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1. メジャーリーグ
《ネタバレ》 スポーツ物の映画って当たり外れが大きく、特に野球モノというと、突出した作品が生まれにくいのかもしれません…なんでだろ?野球を題材にした漫画は名作もたくさんあるのに、映画やドラマとなると極端に数が少なくなる。考えたら1試合3時間近いのに、それを約2時間の映画に収めるのは、やっぱ難しいのかな?
そんな映画には不向きっぽい野球映画のなかでも、このメジャーリーグは、スポーツコメディとして王道と言える面白い作品だと思います。
インディアンズは本当に弱いチームだったみたいですね。当時常に最下位争いしてるようなチームで、そんなチームを取り上げて、本拠地移転という危機を創り出し、クセのある選手たちが集まって、さぁどうなるか?って映画です。
チームのグズグズ感。新オーナーの悪女っぷり。どんどん劣悪になるホスピタリティ。チームのダメダメ感がよく出ています。
日本のスポ根モノと違って、別にハードなトレーニングで強くなるわけではなく、能力のある選手たちが自分の力を存分に発揮して、勝利を掴んでいく展開。選手たちの歯車が噛み合って、スーパープレイがジャンジャン出てくる後半の展開。オーナーのボード作って試合に勝つたびに、1枚づつ衣装を剥がしていく悪ノリ具合。嫌いじゃないです。
今でもスポーツニュースの定番曲『WILD THING』、インスト曲『Pennant Fever』は観ていて&聞いていてテンションアゲアゲ。リッキーに気合を入れるロジャー。徐々に球が走るリッキー。塁に出たウィリーの「9フィート先さ」は鳥肌モノの名セリフ。そしてジェイクの予告ホームラン。最後の1試合に、野球の醍醐味を全部詰め込んできた。
もうね、この一作で全力投球。この題材のオイシイ所は全部出し切ったと思います。[地上波(吹替)] 7点(2023-06-26 10:02:21)《改行有》
2. メンフィス・ベル(1990)
《ネタバレ》 -Memphis Belle- “メンフィスいち美しい女の子”乗機B-17の名前。爆撃機には船の“ナントカ丸”みたく名前があるみたい。初視聴はレンタルビデオで、結構好きな映画なんだけど、辛口評価が多いんですねぇ。
B-17の実機が登場するのが目玉。B-17の銃座がどんな位置にあり、誰がどんな任務を担当したのか。そして昼間爆撃とはどんな任務か、どれくらい被害があったかが、この映画1本で解る仕組みになっている。
特撮はリアルとはいえないけど、一瞬で爆散するでなく、また数秒で墜落するでもなく、じわじわと悲惨な最後を遂げるB-17の姿。落ちる機中にも10人の若者が乗っていて、恐怖のなか死んでいく現実。そして最後、自機の車輪が出ないことでどんな惨状が待っているか、冒頭の機体炎上で観せるのも上手い。
戦争を舞台にした青春映画として、若者たちの生きるための精一杯の努力を描いていたと思う。いがみ合っている同士が見せる優しさ、イザという時に見せる勇気。ヴァルが医師の経歴詐称を暴露したり、ダニーが自作のでなくイェイツの詩を読んだことを暴露したりと人間臭い。
戦略爆撃には2通りがあって、ピンポイントで軍需工場とか軍港を爆撃する精密爆撃(敵国の軍事力破壊が目的)と、敵都市を無差別に爆撃する絨毯爆撃(敵国民の戦意喪失が目的)があって、メンフィス・ベルたちの任務は前者。
また当時の連合国はまだ絨毯爆撃はしてなくて(といっても劇中の数カ月後からバンバン落とす)、誤爆とか事故、故意に住宅地に落とした以外、映画のような描写、考え方であっていたと思う。
先導機のウインディ・シティ号が落ち、後任のCカップ号も戦線離脱して、メンフィス・ベル号が先導機に。もし2回目の旋回でも工場が見えなかったら『ここだ!(と思う)』で爆弾落としてたかもしれないし、誰も反対しなかっただろう。
偶然にも雲が晴れて、目標も映画もスッキリとした終わり方。戦争映画でスッキリって表現は違和感を感じるかもだけど、アメリカが創る第二次大戦を舞台にした映画って、戦争の悲惨さとかをテーマにした映画より、娯楽要素の強いドンパチ映画が多かったと思う。本作はイギリス主体で制作されたらしいけど。
メンフィス・ベルは古き良き戦争映画のスタイルに、爽やかな青春映画要素を組み入れた映画で、公開当時はまだ『ベトナム戦争映画は真面目に。第二次大戦は娯楽にして良い。』のような風潮があったように思う。なにせ第二次大戦の連合国は善で、ナチや日本は悪。特にアメリカの力で世界平和を勝ち取った戦争。と考えていたから。
'80年代以降ベトナム戦争のドロドロを描写した映画が増えて、なんか実際の戦争を娯楽にするのに抵抗感が生まれていったんだと思う。
空気を読まずに完全娯楽作として作られたパールハーバーが、戦争娯楽映画にとどめを刺した印象。[ビデオ(字幕)] 7点(2022-08-14 16:28:47)《改行有》
3. めぐり逢えたら
《ネタバレ》 原題は『シアトルの眠れない(男)』ラジオの“通称”から
私は未視聴だけど『めぐり逢い』という映画があっての『めぐり逢えたら』という邦題は、実にお洒落だと思う。
当時トム・ハンクスはコメディ俳優で時々泣かせる役もするイメージが強く、同年のフィラデルフィアから演技派俳優としての地位を築いていく、ちょうど過渡期の恋愛コメディ。
メグ・ライアンは日本でも人気のハリウッド女優の絶頂期。文句なくキュートで美しい。
妻の死から恋など無縁になったサム。父親に出会いを望む息子ジョナのラジオをキッカケに、ヴィクトリアとの恋を育んでゆく。彼女の独特な笑い声は、サムを明るく元気にさせた。
一方、アニーはウォルターとの婚約から現実を直視してしまい『私、若さも美しさも今がピークなのに、今後恋愛は出来なくなるけど、ホントにそれで良いのかしら?』と、30前後の結婚間近の女性なら誰しも思うジレンマに陥っている最中、偶然ラジオで泣けるエピソードを聞いてしまう。
グーグルもFBも無い時代、アニーは新聞記者の特権を活かし、社のデータベースで情報検索したり、探偵を雇ったりしてサムの素性を調査する…
サムに明るいヴィクトリアはお似合いだし、サムがアニーにときめいたのは、アニーが美人だったからとしか思えない。
アニーがいくら美人でも、ウォルターほど気持ちが通じ合って、人間が出来た人と結婚する機会は、きっと人生で何度と無いだろう。
アニーの思い付きと美貌と行動力に振り回されたウォルターとヴィクトリアに、今後素晴らしい出会いがあることを願わずにはいられない。
特攻大作戦、危険な情事、「唾でも吐くのかい?」記憶に残る笑える要素は多い映画。
日中、なんでサムの家のソファーに女が座っているのか解らず。しゃべらないしサムからは空気みたい扱いだったし「奥さんの幽霊?」って思ってしまったバカです。ごめんよクラリス。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-17 00:00:53)《改行有》
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