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プロフィール |
コメント数 |
450 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生 |
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1. 思ひ出
《ネタバレ》 ルビッチといえば「ドア」ですが、この作品は「窓」。ラモン・ナヴァロ演ずる皇太子がお城から見る窓外の世界を、未知と自由に溢れた手の届かない世界としてまず描く。ノーマ・シアラーが、去りゆくナヴァロを玄関先からではなく、窓から見つめるのは、彼とけっして結ばれることはないことを暗示する。ラスト、馬車から眺める彼の視線の先に見えるのは、叶わない恋、手に入らない自由、そして運命の受諾。二人は窓で切り取られた四辺の中に、恋人の姿が永遠に“思ひ出”として生き続ける。恋の喜び、自由への憧れを、咲き乱れる花の斜面や学生達の祝杯などで、詩情豊かに、ユーモアたっぷりに描いたルビッチに花束を、祝杯を。[ビデオ(字幕)] 9点(2006-11-15 17:38:00)
2. お気に召すまま(1932)
お~、ガルボにシュトローハイムが接吻しておる、電灯をバックにしたシルエットで・・・そのシーンを見るだけで西宮戎の福男のような気分になることができます。ってよくわからんことを言ってないで次へ進めますが、次もやっぱりガルボの接吻。前半でタバコをスパスパやっていたガルボの伏線をいかした、「私にもタバコをくれる」からダグラスの咥えているタバコがガルボの咥えているタバコに火が移り、そのまま両者のタバコは床に落ち口と口が触れた時のガルボがダグラスを受け入れる意思表示と愛の高揚。ここで間違っても、火のついたタバコを床に落として危ないじゃないか、というツッコミは入れてはいけません。と書くこと自体がツッコミを入れているじゃないか、というツッコミも入れてはいけません。ラストのどんでん返しのどんでん返しを楽しんだ後は、情熱的なキッスの練習をし、愛の賛歌に備えるだけなのです・・・むむっ。8点(2005-01-11 13:14:13)
3. お熱いのがお好き
脚本の出来のよさもさることながら、目撃シーンのガレージ、列車内、ホテルの室内、廊下など意識的にタテに配置した人物構図はほぼパンフォーカスで、その他隅々までシャープに撮りあげた映像が特徴的なのですが、ましておもしろいのが、レモン、カーティス、モンローの撮り方。レモンとカーティスの会話シーンは、ほぼ2人が同時に画面にのせられ、カットバックはほとんどないのですが、これがモンローとの会話シーンになると、とたんにカットバックが多くなっています。レモンとカーティスを等分に見せる工夫、モンローの魅力を画面にのせる工夫といえましょうか。そのモンローは同じワイルダーのカラーで撮られた「七年目の浮気」ではセックスシンボルぶりが際立っていたのですが、今作は白黒になっていることで実にキュートにモンローのかわいらしさが出ておりますね。列車内、レモンの寝台室に大勢が集まってくるパーティーシーンは、マルクス兄弟の「オペラは踊る」の船室シーンですな。それからジョージ・ラフトが後半、コインを弾いているギャング仲間からコインを取りあげるシーンは、「暗黒街の顔役」を連想させられてニヤっとします。そして、世に評価の高いラストのオチなのですが、どうも私にはこの台詞だけは、苦しまぎれのような感じを受けて仕方がないので、1点マイナスさせていただきます。「完璧な映画なんてない」ってか。9点(2004-09-14 00:02:39)(良:1票)
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