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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. スイート・チャリティ ボブ・フォッシーの監督デビュー作であります。ストーリィはシャーリー・マクレーン演じる男運のないチャリティがただ男とくっついたり離れたりするだけなのですが、そこに彩られる数々のナンバーは、150分ほどの長さをも忘却させるドリーミィな舞台。静止画や逆回転、一気のズーミングアップによるシーン転換など映像も飽きず、歌い踊るマクレーンが表現する身体的言語は、喜びや楽しさや嬉しさといった和音を奏で見る者の身体奥深くへも届いていくかのようです。サミー・デイヴィス・Jrが登場する新興宗教のダンスシーンは既存のミュージカルとは明らかに異質でそこに未知のものに対する昂揚感が生まれ、マクレーンがニューヨークの街中を行く躍動感と相成り、すっかりハイと化した身体はクールダウンを要求してくるのですが、その期待に沿うかのように切ない幕切れへと向かいます。しかしまた歩き出すチャリティに希みを感じ身体は再び静かに燃え上がるのです。チャリティの本名は「チャリティ・ホープ・バレンタイン」。素敵なバレンタインデーをお過ごしください。10点(2005-02-14 12:13:07) 2. ストレンジャー・ザン・パラダイス この映画なぜかついついまた見たくなる。見るたびに彼らの微細なしぐさがおかしくもあり、哀しくもある。TVディナーの肉には見えない肉、バカバカしいスポーツにしか見えないアメリカンフットボールで奇妙な「新世界」を目にしたエヴァのクールな視線。エヴァが去った部屋でただバドワイザーを飲むウィリーとエディ。彼らは動けば何かが変わるのではないかという期待に、雪のクリーブランド、常夏のマイアミへと場所を移していくが、何にも変わらない。三人のすれ違いがすれ違ったままであるのが愛しい。そんな彼らをコントラストの効いたモノクロで綴るフィルムが眩しい。J・ホーキンスの「I Put A Spell On You」の旋律がフィルムに憑依して美しい。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-12 00:28:19) 3. 素晴らしき哉、人生!(1946) キャプラ理想郷の真骨頂。自身の戦争体験へのカウンターが見事にスマッシュしている。キャプラの、キャプラによる、キャプラのための映画、かな。9点(2004-03-26 10:03:49) 4. スワンプ・ウォーター コインの裏と表は背中合わせであり一体であることをポジションチェンジで繰り返し見せてくれる。湿地帯と町、冤罪の男と真犯人、愛と憎、信頼と疑惑、薄汚れた格好とドレスアップ。アン・バクスターは男を信頼したり信頼できなかったりを行ったり来たりし、ウォルター・ブレナンは「人間に悪いやつはそういない」「いい人間なんていない」と主張を反転したりする。この映画では瞬く間にある地点から対極へとその様相を変えていく。それはあたかもルノワールが、アメリカではアメリカ映画を撮って見せますよ、との宣言に見えたりもするのである。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-10 23:34:28) 5. 雀 ↓お一人でおくつろぎのところ失礼いたしますよ、ドカッ。しかしどえらい物語設定ですねー。しかしその設定、人形が底なし沼に吸い込まれていくカット、ぶくぶくとガスが湧き出ているそのカットのおどろおどろしさ、そしてあの農場主一家の非道ぶりが後半の脱出冒険劇として見事に生きてくるわけです。そして誘拐されてきた赤ちゃん、まあ確かにこの女の子がクルクル巻き髪で実にかわいらしいのです。が、メアリー・ピックフォード演じるモリーが「まあかわいい、本当に私にくれるの」って緊張感なさすぎやろ!と思わずつっこんでしまいました。が、この無邪気な母性本能がまたその後に生きてくるのです。この赤ちゃんを背に子供たちとの農場脱出劇は、逆に緊張感ありすぎやろ!というぐらいにハラハラドキドキ。あのワニの恐ろしさといったら・・・。そんな緊迫した中にも、後ろからズボンを引っ張られてお尻を出している子もいて笑いました。まあ、ピーチクパーチクさえずっても仕方がないのでこのあたりにしておきます。ラストシーンは、私も雀の涙ほどの涙を流したことを付け加えて。8点(2004-09-28 00:52:36)(良:1票) 6. スーパーサイズ・ミー 政治的イデオロギーを直接的にぶつけてこないのがマイケル・ムーアとは異質ですが、「強者アメリカはこんなにも病んでいる」ことを言いたいのは同質でもあります。気に入ったのは、スパーロックの彼女がベジタリアンだというホンマかい!とつっこみを入れたくなる都合のいい設定。本当のベジタリアンの彼女か、彼女がベジタリアンを演じているのか、はたまた彼女役の人なのかは分かりませんが、この都合のよさが、さあこれからファーストフードに蝕まれたアメリカ社会を批判しますよというエゴイズムが剥き出て見えて心地いいです。そして気分が落ち込みながらも食べ続けるこの人の表情、なんか憎めんな~。だから極端な実験も許せてしまうところがあります。アホやなこのおっさんと。しかしお前にこの実験が出来るのかと問われればノーと返すでしょう・・無料のスマイルで。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-05 14:47:37)(良:1票)
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