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1. ツインズ
《ネタバレ》 - Twins - “双子”。Twinだと“双子の片一方”って意味になるそうです。
まだ彼を“シュワちゃん”なんて呼ぶ前の時代「あのシュワルツェネッガーがコメディに出る!」当時はかなりの衝撃でしたね。
日清カップヌードルの、車を持ち上げて歩くCM(ツインズとどっちが先だっけ?)と共に、無口なアクションスターが一気に親しみを持てる存在になりました。
シュワルツェネッガーがダニー・デビートと歩いているだけで微笑ましいこの映画、何が面白いかって言うと、特に無いんだなコレが。
元々、世間知らずの超優等生って設定だから、シュワお得意のアクションは殆ど無く、演技と言えばニコニコ笑って一言二言喋るくらい。初体験の時の何とも言えない満足げな顔がオカシイけど、数年後のコメディ慣れしたシュワなら、もっと多彩な顔芸を見せてくれただろう。
肉体派のライバルスタローンとは不仲説(当時の雑誌が勝手にでっち上げたんだろうけど)なんかもあったりして、ランボーⅢのポスター観て苦笑するシーンは、当時かなりインパクト強かった。
酒場でギター弾いてるの、もしかして?と思ったら本当にジェフ・ベックだった。
若い頃のお母さん、綺麗な人だと思ったらヘザー・グレアムだったのか。なんかちょっと得した気分。
映画の内容よりも、コメディに挑戦する姿勢が、シュワルツェネッガーって凄い人なんだと思わせてくれた一本でした。[地上波(吹替)] 5点(2022-10-17 08:51:38)《改行有》
2. 追憶(1973)
《ネタバレ》 ~The Way We Were~私達それぞれの選んだ生き方。
バーの外の、花に囲まれた席でビールを飲むハベル。もうどっからどう見ても王子様ではないか。色気とは無縁の学生生活をしてきたケイティが、ついつい見とれてしまうのが痛いほどわかる。ダンスのシーン、どう見てもモテそうにないフランキーから、あっさりケイティを奪い去り、用が済んだら返すハベル。ブルジョアでプレイボーイで、もう住む世界が違うのだ。
そんなハベルがたまたま酔いつぶれてたら、お持ち帰りしたくなる気持ちもわかる。部屋に帰ってからのケイティがテキパキお茶を入れる姿とか、ハベルの寝るベッドに裸になって身体を滑り込ませるとか、ある意味可愛らしい。そしてあとはオートマティック。…でも実際あったら怖い。ケイティは後々、この時の話をハベルにしたんだろうか?
自分のライフスタイルにケイティを合わせようとするハベル。というか、自分流に過ごすだけで、全然ケイティに合わせようとしないハベルに、それで良いのか?って思った。そういう時代だったかもしれないけど。喧嘩して、別れて、折れて、また付き合う。根本的にこの二人は合わないと思うけど、それでも惹かれ合う二人の描き方がとても丁寧。マルクス兄妹の仮装をするパーティで、ハーポとグルーチョに扮した二人が可愛い。
二人が再開した時、ハベルの奥さんが“いかにも”って感じの、綺麗で物分りの良さそうな人だった。ケイティと出会わずに生きていても、そのうちどこかで(どこでも)出会う女性の1人と結婚したハベル。夫婦で家に遊びに来る誘い。本気の恋愛だったから断るハベル。辛いことばかりだったかもしれないけど、それ以上にお互いに良い恋愛だったんだな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-02 22:31:05)(良:1票) 《改行有》
3. 追想(1956)
《ネタバレ》 ~Anastasia~ロマノフ王朝最後の大公女の名前。
それを『追想=過去を思い出すこと』なんて邦題にしてしまったのは勿体無い。アナスタシア。神秘的で格調高いタイトルだったのに…
「赤毛だったら良かったのにな」「なかなか上手いじゃないか」大金目当てに下地がそれっぽい偽物を探し、本物に仕立て上げる。
作る側も最初からアンナを偽物として見ている。頭の良いアンナは教えた以上の知識を披露したりする。
人にタバコを注意しておいて、裏ではタバコをプカプカ。ポール公とシャンパンを泥酔するまで飲むなんて、いかにも偽物臭い。
マリア皇太后の存在感、迫力と気品がよく描かれている。見る側もアンナは偽物として観ているため、面会の緊張感が凄まじい。
「一族の名を気安く口にしないで、偽物!」たくさん偽物を見せられてきた皇太后の、うんざりした気持ちが良く出ていた。
皇太后は咳から彼女を本物だと認めるが、一言「でもあなたでないとしても、私には言わないで」老い先短い皇太后の本心だろう。
記者会見で病院の隣室の者が現れて、偽物疑惑が再浮上。ドレスのままアンナはタバコをプカプカ。
※色々調べるとニコライ2世にタバコを吸わされるアナスタシアの写真が見つかる。「あ、本物も吸うんだ」って思った。
リーベンバウム夫人「舞踏会場を御覧ください、昔に戻ったみたいですわ」無関心なマリア皇太后「防虫剤が臭うわ」
最初の面会と違って、アンナにおばあ様として話すマリア「結婚相手はポールでいいの?」
「私たちは過去と一緒に朽ちるけど、未来はあなたのものなのよ」それを受け、マリアに何かを耳打ちするアンナ。
説明や経緯をすっ飛ばして駆け落ちしてしまうアンナとボーニン。
ポールの「皆になんて説明を?」に「“芝居は終わった、帰りましょう”と」と答える皇太后。
ロマノフ朝の亡霊たちが踊る舞踏会場に掛かる“THE END”の文字。
神秘的なアナスタシア生存説。
高級なお菓子の箱に描いてそうな美しい生前の写真。次々現れる自称アナスタシア(偽物)。
オープニングで石の壁にロマノフ王朝の紋章の影。真っ赤な“Anastasia”の文字は、彼女が銃殺されたことを大前提としている。
この映画は『もし本物のアナスタシアが生きていたなら、きっとこうしただろう。』として描かれた作品だと思う。
財産には手を付けず、無粋な恋愛描写も抜きに、将軍と忽然と消える。とても神秘的で美しい終わり方。
だからタイトルは、ロマノフ王朝最後の大公女の名前『アナスタシア』だったのに…[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-29 20:44:56)《改行有》
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