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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ヘルプ 心がつなぐストーリー 《ネタバレ》 丁寧に丁寧に作られた佳作です。そう思った上で、敢えてどうしても気になって仕方がない点があったので書いてしまいます。それはミニー(O・スペンサー)が、復讐のために作った「特製チョコレート・パイ」の事・・・。今まで数多く観た映画の中で、食べ物が出てくるシーンで長年私のトラウマになっているのは、「スタンド・バイ・ミー」での「チェリー・パイ」、奇しくも同じアメリカ南部「ディープサウス」を舞台した「フライド・グリーン・トマト」での「バーベキュー 」。この度新たにこの映画の一品、「チョコレート・パイ」がめでたく加わる事となりました(笑)たとえ原作がそうなってたとしても、もっと上手くアレンジする方法とかなかったんかなあ・・・とつい思ってしまったんですよね、あそこだけがもったいないなあと。ラストのラストで、実はアレ何も入ってなかったのよって、ミニーがぺロって舌出して笑って種明かしするとか。キャストのアンサンブルは非常に良かったです。オスカーに主要キャスト三人がノミネートされたのもうなずけます。ヒロインの成長もきちんと描かれているし、彼女のヘルプ(子守り)だった、コンスタンティンが辞めさせれた理由が明かされたエピソードでは、自分もホロリと涙を押さえる事ができませんでした。現実の厳しさを残した、ありきたりなメデタシメデタシな結末にしなかった点も評価できます。かえすがえすも、あのチョコパイの件がなあ・・・(←いい加減シツコイ)副題の「心がつなぐストーリー」。なんでもっと言いやすく「心をつなぐストーリー」にしなかったのかと思ったけど、映画を観たら納得。確かにこれは赤ん坊とヘルプ、黒人同士の、そして白人と黒人との「心」がつないでいくストーリーなんですよね。うん、この邦題も久々のヒット。[映画館(字幕)] 7点(2012-04-04 23:05:59)(良:2票) 2. 蛇の穴 昔、深夜のテレビ放映にて鑑賞。モノクロだけに病院特有の色「白」が映え、それだけでも何か起こるんじゃないかとドキドキ。精神病院が舞台の映画では、他にエリザベス・テイラー主演「去年の夏突然に」が有りましたが、こちらの方が製作年度が古いにもかかわらず、病棟の様子を興味本位ではなく、より真摯に捉えようとしている態度が伺えます。錯乱ヒロイン=オリヴィアが、治療の為病院職員にベッドに無理矢理押さえ付けられるシーンの描写がやたらめったら怖かった記憶が。あ、あと、ヒッチコックの「白い恐怖」もあったか・・・。でもあれは、病院の描写自体あんまなかったですよね。オリヴィアは、妹ジョーン・フォンティンと共にまだご健在のよう、なによりです。[地上波(吹替)] 7点(2010-06-27 10:12:09) 3. ヘアスプレー(2007) アメリカの柳原可奈子さんはとにかくポシティブシンキングですね~。最初から最後まで勢いに乗せられて観てしまったという感じ。決してデブ専ではない自分でも、なんの憂いも翳りもなく歌い踊るニッキー嬢はすこぶるチャーミングに映りました。今年春に観た「ママの遺したラブソング」ではすっかり枯れてしまった役柄で少々幻滅したジョン=トラ氏のここでの面目躍如の活躍ぶりに溜飲を下げ、まさかまさかのウォーケン氏までが歌にお付き合いするとは思わなかったので、これは嬉しい誤算。太ってて何が悪いん?女装の何がいかん?肌の色が違って何がおかしい?そのまま、ありのままに生きられればそれでええやんっていう少々ストレート過ぎるメッセージもこの作品なら許せます。ジョン=トラのぽつりと独り言「でも男の気持ちも解るのよっ♪」には大爆笑。[映画館(字幕)] 7点(2007-10-26 14:06:02) 4. ベビイドール 《ネタバレ》 50年代から60年代にかけ、大量生産されたテネシー・ウィリアムズ戯曲映画化の一本。「イグアナの夜」レビューでも書きましたが、彼の戯曲の映画化は極端に玉石混合の作品群で占められてます。戯曲の映像化というからには、ただでさえ台詞が多い。会話劇をいかに一個の映画作品として成立させるか、そこが挑んだ監督たちのの腕のみせどころだったと思います。私見では「欲望という名の電車」「熱いトタン屋根の猫」「イグアナ」の三本が映画作品としては最上。「夕なぎ」「ローマの哀愁」なんかは石の部類。「去年の夏突然に」「雨のニューオリンズ」そしてこの「ベビイドール」は、正直評価に困る・・・。演出自体はしっかりしてるんですよ。「欲望~」でもタッグを組んだ、エリア・カザン監督だけあってそつがない。アメリカ南部ミシシッピー州片田舎の、むせっ返るような臭気が充満する寂れた邸宅、癖のあるというかヘンな癖しかない主要人物が絡み合う様をネチっこくリアルに描写。幼妻役キャロル・ベイカーの指をしゃぶりながらベビーベッドにしどけなく横たわる姿態が、当時センセーショナルな話題を浚ったようですが、実物を観てナルホドと納得。今観るとたいした刺戟でもないけれど。おあずけを喰う欲求不満の夫、意図あって彼女にまとわり付く口達者な町の有力者、屋敷に住み込みひたすら狂気を撒き散らす彼女の叔母・・・、あぁ、書いてるだけでもう胃もたれが。敷地内で黙ってずっとたたずんでいる雇人労働者達が一番まともに見えてくる。優れた映画かと聞かれたら、まあまあと答えますが、好きな映画かと問わせたら・・・返答に窮する、そんな映画です。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-25 21:04:55) 5. 別離(1939) スウェーデンからやってきた世紀の大女優、イングリッド・バーグマン記念すべきハリウッドデビュー作。新人売り出しには、万事遺漏なき措置を施す事で他の追随を許さない、製作者「風と共に去りぬ」のセルズニック作品らしく、「彼女をいかに魅惑的にスクリーンに映し出すか?」という一点のみに、全神経を注いでいるかのように思える。実際、オハナシをどうこういうより、美貌光り輝く若きバーグマンをボーっと眺めているうちに映画は終わってしまうので、彼女を観客の目に焼き付けさせる試みという点においては、デビュー作として大成功だったのではないかと思われます。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-20 22:41:58) 6. ベガスの恋に勝つルール ラブコメとしてはごく標準の出来栄え。相変らずキャメロンはキュートやし、相手役のアシュトン君とも絶妙のコンビネーション。おすまし顔で登場するクイーン・ラティファ演じるカウンセラーとの三つ巴シーンは特に笑えました。「主人公の成長」という意味合いではなかなか脚本も手がこんでるし。でもなあ・・・これキャメロンの女優としてのキャリアを考えると、この映画ってどうなんだろ。「イン・ハー・シューズ」(7点)「ホリデイ」(8点)と、順調に単なるラブコメ女優からの脱皮を図りつつあったのに。ここでまた以前の彼女に逆戻りしましたって印象です。「三歩進んで二歩下がっちゃった」みたいな。イメチェンに失敗したかつてのラブコメ女王、メグ・ライアンの二の舞にならないよう、ここで踏ん張ってしっかり出演作を吟味して欲しいところ。[DVD(字幕)] 6点(2009-03-14 09:58:13) 7. ベオウルフ/呪われし勇者 《ネタバレ》 これ褒め言葉です。なかなか馬鹿馬鹿しくて面白かった。CG映画の先駆者ロバート・ゼメキス監督作品だけあって、馬鹿馬鹿しさにもより念が入って年季も入っていると思います。宣伝では今年公開の話題作『300』が引き合いに出されているけど、こっちは主役マッチョヒーローの「ナルシシズム」がより高くなっているのが一番大きな違い。部下の生死なんかどうでも良く、自分さえ良ければいいという開き直り方がこの種の映画の主役としては如何なものかとは思うが、結局は因果応報という形で災厄が自らに降りかかってくるので観客の溜飲は下がるはず。特にクライマックスの戦闘シーン、最新CGと手造り感溢れる登場人物の動きの融合は、何だかセシル・B・デミル監督の『サムソンとデリラ』を昔観た時のワクワク感と似てる。主演作目白押しのアンジーは撮影期間数日程度か?でもこのチョイ役を彼女が演った事で、映画全体の印象がよりゴージャズになったのは確か。[映画館(字幕)] 6点(2007-12-02 10:59:45)
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