|
プロフィール |
コメント数 |
50 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
人生半世紀を超えた。たいていのことは許す。 |
|
1. ストレンジャー・ザン・パラダイス
《ネタバレ》 これは映画館で観るべき映画。フィルムの使用残り断片を使って撮ったため、シークェンスが切れ切れになり、随所にブラックアウト画面が挿入されることになった、と封切り時の紹介にあった。フィルム断片の長さがほんとにまちまちなので、この辺でブラックアウトするな、という予測がまったく成り立たない。映像のつながりが不意に途切れ、映画の意味を見失う瞬間が心地よい。それには映画館の暗闇が必要。自宅リビングで消えたテレビ画面を睨んでてもダメでしょう。映画の中のシチュエーションもストーリーもありがちのものだけれど、映画の中と映画の外(ブラックアウト)を予測不能の間隔で往復させられる体験は、この映画に固有の効果。世界のつじつまが外れて行く、というのはジャームッシュのこだわりだけれど、この映画は、ブラックアウト画面を観させられるときに、一瞬、観客自身もつじつまの外れた世界に入り込むような錯覚が生じる。9点(2004-07-03 12:30:40)
2. ストレイト・ストーリー
《ネタバレ》 ものすごい頑固ジジイ兄弟の話。兄弟なのに、ちょっとしたことで仲違いしたまま十年以上っていうのは意固地そのもの。ちっこいトラクターで何百マイルも旅するってのも、相当の変わりもんだ。よたよたした爺さんだから、愛すべきっていう感じがするけれど、壮年の頃は扱いにくいヤツだったと思う。この爺さん兄弟は、二人とも、荒くれた個人主義者で、世間のヤツらにおかまいなく生きて行く独立独歩の偏屈者だ。それがこの映画のキモだと思う。最後の場面で、よぼよぼの兄貴が掘っ建て小屋から出てきて、仲違いしてた弟と、無言でベンチに腰掛ける。ああうれしいんだな、というのが伝わって来る。こうやって、いろいろなモノと最後に和解して死ぬんだな人は、っていう感慨が浮かんでくる。9点(2004-06-26 01:28:57)
|