みんなのシネマレビュー |
|
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
21. フィアー・ドット・コム 《ネタバレ》 これまた大ハズレ。 何となく内容の予想はついたけど、ここまでつまらないとは思わなかった。怖い、怖くない以前に「つまらない」。それなりに映像も凝っているのに、どうしてこんなに駄作になるんだろう? 設定は陳腐だし、展開はタルいし、殺人鬼のドクターには、な~んの魅力も感じないし、犯人に迫る面白い謎解きもない。早くから犯人が分かっているのに、ダラダラと同じような展開が続くのには、見ていてウンザリした。 ラストで刑事が撃たれるのも、不用心すぎるだろ。犯人のアジトに踏み込む時は防弾チョッキくらい着ていかないか、普通? おまけに、殺された人達の怨念がドクターを殺すという、これまた安っぽい終わり方。そのままドンデン返しも無いままに終了。 結局、古今東西のホラーやサスペンス、ミステリーに使われた設定をツギハギするような安易な作り方と、そういう姿勢の製作サイドに問題がある。 作品内の死体よりも無残な作品。見るだけ時間の無駄。こういう駄作には今後容赦なく0点を付けていく。[ビデオ(字幕)] 0点(2006-08-20 04:36:11)《改行有》 22. プレッジ 《ネタバレ》 自然以外、何も無い片田舎の寂びれた風景は、現役を引退した彼の孤独な心象風景と重なり、その静謐な自然の景観と四季の移ろいは、そのまま人間の人生の盛衰を象徴している。そうした情景描写が抜群にうまい。 それにしても含蓄に富んだ、様々な解釈が出来る作品だと思う。本当に存在するかどうかも定かではない真犯人を追うことで、現役を退いたことによる心の空白を埋めようとした男の妄想なのか、それとも、正しい道筋に立っていながら運命のいたずらに翻弄され、人生を見失って行く男の物語なのか。 それらしい伏線も多い。カーニバルの途中で、第一発見者の少年と凝視し合うシーンは何を意味するのだろうか。ただ単に「あ、あの時の刑事さん」とか、「あ、あの時の少年」と思っていただけなのか。しかし、人間の意思疎通や認識の問題として、どこまでも相手の本音(すなわち客観的な真実)は分からない、ということの暗喩なのかも知れない。 私も最初は、このまま犯人を捕まえて、疑っていた皆が「やっぱり本当に犯人はいたんですね、疑ってごめんなさいm(_ _)m」という展開のハッピーエンドだろうと高を括っていたので、こういう現実の残酷さを突きつけられる展開には驚かされた。 努力や正しいことをしても、必ずしも報われるわけではないという、人生の真理の一部を説いた残酷な現代のおとぎ話。傑作。9点(2004-11-10 20:50:07)(良:4票) 《改行有》 23. ファインディング・ニモ 《ネタバレ》 相変わらずの「ディズニー節」炸裂の内容。この否定的にも肯定的にも取れる点が、毒にも薬にもならない万人受けを狙った最大公約数的な作品しか作れないディズニーアニメの限界を示している。良識派の親が子供に安心して見せられる事と、その作品が人生の寓意に富んだ真の良作である事は、大抵の場合一致しないという、その典型。 出てくる魚たちは基本的に善人(善魚?)ばかりで、断片的なイベント毎に必ず何らかの手助けをしてくれる存在としてしか登場しない。また、どんなに窮地に陥っても適当にどうにかなってしまうご都合主義の連続。もちろん一時的な娯楽性はあるが、そこから何か学ぶものがあるとは思えない。 CGのずば抜けた美麗さも、「表現の本質」からかけ離れつつある危惧を覚える。4点(2004-09-15 00:09:42)(良:2票) 《改行有》 24. フロム・ヘル 《ネタバレ》 数ある「切り裂きジャック」の解釈作品の中ではトップクラスの完成度。陰鬱な霧の中に多くの悲喜劇を包み込んだ、雑多で不潔な19世紀末のロンドンを見事に表現している。死体や血飛沫のリアリティや、光と影をうまく使った映像表現など、細部にセンスとこだわりが見られる。 「切り裂きジャック」の魅力は、その謎解きの魅力とイコール。永遠に答えが出ないからこそ、人々の好奇心や探究心をくすぐり続ける魅力がある。そこにあえて「答えの出ない合理的解釈」を試みるからこそ、切り裂きジャックと、そして娼婦たちは永遠の命を得るのである。従って、「無意味に人を殺しまくっていた方が面白い」、なんて解釈をしていては、謎を追求することで進化してきた「人間の好奇心」の大切さすら忘れてしまうだろう。 そんな数ある解釈の中でも、この英国王室絡みの動機は、五人の娼婦殺しの謎と有機的に結びついていて、非常に説得力があり、他の多くの謎の説明にもなっている。 ただ、怪しげなフリーメーソン等、ちょっと雰囲気で誤魔化していて、あまり切り裂きジャックの謎解きとは関係無い部分があるのは残念。史実と違う部分も多いが、あえて変更を加えても、少しだけ希望を残すという終わり方には、いい意味で監督の独自の解釈が見られる。 後世の人間が、こうした謎解きを楽しめるほどに語り継がれる伝説となったことが、殺された娼婦たちに対するせめてもの慰めだろう。8点(2004-08-15 22:42:31)(良:1票) 《改行有》 25. プレデター 筋肉があれば宇宙人にも勝てる、という映画。違うか。どうしても気になるのは、熱感知による「暖~かい or 冷た~い」程度の大雑把な視覚能力しか無いのに、あんな精密機械を作れるのかという点ですね。それと、あの山刀を持ったインディアン的な人の活躍がまったく無いのがあんまりです。ウォーケンを見習って下さい。あと、なんでラストだけ、あの宇宙人はガチンコ対決を挑むんでしょう?5点(2004-07-26 13:58:20) 26. ブレードランナー あの独特な世界観と終末観が、その後の映画に多大な影響を与えたというのも頷ける。深いテーマ性を持つヘビーな内容にも関わらず、決して独りよがりにならないバランス感覚と観客の目を意識したエンターティメント性を備えている。ラストは素直に感動。まさに「アンドロイド」の悲しみ。原題は秀逸だよな~。10点(2004-05-16 07:34:07) 27. ブラッド・ワーク 「羊」や「セブン」以降、量産された「ザ・ウォッチャー」や「ボーンコレクター」といった駄作サスペンス群に比べたら数段マシ。ただ、全体的にこじんまりとしていて、これと言った個性が無いのがもったいない。謎解きに工夫がある訳でもなく、犯人の意外性も普通レベル。まさに可も無く不可もなし。5点(2004-02-26 01:14:03) 28. ファイナル・デスティネーション 普通のホラーにおける怪物や殺人鬼を、「運命」というものに置き換えただけ。どこから来るか分からない唐突な死の恐怖は、いつ殺人鬼に襲われるか分からない類の恐怖とほとんど変わらない。「運命」や「予知」の捉え方が中途半端で、努力次第で避けられるものなのか、それとも不可避なものなのか、定義がはっきりしていないため、単にめちゃくちゃ理不尽な事故死としか見えない。主演がダチョウ倶楽部だったら、完全にコント。 4点(2004-01-12 14:45:33) 29. ブラック・ダイヤモンド ビックリするくらい、凡庸な内容。全体的に無難にまとまってはいるものの、無難である事以外に見所は皆無。もっと作品として「冒険」をして欲しい。今時、無難なだけの映画なんて、誰も褒めちゃくれませんよ、監督さん。アクションシーンもカーチェイスも実に「普通」で、何の工夫もオリジナリティも感じられない。演出や展開において「アクション映画なんだから、カーチェイスはつきものだネ」というような思考停止が窺える。金網の格闘場でのシーンも、一対複数の戦いがいかにもウソっぽく、リアリティに欠け、強さを強調するつもりが逆効果になっている。また、「ザ・ワン」でもそうだったが、ジェット・リー氏のアクションがどうしても中途半端に感じてしまう(彼本人よりも、監督の演出センスの問題なんだけど)。ただ、彼にもひとこと言いたいのは、格闘中、敵の攻撃を避けたり、自分で棒を振り回したりする時に、「まばたき(この人、反射的に目を瞑ることが多い)」するのだけは止めて欲しい。それだけで、達人としての「凄味」が感じられなくなる。眉一筋すら動かすことなく、敵の攻撃を捌いたりするから、カッコ良いし、凄味も感じられるはず。PS.敵側にいたハゲの人が桜金造にそっくりだった。 4点(2003-12-29 21:53:04) 30. フェイク 「信頼とは何か」が、この作品のテーマですね。FBI捜査官としての信頼、夫としての信頼、マフィアとしての信頼、友人としての信頼。すべてに共通しているのは、「人間としての信頼」でしょう。「人間付き合いとは相手に期待することではない」という人間関係の本質が、ラストのレフティのセリフに集約されています。 8点(2003-12-29 21:35:54) 31. ファーゴ どうも、これって監督の「創作」みたいですね。しかし、そうなると、ちょっと話が違ってきます。冒頭に、堂々と「実話です」と入れること自体が、コーエン兄弟の仕掛けたギミックだとすると、それは少しルール違反ではないかと思います。あまり感心できる「仕掛け」ではないでしょう。話自体は確かにリアルなんですが、その分、犯人探しや謎解きのカタルシスは皆無ですし、それに加え、実話ではなくフィクションであることの反動が、作品全体の「意味」と「価値」を変質させる結果になっていると思います。それなら始めから「フィクション」として見せるほうがよかったのではないかと感じます。平凡ながらも日常をしっかり生きている女刑事やその旦那、それに対して、安易に金を手に入れるために犯罪に手を染めていく男達。そのキャラ描写による対比が秀逸なだけに少し残念です。 6点(2003-12-16 17:31:43)(良:2票) 32. ファイト・クラブ 暴力や痛みでしか生の実感が得られない、そんな人間のアイデンティティ確立というテーマ自体が幼稚。結局はすべて内側に向かっている逃避行為でしかない。相手を殺したり、また殺されるほどの覚悟もない、単なる「暴力ごっこ」は、まるで自己開発セミナーの合宿を見ているような滑稽さ。ひたすら自分に優しい、ただの自慰行為と寸分も変わらない。監督の「お前ら、もっと自分の内面に向き合えよ。そんなこと考えたこともないだろ?」と言わんばかりの押し付けがましさを感じてしまう。3点(2003-10-14 10:02:20)(良:1票) 33. ブレアウィッチ2 前作とは打って変わって普通のホラーになった。前作の「単に思わせぶりなだけの展開」と「単調なカメラワーク」という二大不満はそれによって解消されたが、その反面、あの独特の個性とリアリティは失った。前作からの伏線も効果的に生かされている訳でもなく、凡庸なストーリー展開に閉口するのみ。 3点(2003-10-13 14:32:39) 34. PLANET OF THE APES/猿の惑星 駄作。猿のメイク以外で評価できる点が見当たらない。ラストも陳腐なものに変更する必然性が分からない。2点(2003-09-25 03:29:42) 35. プロフェシー これまた中途半端な内容。何が言いたいのか分からない。不気味な現象を引き起こしているものの正体も分からず仕舞い。結局は不可知論に終始しているだけで、ホラーとしての怖さも、物語としての面白さもイマイチ。不可解な状況を提示するだけなら誰にでも出来る。大事なのは、その風呂敷をどう畳むかのはず。必ずしも合理的な解決を示す必要はないが、「不可知論の中での解決」はつけるべき。全体的な構成にも贅肉が多く、雰囲気に流されているだけ。ラストシーンの一番の見せ所である吊り橋の崩壊シーンも、ダラダラしていて緊迫感がない。3点(2003-07-01 13:57:15)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS