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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
21. ハリー・ポッターと賢者の石 映画館で観た。その時は充分に面白いと思った。でもやはりこのような大衆作品のお約束で、観終わった直後から零れ落ちて行く。そして数日後には何も残らない。原作をわくわくしながら読んだ方、主人公パーティやその他のキャラにとても思い入れのある方には最高の作品でしょう。それを否定するつもりは毛頭ないです。しかし私の目から見ると、結局は原作に甘えた金儲け主義の映画、分かり易いドル箱映画でした。クリス・コロンバスという監督はハリウッドの指折りのヒットメーカー。つまりドル箱狙いの映画しか撮らない。それ自体は別にいいけれど、頂けないのはこの作品に向かう姿勢です。原作人気で相当の集客数がもともと約束されているので、手抜き箇所も粗も目に付く。CGレベルの低さにも驚いた。特にクィディッチの試合などは画面が見にくいとすら感じた。キャラは適役ばかりで可愛いと思う。でも総合するとやはり、「思った通りの映画」としか言えない。笑いが止まらない映画会社のいやらしいおじさんたちの顔が浮かんで来る、何ともお金の匂いのする作品でした。6点(2004-05-23 18:40:15) 22. π(パイ) 天才の悩みは天才にしか分からない。そういう苦悩と孤独を画面から感じる作品だった。粒子の粗いざらついた映像が、その作品世界にある種の説得力を付加している。作品自体が激しい排他性を持ち、決して万人受けを許さない。天才の心は誰も分からない。きっと本人ですら分からない。天才の心は本人自身すら排するんでしょう。ましてや他人をや。凡人の私にはどうしたって分からない。数学のこともさっぱり分からない。5点(2004-05-22 14:02:52) 23. バックマン家の人々 ホアキン・フェニックスがね…、今となっては信じられない位、まるで女の子みたいに可愛らしいんですよ…。私はこの作品をビデオで観た後に映画館に「サイン」を観に行って、彼の変貌振りにプチ狼狽しました。作品的には普通な感じだけれど、的確なホームドラマです。日本だとかアメリカだとかを問わない普遍的なものがあって、誰が観ても誰かしらに感情移入出来る作品ではないでしょうか。5点(2004-05-20 21:28:26) 24. ハイロー・カントリー 失われゆくカウボーイ魂と、男の厚い友情。ファムファタール要素も。内容は別に悪くないのに、何だかどうしても印象が薄い。あまり登場人物に感情移入が出来なかったからかも。主人公がそれほど誠実な人間とも思えなかったし。それに私は断然ペネロペの方がいいと思うんだけどなあ…。でも、女が嫌う女ほど男にモテるのは、なぜか世の常。5点(2004-05-20 20:57:01) 25. 8mm アンダーグラウンドの更に最下層付近にある「スナッフビデオ」という存在を、社会悪として糾弾するでもなく、被害者やその家族の叫びを表現するでもない。ただ、今までそういうことと無関係な全くの安全圏にいた1人の男がうっかりその世界に入り込んでしまって結局火傷をしてしまった、というような、こじんまりとした個人レベルのサスペンス映画でしかない。コアな闇の世界を描こうとしながら、商業レベルでの成功も視野に入れようとしているのか、表現をかなり遠慮している(というか、逃げている)。出来としては本当に中途半端。やるなら徹底的にやればいいのに(いや、ハリウッドじゃ無理か)。4点(2004-05-20 20:11:10) 26. バスキア 良く言えば「重くなく淡々とした雰囲気を大切にした作品」だけれど、悪く言えば「特に心を打つものもなく印象が薄い作品」。どう取るかで感想は変わって来ると思う。好きな方の気持ちも分かるけれど、私は後者だった。悪くないけど妙に薄味で印象に残らないなあ…と。でも何が悪いのかは分からないんです。こういう作品は評価に困るものですね。4点(2004-05-20 19:58:11) 27. ハートブルー 爽やかな男の友情物語。キアヌが若い。本当に若い。だって20代半ばなんだもん。一昔前の作品なんで作品自体の雰囲気がやっぱりちょっとダサいんだけど、何だかイイ感じです。てゆうかキアヌがかっこいいです。6点(2004-05-17 22:25:38) 28. バートン・フィンク 《ネタバレ》 剥がれ落ち、でろでろと垂れ下がって来る壁紙のように、「自分」という意識が現実から剥離する感覚が恐ろしい。暑さと湿気で正常な判断力を奪われ、顔周りを飛び交う蚊に精神は休まらない。現実から遊離し逃げ込んだ観念世界でも、妄執と自責からは逃避出来ない。閉鎖空間で意識はひたすら空転する。強烈などん詰まり感。怖い。ここ1年、冗談でなく悪夢以外の夢を見た記憶のない私には、他人事には思えない作品。決して面白い作品ではないが、心の奥に何かの呪いのようにへばり付いて離れない、奇妙に印象値の高い作品。ラスト近くの、燃え盛るホテルの廊下とそこに尊大に立つ男の姿が、何時まで経っても頭から離れない。湿気に塗れたねっとりとした妄執。その具現化たるホテルが、硬質で乾いた炎によって清算され、救済される。怖いのだけれど、妙に清々しく、美しい。ラストシーンの、負け犬のような、残滓のような、主人公の姿。それでもそこには、妙な安堵感と不思議な充足感がある。8点(2004-05-16 18:18:03)(良:1票) 29. バッフィ/ザ・バンパイア・キラー B級、もしくはC級。学園祭の出し物レベルの映画。それを狙っていたのかも知れないけれど、とにかくしょぼいよ。馬鹿馬鹿しいよ。これがアメリカでは大ヒットしたというのだから、よく分からない。とにかくそのしょぼい雰囲気というかB級C級テイストを確信犯的に楽しめる方には良いかも知れない。2点(2004-05-16 13:02:16) 30. バッファロー'66 この映画を観るちょっと前に偶然、赤いスクエアトゥのブーツを買った。この映画を観て、銀のストラップシューズが欲しくなった。ああー、なるほどなー、これじゃあ、若い人(自分も含めて)が食いつくよなー、と思った。この映画を包む雰囲気が好きだ。ギャロが自分の趣味で作った映画だとは分かっていても、そのナルシストぶりが、この映画ではそんなに嫌じゃない。なんでだろう。でも、いいんです。これで。10点(2004-05-15 20:46:45)(良:2票) 31. パルプ・フィクション 通常なら映画監督達が最も恐れ必死こいて避けるはずの「冗長」を、タランティーノは臆することなくふんだんに使い、魅惑的に料理仕上げた。その、「冗長」自体をエンターテイメントにした逆転の発想には感嘆した。「冗長であること」がこんなに小気味よく響く作品はない。考えてもみて欲しい。他人の2時間半の無駄話の羅列、粗悪な紙に印刷された読み捨てOKの小説のような、くだらない他人の自業自得の自作自演劇を観る為に客が金を払い、上機嫌になる。こんな映画が現れるなんて誰が予測出来ただろう。その独特の空気感ゆえ、こんなにメジャーでありながら、未だにどこかカルト臭を帯びている。間違ってベストセラーになってしまった三流小説のような。そこがまた、観客の心をくすぐった。いわば、観る者に「この映画が好きな自分が好き」と思わせる数少ない洒落た作品の1つなのだ。ブランドなのだ。そう観客に思わせ、スタンスを作ってしまった時点で勝ちだ。タランティーノは映画を心から愛し、映画にも愛された。色々な映画の手法を踏襲し、なおかつそれを崩すことを許された。「映画が大好き」ということは、それだけで武器になる(水野晴郎監督という例外はあるが)。タランティーノはブランドだ。見事にハマらせて頂きました。あなたの勝ち。お見事さん。10点(2004-01-26 20:51:00)(良:3票)
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