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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. フェイス/オフ 入り方がうまい。冒頭の聖歌隊の若い女性と主人公の片方とのやりとりでインモラルな内容の映画だということを予告し、また、離陸直後で燃料満タンの飛行機に大爆発が起きなかったことで、リアリテイを追求した作品でないことを観客にほのめかす。その後の展開も、冒頭での予告どおり、全篇、インモラルでリアリテイのかけらもないシーンで首尾一貫する痛快なアクション・コメディ(コメディとしたのは主人公二人の役柄設定はコメディの古典をアレンジしたものだから。そのほかブラックなジョークが随所に見られる)。 しかし、インモラルなのは大人だけで、登場する子どもにはモラルを求め、インモラルな部分をできるだけ見せないようにしているのが、この作品に流れる倫理観。その意味では保守的であり、インモラルな内容でありながら安心してみることができるという奇妙なバランスが出来あがっているように思った。銃撃シーンで子どものヘッドフォンから漏れ聞こえる音楽にあの名曲を持ってきたセンスには脱帽。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-21 12:25:46)(良:1票) 《改行有》 2. 深く静かに潜航せよ 《ネタバレ》 兵は詭道なり、ではないのだろうが、題名からして偽装工作である。タイトルとは反対に浅く早く潜航する訓練ばっかりやっている映画。艦橋に取り残される男のエピソードや、何気なく聞かされる平底船をなぜ狙わないかの艦長の説明などが後々の展開に効いてくるのがドラマ作りとして巧み。日本の爆撃機が二度にわたってピンポイントに殺到してこれる理由がさっぱりわからない点と、クラーク・ゲーブル演じる艦長の執念深さの説明が不足なのがやや不満だが、潜水艦映画はこれに限らず第二次世界大戦の時代のものが圧倒的に面白い、ということを改めて感じることとなった。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-02 22:07:57)(良:1票) 3. ブルース・ブラザース 《ネタバレ》 音楽シーンやカーチェイスシーンは勿論素晴らしい。ただ、一見不必要と思われるシーンや何気ない数字も油断がならない。線路脇の部屋で電車越しに映される主人公。また、滞納している固定資産税の金額もなぜか意味ありげなキリのいい数字。はちゃめちゃな映画に見えながら、いろいろな名画を意識して作られているところが凄いところである。そういうお宝探しが好きな人にとって、この映画は骨の髄までしゃぶりつくせるつくりになっているようだ。10点(2004-06-09 13:14:48) 4. フラッシュダンス ジェニファー・ビールスが自転車に乗って颯爽と走るシーンは好き。18歳の主人公が一皮むけるまでを描いているが、退屈そうな審査員の表情があっという間に掘り出し物を見つけたような表情に変わるところがあまりにも荒技過ぎてついていけない。また、多分、製作年当時の流行だったと思うのだが、筋肉美を前面におし出したダンスシーンが今となってはあまり魅力的に感じられない。5点(2004-05-27 22:26:28) 5. フィラデルフィア物語 ケーリー・グラントとジェームズ・スチュワートが共演しているのが珍しい。キャサリン・ヘップバーンは若い頃から演技がうまかったのもわかる。ただ、この脚本、最初は舞台で当たりをとり、映画も当たったようなのだが、どこがそんなに当時の観客を惹きつけたのか全くピンとこない。ヒロインが、翌日記憶が飛ぶほどまで酔っ払ってしまう話は、好みでない。5点(2004-03-24 19:03:07) 6. ブレイブハート ラグビー観戦好きとして合戦シーンにハマってしまった。横一線のディフェンスラインを攻撃側が破って裏に出られるかどうかを競技場の中央席上段から高みの見物をするのがラグビー観戦の醍醐味のひとつだが、騎馬隊に相対するシーンはそれにそっくりで思わず力がはいった。こういう歴史があったのかと思うと、イングランド対スコットランド、イングランド対アイルランドのラグビーの試合を観るのがますます楽しみになる。映画でもそうだが、ラグビーもだいたいイングランドが強く敵役で、弱いほうのスコットランド、アイルランドを応援するというのが私の作法。対決物は敵役の悪辣さが際立っていると面白くなるものだが、この作品ではエドワード1世の権謀術数に長けた悪役ぶりが光った。皇太子妃の役柄は、史実上もどうしようもなく暗愚と伝えられているエドワード2世を利用したうまい創作だったと思う。10点(2004-01-23 09:18:42) 7. ファインディング・ニモ 間違える人はいないと思うが、けっして消息不明になったNemo船長を深海へ探しにいく話ではないので念のため。キャラがたっているのは、ペリカンを例外として平均的なアメリカ人の食卓にのらない海の生き物ばかり。そのペリカンも魚を食べない。魚断ちをするサメといい、漁船の網から逃げ出すシーンといい、「野生の魚を獲って食べるのはいけないこと」という刷り込みの意図が感じられるといったら考えすぎだろうか。マグロを好む者として、この映画が妙な運動に加担するものではないことを切に祈る。5点(2003-12-30 10:43:29)(良:1票)
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