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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  プレシャス 秩序が崩壊した状態=カオスを覗き込む「外部」は、それをどのように受け止めたらいいのかと。 答えはタイトルどおりに「プレシャス」なのであり、崩壊した秩序をオーガナイズしようとしたり、カオスの中に居る人を批難したり、罪を裁いたり、見ないふりをすることではないと。 個人をそのまま肯定し、大切にするということしか、答えはないのだと。 なんかそんなような映画なのかなあと思った。 …それはなんとなく、そういうことを言っているのだろうとは思うけれども、私にとってこの作品がキツいというのは、このような理念を受け入れるにはたぶん宗教的基盤が必要なのだろうが私にはそれが欠けていて、だからどうしても「秩序の再構築」とか「カオスの評価」をしたくなってしまうわけなのでそれが、俗人であるゆえんなのだろうと思う。 そういう意味では「宗教」というのはやはり「便利な発明品」であったのだなあと、いうふうに思ったりする。「便利すぎる」ともいえる。 「あなたはまごうことなきカオスを前にして、どのように対処できますか」「あなたにはどのくらい〝人間力〟がありますか」ということを問うている映画なのであろうし、また、カオスの内部の人に対しては「被害者として生きることが答えなのではない」というふうにも、言っているのだろう。 本物のカオスの中に居る人に対しては、「外部」はその個人を受け止めて肯定し、尊重するしかないのだと。いった場合には、宗教ほど便利なものはなく、それを発明した人は天才。というのが感想ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-05 13:24:35)《改行有》

2.  フリーダムランド 《ネタバレ》 意味不明。 つかみどころなし。 どんなにがんばっても、作り手の「コレだけは、伝えたい」というキモが探し出せなかった。 どんなBC級作品でも、「はは~ん、ココだな」というものが、必ず、ある。 逆に言うと、そういうものが無ければ、製作にまでこぎつかない。 「ロレンゾ刑事シリーズ」として、TVドラマの前後編で見たのならば、即座に忘れて終わるところだが、私は主演の男優女優が大物すぎることが妙に気になる。 この二人は今どき珍しくTVドラマには出ていない=TVに出なくてもやっていけるという数少ない大物だ。 …このスジの通らなさ、意味の無さ、なのに超大物俳優2名ゲット、もしかして、狙いに行ったのか。 そんな気もするなあ。幼児虐待と人種問題を絡めて2大スターが意味ありげに何かしていれば、どっちかは賞をもらえるか、せめてノミネートに引っかかるのではないかと。 ジュリアン・ムーアの強引なスッピンモーロー演技とかも、そういうふうに考えれば、そういうこともアリかもしれないし。 ま、はっきりしたのはジュリアン・ムーアはああした役をやるには本人がセレブすぎて無理があるってことだったが。 しかし、キャストはともかく賞を狙うには、この映画は脚本も含め裏方がちと安かったでしょう。 高い俳優を使っても安いスタッフを使うとこういう感じになるんだなあ。という感想。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-01-25 21:53:08)《改行有》

3.  フリーダム・ライターズ 《ネタバレ》 最初に言ってしまうと、私はこういうのにノレない。 …40代まで来ると、この程度の世界観で演出されたものに感動したりウルウルしたりする感度はすでに無いってもんだ。 全体的に浅いんです。 貧乏で家庭環境が悪くて落ちこぼれの生徒。 対する捨て身の熱血女性教師。 …ダメだなあ。 人生は…そして世界や社会の90%(便宜的に。99%でも可。)は、「非熱血」的な要素で構成されている。 それを「ルーティン」と呼ぶ。人生や世の中のほとんどすべては、タラリンとしたつまらなく退屈なルーティンだ。そして人生や世の中は不平等である。それを、アイロニーとかブラックユーモアとかでなんとか味付けしつつ人は生きる。味付けでごまかしながら、死に辿り着くまでなんとか生ききる(それがどうしても嫌な人は、ドラッグやアルコールで「10%」の世界に居座り続けて廃人になるか、熱血ゲバラのように無駄死にする)。 こういう感覚がこの映画にはゼロであろう。 目には炎。人生は燃やしきるもの。熱血。ダメだ。 20代まででしょうねえ、これにノレるのは。 正直言って、30代以降の人でこの映画に感動している人は信用できない。修行が足りない。 底辺に生きる生徒に「下には下がある」ことを見せる。それはホロコーストであり、公民権運動。 ここまでヒネリがないと、かえって感心しますね。こういうのを日本では芸が無いという。 この先生はティーンエイジャーを相手にしたからうまくいったというだけのことではないでしょうか。 大人には通用しない芸風である。 それに、「10%」を出せば子供が喜ぶのは当然なので、それは安易な教育法なのであって、どっちかというと、「90%」のつまらないパートをどうやってやり過ごして生きるのかということを教えるほうが、生徒のためになるのではないか? …こう言ってみるのは、私の高校時代の教師の多くが、〝実利的な勉強の内容〟よりもむしろそれを教えようとしてくれたからだ。 そして、指摘しておきたいのは「仕事で身銭を切ったら、それは終わりの始まり」だということだ。 こんな映画に影響されて、仕事で自腹を切ったら最後、それはとめどなくなって職業そのものが続けられなくなるのは間違いないので、絶対に真似をしてはいけない。 仕事で身銭を切ってはいけない。…慈善事業でない限り。 スワンクは本当に作品選びが下手。彼女のブレーンがダメなんだろうな。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-10-10 20:39:40)《改行有》

4.  ブッシュ 《ネタバレ》 ジョシュは相当にブッシュの発音を練習したんですね。顔は似ていないけど声だけはそっくりでした。 さてコカイン中毒はどうなったのか心配なオリバー・ストーンという人は、トップに登りつめた権力者(主に政治家)にものすごく興味があるらしい。ニクソンも撮ってるしカストロにインタビューもしている。 それで今度はブッシュジュニアだ。 私はブッシュについてはマイケル・ムーア経由の情報しか知らないので、ということは私はかなり偏向した見方をしているのかな~と思っていたらそうでもなかったようだ。 ハーバードに親のコネで入ったとか、識字に障害があるらしいとか、兵役疑惑とか、結局ムーアの言ってるとおりだったのかしらね。 作り手が言いたいことは、ブッシュジュニアには「責任を取る」という経験が決定的に欠けていた…ということなんですね。 暴れて警察に拘留されても、恋人を妊娠させても、アルコール中毒になっても、会社の経営がうまくいかなくても。 何をやっても、自分で責任を取らされたことがない。これは不幸なことでもある。 パパブッシュは、家名を守るために不本意ながら息子を助けていたようなのですが、結局はそれがいけなかったのです。 なぜなら、責任を取らされる苦しみを知らない男は、怖いものがないわけなので、戦争さえ簡単にやる気になってしまったからです。 それも、弟ばかり可愛がるパパを見返してやるためだったということになっている。同じイラクで、パパができなかったことをやってやる…とジュニアは思ったのだろう、と作り手は言っている。 なるほどね~。「ニクソン」よりは面白かったけど、どうもブッシュ一族に遠慮して、ドロドロしたものを削っている気がしますね。遠慮するならこんな映画撮らないだろうとも言えますが、私は作品を誕生させるためにストーンが相当の譲歩をしたのだと想像します。でも、ドロドロしたとこを削っちゃったら、なんかきれいになっちゃって、つまんなくなっちゃった。やっぱりそんなものよね。人が必死で隠している場所にしか真実はない。[地上波(字幕)] 6点(2010-09-13 18:20:55)《改行有》

5.  ブロークン・イングリッシュ 《ネタバレ》 カサヴェテス夫妻の娘ゾエの初監督作だそうです。 この作品はつまんなくてダメだった。 パーカー・ポージー、好きなんですよ。「ユー・ガット・メール」の高慢エリート女役のときから。「アニバーサリーの夜に」とか出てましたね。 だが、これまで彼女の主役作品は見たことがない。そして、はっきりわかったことだがポージーは〝脇で光る女優〟だったのだやっぱり。これまでの起用法は正しかったわけよ。 私の好きなパーカー・ポージーが主役を張っているのにちっとも魅力的に見えない。このヒトは、露出している時間が短いほうが生きるタイプなのよ。 ええと、親の七光りで豪華な役者を集めていますが、主役選びを間違ったことですでにパアです。 そして、ストーリーも全然面白いところがなし。 もてないくせに選んでる30女が「フランス男(つまりヨーロッパ)」のご威光にクラッとしてしまうとか、占い師のババアや見知らぬ初老男性に「結婚は契約で愛とは違う(いつまでも王子様を待って夢見ている場合かよ)」「自分自身が愛と幸せに満ちていないと(もの欲しげにしてるとオトコは寄ってこないぞ)」なんて説教されるとか、そんな話なんだけども、どこにオリジナリティとか新味がありますかね。 あとさあ、最悪なのはパリ編で「必ず最後にジュリアンと巡りあうだろう」と観客に確信を持たせてしまっているという展開のユルさね。「そのために電話番号を無くしたエピソードとかわざと入れているんだよね」とまで思わせてしまうというユル~い脚本(フツー自分の携帯に登録しとくんじゃ?)。ああ~。 これならもう、ジュリアンに会えないままNYに帰るというラストでもなければ、マトモな作品とはいえない。「元売れない30女」であるならば、電話番号が不明な人物にパリで偶然会うという有り得ないラストなんて期待していないんだってば。そーいうのを見たいんじゃないんだ。 NYを世界の中心だと思ってて英語が地球公用語だと思ってる傲岸不遜なヤッピーたるノラの矛盾なんかを、もっと辛辣に描くべきだったですね。もしくは全然ソレに触れないでロマンスだけを追求するか。そのへんすごく中途半端。やたら白っぽく紗をかけたような映像も私は好きじゃない。ついでにいうならタイトルのつけ方もおかしい。 ゾエって子は七光りがすごすぎて七光ってることに対して不感症になっちゃってるような気がしますね。[地上波(字幕)] 4点(2010-08-17 17:39:46)(良:1票) 《改行有》

6.  フローレス 《ネタバレ》 ピンとこなかった。 どうもデニーロさんとの相性は悪く、彼が主演を張っていて面白いと思ったものがない。私はシューマカーは好きなのだけど。 ホフマンは常日頃から芸達者と言われているが、おカマ役にぴったりハマっていたとはとてもいえない状況。私の求める理想のおカマは「プリシラ」におけるテレンス・スタンプなので、それと比べたらとても足元にも及ばない「不出来なおカマ」であった。…ホフマン本人には、おカマ要素が不足しすぎていたのではないのかなあ。 そしてストーリー自体もどうということもなく、不出来な偽者のおカマと見飽きたデニーロさんの顔を見ているだけであくびが出そうなそんな作品。ボツ。[地上波(字幕)] 5点(2010-08-14 21:33:28)《改行有》

7.  ファウンテン 永遠につづく愛 《ネタバレ》 ユダヤ系アメリカ人という西洋人であるところのア氏が、〝死に対する恐怖〟への克服を東洋思想やマヤ文明という「外側」に求めたという意味で画期的な作品です。 作品内には一切「創造神」の観念が出てきません。これは西洋人とくにユダヤ人が作ったということを考慮すれば「大変なこと」です。それだけ、「他の作品」には「それ」が必ずあるからです。 さて、そういう前提を踏まえてもう一度この(一見)難解な作品を見てください。 な~んだ、大して難しいことは言ってないじゃないか。 トリッキーな映像を駆使して観客を混乱させ、一時間半ののちにヒュー・ジャックマンのセリフまで引きずってきてやっと「オレは自分が死ぬことが怖くて仕方ない」という本音を聞かせるわけです。 「なんだそんなことか」と言うなかれ。それはあなたが今現在健康で若くて楽天的だからという、それだけの理由です。例えば哲学者の中島義道は、幼少時から自身の死を恐れ続けて哲学に進み、還暦を過ぎた今も死ぬのが怖くて気が狂いそうなのです。彼は哲学者なので、死後は「無」になると思っているからだそうです。 「自分はいつか死んでいなくなる」という恐怖の事実と共にどう生きるか、西洋人にとってはGODのまします「天国」に行くことが答えです。ア氏はこれを退けた。死後のイジーは天国に行っているわけではありません。 それはラストで「万物流転」という形で表現されました。…ア氏から観客への直球が投げられたわけです。しかし、キャッチしてくれる観客は少ないだろうなあ。 例えば普通の日本人だったら「難解なファンタジーですか?」という反応になる。 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の信者にとっては、ア氏の直球を受け止めることはすなわち「改宗」を迫られることを意味します。これは大げさではありません。なんたって「全能の神はいない。死んでも天国には行けない。」のだから。 そういうような、危険な球を投げてきたある意味勇気あるア氏ですが、ひとつ指摘すれば彼の限界を感じる部分がある。 なぜ、妻が死ぬ側でなければならないのか。なんで逆ではいけないのか。 妻を救おうと奔走する夫って、あんまりにもありきたりじゃないですか。新しさを追求するならそこまでやってほしい。 ここは、逆にしてみるべきだったと思う。妻を聖女のように描かないでもらいたいしね。ここらへんが男であるア氏の限界。[地上波(字幕)] 7点(2010-06-14 14:32:23)(良:1票) 《改行有》

8.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 ウィリアム・〝サディスト〟・フリードキンが「エクソシスト」より前に撮った作品。 究極のナンセンス、ナンセンスを究めた怪作・奇作です。 なにがナンセンスかというともちろん、数々の犠牲を引き起こしたドイルの執念がほとんど実っていないまま終わるということ。意味なし。無駄の極地。無意味を追求することでシュールな美を目指します。 ドイルの執念がつのればつのるほど、文化的な生活からは遠ざかり(一方の悪党はレストランで豪華ディナー)、周囲の者が犠牲になり、そして成果はほとんど出ない。なんてナンセンス。 なにかフランス人の悪党のほうがマトモであって、ブルドーザーのように周囲を巻き込むドイルのほうがおかしいように思えてきてフリードキンの狙いどおり。 〝追うこと〟そのものが目的と化したドイルの異常さが、最終的に同僚を射殺しても動じず追い続けるドイルに示されています。 クレジットに「現実の人物に似ているところがあったとしてもそれは完全に偶然であります。」という断り書きが、や~けに重々しい英語を使って書かれているのですが、そのわざとらしさに笑っちゃいます。こんなにドイルを異常者にしておいて、そんなことちびっと書いといたからって許されるのかなあ。ははは。 でも続編が作られたということは、ドイルのモデルとなった刑事さんは怒ってないってことよね。有名になれたら御の字ってとこかなあ。 ハックマンってあのアゴに傲慢さや暴力的なものを感じるのですが、そのへんがドイルにぴったりでした。 大スターたちすんごい走らされていますね。寒いとこで何テイクもさせたんでしょうね。サディスト・フリードキンここにあり。役者さんたちはご苦労さまでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-11 14:07:50)《改行有》

9.  フィッシャー・キング 《ネタバレ》 従来のアメリカ製映像コンテンツの中に「無いもの」ばかりを集めてみました、という実験的な作品なのではないかと思いました。 罪悪感にさいなまれ続ける男。 家族を殺されても復讐したいと思わない男。 セクシーだけど野心家でも高圧的でも威圧的でもなくて尽くしてしまう都合のいい女。 ブスではないがセクシーでなく不器用でもてない天然女。 どうでしょう、他の作品で見かけない顔ぶれですよね。 これらは通常のアメリカ製コンテンツの中では、 とにかく自己を正当化することに熱心で、罪悪感はカウンセリングで処理する。 家族の仇はとことん憎んで復讐する。 セクシーな女性は威圧的に男性を誘惑し、野心家である。 ブスでないのにセクシーでない女は存在しない。 というふうに必ずなります。 なので、ここまで揃うと「意図的」としか思われません。 そして、個人的には「実験」は成功したとはいえない…と思います。 これは「一部のアメリカ人」には大ウケしたかもしれないが、9割がたのアメリカ人には理解されず、パッとしないまま20年近く経って忘れられていくタイプの作品なのです。 そして、失敗の原因は一つではないがまずジェフ・ブリッジスというあまり個性的とはいえない俳優を主役に据えたこととか、ギリアムの笑いはどちらかというとダークなシチュエーションでこそ生きるタイプのものであるとか、ジャックとパリーのどちらも死なないハッピーエンドにしてしまったこととか、「聖杯」についての話とストーリーの関係があまりにもわかりやすすぎる…。ジャックに金髪の白人を使うなら、ニック・ノルティくらい個性的な俳優でなければダメですし、「12モンキーズ」でのダークな笑いのキレの良さを考えると今回はほのぼの明るすぎますね。 最初から最後まで「籠の小鳥を見守るがごとき神の視線」が感じられ、つまり「人間が何をしていてもカミサマにとっては可愛くて仕方がない」ということを意識させたかったのでしょう。 それはいいのだがギリアムはやはりダークなもののほうが本領を発揮できると思われます。実験的に作品をつくるとやはりこういうことになりますね。 受賞は女優に対してではなく現実には存在しない「都合のいい女」に対する男性陣からのエールだったと思いますよ私は。「やっぱりね」という感じです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-07 16:06:05)《改行有》

10.  ブレードランナー/ファイナル・カット 《ネタバレ》 ファイナルカット版がCSに登場。 やたらな日本語の看板が前にも増して強烈。 「コルフ月品」はいつ見ても笑ってしまうけどCGでなんとかしないのだろうか。 以前ここのレビュワーさんが「銀シャリ映像」と表現していたのに感心したことがあるが、今回、その銀シャリ感は低下しているように感じた。 キレイな映像で見ているうちに、ある妄想がめばえた。神は自分に似せて人間を作ったというが、それが事実かどうかは置いて、もしかして神は人間よりショボくてダサかったりするのではないだろうか? そう、タイレルとロイのご対面シーンでまさにひらめいたのだった。タイレルはロイの20倍の寿命があるというだけで、見た目も頭脳(チェスに象徴されている)も己の創造物よりはるかにショボいのである。 神は人間を自分よりも上等に作ったのではないだろうか?けれども儚い寿命で。 キレイな映像はそんなことを思わせました。 また、俳優たちがいかに自由にやらせてもらっていなかったか、つまり細部にいたるまで監督の思い通りに動かされていたかもよくわかる。「何をしているかもわからず駒のように動かされていた」と怒っているハリソン・フォードや「暴力的で屈辱的なラブシーンだった」と憤懣やるかたないショーン・ヤングの言葉が実感として感じられる。 ガフがデッカードたちを黙認して逃がした理由は、デッカードの寿命がもう長くないためではないだろうかと思った。そうすると、レオンやロイが死の恐怖を繰り返しデッカードに迫ったシーンが生きてくる。 タイレルは「人間を超えるスーパーレプリ」を目指してレイチェルを作り、デッカードはたぶんそれより前に開発された「退治用レプリ」のはずで、それにしても弱っちくみえるけれど全体で考えるとデッカード型のレプリは「まず射撃能力(逃げるゾーラや回転するプリスを確実に撃つ)」「細部の認識能力と因果関係類推能力」などを優先して設計されているみたいだ。 鳩のシーンは何気なく見逃しがちだが、人造物たるロイに魂が宿っていたこと+魂が不滅であることを作り手が肯定していることになるから本当はもっと驚くべきなのだろう。 最後に、ロイとの対面シーンでタイレルがしゃべっている内容は、最近話題の「動的平衡」概念にかなり近いです。福岡伸一が本を書き出したのは最近ですから、ブレードランナーの場合はシェーンハイマーの影響によるものだと推測されます。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-04-04 13:48:26)(良:2票) 《改行有》

11.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 アメリカといえばドリーム、ドリームといえばアメリカ。 地方から出てきた野暮ったい女の子が、「アメリカンドリーム」の「尻尾」を掴むための条件はどんなものなのか、そこからアメリカ人の「成功」に対する意識が覗けると思います。 アンドレアはランナウェイ社を去ることによって「他人を押しのけて勝ち取るアメリカンドリームの輪」から抜け出たのではなくて、逆にニューヨーカー誌に採用されることによって「やっと成功の入り口に立った」のですが、ここらへんは「職業的成功こそが人生の成功」というこの作品の基本姿勢をよくあらわしています。「郊外の平屋建てに住んで子供を抱いているアンドレア」で終わるのが誰もが予想する結末だったからです。 彼女に必要とされたのは「運」と、「ボスの理不尽さに耐える」という「自己犠牲を伴う修行」だったということになっている。 ミランダの要求には、プロとして当然の内容もありますけど、そうじゃないものもかなり含まれています。そして、その線引きを決して考えずに、頭をカラッポにして、ひたすらボスの要求に応じるつまり「ロイヤリティを示す」ことが、「アメリカ的な成功の輪に迎え入れられる」ための条件ということになっていて、こういう話が抵抗なく受け入れられる土壌があるということだと思います。アンドレアはそれと引き換えにミランダの推薦を手に入れ、ニューヨーカー誌の敷居をまたぐことができたのです。 私はこの作品にあまり女性問題を絡めて考えないほうがいいように思います。たぶん、作品の根底にあるのは「アメリカンドリーム」だと思うからです。 アメリカンドリームを目指して集まってくる有象無象の中から、「成功の尻尾」を掴むプロセスは、「絶対にムリだ」と思うことをやることから始まるのだと、そのことを言っているのだと思いました。 個人的にどう思うかというと…階層化が進みすぎた現在のアメリカにとってはすでに理想にすぎないのかもしれないが、いかにもアメリカ的だということ。 日本でいうなら秀吉が信長に仕えた時と良く似ていますね。パイの分配が完全に終わって、目ぼしい分野ではコネや世襲化が定着してしまっているような今の日本ではピンとこないです。アメリカはやはり〝精神的にも〟若い国なのだと実感します。 アン・ハザウェイを見ているうちにとても可愛く見えてきました。女性の嫉妬を誘わないタイプの、可愛い女優さんですね。[DVD(字幕)] 6点(2009-03-18 18:20:28)《改行有》

12.  フィクサー(2007) 《ネタバレ》 出来の良い作品だと思います。 脚本はラストが気に入らないがなかなかのものだし、そこそこリアリティにもこだわって、説明を省いてどんどん進むクールなかっこよさが満載です。好きではないが、スばらしい、と言わざるを得ない。 …好きな映画と出来の良い映画は違うみたい。今さらこんなこと言ってなんですが。 スばらしいとは思いながら、さてなぜ好きだと思えないのでしょうか。 「クールなかっこよさ」どうやらここらへんに原因がありそうだ。主人公のクレイトンは、自分でもみっともないと思って生きているはずですね。色々な面で。それが、やっているのはその尻で全米女性を魅了したジョージ・クルーニーなのですね。それはやっぱりイカんです。 どんなに汚なづくりをしたって、彼はピーター・フォークのようにはなれないでしょう。 男ばっかの製作陣が集まって、かっこよいクルーニーを中心にクールを目指していたらいつのまにか映画はカレのかっこよさに合わせてかっこよくなっていってしまった。 なんだかクレイトンがかわいそうだと思えないのです。バカだけどがんばって欲しい、と応援する気持ちが湧いてこないのです。男の子が集まって相談しているうちに、どんどん趣味が特化してしまった映画だと思います。 ラストが気に入らないというのは、まあ単にハッピーエンドが嫌いだからかもしれませんけど、クレイトンの策略がうまく行き過ぎてカレンが簡単に引っ掛かりすぎる、ここまで一応リアリティを維持してきたのに最後でぶっこわしてくれた、とがっかりするので。ここまできて「んなわけないじゃん」と私に言わせないでくれ頼むから。 それから気がついたのですが、クルーニーは年のワリに目がデカすぎて、「息子顔」なんです。お父さん役が似合わないんですね~。いつも父親を見上げているような顔、なんです。こういう顔は役の幅が狭いと思う。 さて本人がいくら「掃除屋」と嘆いていたって、物事は上には上があるわけで、2人の殺し屋の事務的な手際の良さを見てますと「クレイトンなんてまだまだ甘い」ということになります。そのへんの対比はうまく描けていますが、だからこそあの腰の抜けたハッピーエンドは納得いかないですね。うーん、できることならハリウッドからハッピーエンドを一掃したいなあ。[DVD(字幕)] 8点(2009-03-14 21:18:13)(良:2票) 《改行有》

13.  ブコウスキー:オールドパンク 《ネタバレ》 この人のことは全く知りませんでしたハイ。なにぶん無学無教養なもので。 私はただのドキュメンタリー好きで、特定の人物にスポットを当てたものが好きです。 自分の目と耳で、実在の人物の中に何かを見出したい、多くの他人があまり気付いていないなにかを見つけたい、そういう思い上がりから、ドキュメンタリーを見ます。 そういううぬぼれたオーディエンスなのですが、〝汚ヤジ〟ブコウスキー伝に何を見出したかというと、可愛げのあるおっさんです。 「酔いどれ」のところでも書いたけど、話し方や話の内容(オチがついていることが多い)やしぐさなどはルー・リードにそっくりです。これはルー・リードが真似したと見るべきでしょうが、そうでないならもしかすると「ある種の」アメリカ人に共通する振る舞いかたなのかもしれません。 ブコウスキーが74歳まで生きのびたのは驚愕すべきことですが…ひょっとすると、彼の奇行はかなりの部分が他人を喜ばせるためのサービスで、ほんとうは結構計算のできる人だったのではないでしょうか。なんたって74歳まで命を繋いだのです。 彼は少年時代に「理不尽な暴力」に耐えたサバイバーなので、最後のほうはムチ打たれても悲鳴をあげないで我慢できたというくらいですから、「自制」することに長けていたはずなのです。なので、酒にしろ競馬にしろあえてやっていたのではと思う。そして、「書くために」は「自分を生かさなければならない」ということに30代中盤の出血性胃潰瘍で気がついたため、その後は定収入のために郵便局のバイトをチマチマと続けることとか、死なない程度に酒を飲むというコントロールをちゃんとやったのだと思います。郵便局にしがみついたのは年金まで計算に入れてのことですから。 が、74歳まで生きたといっても、そのうちの50年以上は常に貧乏で無名だったのです。成功して不自由ない暮らしを手に入れたのは彼の人生のうち多くて20年くらいでしょう。彼の計画では、郵便局の年金で細々と書いて暮らしていける老後のはずだったのです。やっぱり彼の人生は自己イメージどおりに「売れない汚ヤジ作家」と言ってあげるべきでしょう。 他にも女性の好みのこととか書けなくて残念です。腰が抜けるほど驚いたのは、娘を産んだフランシーのあごヒゲぼうぼうのバーサンぶり。 〝孤独は最悪のものではない。それに気がつくのに数十年かかるけど。〟OH,YESより。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-11 16:03:44)《改行有》

14.  ブルー・イン・ザ・フェイス 《ネタバレ》 い~~ですねーっ。 キラ星のごときスターたちが、フラッと訪れてはなにかヘンなことをやっていく。 タバコ屋のオヤジであるカイテルの常に一歩引いたスタンスが、有りそうで無さそうで、でも有り得たとしたらとっても難しい生き方だろう…と思わせます。 どのへんまでが脚本でどのくらいがアドリブなのか…というのもこの作品になお興味をそそらせます。 あんまりにもナチュラルなのでほとんどアドリブなのかと思わせといて、実はドットの妙な態度のデカさは店主の妻だったせいということも最後のほうで明かされるし、ヴィニーが店を売りに出したというエピソードを主軸にした、けっこう緻密な構成がされたうえでのナチュラルさ、なのではないかと考えています。優れた作品は地道な計算のうえに成り立っていると思うからです。…が、どうしても演技とは思えないのがルー・リードで。 ルー・リードが繰り返しあらわれて人を喰った話しかしないことがなんともいえぬリアリティをかもし出し、「ルー・リードのとこだけもっかい見るかな」とまで思わせます。芝居が見えてしまっているジム・ジャームッシュよりなんといってもルー・リードです。 自閉症のジミーの後姿も印象的だし、短パン姿のイっちゃってるM・J・フォックスもいいし。マドンナがあらわれた時は、すぐには気がつかず「なにか妙にごっつくて顔色の悪い姉ちゃん…」と思われた。 人種問題の双璧とされる(?)スパイク・リーの「25時」、ポール・ハギスの「クラッシュ」と比べて見てみましょう。もうシリアスはおなかいっぱいです。流血も殺人ももうけっこうです。「混沌を愛でる」とはたぶんこういうことなのです。「愛でる」ということは「マジにならない」でありそれは「一歩引く」ということです。ハギスを見て考えこんでも、暗い気持ちになるだけです。ならば、「混沌」は「愛でる」のが正解ということなので、スコセッシの初期作品でイキがったチンピラをしていた若きハーヴェイ・カイテルが30年後にたどりついたところそれが「ブルー・イン・ザ・フェイス」なのです。 合言葉は「俺は吸い込んでないから」。すばらしい。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-01-16 16:26:55)(良:2票) 《改行有》

15.  ブラッドレイン 《ネタバレ》 B級といってしまっては本来のB級の方々に申し訳ないというような気もします。 私はこれのゲーム版がどうなっているのか全く知らないが、知らないにもかかわらず、おっ、ここで新たな防具をゲットするのね、とかここで強力な武器をゲット、とかこれが小ボスとのバトルで急所はどこなんだ、とかここで訓練してレベル上げなのね、とかおっ水の中でのバトルね、とかこれがショップで商品は…とかいちーち感じてしまうのでした。ものすごーくゲームっぽいというか映画離れした作品だと思った。 というか、これなら素直にゲームのほうをやったほうが楽しいのではないだろうか。でも、私はアクションがダメなのでたぶんこれはバイオハザードみたいなアクションだろうからムリ。 ローケンの肉付きの良さに驚き、ターミネーターの際にはよっぽど減量したんだろうと思いました。あと、マドセンはあんまり安い映画に出て欲しくないかなあ。 まあそのくらいです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-01-07 14:53:27)《改行有》

16.  ファイナルファンタジー 《ネタバレ》 ほとんど感動するくらいダメである。 超豪華声優陣で制作費の半分くらいは喰っているのでは、と思われるが、声優の良さなどではとーてもカバーしきれるレベルじゃないダメさである。こんなに豪華な声優を使うくらいなら、彼らをそのまま実写で撮ったほうが何倍もマシなものが出来た(最低最悪の脚本ゆえ、C級作品にしかならないが)。 ストーリーを坂口が書いても(あまり感心しない内容だが)、脚本を外人が書いている時点でもうダメ。それは、もちろん坂口が英語の脚本を書く能力が無いことが理由なのだが、結果を見よ。案の定、要りもしないアメリカンジョーク満載になってしまったではないか。 アメリカ人の男=アメリカンジョークを言わないと人間扱いされない。 彼らに脚本を頼む=当然のサービスでアメリカンジョーク満載=ハリウッド映画かFOXドラマもどきの作品完成。和製のSFだというのにああバカバカしい。 アクションでも演技でも、どんなに本物ぽくたって実写に勝るものはないのだ。背景やクリーチャーの完成度くらいでは、カバーすることはとてもムリ。 なまじリアルさばかりを追求したために、結果として、この作品は「アニメ映画」ではなくて「出来の悪いアクション+表情に乏しい役者がぎこちない動きで見せるアメリカンなSF映画」でしかなくなってしまった!パチパチパチ。 本気で「世界にウケたい」と思うなら、「ハリウッドとは違う日本ならではのオリジナルな何か」で勝負しないとダメではないか。ハリウッド製のSF映画を供給されている地域では、「洋食」に対しては「喰い飽きて」いるはず。「洋食じゃない何か」を示さなければ、日本製のSF映画になど喰い付かない。 あえていうならFFⅩのような美術や世界観を使ったなら、まだ可能性はあったかもしれないが。 あまりの情けなさに迷わず成仏してほしい一作。合掌。[CS・衛星(字幕)] 1点(2008-06-28 14:48:33)《改行有》

17.  ブラジルから来た少年 《ネタバレ》 サーのつくイギリス人俳優ローレンス・オリヴィエ。ヴィヴィアン・リーの元夫。それが、ホロコーストを生き伸びた老ユダヤ人を演じるとは。私にはもうそのことだけで充分なような気もする。 「ブラジルから来た少年」というタイトルが絶妙で、何も知らず題名だけを見れば「母国で貧乏してアメリカかヨーロッパに移住してきたブラジル人というイミ?」くらいにしか思われない。ところがどっこいだ。 ほとんど「オデッサ・ファイル」の向こうを張った作品といっていいと思う。「オデッサ」に比べれば、これはどうしてもサイエンスフィクションということになるが、テーマは同じといっていいと思う。 編集・演出は冗長なところがあるとはいえなかなか見ごたえがあるし、「少年」の子役もブキミな感じがかなり出ている。なんで65歳の男性ばかり殺すのかというそのオチも効いている。が、なんといってもヨボヨボのオリヴィエがローゼンタールのような元ナチの追っかけ仕置き人を演じるところを見て欲しい。どうですか、イギリス人に見えますか。私には、生き残ったユダヤ人のじーさんにしか見えんかった。老いたりといえどオリヴィエ恐るべし。 が、映画としてはやはり「オデッサ・ファイル」に軍配を上げざるを得ない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-12-09 20:24:30)《改行有》

18.  フル・フロンタル 《ネタバレ》 以前、喜び勇んでレンタルして見た際には、あまりのワケわからなさに金返せ(レンタル料金程度のものであろうと)気分に満ち満ちてしまったのだが、しかし。「衛星で流れているならちょっとジュリア・ロバーツの顔でも見ておくか」的に見始めると、これが以外な面白さを持っていたのだった。 …そうか、劇中劇をはさんでいるからワケわからなかったんだなあ…って、それだけのことだったのか。キレイな映像のとこは劇中劇ってことね。 どういうふうな面白さに気付いたかというと、準備万端整えたうえ映画館の暗いシートにかしこまって見る面白さ、では全然なくて、「あっそう、流れているなら見てもいいよ」といったゆるーい状況下において、ちょい散らかった部屋の中で姿勢もだらしなく視線もナナメ気味に見るのがよい…すると、ハンディカメラぽい映像でどこまでもナチュラルな演技を繰り広げるセレブな欧米俳優達をぼんやり見ているうちに、己の日常生活がいくらか美化されたような〝錯覚〟の世界に陥ることができる。 「それでどうした」の起承転結を求めてはいけなくて、ジュリア・ロバーツがツナサンドがまずいとパシリをいびる場面とか、モルダー捜査官がマッサージを受けている場面とか、ブラピが49回もリテイクさせられても(そんな訳ないけど)さわやかだとかそういうのを、近所の誰かに起こった出来事のように、あたかも自分の目の前で起こっているかのように、楽しむ。 それにしても、ジュリア・ロバーツがカツラを取ったシーン以降は、スリルがなくなるなあ。そんな早くネタばれなくても。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-10-11 18:24:54)《改行有》

19.  フォルテ 《ネタバレ》 チェルソムかあ。セレンディピティにシャルウィダンスね。ツメの甘い、というか散漫すぎる監督さんだ。 で、私には「どうだ、すごいキャストだろー!」という大絶叫しか聞こえてこなかった。 確かにキャストだけを見たらひっくり返って気絶するようなすごすぎる顔ぶれなんだ。 だいたいチャールストン・ヘストンだ! マイケル・ムーアのせいで、過去の俳優歴よりも「GUNS!」の叫び声がトレードマークと化してしまったヘストン。お望みどおり、ライフルを手に意味も無く大暴れさせてもらっている。 マドンナと付き合ったことにより、若い層にもその名を轟かしたウォーレン・ビーティ。金満ぶりが本当に自然に板についている。 ダイアン・キートン。いつものダイアンぶりだが、ストレートヘアにパンツジャケットの才女スタイルはもう見飽きた気もする。 ゴールディ・ホーン。いつのまにそんなに胸が垂れていたのか。娘も成長するわけだ。 アンディ・マクダウェル。嫌いだ。セレンディピティといいチェルソムはイギリス人女優が好きそうだ。 この意味深なキャストに、説明の少ない意味深な展開、でも、全く意味が無い。 深読みする必要は無い。原題にも脚本にも意味は無い。豪華キャストを遊ばせたかっただけ。 建築家なのに、豪邸に使用人を置いて、使用人が連れ込んだ居候にさえ文句を言わぬ金満ぶり。もうこの時点で見る気が失せる。どうしてこんなにバブリーなんだ。 日本でいえば、黒川紀章並みの有名建築家ということなのか。そのわりには、パーティで追い出されるなど普通人扱いされている。 やはりキャストに目が眩んで作品を選ぶのはイカんということがよくわかった。映画は監督のものなり。[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-09-17 15:31:17)《改行有》

20.  ブレイン・スナッチャー/恐怖の洗脳生物 《ネタバレ》 しょうこりもなくまたスカパーを見ている。 SFやホラー系はBC級まで幅広く網羅しているつもりだったが、これは未見。 ちょっと邦題に悲惨さを感じる。原題は原作どおりイカしているのになあ。 ヒロインの髪型や服装に時代を感じる。が、男性にはほとんど時代を感じなかった…。 さて、本作は13年前の凡庸な監督の作品としては、なかなかの出来と思った。 見せ方もそうダサいものとは感じられず、アクションも悪くないと思う。 私は寄生生物のキモさに目をそむけたくなった。触手が、触手がプルプル…。 黒人の友達がカメラ目線で「あいつにだけは寄生されたくないぜ」と言ったり、アンドリューの不自由な足がラストでちゃんと効いてくる、などのあざとい演出はあるが、まあそういったお約束どおりの展開のわりには、飽きさせず、最後まで楽しめる。 何よりサザーランド父の存在感には脱帽した。彼も今では「キーファーのお父さん」と呼ばれるようになってしまって、嬉しいのか淋しいのかどちらだろ。 しかしまあ、父はすごい俳優さんなのであった。エイリアンから「お前は手ごわい人間だ」と言われるに足る人物を、余裕しゃくしゃくで演じきった。 善玉であるにもかかわらず、「この人何か悪いこと企んでいるのでは」と思わせるのは難しそうだ。サザーランド父はそういったキャラに本当にぴったりだ。あの意地悪い目、他人を嘲笑うかのような口元、やー、サザ父の存在感はすごい。 息子役の俳優がイマイチ無名でパンチに欠ける役者さんであったため、なおさら父が強調され、父に始まり父に終わる作品となったのであった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-20 11:14:38)《改行有》

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