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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  花嫁の父 《ネタバレ》 “Father of the Bride”邦題まま。リメイクを観たばかりで、本作の存在を後から知って、観たいなぁと思ってたらBSでやってくれた。ありがとうBS!で、期待通り面白い作品でした。 コメディの中でも“HowToもの”とでも言うんだろうか、結婚式の晴れの舞台の舞台裏。誰もが直面したであろう、豪華さと比例して出ていく底なしの金額の恐ろしさ。出費で削るところは削るとしても、どこを削ればいいんだろう?という楽しさは、万国共通なのかもしれない。 娘の結婚が突然過ぎて、相手のアラ探しをするけど何も出てこない不満。娘の連れてきた男を信頼して落ち着いてる妻にも不満。自分が心配だからって妻まで心配にさせるなんて、良い意味で人間臭くて、良くも悪くも器小さくて、とってもリアル。親同士の話し合いで、酔っ払ってついつい余計な事までべらべら喋るのも、緊張から開放された感も上手い。 招待客1人に付き3.75ドル。1950年の1ドルっって幾らなんだろ?日本円で360円だけど、当時の貨幣価値を考えるとラーメン1杯20円…そりゃ家族で膝を合わせて招待客の取捨選択するわ。1500ドルで駆け落ちの打診なんて、本心じゃないの解るけど、そこまで悩んでる感がとても良く出てる。 ハティ叔母さんのセンス悪い時計から「送り返して!」の流れも綺麗。リメイク作と本筋は変わらないんだけど、やっぱり面白い。自分が式をメチャクチャにする悪夢も、何か本当にそんな夢見そうで怖い。その直後結婚式を不安がるケイを慰める姿が涙ぐましい。自分だって怖いのに。 あれだけ盛大な式のお金を出して、式の当日まで裏方並みに準備をして、教会で花嫁を渡したら、それで役目が終わる。 あぁ、父って偉大。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-26 09:18:11)《改行有》

2.  バットマン(1989) 《ネタバレ》 クリスマス感を味わいたくて、昔を思い出しながら観ました。 '89年の年末は、ゴーストバスターズ2、ビオゴジ、バットマン、BTTF2が次々公開。2G2B対決と銘打たれ、映画好きには期待感ハンパないシーズンでした。 このなかで唯一続きものじゃないバットマンは、ダークホース的な存在だったけど、プリンスのサントラ・アルバムが先行販売されるカタチになり、あの印象的な黄色と黒のバットマン・マークの認知度も高くなってたのもあって、公開前からとても斬新でとてもオシャレな映画の印象があったっけ。 タイツを履いた子供向けなヒーロー映画のダサい印象を、黒いラバースーツのバットマンが変えたと思う。 今でこそコメディ要素が感じられるけど、当時は影を背負った大人も楽しめるリアルなダークヒーローとして復活させたのもインパクトが有ったし、漫画チックな悪役ジョーカーをアカデミー俳優のジャック・ニコルソンが怪演したことも話題になって、なんか大人が本気で創ったヒーロー映画って感じが良かった。 ヴィッキー・ベール役のキム・ベイシンガーの魅力&脚線美が炸裂。劇中ハイヒール3回も脱いでます。戦場写真を撮っていた設定に対し、すぐ悲鳴を上げるとことか、水を掛けられたジョーカーの背中をポンポンするとことか可愛い。 ティム・バートン作品らしく、メカ、美術のこだわりも強く出ている。退廃的なゴッサムシティのヤバさ、空気感。森の中を走るバットモービルの格好良さ、飛行機(名前わかんない)が月と重なる美しさ。 ジョーカーがヴィッキーにプレゼントするガスマスクのリボンが緑と紫なのとか、凄いこだわりだと思う。 これまた全然クリスマスな内容じゃなかったけど、エンディングに流れるプリンスのスキャンダラスが、セクシーで素晴らしい。 ストーリーがしっかりしていて、それでいてオシャレで、とても満足度の高い大好きな映画の一つです。[映画館(字幕)] 8点(2022-01-01 18:01:10)《改行有》

3.  バタリアン 《ネタバレ》 ~The Return of the Living Dead~生ける屍の再来。バタリアン=大群って邦題も見事。 でもオバンバとかタールマンとかは、今思うと蛇足。頑張ったんだろうけど… 『この映画は真実だけを書いている。そのため人物や団体も全て実名である』「ゾンビの夜って映画知ってるか?アレ本当にあったんだ」なんて、子供だったらアッサリ騙されそうな文言で始まるホラーコメディだけど、当時子供だった私はすっかり騙されたわけだ。 公開時、人気急上昇のシュワちゃんコマンドーとの同時上映で、なんとも豪華な二本立ての新聞広告を見たのを覚えている。 その一年後に金曜ロードショーで放送され、当時の同級生はほとんど観てたんじゃないかな。次の日盛り上がったことと言ったら…タールマンのモノマネするバカ多数。オバンバの声真似するバカも多数。ハーゲンタフ…地元にはハーゲンダッツがないから意味解らない奴多数。ノーカット・ノーモザイクのトラッシュの全裸踊りに度肝を抜かれたもの多数…あぁ楽しかった。 でも観てる間は怖かったな。救急隊員が多数のゾンビに襲われるとことか、オバンバの背骨がゴツゴツ動いて、透明な髄液みたいなのが滴ってるリアルさ。手足のないゾンビが走るの、障害のある役者さんだろうけど、細かく動いてビックリした。 この映画も夏の風物詩として毎年見ているけど、当時も今も楽しく観ている。 フランクの顔芸とジョークの上手さ。社長と葬儀屋の憎めないキャラ。オッサン3人がとても上手い。ゾンビを焼くよう頼まれるシーンで、アーニーが破れたズボンの裾をハサミで切るシーンの間がいい。 死後硬直の前フリのも後に活きるし、アーニーの葬儀社が“復活の家”葬儀社というのも面白い。 建物内に釘や板がたくさんあって、ゾンビから隠れるには最適の家。 フランクが脳みそを食いたい欲望に勝って、妻(指輪)に別れを告げて、自分で焼却炉に入る場面は悲しすぎる。単なるコメディでは片付けちゃいけない、ホラー映画の名シーンじゃないだろうか。 しゃべる。走る。道具も使う新しいゾンビ。これはこれで、ロメロゾンビと違うくて、逃げられなくて怖い。 結末も怖かった。ミサイル(CGっぽいけど、年代からアニメーションだろうか?)が火災を起こし、酸性雨と混ざってゾンビを増やす原因になるなんて、ホラー映画として見事なオチ。 今回気がついたんだけど、ドラム缶の煙を吸ったバートとフランク、トラッシュはゾンビになった。けどゾンビに頭を噛まれたスーサイドとスクーズはゾンビになってない。あと救急隊員も。この世界では脳みそを食われるとゾンビにはならないっぽい。[地上波(吹替)] 8点(2021-07-28 01:04:43)《改行有》

4.  花嫁のパパ(1991) 《ネタバレ》 “Father of the Bride”邦題まま。 OPで流れるシャンパングラスの泡が観ていて飽きない。'90年代の映画にしてもシンプルな内容で、どこか古典映画っぽい心地良さがあると思ったら、エリザベス・テイラーの『花嫁の父('50)』って映画があったのね。うん、これは是非観てみたい。 結婚の報告をするアニーを見る両親二人の対比が面白い。表情豊かに発せられる言葉に反応するママと、ハナから結論を出して固まっているパパ。パパが「ごめん、なんて言った?」のあと「結婚するの」って言うアニーが子供になってるのが、あぁ、パパには自分の娘が幾つになってもこう見えてるんだな。って納得してしまった。 本気の1on1の本気具合が父娘の仲の良さをヒシヒシ感じさせる。 サボテン・ブラザーズ以来の共演、マーティン・ショートが出てきてからの、濃ゆい笑いも結構好き。 “50年ぶりの寒波襲来”のナレーションに、どれだけハチャメチャな結婚式になるのかと思いきや、結構まとまった綺麗な式に仕上がっていた。パパはてんてこ舞いだったけど。 入場曲のカノンを聞いて、新郎新婦のキスを観て、ライスシャワーを観て、披露宴を観て、ブーケ・トスを観て…結婚式って、良いなぁ…って思った。自分たちの晴れの舞台をみんなに見せる。家族が主演となって新郎新婦を盛り上げる。娘を手放す父親の悲しみを披露宴の盛り上がりで打ち消す。結婚式って、世界共通の大事な家族儀式なんだなぁ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-18 21:54:41)《改行有》

5.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 ~The Band Wagon~『時流(に乗れ)』って名前の劇中の舞台劇。 この一年くらい、過去にあまり見てこなかったミュージカル映画を観るようになったけど、この映画を見てアステアのダンスの凄さが伝わった気になった。 靴磨きのダンスがいきなり凄い。前半は磨き台の上だからほぼ足の動きだけで踊って見せる。その動きの多彩さ・華麗さに驚いた。 アステアの身体の使い方を観ると、特に足もと、大きな動きの前に小さな予備動作?が入ってるんだけど、一連の動作に無駄がなくて美しい。相当体幹が優れてないと出来ない動き。 それを涼しい顔してやってのける。細かく大胆に動く下半身に対し、上半身は優雅で滑らか。公園でガブリエルとのダンスの美しいこと…こんな書き方しか出来ないけど、とにかくスゴイなって思えた。 当時のゲームセンターって手作り感が面白い。あの“?”の箱にあんな仕掛けがあったなんて。 公園で社交ダンス(無料参加イベント?)してるのも、当時はそういう文化があったのかな? コードバのキャラが魅力的。なんかスポンサー相手に、熱心にファウストを説明するコードバに声を出して笑ってしまった。良いキャラだなぁ。 最悪の初対面をしたトニーとガブリエルがだんだん仲良くなって、吸えないタバコを勧められてぷかぷか吹かすガブリエル可愛い。 大失敗の公演初日のあと、無人のパーティ会場と、若い団員の打ち上げの対比。そこからの方向転換、仕切り直しで盛り上げるトニーと、舵取りをトニーに譲るコードバの柔軟さが良い。最後のプログラムをめくる毎にミュージカルナンバーを流す演出も良かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 15:32:44)(良:1票) 《改行有》

6.  80日間世界一周 《ネタバレ》 制作された1956年でさえ、世界を一周できる人は限られた人だけだったろう。だけど決して実現不可能ではない時代。夢が広がる世界旅行。 気球に乗ってパリへ…テーマ音楽を聞くと幼少期の日曜の朝を思い出す。兼高かおる世界の旅…パンナムのジャンボジェット…は出てこない。そんなのがない時代、1872年(明治4年)の物語だと言うから驚きだ。 ロンドンから西欧、インド、香港と進むが、考えたらイギリス・ロンドンから、インド、東アジアの端っこ香港まで、大英帝国の領地だったのって凄いことだな。そして日本・横浜が当時ももちろん独立国家だったことも、当たり前だけど凄いことだ。 国によってちょっと冗長に思えるが、海外ロケの費用なんかを考えると、仕方ないかな。 全財産を湯水の如く使うのも豪快。特に最後の、燃料が切れるパドル船を解体しながら突き進む姿は熱く、冒険旅行のロマンに溢れている。 それゆえ、フィックス刑事にあのタイミングで逮捕される展開が、フォッグ達と一緒にがっかりできる。 日付変更線のくだりは、海外旅行が割と一般的な今だからこそ「え?それ計算してなかったの?」ってなるが、公開当時は「そうなんだ!」ってなったろうな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-03-13 11:39:00)《改行有》

7.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 “Sully”チェズレイ・サレンバーガー機長のニックネーム。邦題は当時のNY州知事が“Miracle on the Hudson”と呼んだことから付けられているみたい。ちなみに事故機の航空会社USエアウェイズは、本映画公開の前年にアメリカン航空に合併されてました。 『世界仰天ニュース』なんかで、よく航空機事故からの生還ドキュメントが流れますが、本作はテレビと違って劇場映画、細部まできちんと描写していて、良く出来た再現映像となっていると思います。乗客155名全員生還という奇跡だったので、映画化も納得なんですが、やっぱり気になる点はあります。 映画ポスターのキャッチコピーが『155人の命を救い、容疑者になった男。』事故再現とともに本作のキモの『操縦ミスの可能性』。サリー達を苦しめる国家運輸安全委員会(NTSB)の追求は、実際は穏便に済んだそう。 映画を盛り上げるうえで創作を膨らませるのはアリなんだけど、事実に反し、NTSBが一方的に悪者として描かれたのは如何なものだろう。 離陸からわずか5分程度の事故だしなぁ。96分と短い映画だけど、それでも1本の映画にするには、やっぱりドラマが少なかったんでしょう。サリーを容疑者にしてしまった理由もわかります。 例えばだけど、もしこの事故で、1名でも死者が出ていたなら、154名の生還が奇跡で、サリーが英雄なのは変わりなくても、サリー自身はきっと思い悩んだことでしょう。でも、だれ1人として死んでないからなぁ。エンジンが片方生きていた可能性とか、空港に引き返せた可能性とかは、報告を受けたサリーが事故後に一人で悩んでいた事として、それをNTSBがサリーの判断の正当性を科学的に裏付ける。なんて展開でも良かったように思う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-06-06 23:07:28)《改行有》

8.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 “Burn After Reading”『読んだ後燃やせ』。機密文書などで使われるフレーズらしい。 執筆中の暴露本の中身を何故知っているのか?ロシア大使館にリークした情報が何故CIAが知ったのか?クローゼットに入っていた男は誰か?コッチは全部解っていて観るから、登場人物の行動が滑稽に、バカバカしく観えてしまう。 CIAの最終決断がタイトルに繋がる理由がもう、早い話『面倒くさいから』なのも面白い。 ブラッド・ピットは見るからにアホな役をしているけど、ジョン・マルコヴィッチは凄い立場だったのかと思いきや、実はそうでもなかった人も出てくる。個人的に、『セッション』の印象から性格がしつこそうなJ・K・シモンズが事なかれ主義だったり、『俺がハマーだ!!』の印象から破天荒そうなデビッド・ラッシュが気を使う立場の中間管理職だったりが、なんか面白かった。 みんな自分の立場で、時に真剣に、時に命がけで精一杯アホなことをしている。そのアホの連鎖のそもそもの引き金が、自己満足に近い美容整形代の為。というのも、どうにもこうにも…コックス、ハリー、リンダのその後がどうなったか?が気になるっちゃ気になるけど、それこそ“Burn After Reading”なんだよね。ってオチなんだろうな。[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-26 18:24:21)《改行有》

9.  バットマン リターンズ 《ネタバレ》 大ヒット作バットマンの続編なんだけど、今回バットマン=ブルース・ウェインにはあまりスポットが当たっておらず脇役扱い。前作から3年しか経っていないのに、早くもスピン・オフ感が出ています。 じゃあ主役は誰か?キャット・ウーマン?ペンギン?マックス・シュレック?どれも一癖二癖ある悪役だけど、3人もいっぺんに出てしまったため、前作のバットマンにとってジョーカーほど強敵感が出なかったと思う。 キャット・ウーマン単体でも映画になったと思うけど、彼女が徹底した悪じゃないことと、クリスマスにヒーローが女性を痛めつける映画はどうだろう?って感じで。かと言ってマックスは表向き普通の人だし。やはり怪人を出したいってことで、ペンギンをくっつけたのかな? マックスは置いておいて、キャット・ウーマン、ピッタリしたラバースーツはとてもセクシーで魅力的。鞭さばきも華麗で格好良かった。変身前のドテドテ歩く野暮ったいセリーナも可愛くて、ミシェル・ファイファーにピッタリの変身キャラだったと思う。これだけ魅力的なキャラを1回で終わらせるのは惜しい気が…9つの命ももっと掘り下げてほしかったように思う。 ペンギン。手や鼻に限らず、服の下の体型が異形で、幼い頃に捨てられた理由も解る。けど彼がどうやってサーカスギャングを率いたか。また傘のプロペラ飛行装置や、ペンギンミサイルの高度な科学力・財源が不明で突飛だったので、もう少し知りたかった。 勝負はバットマンの圧勝なんだけど、それぞれの物悲しい最後は見事で、こんなクリスマス映画も悪くないなって思った。 しかしゴッサムシティって、あんな変なギャングがウジャウジャいるのが普通なのかな?前作では普通のマフィアがいて、ボスになったジョーカーの趣味に下っ端が付き合わされてた感があったけど、本作はいきなりピエロだもんな。あ、でも犬と御婦人は面白かった。あの時犬が咥えたブーメランが、後のプリンセス誘拐の伏線になってたし。 人間(ペンギン)と意思疎通できるペンギン軍団も、前作の世界観から飛躍していて、最初ちょっとついて行けなかった。でもどれがCGでどれが人形かわからない大量のペンギンは、観ていて癒される。 あとニクソンとかベトナム開戦とか、アメリカの史実が単語として出てきたのも意外だったかな。 前作にあって本作にないもの。プリンス。当時のメディアミックスの成功例だったバットマンが、映画単体になってしまった。[ビデオ(字幕)] 6点(2022-05-30 12:21:00)《改行有》

10.  バベル 《ネタバレ》 -babel- “言葉の混乱”。 ベルベル語、英語、スペイン語、日本語、そして聾者。言語や言葉の違いに混乱する映画にも取れるけど、劇中そこまで言葉のコミュニケーションで困ってる様子はない。旧約聖書の時代とは異なり、バスには英語を話すガイドが乗っていて、移民の家政婦は二ヶ国語を話せて、聾者は筆談や唇を読んでコミュニケーションを図る。 -babelize-で“混乱を引き起こす”となるようだ。子どものたった一発の“試し撃ち”がテロ行為と誤解され、外交問題にまで発展し、世界中のニュースになる。 飲酒運転を誤魔化そうとした結果、子供を誘拐したと誤解され、不法入国の逃亡者になり、幼い兄妹の命に関わる事件を引き起こす。 警察が父を訪ねてきた事を、母の自殺を疑っていると誤解した娘。…でも何故日本?=銃による犯罪が少ない平和な国だから。かもしれない。 菊地凛子の聾者演技は素晴らしい。けど、今ひとつ事件(この映画のテーマ)との関わりが見えてこない。チエコはまだ処女なことに劣等感を抱いている。「あんたの親父とヤッて機嫌直す」。歯医者、刑事と年上との関係を求めるところから、父親への近親愛があるんだろうか?近親愛はお姉ちゃんの裸を覗くユセフにも観られたし…なんて書いたけど、どうも違うような気もする。 勇気を出して裸になっても誰も自分を抱いてくれない孤独。異性と上手くやってる親友と違い、バカは出来ても一歩踏み出せない自分。父親の家族愛しか知らない寂しさ。って感じだろうか? 日本人所有の銃で、モロッコの遊牧民の子に妻を撃たれ、アメリカに置いてきた幼い子供たちはメキシコの国境で死にかける。 ジョーンズ一家のワールド・ワイドな災難とも言えるけど、異国の登場人物のなかに、故意に人を傷付けようとする人は一人も居なかった。 スーザンを献身的に看病するガイドと老婆。一方で何も協力せず自分の身の安全ばかり考えるアメリカ人観光客。 必死になって救助を探すアメリア。妹のレイチェルが子守を引き受けさえすれば、アメリアも子供たちをメキシコに連れて行くことはなかった。 観光客もレイチェルも、同じ英語を話すアメリカ人同士なのに、言葉は通じるのに助け合わない。 別れ際、ガイドに現金を渡すリチャードと受け取らないガイド。心に対する感謝の気持が現金。 綿谷がハッサンに感謝の気持で渡したウィンチェスターM70。アメリカ製のライフルが、巡り巡ってアメリカ人を傷付ける。 現金と銃。世界に混乱を引き起こすのは言葉の違いではない。[インターネット(字幕)] 6点(2022-03-02 01:19:39)《改行有》

11.  バックドラフト 《ネタバレ》 冒頭の1972年再現映像がすごい。制作年から約20年前なんだけど、やっぱりハリウッドはスケールがデカいと実感する。 そしてカート・ラッセルそっくりなお父さん役の俳優さんだなと思ったら、本人だった。 主人公の仕事を魅力的に描く映画の中で、消防士ものでは今でもこの作品が一番に思いつく。火災現場や交通事故の救助活動。出動シーンから訓練シーン。憧れの職業のコマーシャル映画として、消防士の格好良さを余すところ無く魅せるぜモンタージュ♪ 犯人が現役消防士なことより。消防車の上でイチャイチャなんて、よく消防局の許可が出たものだと思うけど、ホースの束が案外ふかふかしてそうだな。なんて観ないとわからないことを教えてくれる。 悲惨な火災現場でジョークや歓喜の声を飛ばすのは『あんな怖い現場にグイグイ入っていけるアメリカ人のメンタル、すげぇ』って思って観てた。今でこそ不謹慎かもだけど、当時は違和感とかは感じなかったな。 スティーブンは思いのほか優しく見えて、厳しさも常識の範疇に思える。むしろ初見時より弟への愛情が感じられる。確かにちょっと短腹だけど。むしろブライアンの言い分「ティムと同じに扱え」とか、そこは解ったうえで、飲み込んで頑張れよと思う。 CGが世に出だしたばかりの当時だけど、生き物のような炎の演出は今見ても見劣りがない。CGよりカメラワークが良くて、最近の『カメラの寄りすぎや斬新すぎる構図で、観てて何が起きてるか解らない。』と言うことがなく、水位が上がっているなぁ、床が抜けていくなぁ。など、何が起きているか解る演出が嬉しいのが、意外な発見だった。[ビデオ(字幕)] 6点(2021-03-28 15:11:51)《改行有》

12.  運び屋 《ネタバレ》 ~The Mule~麻薬の運び屋。頑固者。運搬用のラバ。う~ん、どれも当てはまる。けど、トランスポーターみたいなカッコいいアレでは無い。 麻薬の運搬ってかなり重たい犯罪だろうけど、何かほのぼのした話。 ガレージの三人組は気さくな連中だし、フリオはピリピリしてるけど根は良いヤツ、殺す殺す言ってたコワモテのヒゲも、最後はボスに懇願してくれた。今まで蔑ろにしてきた家族との絆も回復して、罪を償いながら、大好きな花の飼育をしながら刑務所で余生を過ごす…悪くない老後。 わざわざ俳優復帰してまで、平凡なほのぼの爺さんの犯罪映画作るなんて、イーストウッド丸くなったなぁ… アールは娘の結婚式の日さえもすっぽかし、仲間だけでなく他の結婚式の一団にも酒を奢るクソ野郎。 そんなクソ野郎が、死ぬ間際の歳に大金手に入れて、元妻の死に目を看取ったからって娘に許されるのか? なんかモヤモヤする。 違和感を感じたのが、アールが捕まる時の顔の傷。たまたま転んだ?誰かに付けられた?何で説明が無いんだろ? 誰かに傷付けられたとしたら、やっぱコワモテのヒゲだろう。アールを気に入って命を救おうとボスに連絡してるっぽいのに、痛めつける必要があるか?何か違和感。コワモテのヒゲやフリオ、組織のその後が描かれないのもすげーモヤる。 (BDの特典映像とかで説明されてるのか?そうでないなら)…このクソ野郎、もしかして自分に都合悪い事は目を瞑ってるんじゃないか? 男で90歳は平均寿命より長い。普通なら死んでる年齢まで娘に嫌われたヤツが、今さら許されるだけの何かをしただろうか? コイツは麻薬の輸送で手に入れた汚い金で、まず自分の新車買って、次に自分の農場を取り返す。外面良く見せたいから焼けた施設の修復。そして女遊び。優先するのは自分と外面…本当にクソ野郎。 アールのデイリリーは大人気で優勝。スピーチジョークで会場を大爆笑させ、女二人相手に朝まで喜ばせ、フリオは美味いバーガーに喜び、カタギになる話を真剣に受け止める…自己中って自分がやった事は、さも素晴らしい事したように大袈裟に言うんだよな。 娘の「感謝祭に来てね」も、単なる社交辞令をクソ野郎が都合良く解釈してるだけじゃないか?「ジェームズ・スチュワートに似てるね」なんて言われて嬉しいことは忘れないけど、都合の悪いことは目を瞑る。 『自己中クソ野郎は死ぬまでクソ野郎』って映画を、クソ野郎側の一方的な視点でサラッと作ってみたんだとしたら、イーストウッドってやっぱすげーわ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-17 20:40:16)《改行有》

13.  パリの恋人 《ネタバレ》 ~funny face~『変な顔』とか『愉快な顔』…ヘンなタイトルだ。 邦題は〜パリの恋人〜…別にパリに恋人は居ないし、フランス人と付き合う訳でもない。ヘンなタイトルだ。 雑誌編集社から始まるが、実に楽しそうな職場。「着る服に迷ってる読者がすっ裸で待っている」。 ファッション業界を目指すなら、こんな会社で働けたら最高だろうな。 小難しい言葉を吐きまくるジョー。何言ってんだかサッパリ解らない。共感主義?宗教みたいなもんかな… パリでの浮かれっぷりを表した3人の歌とダンスが可愛くて素晴らしい。一緒に「ボンジューパァリィー!!」って歌いたくなる。 でもジョーのキャラは好きになれない。パリに連れて行ってもらって、用事そっちのけで自分のやりたい事をする。 「少しは共感しろよ」ごもっとも。 設定として2人の年齢差があり過ぎて、ジョーがディックに魅力を感じるという設定に無理があり、違和感しか感じない。書店でのキスシーンまで、恋人役は他に出てくるんだろうと思ってた。あとジョーが変身前も変身後も、綺麗な顔のオードリー・ヘップバーンにしか見えなく、着飾った後に『おぉ、あの変な顔の娘が、ここまで見違えるとは!』感が少ないんだよな。 …と言うこの見かたが、間違いなんじゃないだろうか? これはミュージカル。そう考えると、違和感を感じたキャストも、適役として立ち上がってくる! ディックはお爺さんでなく、ジョーよりちょっと歳上の素敵なデザイナー役。 オードリーはどこを切っても美しく見えるが、変な顔でメイクと衣装で大変身した娘の役。 『オードリーに面と向かってfunny faceって歌うくらいだから、きっと(素敵な顔)って意味もあるんだわ~』…なんて言うのは、後からの付け足し解釈で、文字通りジョーは『変な顔』なんじゃないか。かと言ってオードリーに変顔メイクは、色々とNGだったろう。 アステアの年齢やオードリーの顔への不満は、キャッツを観て『タイツを着た人間にしか見えない』と言ってるのと大差ない。アレは猫。それがミュージカル。 当時、邦題考えた人は悩んだろうな。『変な顔』じゃあお客が入らない。パリが舞台のラブロマンスだから、パリの恋人にしよう。…出した結論は安直だ。 アステアの華麗なダンスと、当時1番脂の乗っていた美しいオードリーをミックスしたミュージカルを、何度でも観られるフィルムにしよう。そう言う意図で作られた映画かもしれないね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-19 22:36:12)《改行有》

14.  バスケット・ケース 《ネタバレ》 -BASKET CASE-グリーン・ディの名曲…じゃなくって、“非社交的な除け者”のスラング。モトは戦争で手足を失った兵士は担架(≠バスケット)で運ばなきゃいけなくて、もう役に立たないから。だそうな。ヒドい。 タイトルのモトネタは、兄ベリアルの事ズバリだし、スラングは弟ドゥエインの事も表していて、結構秀逸なタイトルだよね。 身体がくっついて産まれてしまったシャム双生児。同世代ならご存知、ベトちゃんドクちゃんが生まれたのが'81年。恐らくあの痛ましい姿を見て『よし!これだ!!』って思ったんだろうな。ヒドい。…けど、モノを作る人にはそういう発想が大事だし、ホラーなんてどう擁護したって“ヒドい!”としか言えないんだから、どんどん面白い作品を創ってもらいたいところ。 おぞましいバケモノと、血みどろの惨殺場面と女の悲鳴。セクシーなお色気だけあれば充分なB級ホラーなのに、案外ストーリーと登場人物がしっかり描けているので面白い。 主人公兄弟がテレパシーで話せてたこと。切り離されてからは兄から受信できても送信ができないとか、親が話せないベリアルを化け物扱いした背景も見て取れる。ベリアルを切り取る医者3人に獣医が入っていたり適当。兄を助け、かばい、復讐を手助けする弟。不気味だけど兄弟愛が描かれていたり、最後にホテルから落ちて、兄弟一対に戻って死ぬところとか、ちょっともの悲しくも思えて、なんかティム・バートン作品のようなファンタジックさもある。 恋人シャロンを殺しに行くベリアルの姿が、全裸のドゥエインだったりと、もしかして2重人格のドゥエインの単独犯行?とか、色々解釈もできそう。 ホテルの住人も個性的できちんと描かれて好感度高い。一方的に話しかけて一方的に去っていくオバサン。覗き見、侵入、盗みまでするオジサン。セクシーな面倒見の良い売春婦のお姉さん。奇妙な住人のせいでバタバタと忙しい管理人さん。…あれ?これってめぞん一刻?? ※めぞん一刻の方が先('80年~連載開始)でした。[インターネット(字幕)] 5点(2021-11-22 15:02:08)《改行有》

15.  ハンコック 《ネタバレ》 ~(John)Hancock~ここに署名して。 強盗捕えるのに道路標識倒して、高速道路ボコボコにして、ビルも壊して…良いことをする以上に被害を出してしまう、嫌われ者のスーパーヒーロー。本人も能力があるのに、やる気がない酔っぱらい。とても面白い設定だ。 「君はクズだ」「君が問題を起こすのはさびしからだ」「ムショに入れ」レイがハンコックをプロデュースするけど、そもそもレイのプロデュース能力が未知数(大企業に一方的な提案をして断られた描写しかない)だけに、ハンコックの表面だけを捉えて適当に言ってるようにも思う。私だったら怒る。 それでも改心したハンコックが丁寧に事件を解決。警官にグッジョブを繰り返す姿は微笑ましく、大衆に認められるシーンはカタルシスがあった。ここまで充分に面白いヒーロー映画だと思う。 そもそも、ハンコックって何者なんだ?とか、あんなヒーローがいるのに、どうして犯罪組織が成立する?とか、ハンコックのせいで街がメチャクチャなのに、どうして普通にベンチで寝てるんだ?とか、大空に飛ばされたいじめっ子、普通に死ぬよな。とか、文字通り頭をケツに突っ込んだら死ぬでしょ。とか。映画だからでは納得できない事が多すぎる。 映画の世界は漫画の世界。Dr.スランプのペンギン村みたいなものと思えば、まぁ、納得できなくもない。 レイ「宇宙人なんだろ?」「隕石に乗って?」「軍の病院?」なんか失礼じゃないか?私だったら怒る。 ここからメアリーがスーパーウーマンになってて、物語が急展開する。 ハンコックが『アスホール』で怒るのに対しメアリーは『クレイジー』に切れるとか、悪くないんだけど、展開が唐突だ。 まだ1時間も経ってない。90分くらいの映画で、ハンコックがヒーローらしい活躍をした事件はたったの1件だけなのに。 ここから先は“パート2”にしておくべき話じゃないか?と思った。 残りの30分ちょっとで、もっとハンコックが活躍して感謝されるニュース映像入れたりして、クライマックスは、ヒーローらしさがネックになって解決が難しい事件を、なんやかんやで解決して終わり。ハンコックⅡに続く。で、良かったんじゃないかな。 色々悪くないのに、もったいない映画な気がした。[地上波(吹替)] 5点(2021-08-13 17:21:17)《改行有》

16.  バラ色の選択 《ネタバレ》 “For Love or Money”ん~…単純に『愛か金(成功)か』で、良いのかなぁ?単純だなぁ。 マイケル・J・フォックスがニューヨークを舞台に、ちょこまかと駆け回るコメディ。邦題からも、あのヒット作の路線でもう一発。って香りがします。 当時コンシェルジュが日本でどれだけ浸透していたか分からないけど、バタバタしながらもダグはコンシェルジュとして有能。ホテルのスタッフも個性的で楽しいし、いい職場だなぁって思ってしまう。ダグが天職に就いてるモンだから、あの映画のように『不遇な立場からの一発逆転劇』感は薄い。 ガブリエル・アンウォーは可愛いけど、アンディはどう考えても騙されてる女って役なので、有能なダグがアンディの顔以外のどこにあれだけ惚れたのかが、イマイチ伝わってこない。 終盤のダグとアンディの口論が、イヤミっぽいダグとアホっぽいアンディって感じで、「あーこの2人合わないわ」って思ってしまいました。 ハノーバーの契約チラつかせながらの無理強いに加え、ダグとアンディがくっつくのが本当に幸せか?って疑問が湧いて、適度にストレスが溜まっていくんだけど、最後の10分くらいにバタバタっと終わるので、あまりスカッと爽快感は感じられない。ハノーバーとアンディは都合よく自滅。それも歌のせいって、ハノーバーが失言してなければ関係続いてたんだろう。だから、マイケルがあの手この手で追いかけるのも、見た目は楽しいけどそんなに重要じゃないんだよね。ケチなウェグマンさんがあんな感じな役どころなのは、お約束の安心感があるけど、それにしても唐突な感じ。 “Not For Love or Money”で『あり得ない』って意味だそう。 その“Not”を外して『あり得ない。事もない』ってタイトル訳だとどうでしょうかね?唐突感も少しは薄まる?[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-05-14 14:06:31)《改行有》

17.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 -El Laberinto del Fauno-“ファウヌスの迷宮”パン=森の神ファウヌス 主人公が少女。引っ越しから始まる。森の中の石像。森の奥の異世界。カエルの番人。黒くて丸いススワタリ…でなくダンゴムシ。口に異物を入れて吐き出させる。カオナシ…でなく顔に目のない化け物。手を付けてはいけない料理を口にしてしまう両親…でなく少女。釜爺の貴重な薬湯…でなく町医者フェレイロの睡眠薬。味方になってくれる女中…でなく家政婦のお姉さん。千と千尋を観たデル・トロが自分流のファンタジーを創ってみたら、こんな作品になってしまったんだろうか?そんなイメージで鑑賞。甘さを抑えた大人向けのサイダーだと思ったのが、どっこい実はストロングゼロだったような衝撃。 猟師親子の殺害や捕虜の尋問など、義父のビダル大尉による非人道的な行為が描かれているが、同じ建物に居ながら、オフィリアがそれを目撃するとか直接絡む描写は無い。父を失い、故郷を離れ、母親は新しい夫の顔色を伺うばかり。確かにオフィリアは可哀想な立場だけど、衣食住には不自由がなくて、メルセデスや町医者ら村人が可哀想どころか、あまりに悲惨な境遇なので、どうも少女の可哀想加減に集中出来なかった。 ピカピカの鍵や特殊なナイフ(結果論、銃で流れる血で良かったんだから必要なかった?)は架空のアイテム。チョークは実在するただのチョーク。マンドラゴラの根は大きな生姜か何かかな? 最後の試練でパンと話すオフィリアが、大尉には彼女の独り言に見えてるシーンが、私には一番ショックでした。アレ全部妄想だったのか!って。 映画の意外な結末の中では、全部妄想パターンは割と定番なのかもしれないけど、現実があまりに救いようが無いのに、少女の拠り所のファンタジー世界にすら救いが無い絶望感。 あの場面、大尉にオフィリアを殺す必要性は無いのに、ついカッとなったのと、鬱陶しいし今後同じことがあったら面倒だから殺した。オフィリアも戦うでも抵抗するでもなく、弟を大尉に渡して、ただ殺された。主人公の幼い少女の最後が、こんなので良いのかな。 フランコ独裁政権の悲劇を描くのが主目的だろうし、そこは無知な私には大変勉強になった。独特の不気味なクリーチャー。地下王国のファンタジー世界。 たしかに不思議な魅力は感じるから高評価も納得だけど、救いある王国エンディングを打ち消す、現実世界のオフィリアの死で終わる本当の最後。 創作だからどんな物語かは作者次第だけど、こういう結末を選ぶことに、私はあまり共感できません。[インターネット(字幕)] 4点(2021-11-05 01:27:46)《改行有》

18.  ハプニング 《ネタバレ》 ~The Happening~出来事。事件。 オープニング、ベンチの女性のセリフからヤバいことが起きてる感、躊躇なく自分の喉に突き立てるかんざし。無言でビルから降ってくる人々…突然起こるギョッとする事件。すぐにニュースになり、まずはテロと判断されるところとか、訳も解らず映画の世界に放り投げられる感が素晴らしい。その後も次々と自殺する人々。立ち止まりと逆歩き。変な言葉の繰り返しの共通項。他人に暴力を振るわず、無言で自死を選ぶ気味悪さ。ミステリーとしても面白いと思う。どんな理由と驚きの結末が待っているのか、期待してたんだけど… エリオット達を乗せてくれた人が「原因は植物だ」ってズバリ。麻薬もトリカブトも植物だし、花粉症の私は植物の怖さは充分に知っているから、植物が犯人説でも良い。でもいろんな説の一つではなく、最初からほぼ、植物と断定しての一本道過ぎるストーリー。対してシャマラン監督の定番『コレコレだと思っていたら、アラ以外、実はソレソレだった』に期待してしまうのもあって、物足りなく感じてしまう。 植物説を採ったのに、車を捨てて徒歩で草原に入っていく謎行動。観てる私は世界の動きが気になるのに、どんどん社会から離れていくエリオットたち。情報収集しない、人の話を聞かない独居老婆のジョーンズ夫人。離れの小屋の会話が筒抜けの部屋とか、これはこれで面白いかもだけど、この映画の後半としてはどうだろう? 命からがら逃げてきたのに、早朝エリオットに何も伝えず、アルマとジェスは呑気に離れの小屋でカエルと遊んでるとか、謎な行動取るし。ゾンビ映画みたいな集団自殺事件と、ミザリーみたいな怖い老婆の話。構想途中の2つの話を、無理やりくっつけて一本の映画にしたような印象を受けた。 最後にエリオット達が生きることを諦めた時、彼らはたまたま助かる事になった。もしかしたら“自ら死を選んだんだから、殺す必要がなくなった”のかもしれない。って思ったけど、3ヶ月後のテレビによると、事件は同時に終焉したらしいから、やっぱエリオット達はたまたま助かったってことか。 その3ヶ月後の、何事もなかったかのような町並み。テレビでもまだ学者の仮説に半信半疑な状況。あのペースだと相当の人数が犠牲になったと思うのに、死者数とか被害状況とか、私ら映画鑑賞者にも教えてくれ。途中まではすごく良かったのにな。[DVD(字幕)] 4点(2021-10-15 01:44:23)《改行有》

19.  ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 ~Solo~ぼっち。ほう、ハンでなくソロをタイトルにするのか。SWは家族の話だけど、ハンは天涯孤独だから、ピッタリなタイトルかもな。きっとハンがチューイと出会うまでの、やさぐれた一匹狼時代の話なんだろう…と思いきや、ハン君には可愛い彼女がいて、ぼっちだった期間はすっ飛ばして、すぐ相棒チューイと強盗仲間が出来る。 そんな中、サラッととんでもない事を言うハン「親父はクビになるまで、コイツを組み立ててたんだ…」何ですって!?あなた、お父さん居たの?じゃああの、人の良さそうな帝国軍のおじさんが付けてくれた、ファミリーネームの件は何だったの?? 西部劇を下地にした本作。南北戦争っぽいドロ臭い戦場。仲間と焚き火。列車強盗。インディアン(クラウド・ライダーズ)まで出てくる。酒場にカードゲーム。スパイス鉱山はゴールドラッシュ金採掘地。一対一の決闘…やりたい方向性はわかった。でもこれ、別に興味無いな… 賛否両論の否が多いEP8から立て続けに上映された本作。次のスピンオフは既にオビワンで決定とか。この時期“スターウォーズ疲れ”という言葉があったんだな。私だけじゃなかったんだ。 戦場で拳銃無双するベケット、カッコいい!縦横自在なモノレールもカッコいい!雲海を進むスターデストロイヤーもカッコいい!ランド「I Hate You!」ハン「…I know」EP5とEP3の絶妙なマリアージュ凄く良い! 後半に行くほど尻すぼみだけど、無難に良く出来てる。 けどSWは映画のヤツしか観ない私としては、このくらいの佳作を連発されても何も嬉しくない。 アメグラを意識したようなカーチェイス。黒い箱車、隣にアメグラのローリーっぽい髪型のキーラ。 当時のスタッフのお遊び程度だったサイコロを、EP8から急にハンの形見のように持ち上げる無理矢理な下地作り。 最後のモール、部下との通話にいちいちセイバー光らせる幼稚なアピール。 何かこう、コアなファンが喜ぶと思ったであろう演出が、かえってシラケてしまう。 よく解らないけど、とにかく早いんだろうって“ケッセルランを12パーセク”。ハンがまだ駆け出しの頃に、しかもファルコン最初の操縦で、話を広めそうなギャラリーも無い場で、一回限りの行き当たりばったりなやり方で行われてたとは。私にはあれが40年後の片田舎のレイでさえ知ってる“伝説の瞬間”には見えなかった。EP7のスター・キラー基地着陸の方が何倍か高等技術に見えた。 ファンが100人居たら100通りのイメージがあったであろうケッセルランを、あんな雑に映像化するなんて。 チューイとの出会い、ハンの拳銃、ランドとの腐れ縁、ファルコン入手、ケッセルラン、ジャバの元で仕事…ハンソロの過去の有名なエピソードの、ほぼ全部が今回の出来事に詰まってた。EP4の10年前の出来事。じゃあ、あとの10年は何してたの? 商売だからどんなスピンオフを作っても構わないけど、ファンが想像で楽しむ余地くらいは残してほしい。そもそもこういうスピンオフは、内容にうるさい面倒くさいファンしか観ないんだから。 「顔が似てない」「ハンとは思えない」公開されたら好評価の倍くらい不評が出ることのは、やってる本人が一番心配していただろう。 それでもやり通したエアエンライク。ハン・ソロ役という重圧に耐えてよく頑張ったよ。 EP8のローズ役のトランもだけど、配役と演技の内容を決めるのは制作者側。彼ら無名の若手俳優は、与えられた仕事を一生懸命やっただけなんだ。 私の基準で5~6点くらいの映画だけど、SWを名乗ってこの内容なので…[映画館(字幕)] 4点(2021-09-28 20:17:24)(良:1票) 《改行有》

20.  パール・ハーバー 《ネタバレ》 -PEARL HARBOR- “真珠湾” 今回『トラ・トラ・トラ!(以下“トラ!”)』初視聴に併せて、改めて視聴。トラ!との比較が多くなるけどご容赦を。 真珠湾攻撃を真面目に映画化したって、歴史好きしか観ないであろう所を、タイタニックのような恋愛要素と、スターウォーズのような迫力の戦闘描写を入れてエンターテイメントにしたのが本作。興行収入的には大成功だったと思う。 数時間の奇襲作戦に、複雑な三角関係を収めるのは難しいから、過去に遡って恋愛を描くのは解るけど、恋愛と真珠湾が全く絡んでないのは問題だ。真珠湾攻撃中、男女は全く顔を合わせていないから恋愛は停滞。 この三角関係は、取ってつけたようなドーリットル作戦まで解決を見ない。創作だから幾らでも絡められただろうに。 イヴリンがダニーとの新しい愛に生きるのは否定できない。だけど真っ赤なチャイナドレスで男だらけの基地に行き、戦闘機に乗って、基地の倉庫でセックス…は無いわ。これをラブストーリーとして映像化された際、実際に戦争で夫を失い、生きていくために再婚した大勢の女性は、どう思っただろうか?ま、イヴリン独身だけど。 編集のしかたも疑問で、時系列をグチャグチャにしている。真珠湾攻撃から遡って恋愛を描くのは解るけど…具体的には日本パートで真珠湾攻撃前日(12/6)に、山本長官が「敵を混乱させるために敢えて暗号電文を送れ」と言っている。そのあと暗号電文に混乱するワシントン情報部の動きが入るけど、字幕では7月と。=山本長官の命令の5ヶ月前だ。トラ!では執拗に、情報を掴んでいたのに活かせなかった、米政府・軍部の失態が描かれたが、コレではまるで、ズル賢いヤマモトの策略にハメられたように観える。 またトラ!で丁寧に描かれた、日本が開戦直前まで戦争回避に奔走した外交的努力なんて、今回これっぽっちも描かれていない。トラ!では結果的に奇襲になってしまった描写があったが、今回は完全に奇襲を狙ったように描かれている。 あと日本軍人の日本語が吹替えで残念。きっとオリジナルだと、聞くに堪えない言葉で話してるんだろう。出演者全員が流暢な日本語を話していたトラ!より30年以上も経過してるのに、何だろうこの不自然さ。一番日本語が上手なのが、ハワイ在住のお医者さんなんて… でも写真にきちんと日本語で『戦艦オクラホマ』と書いてあったのは、唯一トラ!より勝った点。 言葉といえば、英単語も読めないレイフが、数ヶ月でイヴリンと手紙をやり取り出来るのが謎。この設定必要だったの? 零戦に果敢に挑むレイフとダニー。史実から日本軍の一方的な勝利の印象だったから、ウソだろ?創作だろ?って思って観てたけど、2人のモトになったパイロットが居たことを、最近になって知った。この2人はトラ!にも出ていて、タイタニックの“ジャック・ドーソンの墓”のように、想像力を膨らませる存在だ。 最新鋭の零戦に対し、非力なP-40を技量でカバーする2人。ってなっているけど、戦闘機は敵機を落とすのが任務だから、人を殺したり建物を壊すのは目的ではない。逃げ惑う非武装の兵員を盾に、基地低空を縫うように飛ぶ主人公機。誇り高い零戦乗りは攻撃がしにくかったろう。と解釈。 でも戦闘シーンの迫力は素晴らしく、ここは素直に評価したい。スターウォーズ特別篇のように、トラ!の追加映像に入れてほしいくらいだ。戦闘シーンだけ垂れ流しで観ると良いかも。 でもここで終わりでなく、この後まさかのドーリットル作戦ブチ込みにはズッコケた。真珠湾攻撃とコレは無関係なのって、当時の私でも解ってた。よっぽど、アメリカの負けで終わりたくなかったんだな…って。でも関係ないでしょ?パールハーバーと。 戦闘機乗りを畑違いの爆撃機に乗せて、看護婦のイヴリンを銃殺刑ものの機密作戦の無線室に入れて、あれだけおしっこ出させてまで機体の重量にこだわってたのに、拳銃と弾薬はたっぷり持って行くし。そして都合良く殺されるダニー。 どうせこんなの入れるなら、“悪のヤマモト長官”が彼らの爆撃でギャーッ!!って吹っ飛ぶシーンくらい、適当に入れればよかったのに。 パールハーバーというタイトルで映画を作るなら、真珠湾攻撃を核に物語を進めないと。起承転結の“結”も真珠湾にしないと。 この大人気ない映画が、誰の何の目的で作られたのか、いまいちピンとこない。国内の反日感情を高めたかったのか。日本が嫌いな大金持ちが自己満足で作らせたのか。そもそも日本なんて相手にしてなかったのか。[映画館(字幕)] 2点(2022-02-08 22:21:10)《改行有》

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