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プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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21.  ショコラ(2000) 《ネタバレ》  こういった内容の映画である以上、観賞後に「チョコレートを食べてみたい」と観客に思わせる事が出来れば成功なのだと思います。  自分はといえば、事前に買い込んでおいたチョコレート菓子の包装を解いて、美味しく頂かせてもらったので、まず満足。  基本的に優しい映画であり、作中の人物殆どが幸せな結末を迎えてくれるので、後味も良かったですね。  特に感心させられたのが主人公の扱いで、こういった御話では 『主人公は癒しを与える天使のような存在なので、心の弱さを見せて取り乱したりしない』 『村の人々が幸せになるのを見届けた後、主人公は次の村に幸せを運ぶ為に風のように去っていく』  という不文律が存在しているにも関わらず、本作は意図的にそれを覆しているのです。  終盤に北風が誘い掛けるシーンでは(あぁ、やはり立ち去ってしまうのか……)と寂しく思っていただけに、それを否定して窓を閉め、街に留まる事を選択する姿に驚き、安堵もさせられましたね。  遺灰を撒いて、それが北風に運ばれる描写もあったとなると、次の「幸せを運ぶ旅人」の役目は、あのお婆ちゃんにバトンタッチされたのかな? とも推理出来て楽しかったです。  ちょっと気になったのは、作中で唯一「救われない」人物として、セルジュが存在している事。  彼の扱いが完全なハッピーエンドとなる事を妨げているので、そこをもう少し上手くやってくれていたら、より満足出来たんじゃないかと思えましたね。  女性目線の映画なのだから「家庭内暴力」を振るった以上は許されるべきではないという判断なのかも知れませんが、一応彼なりに妻を愛していて、反省し、許しを乞うていたのだから、復縁するのは無理としても、もうちょっと救いを感じさせる顛末にしても良かったんじゃないかなぁ、と。  火事の件など、物語の進行上に必要な悪事は全て彼に押し付けて、村から追放したという形だったのが、どうにも居心地が悪かったです。  意地悪な見方かも知れませんが、村長の妻だって浮気という罪を犯しているのに、そちらは全く罰せられる描写が無しというのも、何だか女性に都合の良い世界観に思えてしまいました。  いっそ次の「幸せを運ぶ旅人」の役目を、セルジュに担わせても良かったんじゃないかと思えるのですが、どうなんでしょう。  そんな本作の中で自分の一番のお気に入りは、倦怠期に陥っていた夫婦が「情熱を呼び戻すカカオ豆」を通じて、仲睦まじい夫婦に変わっていくシークエンス。  ちょっと下世話な描写でしたが、お風呂掃除中の妻のお尻に欲情してしまう件なんかが、非常に共感を持てたのですよね。  その後に、妻の荷物を「持つよ」と優しく提案する姿など、些細な描写の中にも「不器用ながらも、妻想いな旦那様」に変わった事が窺えて、微笑ましかったです。  断食の果てにチョコレートに貪り付く村長の姿からは、一種のカタルシスが感じられたし 「人間の価値は何を禁じるか、何を否定するか、誰を排除するかではなく、何を受け入れ、何を創造し、誰を歓迎するかで決まる」  というアンリ神父のお説教も、心に沁みるものがあって良かったですね。  娘の友達であるカンガルーの存在も、物語の寓話性を高める程好いアクセントになっていたと思います。  ゆったりと身を委ねたくなるような甘みと、微かな苦み、両方を味わえた映画でありました。[DVD(吹替)] 7点(2019-02-08 02:47:55)(良:3票) 《改行有》

22.  地獄の変異 《ネタバレ》  某探検隊風の予告編とは異なり、コメディ要素は皆無で、至って真面目に作られた一品ですね。  洞窟内の映像も美しく、しっかり作り込まれているのが伝わってきます。  ……ただ、どうも真面目過ぎるというか、強くダメ出しする部分も無いけど、大きく褒める部分も見つからない。  退屈はしなかったけれど、面白いとも感じなかったという、何とも微妙な印象を受けてしまいました。  楽しめなかった理由を分析してみるに、まず全編に亘って舞台が洞窟内に絞り込まれており、洞窟外のシーンが僅かしか存在しないので、息苦しい構成になっている事。  そして「主人公の兄が怪物に変異して敵対するのかと思いきや、最後まで味方のままで終わる」事が大きかったのではないでしょうか。  この辺りは「徹底して洞窟探検に拘った、潔い映画」「観客の予想を裏切る脚本」と褒める事も出来そうなんですけど、自分としてはマイナス点に感じられましたね。  前者に関しては、やはりずっと洞窟内のままだと画面が代わり映えしなくて単調になってしまうし、後者に関しては「頼れる兄との対比で情けない弟だった主人公が、最後まで情けないまま成長せずに終わる」という落胆に繋がってしまった気がします。  終盤の怪物達との戦闘、そして兄が完全に怪物になってしまう前に自己犠牲で相打ちとなる事を選ぶ展開などは良かったと思うのですが、実はヒロインも地底生物に寄生されており「怪物が地上に解き放たれてしまった」という後味の悪いオチが付く辺りも、ちょっと微妙。  ここの部分、ヒロインが寄生されていると分かった時の音楽や演出などが「えっ、何? まだ終わっていなくて続くの?」と思わせる感じだったもので、その後すぐ音楽が止んで完結を迎えるのが、何かチグハグだったのですよね。  それなら「実は彼女も寄生されていた」という衝撃と共に映画を終わらせる……具体的に言うと「ヒロインが立ち去る場面」で、そのまま終わらせて「主人公がヒロインを追いかけようとするけど見つからなくて途方にくれる場面」の数十秒はカットした方が、余韻が残って良かったんじゃないかな、と思えました。  それにしても「カタコンベ」といい「ディセント」といい、地下を舞台としたホラー映画って後味が悪いというか(うわぁ……)と感じさせる終わり方が多いですね。  これって偶々なのか、それとも「やっぱり地下系ホラーは、こういう終わり方じゃないとな!」という拘りのようなものが存在しているのか、気になるところです。[DVD(吹替)] 5点(2018-10-15 19:06:44)(良:3票) 《改行有》

23.  ジャックとジル 《ネタバレ》  映画に関するジンクスの一つとして「ゴールデンラズベリー賞を取った映画は、意外と面白い」というものがあるのですが、これもそんな一本。  とはいえ「傑作」と断言出来る程ではなく「意外と面白い」の範疇に止まってしまうのが寂しいですね。  下品なギャグが多いし「おたのしみ箱」やアル・パチーノ(本人役)といったキャラの言動が不自然に感じられるしで、もうちょっと脚本を煮詰めてから映画化した方が良かったんじゃないかなーと思ってしまうのも事実です。  でも、ちゃんと面白かった部分もあって、自分としては結構満足。  マッチョな男性陣が苦労して上げていたバーベルを、ジルが簡単に持ち上げちゃう件なんかは、ベタだけど微笑ましいギャグだったし、本物のジルを女装したジャックと勘違いして胸を触った男が、豪快に殴られちゃう場面なんかも良い。  養子の少年も良い味出していたし、ドン・キホーテに扮したパチーノが風車ならぬ天井のファンを怪物と勘違いして、戦いを挑むシーンも好きですね。  最後は家族愛に着地して、ハッピーエンドで終わってくれるし、後味も爽やか。 「そりゃあ好きだけど、離れている時はもっと好き」 「君を愛しているのは間違いないが、死の間際に気付く愛だ」  等々、心に残る台詞が散りばめられている辺りも良かったです。  それと、自分はクルーズ旅行の描写がお気に入りだったので、あそこをもっと尺を取ってやって欲しかったという想いもあるんですが……まぁ、コレは我が侭というものでしょうか。  欠点を論ったらいくらでもあるんだけど、なんとなく本作に関しては「好きな部分」をメインに語りたくなる。  憎みきれない、愛嬌のある映画でした。[DVD(吹替)] 6点(2018-09-26 20:20:29)(良:1票) 《改行有》

24.  JAWS/ジョーズ2 《ネタバレ》  ブロディ署長の次男であるショーンくん、随分可愛らしく成長したんだなぁ……と、そんな事に感心。  見た目だけでなく、中身も良い子なもんだから、彼が「主人公の救出を待つ、囚われのヒロイン」的な立ち位置に収まるのも納得でしたね。  この子なら(何としても無事に助け出したい)という気持ちになれるし、主人公を応援し、感情移入する事が出来ます。  前作の一件によって、すっかりサメがトラウマとなり、ビーチで誤解から銃を発砲してしまったブロディ署長。  そんな彼に、周りの皆が呆れて立ち去る中で、ショーンくんだけが寄り添い、一緒に薬莢を拾ってくれる場面なんかも良かったです。  子役だから、長台詞を言わせたりすると、どうしても不自然になってしまうでしょうし、こういう「無言の動き」で優しさを伝えてくれる演出というのは、非常に効果的だったと思います。  サメの倒し方も「感電死」という形で、中々迫力があって良かったですし「無事に息子を助け出してハッピーエンド」という予定調和な結末を迎えるのも、実に気持ち良い。  ブロディ署長が解雇される際に、前作からの知り合いである市長だけは残念そうにしていたというのも、ファンとしては嬉しくなる描写でありました。  そんな具合に、色々と長所がある映画なのですが、短所も同じくらい目に付いてしまいましたね。  まず、サメの造形が初代以上に拙いです。  ヘリに食らい付いて破壊するシーンなど、演出自体は悪くないと思うんですけど、サメの目に全然迫力が無くて、怖くなるどころか「このサメ可愛いなぁ」なんて和んでしまう始末。  サメと心を通い合わせる映画という訳でもなく、作中では純粋な悪役に過ぎないんだから、もうちょっと怖いデザインに仕上げて欲しかったところです。  あと、水上スキーに興じる女性を襲う場面や、ボート上のカップルを襲う場面なんかが、今観ると妙に古臭い。  初代の「JAWS/ジョーズ」だって古さを感じさせる作りではありますが、続編であるはずの本作の方が、更に十年くらい昔の映画に思えちゃったんですよね。  変な話、初代の方が後に作られたと言われても納得しそうになるくらいです。  ティーンエイジャーに成長した長男のマイクにスポットが当たっている為、若者達の青春映画としてのテイストが強いんだけど、主人公はあくまでもブロディ署長というのも、ちょっと歪なバランス。  結局、マイクは最終決戦の直前でアッサリ救助されている為「囚われのお姫様」ポジションとしては、次男のショーンだけで充分だった……という形になっているんですよね。  それならば一緒に弟を助ける為、父親に協力させるなど、もうちょっとマイクに見せ場を与えてやっても良かったんじゃないでしょうか。  スポットの当て方が中途半端で、大した活躍もせず退場という形になっていたのが残念です。  それでも、本作には初代「JAWS/ジョーズ」の雰囲気が色濃く残っている為、正統派な続編として、まず満足出来るクオリティでしたね。  流石にシリーズ四作品もあるとなると、全部まとめて観る事は難しいのですが、本作は初代を観賞した際に、つい一緒に観てしまう事が多いです。[DVD(吹替)] 6点(2018-05-11 19:55:09)(良:1票) 《改行有》

25.  シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》  観賞中「何故撮影者は危害を加えられないの?」「撮影者は人間じゃないの?」などの疑問が、頭の中を渦巻く事になる本作品。  一応「十字架を身に付けている」「取材対象から保護も受けている」と説明されているんですが「狼男やゾンビには十字架なんて関係ないじゃん」「撮影者も人間なら襲われているはずじゃん」といった具合に、次々と矛盾点が浮かんで来ちゃうんですよね。  それらを黙って飲み込むか、あるいは笑ってツッコんでみせるか、どちらかが出来る人じゃないと、この映画は肌に合わない気がします。  ……で、自分としてはツッコみつつ観賞するスタイルを選んだのですが、これが正解。  変に真面目ぶらず、リラックスして楽しむ事が出来ました。  比重としては「吸血鬼達の生態を捉えたモキュメンタリー映画」という以上に「若者達の同居生活を描いた青春映画」としての側面が強い内容になっているのも、嬉しいバランス。  何せ同居人同士で喧嘩する理由が「皿を使った後は自分で洗え」だったりしますからね。  そういった些細な事が原因で衝突するのは、人間も吸血鬼も変わらないんだなぁ……なんて、ほのぼのしちゃいました。  串刺し公ヴラドというビッグネームが主人公グループの中にいて、まるで「昔はやんちゃしていた」みたいなノリで「昔は憂さ晴らしに拷問していた」とインタビューで語っちゃう辺りも、ブラックだけど面白い。  こういう「若気の至り」理論で過去の悪事をサラッと語っちゃう人、結構いますからね。  架空の存在であるはずの吸血鬼が、現実の存在である人間をパロっているという図式。  「鏡に映らない」「招かれないと建物に入れない」「銀を身に着けると肌が焼ける」などの吸血鬼の弱点を、しっかりコメディ仕立てで描いている辺りも良かったです。  (こういう作風なら、そこは押さえておいてもらわないと困る)って部分を、しっかり押さえてくれているという安心感。  高い場所を掃除する時や、ビリヤードで難しい球を突いたりする時に、フワッと宙に浮いてみせて(あっ、やっぱり空を飛べるって便利だな……)と感じさせてくれるのも良い。  獲物を誘い込む為に考え抜いたファッションで夜の街に出掛けたら、ゲイに間違われちゃうオチなんかも好きですね。  前者は吸血鬼だからこそのユーモア、後者は人間の若者達でも有り得そうなユーモアって感じで、両者がバランス良く盛り込まれていたと思います。  幼い頃に吸血鬼になった女の子は、幼い姿のままなのでロリコン男を誘って血を吸うというのには(なるほど……夜遊びしている子供は少ないだろうし、大人を狙うのが正解だな)と納得させられたし、その一方で(じゃあ少年吸血鬼はどうするんだ? ショタコン男を誘うのか?)という疑問も湧いて来たりして、そんな感じでアレコレ考えさせられるのも楽しかったですね。  この辺りは、端的で不完全な描写をサラリと見せるからこその長所、空想の余地を与えてくれる世界観って感じでした。  そんな「ロリコン」がラストの伏線になっており、主人公格である吸血鬼のヴィアゴ(=見た目は好青年)が九十六歳の老婆(=見た目と年齢が同じ)と結ばれて「僕の方が四倍も年齢が上」「ロリコンって言われたって良い」と誇らしげな笑顔で語ってみせるのも(そう来たか!)と思えて楽しかったです。  ここの展開に関しては、正直ちょっと伏線が足りないというか「彼女に告白出来ずに迷っていたヴィアゴの背中を、友人が後押しする」的なシーンが欲しいという不満もあるんですが、視覚的な面白さがそれを補ってくれた気がしますね。  作中、唯一の人間の仲間としてシチュが登場する訳だけど、そんな彼が劇中で言われている通り「本当に血の気が良くて、吸血鬼目線だと凄く美味しそう」なルックスをしている辺りも、これまた説得力があって良かったです。  シチュの親友であるニックが「吸血鬼になった事」を彼に告白し「ダチの血は吸わない」と宣言してみせて、人間と吸血鬼との友情を描いている辺りも好きですね。  ここの場面が一番「青春映画」って感じがしました。  棺の中でマスターベーションする場面とか、血の嘔吐を繰り返す場面とか、微妙に感じる部分もあったし「自分も人間から吸血鬼になりたくて、下僕として彼らに尽くす女性」の扱いや顛末に関しては(本当にそれで良いの?)と思う部分もあったりして、絶賛するのは難しいんですけど「好きなタイプの作品」である事は、間違いないです。  エンドロール後には吸血鬼の特技「催眠術」によって、観客にこの映画の内容を忘れさせるというオチが付く訳だけど、そのまま素直に忘れちゃうには、少々勿体無い品でありました。[DVD(吹替)] 6点(2017-11-25 12:53:23)(良:2票) 《改行有》

26.  親愛なるきみへ 《ネタバレ》  アクションではなく恋愛物のチャニング・テイタム主演映画は、これが初体験です。  こういった設定の映画では、どうしても主人公がナヨナヨしくて軍人には見えないというパターンが多くなってしまいそうなのですが、本作に関しては心配無用。  見るからに筋肉質で厳つい彼だけど、繊細な心情も丁寧に表現する演技を見せてくれて、違和感なく楽しむ事が出来ました。  さぁ、これからどんなストーリーが展開されるのだろうと期待が膨らむ序盤。  そして、中盤以降は……正直、王道過ぎるというか、何処かで観た事があるような展開に収まってしまったように思えて、残念でした。  遠距離恋愛をテーマとして扱っている以上、それは外せないのかもしれませんが「男が留守にしている間に寂しさに耐えかねて他の男と結ばれてしまう女」なんてものを、まさか終盤で堂々と見せられる事になるとは予想がつかず。  自閉症の父との絆、そして別れに関しても真面目に描かれていたとは思うのですが、それだけに優等生過ぎて面白みに欠けるように感じてしまいました。  一方、冒頭のシーンにて(あぁ、これは死ぬ間際の主人公が過去を回想するという形式なのか)と安易に考えていたところで、それを裏切ってくれる形となったのは気持ち良かったですね。  死の床にある父に向って、主人公が読み上げる手紙。  その文中にある「俺はコインだ」との言葉に象徴されるように、ストーリーの主軸は「コイン」と「父と子の絆」であって、恋愛要素はオマケに過ぎなかったのではないかな、とも思えてきます。  両方の要素を備えているからこそ魅力的なのかも知れませんが、自分の好みとしては、家族を主題にした映画か、恋愛映画なのか、どちらかに絞って描いて欲しかったところ。  色々と気になる点も多かったのですが、最後は主人公の男女が再会してハッピーエンドで〆てくれた辺りなんかは、何だかんだで嬉しかったです。  回り道はしたけれど、収まるべきところに収まったという形で、安心感がありました。[DVD(吹替)] 5点(2017-11-22 01:52:29)《改行有》

27.  七年目の浮気 《ネタバレ》  マリリン・モンローという女優さんは、ダメ男と絡むラブコメが似合うなぁと、しみじみ実感。  彼女に「可愛さ」や「色気」だけでなく「母性」も備わっているからこそ成立する話なのでしょうね。  ともすれば主人公に恋愛感情があったのに振られた為、強がって突き放しただけというヒロインになりそうなところを、彼女の演技によって踏み止まっている。  「相手を一人前の男として認め、その魅力を自覚させたいと願っている優しい女性」なのだと、しっかり伝わってきました。  その「母性」を示す為の小道具として「大アマゾンの半魚人」を用意し「あの怪獣かわいそう」「愛に飢えてるのよ」などと言わせる辺りも上手い。  そういった伏線が丁寧に張られている為、ラストにて笑顔で主人公を送り出す姿にも、全く違和感を抱かずに済みました。  冒頭にて「この話は先住民とは全く無関係」というナレーションが入るのに、実は意外と関係があったりするという惚けっぷりも良かったですね。  愛嬌のある映画、という感じがします。  シャンパンにポテチを浸す食べ方は真似してみたくなるし、二階に住んでいるモンローが階段を降りて会いに来てくれるシーンなんかも、男の憧れを満たしてくれるものがあり、印象的。  その他、動揺の余りトーストを零し、掌にバターを塗る主人公の姿にはクスっとしたし「マリリン・モンローかも」というメタな台詞も(当時既に、こういうギャグが成立する程に彼女は人気者だったんだな……)と思わせてくれて、微笑ましかったです。  そんな本作の難点は、とにかく主人公の独り言、妄想が多い為、少々辟易してしまう事でしょうか。  妻の幻影に対し、自分が如何に女にモテるかとしつこく語るシーンなんて、同じ男としては苦笑する程度で済んだけど、女性が観たらゲンナリしてしまうかも。  「あの種の女は口が軽い」なんて偏見を口にしたり、誤解ゆえに男友達を殴って気絶させたりして、好人物とは言い切れない性格である事も気になりましたね。  一種の錯乱状態だし、単なるギャグに過ぎないのでしょうが、ちょっと感情移入し難いキャラクターでした。  それと、劇中の通風孔のシーンは「あの有名なスティール写真とは違っている」という情報を承知の上で観賞したのですが、それでもいざ実際にその場面を観ると、落胆の念が大きかったです。  何せ、スカートが捲れ上がる時にはモンローの顔が映っておらず(これって影武者さんじゃない?)と思われても仕方ないような見せ方でしたからね。  ビリー・ワイルダー監督としても、検閲さえ無ければ、あそこはもっと扇情的な場面にしたかったのではないでしょうか。  都会的でオシャレな雰囲気が漂っており、今観てもさほど古さを感じさせない辺りは、純粋に凄いと思います。  浮気をテーマとしているけど、主人公は妻子を選んでみせるハッピーエンドであった点も、後味が良くて好ましいですね。  マリリン・モンローと浮気出来る可能性があったのに、それを蹴ってみせた男の話……と考えると、実は凄い映画なのかも知れません。[DVD(字幕)] 6点(2017-10-28 05:40:11)(良:2票) 《改行有》

28.  ジョーズ 恐怖の12日間 《ネタバレ》  「JAWS/ジョーズ」の元ネタになったという、実際に起きた事件を映画化した一品。  監督は傑作映画「ヒドゥン」を手掛けたジャック・ショルダーという事もあり、期待を込めて観賞したのですが……ちょっと微妙な出来栄えでした。  大きな欠点は見つからないし「古き良きアメリカ」を感じさせる1916年当時の雰囲気も心地良かったしで、決して嫌いな映画ではないのですけどね。  ビーチで監視員をやっている主人公も好青年であり、仲の良かった少年や親友の仇討ちに燃える姿を、素直に応援出来たように思えます。  じゃあ、どこが微妙なのかといえば、まず「主人公達の三角関係」が原因として挙げられそうですね。  主人公と、その親友の男性との友情描写は中々良かったと思うのですが、とにかくヒロインの出番が少なくて、彼女の魅力が伝わって来ない。  しかも、数少ない登場シーンでは「主人公の親友との結婚を控えているのに、未だに主人公に未練たらたら」という描写だったりするものだから、正直言って、彼女に好感を抱くのは難しいです。  ラストにて、婚約者が死んだばかりなのに主人公に乗りかえるかのように寄り添って終わりというのも、少々幻滅。  あとは、肝心のサメの造形がイマイチなのも困り物。  前半部分は、それを上手く誤魔化して撮っていたのですが、後半にて全長が明らかになると、如何にも迫力不足。  観ているこっちは(なぁんだ、精々3メートルくらいか。意外と小さいサメだったんだな……)と思っているのに、劇中の人物は「あんなデカい奴なんて!」と驚いているもんだから、チグハグに感じてしまいました。  実話ネタなのだし、冷静に考えれば十分大きいって事は分かるんですが、この辺りは他のサメ映画を色々観過ぎているがゆえの「映画の嘘」に慣れてしまった弊害なのでしょうね。  恐らく、監督さんとしてはそれら諸々を承知の上で「前半はサメの大きさが分からないように、誤魔化して撮る」という手法を選択されたのでしょうが、それが結果的に、終盤にて全長が明かされた際の落胆に繋がってしまった気がします。  もうちょっと早い段階でサメの全長を明らかにし「小さいけど、充分に人を食い殺す力がある」と思わせる演出にしていたら良かったんじゃないかと思うんですが……まぁ、これは欲張りというものでしょうか。  そんな本作の白眉としては、サメに手足を食い千切られた後の、事後描写とも言うべき恐ろしさや悍ましさが挙げられそうですね。  主人公の同僚であるダニーを海中から引き上げたら、両足が失われていたと分かる件なんて、特にショッキング。  変な話、サメの特撮は稚拙だったのに、人間の特殊メイクは結構レベル高いなぁ、なんて感心してしまったくらいです。  現代ではなく、百年近く前のアメリカが舞台のサメ映画というだけでも目新しいし、真面目に作られているのは伝わってくるので、後味も悪くない。  良い映画だった……というのは言い過ぎかも知れませんが、まずまずの満足感は得られた一品でした。[DVD(吹替)] 5点(2017-08-06 22:11:53)(良:1票) 《改行有》

29.  ジョーズ3 《ネタバレ》  サメの造形については、前二作よりも明らかにレベルアップしています。  それに伴い、ストーリーの方も進化している……と言いたいところなのですが、ちょっと厳しかったですね。  主人公はブロディ署長の長男マイクであり、可愛い恋人もいたりして、前二作を観賞済みの身としては「立派な大人になったねぇ」と、ほのぼのさせられるのですが、正直マイクである必然性は薄かったように思えます。  父親からサメ退治のコツを教わっているとか、前作で負ったトラウマを今回乗り越える事になるとか、そういう要素が無いんですよね。  弟のショーンも登場するのですが、兄弟らしく絡んだのなんて最初の二十分程であり、以降は全く出番無しというのだから「何の為に出てきたの?」と呆れちゃいます。  水中にある遊園地がサメに襲撃され、客達が園内に閉じ込められてしまうというプロットは、決して悪くなかったと思うんですけどね。  いざ観てみると、どうもバランスが悪いというか、展開がチグハグに思えて「う~む」と首を傾げてしまう感じ。  例えば、中盤にてシー・ワールドに客が訪れるシーンでの、楽し気な雰囲気なんかは良かったと思うんです。  でも、事前にサメとの対決(=生け捕り)が描かれた後なので、その落差で今一つ楽しめないし、どうせ再びサメに襲われるのは分かっているんだから、どうしても「中弛み」に感じられてしまう。  ベタな考えかも知れませんが、こういった「楽しい遊園地」という日常的なシーンは、やはり序盤で描いておくべきだったのではないでしょうか。  そして、中盤にサメの襲来によって日常が崩壊し、後はクライマックスまで一直線……という作りにした方が、良かったのではないかと。  それと、これは恐らくサメの模型を素早く動かす事が出来なかったという技術上の問題なのでしょうが、とにかく襲撃シーンのテンポが悪いんです。  水中のガラス越しにサメが体当たりを行い、中の人々が悲鳴を上げるという、本作最大の見せ場においても「サメの動きが遅いので、仕方なくスローモーション演出にしました」という感じがして、観ていて興醒め。  その後、五分程でサメを爆殺して終わりを迎えるというのも、こちらは逆に早過ぎるというか、アッサリ倒し過ぎに思えちゃいましたね。  緩急のある演出と褒める事も出来そうですが、自分としては戸惑いが大きかったです。  そんな本作で癒しとなるのは、イルカのサンディとシンディの存在。  ただ単に可愛らしいというだけでなく、サメに体当たりして主人公達を助けたりと、しっかり活躍してくれるのが良かったですね。  主人公とヒロインは生き残るも、イルカ達は死んでしまったかと思われたところで、水中から飛び跳ね、元気な姿を見せてくれて、ハッピーエンドに華を添える形になっているのも嬉しい。  本作のMVPには、このイルカ達を選びたいところです。[DVD(字幕)] 4点(2017-08-03 20:28:02)(良:1票) 《改行有》

30.  白い嵐 《ネタバレ》  海洋学校を舞台とした青春ドラマ、嵐による遭難、船長の責任を問う裁判と、大まかに分けて三つのパートで構成されている本作。  何やら詰め込み過ぎな印象も受けますが、配分としては「青春ドラマ」が主である為、落ち付いて観賞出来ましたね。  確認してみたところ、映画が始まって九十分以上経過してから、ようやく嵐に遭遇し、残り三十分程で完結する形となっており、作り手としてもメインに据えたのは「嵐に遭遇する前の日々」である事が伝わってきます。  自分としては、海洋学校のパートは楽しかったし、嵐のパートも迫力や悲壮感があって良かったと思うのですが、ラストの裁判に関しては、ちょっと納得いかないものがありましたね。  無言で鐘を鳴らすというメッセージ、生徒側の弁護、船長の毅然とした態度など、きちんと見せ場は用意されているのですが、結論が「免許取り消しは保留された」「だが、船長が海へ戻る日は来るだろうか?」なんていう、実に曖昧な代物だったので、どうにも反応に困ってしまいます。  ハッピーエンドの爽快感も無いし、バッドエンドの重く沈む気持ちも味わえないし、何だか観ているこちらの心も宙ぶらりん。  この辺りは、実話ネタならではの歯痒さでしょうか。  その他、意地悪な見方かも知れませんが「自分が米国人だったら、もっと感情移入出来たかもなぁ……」と感じさせる描写も多かったですね。  宇宙開発やら冷戦やらについてのラジオ放送が、劇中で頻繁に流れる演出なのは、作中の時代背景を伝えるという以上に、米国人のノスタルジーに訴える効果を狙っていそう。  それと、イルカを殺した件をあんなにも重大事のように扱う辺りも(確かに可哀想だ)と思う一方で(外国の人達って、本当にイルカが好きだよな)なんて考えが浮かんだりもして、ちょっと作中人物に距離を感じてしまった気がします。  前述の冷戦やら何やらの放送にて「アメリカの正義」を主張されていたせいか、途中で「キューバの魔の手から、毅然とした態度で少年達を守るアメリカの船長」なんて場面がある事にも、少々鼻白むものがありましたね。  序盤にて「船からの飛び込み」という適度な山場を用意し、観客を映画の世界に招き入れる巧みさなんかは、流石リドリー・スコット監督という感じだし、あんまり褒められた事じゃないだろう「飲酒」「買春」などのパートを爽やかに描いて「これも少年達の成長に繋がる、青春の一ページ」と感じさせてくれる辺りは、良かったと思います。  タイトルに反し、嵐に出会う前の、主人公達が生き生きとした姿を見せてくれる場面の方が面白く感じられた一品でした。[DVD(吹替)] 6点(2017-03-01 04:30:27)(良:1票) 《改行有》

31.  ジャイアント・ベビー 《ネタバレ》  子供達が小さくなってしまう映画の続編として「今度は大きくなる!」という内容を持ってきたのは面白いし、その子が幼児である為に、大人達がひたすら翻弄される事になるというのも、ユーモアが利いていて良かったと思います。  ただ、自分としては前作の家族ドラマの延長のようなものを期待していたので、長女のエイミーの扱いや、魅力的だった隣家の人々に出番が無かった事に関しては、ちょっと残念でしたね。  最後の最後まで「彼らが応援に駆け付けてくれるのでは?」なんて勝手な期待を抱いてしまい、それが肩透かしな結果になってしまったのは、やや消化不良な感じです。  その一方で嬉しかったのは、小さな子供だった長男のニックが立派なティーンエイジャーに成長している事。  部屋でギターをかき鳴らしている姿なんて、もう見ただけで頬が緩んでしまいます。  今作ではベビーシッターの少女との恋模様まで描かれており、幼かった頃の姿を知る身としては、とても微笑ましい気持ちにさせられました。  正直、赤ん坊が車の中や家の中に収まるくらいのサイズの頃は、あまり楽しめなかったりもしたのですが、ラスベガスにジャイアントベビーが襲来する終盤に突入してからは、観ているこちらも大いに満足。  怪獣映画めいた非現実感と、巨大な存在を退治するするのではなく保護しなければいけないという斬新な感覚が混ざり合い、不思議な気持ちに浸る事が出来ましたね。    作中にて語られた「(赤ん坊にとって)パパは遊び相手、ママはママ」という台詞が、妙に心に残る映画でもありました。[DVD(吹替)] 6点(2016-05-08 05:01:59)《改行有》

32.  シノーラ 《ネタバレ》  古き良き映画として、その雰囲気を楽しむ事が出来る映画だと思います。  シリアスなストーリーのはずなのですが、主人公が壺を振り子のように動かして敵の頭にぶつけるシーンの演出など、妙に笑いを刺激する部分などもあったりするのが面白かったですね。  もしかしたら作り手は大真面目で、笑わせるつもりなど皆無なのかも知れないけど、壺が砕け散る音がやたらと大きかったりして、妙にお気に入りの一場面。  上述のように、主人公が雇い主側を裏切って戦いが始まるシークエンスは中々にテンションが高まるものがあるのですが、そこに辿り着くまで一時間ほど掛かってしまうのが難点でしょうか。  また、ストーリーに関しても「裏切りに至るまでの主人公の心情の変化」が伝わってこない為、最後まで感情移入する事が出来なかったのも残念。  雇い主は最初から悪役として描かれていたし、美女の存在だけでも裏切りの理由には充分、という解釈も出来るのですが、もう少し決定的なイベントなどがあった方が良かったかな、と思えます。  撃たれた敵の倒れ方が、ややオーバーアクト気味な辺りも、シリアスとギャグとの境界線を曖昧にしているように感じられました。  以上の如く、全体を通して考えると気になる点も多い品なのですが、それでも主人公を演じるイーストウッドの存在感は抜群。  汽車で屋内に突入し、そのまま銃撃戦を行ってみせる姿などは、素直に格好良いと思えましたね。[DVD(吹替)] 5点(2016-04-07 07:56:15)《改行有》

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