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1. ホーム・アローン4<TVM> 《ネタバレ》 原点回帰を果たし、再びケビン少年が主人公となったシリーズ第四弾。 役者は変更されている為、ケビンとバズの背が縮んで幼くなっている事に違和感があったりもするんだけど、自分としては直ぐに慣れて、楽しむ事が出来ましたね。 他にも「TVMなので低予算が丸分かりな作り」とか「3とは対照的に罠が地味」とか、色々と欠点が目に付くんだけど、ちゃんと良い部分もあったと思います。 まず、自分が「ホーム・アローン」を好きな理由である二大要素「主人公の少年が親の監視から解放されて好き勝手やる」「偏屈な大人と仲良くなる」という場面を、しっかり用意してくれた辺りが嬉しい。 しかも「家出して別居中なパパの新しい家に転がり込んだ」「最初は敵役かと思われた人物と和解し、共闘する」って形で、過去作をそのままなぞるだけでなく、上手い具合に変化を付けてくれているんですよね。 この辺りは、上記二つの要素が希薄だった代わりに罠の仕掛けが凝っていた3とは、好対照な作り。 それでいて「音声認識システムで管理された家」「その家を自由に動き回る為に必要なハウスキー」など、3で登場した「ハイテク要素」という新機軸も柔軟に取り入れているんだから、過去作の良いとこ取りをしたなって思えました。 父の新しい恋人なナタリーは、悪い人じゃないんだけど、主人公一家とは壁があるって関係性なのも、リアルで良かったですね。 彼女を決定的な悪役にはせず「好きな映画は何度も観る」タイプなケビン父と「どんな映画でも一度観れば充分」なタイプのナタリーって描写によって、この二人は上手くいかないだろうなと、自然と観客に納得させる辺りも見事。 かなり早い段階で家の中に内通者がいると明かされる為(ケビンに優しいモリーが犯人で、如何にも怪しいプレスコットは潔白ってオチなんでしょう?)と、そこまでは簡単に読める作りになっているんだけど「実はモリーはマーヴの母親」「疑いが晴れたプレスコットと仲良くなって、共闘展開になる」って形で、程好いオマケ要素を付け足してくれているのも、良かったと思います。 ファミリー映画ならではの「予想は裏切らないけど、ちょっとした驚きも与えてくれる」バランスが心地良かったです。 ケビンのお気に入りだという「テディ」が登場する場面では(そんなの、1や2に出てきたっけ?)と戸惑ったけど、改めて観賞したら1の屋根裏部屋のベッドに、しっかり熊のぬいぐるみが置いてあったもんだから(ちゃんと過去作を研究しているんだなぁ……)と、感心させられたりもしましたね。 「スポーツカー」の喩え話で、大人もドキッとするような真理を語る辺りも、ケビンらしくて良い。 役者が変更しても受け入れる事が出来たのは、そういった細かい部分がしっかりしていたのが大きかった気がします。 「ママはハッピーエンドに弱いのよ」との言葉通り、離婚の危機にあった両親も和解して、家族揃ってのクリスマスというハッピーエンドを迎える辺りも、良い意味で予定調和的。 勿論、最初に語った通り、欠点も多いです。 特に、マーヴの妻と母親を登場させておきながら、その存在をあまり活かせていないのは、何とも勿体無い。 せめて「夫婦円満の秘訣をケビン父に語るマーヴ」とか「アンタは母親の器じゃないとナタリーに説教するモリー」とか、そういうシークエンスがあっても良かった気がしますね。 あるいは、ずっと一緒だった相棒のハリーと別れてしまったのを後悔しているマーヴが、両親の離婚危機に落ち込んでるケビンに同情しちゃうとか、そんなベタな展開でも良かったんじゃないかと。 ナタリーが決定的な悪人として描かれていないのは長所だと思いますが、それゆえに「妻と復縁する事を選ぶケビン父」という結末にて、ナタリーが可哀想に思えてしまった辺りも、痛し痒しな感じがしましたね。 脚本的には、ケビン達の存在を無視して「子供はいません」と言ってしまったナタリーに対するお仕置きのようなものなんでしょうが、ちょっと納得し難いです。 ショックを受けた彼女を嘲笑うようなテイストが感じられたのも、ハッピーエンドに影を落とす形になっており(それで良いのか?)と思えて、どうもスッキリしない。 ここの終わり方をもっと上手くやってくれていたら「1や2ほど目立たないけど、意外な良作」と、自信を持ってオススメ出来ていた気がします。 いずれにしても、シリーズのファンであれば、一応チェックしておいても損は無いかと。 外伝的要素が濃い3と5とは違って、2と同じ「ケビンを主人公にした続編」ではある訳だし、なるべくハードルを低くした上で観賞してもらいたいものです。[DVD(吹替)] 5点(2019-01-09 01:28:19)《改行有》 2. ホーム・アローン3 《ネタバレ》 「悪い大人と、家に仕掛けた罠で迎え撃つ子供との攻防戦」を楽しみたいのであれば、本作がシリーズ中で最も適しているかも知れませんね。 主人公の少年が科学好き、機械好きという事もあって、仕掛けも非常に凝っている。 敵側も銃を持った殺す気満々の連中なので、彼らを可哀想と思ったりする事もなく、純粋に少年側を応援出来た気がします。 ……ただ、自分が1と2を好きだった理由はそんな攻防戦にあるのではなく「一人ぼっちになった子供が、親を気にせず好き勝手にやって楽しんでみせる」「偏屈な大人と心温まる交流をして、幸せな結末に導いてみせる」部分にあったもので、その二つが希薄な本作に関しては、どうしても楽しめず仕舞いでした。 一応、後者に関しては「意地悪なご近所のヘスさんを救出して、感謝される」という形で描かれているのですが、主人公が一方的に彼女を助けて、それで仲良くなって終わりってだけなので、如何にも寂しい。 空港にて、袋を間違えて持ってきたのはヘスさん当人なのに「どこかの馬鹿に袋を間違えられてね」と発言するシーンがあるなど、ヘスさんに対しては「嫌な人」という印象しか抱けず、最後までその印象を払拭出来なかったのも痛かったです。 やはりこの辺に関しては「怖い大人、嫌な大人かと思ったけど、実は良い人だった」という、ギャップの魅力を感じさせるような場面が欲しかったですね。 他にも「主人公の少年が登場するまで十分近く掛かるので、感情移入し難い」「悪党にトドメを刺すのがペットのオウムという形なのは、カタルシスに欠ける」など、細かい不満点ばかり目についてしまうのも、全くもって困りもの。 主演のアレックス坊やに関しても、カルキンとはまた違った可愛らしさがあって良かっただけに「意地悪な兄と姉がいる」「悲鳴を挙げる仕草が似ている」など、前作までの主人公と同じ属性を盛り込んでいる形なのが、残念に思えちゃうんですよね。 これなら、もっと「機械が好き」って属性を強調して、前作までとは全く違った主人公像にしても良かったんじゃないかな、って気がします。 あえて言うなら「敵が銃を持っており、過去作よりも遥かに危険な存在」「美女のアリスもいるので、視覚的に楽しい」って部分が本作独自の長所と言えそうなんですけど、前者に関しては「銃を持ってるなら、さっさと撃てばいいのに」と思えちゃうし、後者に関しても「別に敵は全員男でも問題無い展開だったな」と思えちゃうしで、イマイチ褒めきれないんですよね。 せっかく敵役に女性がいるなら、それを活かし「彼女が母性に目覚め、寝返る事になる」とか「主人公の父や兄に色仕掛けして、篭絡しようとする」とか、もっとやりようがあったんじゃないかと。 「泥棒を目撃したのに、周りの大人が信じてくれない」→「見事に泥棒を退治し、周りに認められる」って流れは、起承転結がしっかりしていて良かったですし「アレックス・プルイットの科学実験」のシーンなど、ところどころ好きな部分も見つかっただけに、勿体無かったですね。 「観て損した」「失望した」って程に酷い訳じゃないけど、自分としては物足りない一品でした。[DVD(吹替)] 4点(2019-01-09 01:17:38)《改行有》 3. ホーム・アローン2 《ネタバレ》 前作と立て続けに観賞したのですが「バズ君、キャラ変わってない?」と、その事が真っ先に気になっちゃいましたね。 作中で一年経過しているので、思春期の盛りを迎えてより狡猾で気障っぽい性格になったとも考えられますが、主人公のケビンが殆ど変っていないように思えただけに、ちょっと違和感がありました。 とはいえ、そんな「前作と続けて観たからこその違和感」もあった一方で…… 1:今度はケビンが置いてけぼりを食らわずに、無事に車に乗り込む。 2:バールをワイングラスの乾杯のようにぶつけ合う泥棒二人組。 3:既に通報した後なのに「警察を呼ぶよ」と挑発するケビン。 などの「前作を観ていればニヤリとする部分」も沢山あったりしたもんだから、やっぱり続けて観て正解だったなと、嬉しくなっちゃいましたね。 ビデオカメラやロケット花火などの小道具を「これ、後で使いますから」とばかりに、序盤にて分かり易く登場させている点も好印象。 たとえ舞台が豪邸から高級ホテルに変わったとしても「映画を観ながらアイスを頬張るシーン」は、しっかり用意されていた辺りも、自分としては大いに評価したいです。 また、前作には無かった本作独自の面白さもプラスされており、中でも空港での「ケビンはいない」という伝言ゲームの件なんかは、かなり好きですね。 カメラワークの巧みさと、大人数のキャストが揃っているからこその、映画的な面白さがある。 ニューヨークを一人で観光する楽しさも描かれていたし、高級リムジンでピザとコーラを味わう場面なんかも、凄く印象的。 中盤には「夜のニューヨークの怖さ」が伝わってくる場面も用意されており、観ているこっちまでケビンと同じように不安になり、ケビンが襲われたり攫われたりしないかと心配になってしまったんだから、この辺の「子供が主役だからこその緊迫感の出し方」は、やはり上手かったと思います。 前作のシャベルおじさん同様「主人公と心温まる交流をする大人」枠もしっかり用意されており、個人的には、その鳩おばさんとの会話シーンが本作の白眉だった気がしますね。 「ハートもローラースケートと同じ。仕舞い込んでいないで使わないと」の例え話には感心させられたし「人間っていうのは誰でも、自分を認めてもらいたいと願っている」というおばさんの言葉が、ラストにて家族の皆から認められるケビンというオチに繋がっている辺りも、凄く綺麗な流れでした。 一度は彼女と別れ「もう二度と会えないかも知れない」と言わせていたくせに、土壇場で彼女が助けてくれたり、最後に再び出会ったりと、二回もサプライズを与えてくれた点も良かったですね。 結果としては前回と同じような展開になった訳ですが、ここは(前回と同じ展開にはすまい)と観客に思わせる誘導の仕方が巧みで、見事に驚かされちゃいました。 シャベルおじさんと違って、鳩おばさんは武器を持ってないから助けてくれる場面が想像し難いってのも、良い煙幕になっていたんじゃないかと。 そんな中「子供病院に寄付する為のお金を盗もうとしたので、懲らしめる」っていう大義名分があるせいか、前作より罠の威力がアップしており、泥棒達が可哀想で笑うに笑えなかったって部分は、欠点だと感じてしまうのですが…… それよりも、長所の方がずっと多かったと思いますね。 前作はひたすら可愛いだけだったケビンが、ちょっと成長して男の子らしい恰好良さを身に付けている辺りなんかも、成長を見守る親のような気分になれて、嬉しくなっちゃう。 「第二次クリスマス大戦、開始」と宣言する姿には、少年兵士のような凛々しさすら漂っていた気がします。 「ニューヨークで一人ぼっち」な寂しさを味わったケビンだからこそ、同じように一人ぼっちな鳩おばさんと友達になれて「もう一人じゃないよ」と伝える事が出来た…… そんな素敵なハッピーエンドに至るまで、楽しい時間を過ごせました。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-12-25 23:59:55)《改行有》 4. ホーム・アローン 《ネタバレ》 クリスマスの定番「何も考えずに観ても面白いし、観賞後は幸せな気分に浸れる」というタイプの映画なのですが、此度久し振りに観賞して、その丁寧な作りに驚かされました。 観客側が「何も考えずに楽しめる映画」を完成させる為には、作り手側は考えに考え抜いて作る必要があるのだと教えられたようであり、本当に頭が下がる思いでしたね。 特に感心させられたのが、状況設定の上手さ。 停電が原因の朝寝坊とか、人数の数え間違いとか、二台ある車とか「幼い男の子が一人ぼっちで家に取り残される」状況への持って行き方に、ちゃんと説得力があるんです。 脚本だけでなく、演出も冴えており、とにかくスピーディーに描き切って、すんなり観客が受け入れられるよう仕上げているんだから、これは凄い事だと思います。 序盤の会話にて「蜘蛛」や「ミニカー」が伏線として張ってある辺りも上手いし、人が沢山いて騒がしい家と、誰もいなくなって静かになった家とを対比させるシーンも良いですね。 意地悪かと思われた姉のミーガンが、置き去りにされたケビンを心配しているギャップなんかも、心地良い意外性、ツンデレなキャラクターの魅力を感じられて、実に自分好み。 恐らく本作は、殺人鬼のサンタと主人公の少年が豪邸の中で戦う「ウォンテッド Mr.クリスマス」(1989年)が元ネタの作品であり、しかも内容をマイルドに調整しているもんだから、普通なら物足りなく思えちゃうはずなんですよね。 でも、そこをしっかり「本作独自の魅力」が感じられるよう仕上げてある。 それは勿論、主演のマコーレー・カルキンの力に因るものなのでしょうが…… 自分としては「一人きりになった家の中で、好き勝手やる楽しさ」が描かれている点も大きかったんじゃないかな、と思っています。 勝手に部屋に入って、家族の秘密を暴いちゃうという陰性の楽しみ方から、アイスを山盛りにして食べながら映画を見るという陽性の楽しみ方まで、丁寧に描いてあるんですよね。 特に後者のシーンに関しては(あぁ、子供の頃にコレを観て、何時かは自分も山盛りアイスクリーム食べてやるんだと思ってたなぁ……)(でも、気が付けばその夢を叶えないまま、子供の頃ほどアイスが好きじゃない大人になってたな)と思えたりして、妙にしみじみしちゃいました。 また、本作は少女を観て愛でる「ロリコン映画」と同じように、少年を観て愛でる「ショタコン映画」としての魅力を備え持っている辺りも、重要なポイントじゃないかと思えましたね。 今更言うまでもなく、主演のマコーレー・カルキンは美少年だし、その仕草や、物事に対する反応なんかが、凄く可愛らしい。 劇中で映画(しかも恐ろしい怪物が出たりする訳ではない、単なるギャング映画)を観て怖がる演技なんかは特に秀逸で「生意気で口も悪いけど、意外と可愛い奴だ」と思わせてくれるんだから、お見事です。 家に人が沢山いると見せかける為、音楽のリズムに合わせて人形を動かすシーンも楽し気で良かったですし、サンタの恰好をした男に対し「アンタが偽者なのは分かってる。ボクはもうガキじゃない。でもサンタに雇われてるんでしょう?」と話したりする、絶妙なマセ具合も可愛かったですね。 彼が一世を風靡した名子役となったのも、大いに納得。 そんなカルキンの存在に頼り切り、ひたすら子供目線の「キッズ映画」となっていてもおかしくなかったところを踏み止まって「我が子を想い、何とか家に帰ろうと奮闘する母親の物語」という側面を付け足し、大人目線でも楽しめる「ファミリー映画」に仕上がっている点も、これまた素晴らしい。 「地下室の怪物」の恐怖を乗り越えるエピソードも(確かに子供の頃は、ああいう謎の恐怖心みたいなのがあったなぁ)と思えて説得力があったし、近所の老人との心温まる交流も、如何にもクリスマス映画らしく思えて、ほのぼのさせられました。 一応、難点も挙げておくと、元ネタでは殺人鬼だったのを泥棒に変えた事による弊害か、諸々のトラップに「やり過ぎ」感があり、悪役である泥棒達が可哀想になってしまうって点が該当しそうなんですが…… まぁ、これに関しては「勧善懲悪」の枠内に収まる範疇だし、ギャグっぽく描かれているのでギリギリセーフ、と思いたいところ。 ラストシーンにて、再会した家族には「一連の泥棒退治」について話さず秘密にしておく辺りも「ケビンと観客だけの秘密の共有」感があって、好きですね。 ベタな表現になりますが「クリスマスが来る度に観返したくなる」という、そんな愛着のある映画です。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-12-25 23:59:03)(良:2票) 《改行有》 5. ホリデイ 《ネタバレ》 休日にノンビリ過ごしながら観賞するには、最適の映画なんじゃないかと思います。 それというのも、これって「面白過ぎて目が離せない」とか「続きが気になって仕方無い」とか、そういうタイプの作品じゃないんですよね。 話の展開は王道に則っており、主役の男女四人も予定調和で結ばれて、ハッピーエンドを迎える事になる。 いきなり大きな音がして吃驚させられる事も無いし、劇中の音楽も穏やかで、心地良いものばかり。 だから観賞中、ウトウトして眠くなったら、そのまま寝ちゃったとしても問題無いような、独特の包容力があるんです。 つまりは「退屈な映画」って事じゃないか……とも言えそうなんですが、自分としては好きなんですよね、こういう映画って。 まず、ホーム・エクスチェンジを題材にする事によって「夢のような豪邸」「お伽噺のようなコテージ」の魅力を、両方味わえる形になっているのが上手い。 しかも、劇中のヒロイン達にとっても、その豪邸とコテージは「初めて訪れる場所」である為、新鮮な反応を示す彼女達と観客とが、同じ気分になって楽しむ事が出来るんです。 旅行映画のお約束「新鮮な場所での、新鮮な恋」も描かれているし、素敵な異性以外にも「偏屈だけど、チャーミングな老人」「とっても無邪気で、可愛い子供達」と出会えたりするんだから、もう言う事無し。 「今いる場所から抜け出して、生まれ変わってみたい」という願望を満たしてくれる、実に良質な作品だと思います。 主演の四人も全員好きな俳優さんだし「予告編」や「劇中曲」の使い方も上手い。 リンジー・ローハンとジェームズ・フランコが出演しているという「危険な罠」についても(予告編だけでなく、本編も観てみたいなぁ……)と思っちゃったくらいですね。 老脚本家のアーサーが自力で歩き、階段を登ってみせる場面にて「マイルズがアーサーの為に作った曲」が流れ出す演出も、凄く好み。 正直、アーサーという人物については考え方が懐古主義過ぎて、あまり共感出来ずにいたのですが、この場面の感動によって一気に好きになれた気がします。 「映画は私にとって、永遠の恋人なのです」というスピーチも、心に響くものがありました。 タクシーが「Uターン出来ない道」と言っていたのに、その後に家から車で出掛けたりする場面があるのは戸惑ったし(多分、反対側の道なら普通に車で移動出来るって事なんだと思われます)折角の可愛い子犬が途中から空気になっているという不満点もあるんですが、気になるのはそれくらい。 アイリスが元カレへのメールで「Dear」と書きかけてから消す場面。 グレアムが「ナプキンヘッド」に変身して、幼い娘達を笑顔にする場面。 マイルズがビデオ店にて、色んな映画音楽を紹介する場面。 そしてアマンダが子供時代のトラウマを克服し、涙を流す場面と、主役四人にそれぞれ印象的な場面がある点も良いですね。 劇中の台詞に倣い「ホリデイ」は自分にとって「恋人のような映画」だと、そう紹介したくなるような、素敵な一品でありました。[ブルーレイ(吹替)] 9点(2018-06-22 05:35:41)(良:1票) 《改行有》 6. 星に想いを 《ネタバレ》 数学というテーマを扱ってはいるけれど、作りとしては王道なラブコメ映画ですね。 「相手のハートを射止める為に嘘をつく」→「嘘がバレそうになるけど何とか頑張って誤魔化す」→「相思相愛になる」→「でも嘘がバレる」→「相手が怒って喧嘩になる」→「仲直りしてハッピーエンド」というパターン。 そんな本作の個性としては、やはり作中にアインシュタインという大物を登場させている事に尽きるでしょう。 ウォルター・マッソーが飄々とした演技を披露しており、お茶目で憎めないお爺ちゃんっぷりを見せてくれています。 映画の中盤辺りで気が付いた事なのですが、ティム・ロビンス演じる主人公のエドよりも、むしろ彼の方に感情移入する場面が多いのですよね。 シンポジウムで演説する彼を見守る件、知能テストで答えをジェスチャーしてみせる件、そしてクライマックスで二人が結ばれるかどうかを望遠鏡で見守る件など、監督さんも意図的に彼を観客と同じ立場に置かれているのではないかな、と思えました。 最後にキスする二人を覗き見して、嬉しそうに微笑む姿は、正に観客の心情そのものかと。 ただ、それは裏を返せばエドに感情移入出来ないという事でもあり、映画はアインシュタインが主導する形となっていて、本来の主人公が状況に流されるままの人物としか思えなかった点は残念。 ヒロインのキャサリンが「天才の子供を産みたい」と考えている人物ゆえか、恋敵となるジェームズも知性以外の長所が窺えない人物として描かれており、ちょっと興醒めでしたね。 こういった場合、容姿も頭脳も完璧だけど性格に難ありとか、そういった設定の恋敵の方が「大切なのは互いのハートである」という結論に、自然に繋がったのではないかなと思う次第です。 ヒロインのキャサリンを演じるメグ・ライアンに関しては、流石の貫録というか、流石の可愛らしさ。 エドが一目惚れする展開にも、全く違和感が有りません。 そんな彼女と、星空の下で無事に結ばれるエンディングを目にすれば、多少の不満点などは吹き飛んでしまうのだから、これは凄い事だと思います。 やっぱり、こういった「安心して楽しめる映画」というのは必要なのだな、としみじみ感じました。[DVD(吹替)] 6点(2016-06-05 20:01:20)(良:1票) 《改行有》 7. ホーリー・マウンテン 《ネタバレ》 カルト映画として人気があるみたいですが、それも納得の内容です。 ただ、その魅力が自分には伝わって来ない。 信じてもいない神様についての説法を、延々と聞かされているような気分になってしまいました。 ラストシーンに関しても、映画の世界に入り込んで観ていれば衝撃的なオチだったかも知れませんが、正直「だから何?」としか思えない。 雨が降っている日に「雨が降っているね」と言われて、それっきり会話が途絶えてしまった時のような感覚です。 監督としては、一種のユーモアのつもりで「これは映画だ」という結末にしたのかも知れませんが、それを笑い飛ばす事が出来ない。 映画そのものに対しても、観客に対しても、否定的なニュアンスを色濃く感じてしまいました。 好きになってさえしまえば、それらの諸々も愛嬌に感じられて、とても楽しめそうな作品であるだけに、残念です。[DVD(字幕)] 0点(2016-04-08 08:53:39)《改行有》
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