郎っぽい、つなぎを着た眼鏡の日本人が居て、何か嬉しい。当時それだけインパクトが有ったんだろうな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-14 23:22:57)(良:1票) 《改行有》

20.  グーニーズ 《ネタバレ》 ~The Goonies~グーンドックスという地元の地名と、垢抜けない(goony)とかバカ(goon)とかを合わせた造語。練マザファッカーみたいなノリだろうか? シンディ・ローパーの主題歌が印象的な本作だけど、サントラ以外、彼女が売れてた頃のベスト盤にグッドイナフは入ってない。子供向けで中身のない歌は、彼女にとって黒歴史だったみたい。 子どもが冒険する映画ってことで、当時(11歳か)は“自分より小さい子が楽しむもの”の印象が強くて正直そんなに興味が無く、私にとってグーニーズというと、コナミのゲームだった。きちんとエンディングがある名作だったわ。 映画はTVで初めて観たけど、何かの手違いで最初の部分(十数分くらい?)が、2回流れるトラブルが起きたっけ。どうでも良いことだけど印象深い。 小さな子供向けと言うにはバランスが微妙で、データの発明はリアリティに乏しい割に、言葉は汚いし、刑事の射殺体は出てくるし、骸骨は容赦なくリアル、アンディはお色気担当だし…何歳くらいの子どもを対象に作られたものか気になる。 劇中いわゆる“ピタゴラスイッチ”が多く出てくる。洞窟以降の罠はともかく、最初の家の柵を開ける仕組みを観て『面白い!』って思える歳の子は楽しめると思うし、『手で開ければいいのに…』って思うおマセさんには幼稚な内容に思えるかも。 でも今の私くらいの歳になると何でも許せてしまうので、家の屋根裏部屋に宝の地図なんて、もうワクワクしてたまらない。 みんなで自転車で出発とか、地図をもとに100歩進むのが途中からいい加減になるのとか、捕まったチャンクが過去の悪事をべらべら喋るのとか、子供らしくて可愛い。 フラッテリー一家(今回観たDVDではフラテリーだった)。迫力あるママは後のラピュタのドーラ一家に影響を与えたと思ってる。 兄が最近見た顔だと思ったら、ダイ・ハードの“違うほうのジョンソン”だった。 願い事の井戸のコインのシーン。手を付けて良いものとダメなもの。手をつける理由。こういう考え方って大事だよなって思う。 海賊船の神秘性。物言わぬ海賊の死体が、航海の最後に何が起きたのかを語る。金銀財宝の山。やっぱり最後は宝にたどり着かないと。 海賊船が出向するのもロマンがあるし、冒険の代償が立ち退き料を賄えるくらいの僅かな宝石というのも綺麗な終わり方。 今度金曜ロードショーでやるそうで、こういう懐かしい映画をどんどん放映してくれるのは嬉しい限り。 この映画を純粋に楽しめるか微妙な年齢の子には、家族みんなで観るよりも一人で観せたら、きっと食い付くと思う。 …個人的にはダビデ像ネタが地上波でどう放映されるか楽しみ。[地上波(吹替)] 5点(2021-06-06 17:01:55)《改行有》

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